マンション経営は、不動産投資のなかでも安定した収益を狙える方法です。しかし、1棟まるごと管理することから、リスクにも注意しなければなりません。
堅実なマンション経営を行っていくためにも、マンション経営のメリット・デメリットに加え、リスクが高い理由を把握しましょう。今回の記事では上記の内容に加え、マンション経営で失敗しない対策を紹介しています。
マンション経営とは
マンション経営とは、その名前のとおり「マンション1棟をまるごと所有する賃貸経営」です。1部屋ごとに所有する区分マンション経営と異なり、マンションのオーナーとしてすべての部屋を管理します。毎月入居者から支払われる家賃収入や、マンションを売却することによるキャピタルゲインが収益となります。
マンション経営のメリット
マンションを1棟まるごと運用する方法には、どのようなメリットがあるのでしょうか。区分マンション経営との違いにも触れながら、4つのメリットを紹介します。
1.空室リスク分散による安定した家賃収入を狙える
1つ目のメリットは、安定した家賃収入を狙いやすいことです。仮に、1部屋しか所有していない状態で空室が発生すると、家賃収入が途絶えてしまいます。
一方、マンション経営として複数の部屋を所有することで、一部の部屋に空室が発生していても、ほかの部屋が埋まっていれば家賃収入を確保できます。もちろん、大半の部屋で空室が発生しているのは危険ですが、空室の割合を抑えやすいのが1棟マンション経営の強みです。
2.節税効果を期待できる
マンション経営は、固定資産税、相続税、所得税・住民税などの節税効果を期待できます。たとえば、仮に広大な土地を保有している場合、土地として保有し続けるよりも、マンションなどの建築物を建てた方が固定資産税を軽減できます。
参考記事:不動産投資で固定資産税はいくらかかる?計算方法やシミュレーション
また、マンションの取得費用を法定耐用年数で分割し、減価償却費として経費に計上できます。不動産所得を減額することで、所得税・住民税の節税効果にもつながります。
参考記事:不動産投資の経費はどこまで含まれる?含まれない項目との違いやポイント
3.インフレ対策につながる
マンションを保有することで、インフレ時のリスク対策にもつながります。通常、インフレではモノの価格が上昇する一方で、相対的にお金の価値が下がってしまいます。
つまり、インフレ時に現金のみを資産として保有していると、資産が目減りするのです。しかし、マンションをはじめとする不動産を所有していれば、物価の上昇とともに価格が上がる傾向にあるので、インフレ時に資産価値が下落するのを防げます。
4.生命保険の代わりになる
マンションだけに限らず不動産は、生命保険の代わりに役立ちます。不動産投資を始める際に、不動産投資用ローンを借り入れることが多いですが、ローンの契約時に「団体信用生命保険」に加入します。
団体信用生命保険に加入することで、ローンを借り入れた投資家本人が亡くなった場合、保険で残りのローンが返済されます。また、投資家の遺族にマンションの所有がそのまま移り、入居者がいればそのまま家賃収入を継続して得られるほか、マンションを売却した場合にはキャピタルゲインを得られます。
マンション経営のデメリット
資産運用や節税対策にメリットが多いマンション経営ですが、デメリットにも注意しなければなりません。メリット以外に、どのようなデメリットが存在するのかも確認しましょう。
1.多額の初期費用やランニングコストがかかる
マンション経営では、多額の初期費用やランニングコストがかかってしまいます。そもそも、マンションを1棟購入することになるので、1部屋ごとに購入するケースよりも初期費用が必要です。
また、ランニングコストに関しても、マンション全体の修繕費や維持費などに加え、不動産投資用ローンを借り入れている場合は、返済の負担も発生します。初期費用やランニングコストの見積りが甘く、キャッシュフローに影響が出ないように注意しなければなりません。
2.さまざまなリスクが存在する
マンション経営には、さまざまなリスクが存在します。主に、空室リスク、家賃滞納リスク、金利上昇リスク、売却リスク、災害リスクなどが挙げられます。
上記のリスクが存在する以上、マンション経営を行うなかでリスク対策を進めていかなければなりません。たとえば、空室リスクへの対策はマンション購入前に賃貸需要の高い物件を念入りに調べること、家賃滞納リスクは入居者の募集条件を厳しくするなどの対策をしましょう。
3.資産として流動性が低い
多種多様な資産があるなかで、マンションは流動性が低い資産であると言われています。リスクのなかでも挙げたように、マンションは売却したいときにすぐに売れるとは限りません。
また、仮に購入希望者を見つけたとしても、必ずしも希望の売却額で売れない可能性もあります。マンション経営で成功するためには、購入時や賃貸付けだけでなく、最終的な出口戦略も考えるようにしましょう。
4.建物の老朽化に伴い出費が増える
マンションは、時間が経つごとに老朽化が進んでいきます。老朽化が深刻な状態になると、入居者からの需要が減少してしまうだけでなく、原状復帰のために多額の出費が発生する可能性が考えられます。
あらかじめ修繕費を確保しておくためにも、管理会社が策定した修繕計画に基づいて、修繕金を積み立てておかなければなりません。老朽化の修復に伴い、想定外の出費とならないように気をつける必要があります。
なぜマンション経営は「儲からない」、「やめとけ」と言われるのか
マンション経営を始めようと調べているなかで、「マンション経営は儲からない、やめとけ」というコメントを見たことがある方も多いのではないでしょうか。
マンション経営は儲からない、やめとけと言われている理由を解説します。
キャッシュフローの計算が難しい
マンション経営は、キャッシュフローの計算が難しい点に注意が必要です。たとえば、全体の部屋数に対して9割埋まっている想定で収益をシミュレーションしていたところ、想定よりも部屋が埋まらず、シミュレーションの数値から大きくズレてしまう可能性があります。
また、突発的な出費も多いので、さまざまなケースでシミュレーションを行う必要があります。
不動産投資の知識を学ぶのに時間がかかる
マンション経営を含む不動産投資を行ったことがない方は、一から不動産投資の知識を学ばなければなりません。とくに、マンション経営は、マンションの管理方法や、物件の探し方、あらゆるリスクへの対策など、知識を学ぶのに時間が必要です。
もちろん、マンション経営に成功すれば、多額の収益を得られますが、失敗する可能性もゼロではありません。知識習得に時間がかかってしまう割には、失敗するリスクも高いため、「マンション経営はやめとけ」と言われているのです。
どの不動産仲介会社に相談するか迷いやすい
マンション経営を始めるにあたって、どの不動産仲介会社に相談するか迷うことがあります。不動産仲介会社の数自体が多いことや、どのような物件・エリアに強みを持っているかも仲介会社ごとに異なるためです。
また、悪質な不動産仲介会社も少なくなく、意図的に相場よりも高額な価格で売られてしまったというトラブルもあります。複数の不動産仲介会社に問い合わせたうえで、担当者の対応や、マンション経営の目標が達成できそうなのかもチェックしましょう。
マンション経営のリスクや失敗を避ける方法
マンション経営は注意点も多く、慎重な運用が求められます。最後にマンション経営を行うなかで、リスクや失敗を防ぐための方法を紹介します。
立地の調査から出口戦略までの計画を立てる
マンション経営のリスク・失敗を防ぐためには、マンションが立地するエリアの調査や最終的な出口戦略に関する計画を立てます。空室リスクに備えて、賃貸需要が高いエリアを中心に物件を探したり、競合物件をチェックしたりすることも大切です。
また、数年〜数十年後のマンション売却を検討している場合は、買い手の需要も考慮しなければなりません。マンションの立地、設備、賃貸需要の高さなど、買い手にとってメリットとなることも考えながら、物件を選定しましょう。
1部屋(区分マンション経営)から購入してみる
マンション1棟の経営に対して不安を感じている場合は、区分マンション経営という形で1部屋から購入してみることも検討しましょう。1部屋であれば、マンション1棟経営よりも初期費用やランニングコストを抑えられるので、金銭的なリスクを軽減できます。
とくに、不動産投資やマンション経営に関する知識が身についていない場合、区分マンション経営でじっくりとノウハウを学ぶことも可能です。空室リスクには注意が必要ですが、選択肢の1つとして考えてみてください。
海外不動産も候補に入れる
今後の収益を拡大させていきたい場合には、日本国内だけでなく、海外の不動産にも注目してみましょう。とくに、東南アジア諸国は経済成長が目覚ましく、不動産価格の上昇にも期待できます。
また、なるべく金銭的なリスクを抑えたい方向けに、1000万円台で購入可能な物件や、月々10万円台の分割払いに対応した物件もあります。カンボジアの首都プノンペンでは続々と高層マンションの建設も進んでおり、不動産投資で収益を狙えるチャンスがあります。
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不動産仲介会社のセミナーに参加する
マンション経営に関する知識を身につけるのが難しい方は、不動産仲介会社が主催するセミナーへの参加も検討してみてください。不動産投資に精通した営業担当者が講義を行い、マンション経営のノウハウや、収益が出やすい物件の特徴などを紹介してくれることがあります。
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まとめ
マンション経営は、メリットだけでなく、デメリットも多いことに注意が必要です。1棟まるごと購入することから、金銭的な余裕が求められるほか、あらゆるリスクへの対策が求められます。
一方で、対策を十分に取れば、安定した収益を狙えるだけでなく、マンション売却による収益が期待できます。不動産投資の専門家に相談したり、経済成長が著しい海外の不動産を購入候補に入れたりしながら、マンション経営の戦略をしっかりと立てましょう。