バルセロナは、スペインの文化と経済の中心地であり、美しい海岸線と歴史的な建築物で世界的に知られています。

不動産価格が安定的に成長を続けているバルセロナは、居住用だけでなく、投資目的での購入を検討する方にとっても魅力的です。

しかし、スペイン特有の法制度や税金、さらには賃貸規制など、投資を成功させるためには理解しておくべき点も多くあります。

本記事では、バルセロナ不動産投資のメリットとデメリット、購入の流れや必要な手続き、さらにおすすめの投資エリアについて詳しく解説します。これから投資を検討する方にとって、ぜひ参考にしてみてください。

バルセロナの概要

バルセロナは、スペイン北東部に位置するカタルーニャ州の州都であり、地中海に面した美しい都市です。この都市は、観光業を中心に商業や文化、情報テクノロジーなど多岐にわたる産業が発展しており、スペイン経済の中核を担っています。

また、歴史的建造物や美術館が点在する文化的な都市としても知られ、国内外から多くの観光客が訪れる人気のエリアです。

加えて、バルセロナは高い生活水準と優れた交通インフラを備えており、住みやすさの面でも評価されています。

市内には国際空港や高速鉄道が整備され、ヨーロッパ各地へのアクセスも良好です。以下に、バルセロナの基本情報を表にまとめました。

項目概要
人口約160万人
言語カタルーニャ語、スペイン語
宗教キリスト教(カトリック)が大半
主要産業観光業、商業
為替1ユーロ=約160円(2025年1月時点)
在留邦人数約3,300人(2023年10月)

 

バルセロナ不動産投資のメリット

バルセロナの不動産投資にはいくつものメリットがあります。今回はバルセロナ不動産投資のメリットを3つご紹介します。

日本人から人気

バルセロナは日本人にも人気が高く、魅力的な生活環境と多彩な文化が評価されています。多くの日本人が観光やビジネス目的で訪れるほか、住環境の良さや都市部での利便性が投資家にとっても大きな魅力となっています。

2024年の統計によると、スペイン在住の総邦人数の34%がこのエリアに住んでいます。日本企業の進出も目立ち、さらに日本人の需要を高める要因となっています。

【出典】在バルセロナ総領事館

高い利回りと将来的な成長可能性

バルセロナの不動産市場は過去数年間で安定的な成長を遂げています。観光業の盛況や経済の安定に伴い、賃貸物件の需要が高まっています。物価や家賃水準が緩やかに上昇しており、将来的な利回りの向上が期待されています。

バルセロナ不動産価格推移

【出典】Real Estate Market Barcelona|Indomio

このグラフが示すように、コロナ禍の時期においては不動産価格の下落が見られたものの、観光需要の復活による景気の改善により再び上昇傾向です。

また、周辺地域の開発が進むことで新たな需要も生まれ、不動産価値が一層押し上げられる可能性があります。さらに、住宅ローンの低金利環境が追い風となり、投資の魅力を高めています。

観光エリアとしての完成度

バルセロナは観光地として世界的に知られています。サグラダ・ファミリアやカンプ・ノウなどの有名な観光スポットが点在し、観光客の増加が不動産市場にもプラスの影響を与えています。

観光地近隣の不動産は短期賃貸物件としても人気で、高い稼働率が見込めます。

このように、観光業の成功は不動産投資の安定的な収益につながっています。さらに、国際イベントの開催も頻繁であり、都市の魅力をさらに強化しています。

バルセロナ不動産投資のデメリット・リスク

バルセロナ不動産投資のメリットを先にご紹介しましたが、デメリットやリスクがあることも事実です。以下に解説する3つのマイナス面に気をつけて不動産投資を検討することをおすすめします。

観光業に依存する経済

スペインの経済は観光業に大きく依存しているため、観光客数が減少するパンデミックや景気後退が経済に直接影響を与えるリスクがあります。

また、経済成長が他のEU諸国と比較して緩やかであることが、一部の投資家にとって不安材料となる場合があります。さらに、税制変更や法規制の強化もリスクとして挙げられます。

日本と比べてコストが高い

バルセロナでの不動産購入には、購入時の印紙税や登記費用、弁護士費用などが必要であり、日本国内の取引と比べるとコストが割高になる場合があります。

これに加えて、物件の維持管理費や賃貸運営費も相対的に高くなる可能性があります。こうしたコストは、長期的な収益性を考える際の不安要素です。

賃貸規制と短期賃貸の制限

バルセロナ市は観光客増加に伴い、賃貸規制を強化しています。特に短期賃貸市場においては、ライセンスの取得が義務付けられており、新たなライセンスの発行は厳しく制限されています。

このため、短期賃貸を目的とした投資家にとっては収益性の確保が難しい場合があります。規制違反には高額な罰金が科されるリスクもあるため、法律遵守が重要です。

長期賃貸にシフトする場合でも、賃貸契約に関する法的な制約を考慮する必要があります。

バルセロナのおすすめ投資エリア3選

バルセロナと一括りにいっても、様々な特色のエリアが点在しています。今回はバルセロナでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。

グラシア街道

グラシア街道は高級ブランド店やおしゃれなカフェが立ち並び、地元住民にも観光客にも人気のエリアです。

この地域は商業活動が活発で、短期および長期賃貸物件の需要が高いことが特徴です。さらに、周辺には歴史的な建造物も多く、文化的な価値も兼ね備えています。

エステルラ地区

近エステルラ地区は、大学や研究機関が多く集まる教育と文化の中心地です。この地域では学生や研究者をターゲットとした賃貸物件の需要が高まっており、特に単身向けや小型のアパートメントが人気です。

加えて、交通の利便性が良く、長期的な資産価値の維持が期待されています。

サンツ地区

サンツ地区は主に住宅地として知られていますが、大型ショッピングモールや主要駅であるサンツ駅があるため、観光客や通勤者にも需要があります。

静かで落ち着いた住環境を提供しており、家族向けの物件が多いのが特徴です。この地域は比較的手頃な価格でありながら、成長の可能性を秘めています。

バルセロナ不動産投資に関する税制・法制度

バルセロナ不動産投資を検討する際、課される税金や法制度についての理解は重要です。他国と共通の基本的なものから、スペイン特有の制度までご紹介します。

バルセロナ不動産購入にかかる税金

スペインで不動産を購入する際には、いくつかの税金が発生します。

代表的なのは不動産取得税(ITP)で、通常、物件価格の10〜11%が課税されます。

新築物件の場合は代わりに付加価値税(IVA)が適用され、税率は物件のタイプにより異なります(一般的に10%)。

これに加え、登記にかかる登録税も必要で、約1%が追加費用となります。これらの税金は購入時に一括で支払う必要があるため、事前に資金計画をしっかり立てておくことが重要です。

外国人のバルセロナ不動産購入に関する規制

スペインでは、外国人でも自由に不動産を購入することができます。ただし、購入手続きにはいくつかの規制があります。

まず、購入者はスペインの納税者番号(NIE)の取得が必須です。これがないと契約書の締結や税金の支払いができません。また、特定のエリアでは地元住民保護のために規制が強化される場合があります。

加えて、短期賃貸用物件については許可制が敷かれており、新規ライセンスの取得が制限されることがあります。これらの規制を理解し、適切に対応することで、安心して不動産購入を進めることが可能になります。

バルセロナで不動産を購入する4つのステップ

ステップ1:理想の物件を見つける

地域特性や需要を調査し、投資目的に合った物件を選定します。市場のトレンドや近隣の開発計画も確認し、長期的な収益が見込めるエリアを選ぶことが重要です。

また、不動産ポータルサイトやエージェントを活用して最新の物件情報をチェックしましょう。

ステップ2:物件の詳細な検証

物件の法的状態や構造的な問題がないかを確認します。建築基準への適合性、周辺環境、そして修繕が必要な箇所がないかを専門家に依頼して調査します。

これには、建物の法的な権利関係など専門的な視点も含まれるため、信頼できる不動産会社を探すことをおすすめします。

ステップ3:購入手続きと契約締結

契約書の作成や交渉、法的手続きは弁護士の助けを借りて進めます。売買契約では、物件の条件、価格、支払い方法、引き渡し日などの重要事項を明確にします。購入意向書(LOI)や予約金の支払いもこの段階で行います。

ステップ4:資金計画と税務対応

融資条件や税務対応を事前に計画します。住宅ローンの申請に必要な書類を準備し、銀行との交渉を進めます。

また、購入後の固定資産税や所得税、そして賃貸収益にかかる税金の管理も含めた総合的な資金計画を立てることが成功の鍵です。

バルセロナ不動産購入にかかる費用

ここでは最新情報を基にバルセロナのエリアごとの平米単価や税金以外の諸費用についてご紹介します。

バルセロナの平米単価と物件相場

2024年現在、バルセロナ市内の平均平米単価は約4,000〜5,500ユーロとされています。

高級エリアや観光地周辺では平米単価が6,000ユーロを超えることもありますが、郊外や住宅地では3,000ユーロ前後で購入できる場合があります。

特にグラシア街道やエクサンプル地区では、高い需要と価格上昇が続いており、投資対象としても魅力的です。

バルセロナ不動産価格ヒートマップ

【出典】ミラノ物件価格ヒートマップ|Indomio

バルセロナ不動産購入にかかる諸費用

バルセロナで不動産を購入する際には、物件価格に加えて以下の諸費用が必要です。

費用概要
不動産取得税 (ITP)物件価格の10〜11%が課税
登記費用と公証費用1,000〜2,000ユーロ程度
弁護士費用物件価格の1%〜1.5%が一般的
住宅ローン手続き費用銀行手数料や評価費用など、合計で最大1,000ユーロ程度

これらを考慮すると、物件価格の約12〜15%が追加費用として見込まれます。詳細な計画を立てる際には、これらの費用を正確に把握し、予算に余裕を持たせることをおすすめします。

バルセロナ不動産に関するよくある質問と回答

Q. バルセロナ不動産の相場は?

バルセロナの不動産相場はエリアによって大きく異なります。2024年現在、市内中心部の平均平米単価は約4,000〜5,500ユーロですが、高級住宅街や観光地では6,000ユーロ以上になる場合もあります。

一方で、郊外や住宅エリアでは平米単価が3,000ユーロ程度で購入可能な物件も見られます。エクサンプル地区やグラシア街道などの人気エリアでは価格が上昇傾向にあり、投資対象としても注目されています。

Q. バルセロナの土地は外国人でも購入できる?

スペインでは外国人も土地を購入することが可能です。ただし、土地購入に関しては住宅用地や商業用地などの用途制限が存在します。

また、都市計画に基づく規制が適用されるため、購入前に用途や建築可能な条件を確認することが重要です。

さらに、購入者はスペインの納税者番号(NIE)を取得し、税務手続きも進める必要があります。適切な専門家のアドバイスを受けることでスムーズに手続きを行えます。

まとめ

バルセロナの不動産投資は非常に魅力的な一方、税制や規制、経済的なリスクを考慮する必要があります。投資判断を踏み切る前に、現地の情報収集や他国との比較を入念に行うことが大切です。

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