
日本の低金利・人口減少により、国内だけで資産を増やすのは年々難しくなっています。そこで注目されているのが、海外不動産投資。成長国の都市開発や若年人口の厚み、通貨分散の効果を取り込みながら、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(価格上昇益)の両輪で中長期の資産形成を狙えるのが魅力です。一方で、法制度・税制の違い、為替、現地管理など特有のリスクも無視できません。
本記事では、初心者にも分かりやすく、投資経験者にも納得感のある形で「海外不動産投資の全体像」を整理します。まずは国内投資との違いを押さえ、6つのメリットと主なリスクをバランスよく解説。さらに、長期資産形成の観点(収益性・通貨分散・承継)を深掘りし、始め方のステップ、収益が狙えるおすすめ国の比較ポイントまでをワンストップでご紹介します。
こんな方におすすめです:
国内の不動産や金融資産に偏ったポートフォリオを見直したい
円安・インフレに備えて通貨分散を取り入れたい
老後資金や相続・承継まで見据えた中長期の運用設計をしたい
東南アジアや米国など、国別の実態を比較して判断したい
読み終える頃には、海外不動産投資を「なんとなく良さそう」から「自分にとって実行可能か」まで評価できる基準が手に入ります。
海外不動産投資とは?国内投資との違い
海外不動産投資とは、日本国内ではなく、マレーシア・タイ・フィリピン・アメリカ・ドバイなど海外に所在する不動産を購入し、運用する投資手法です。物件の種類はコンドミニアム(区分マンション)、戸建て住宅、商業施設、土地など幅広く、主に「賃貸収益(インカムゲイン)」と「売却益(キャピタルゲイン)」を狙うことが目的となります。
国内不動産投資との違い
海外不動産投資と国内投資には、次のような大きな違いがあります。
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市場環境の違い
日本は少子高齢化で人口が減少しているのに対し、東南アジアや中東の国々は人口増加や都市開発により住宅需要が拡大している地域が多いです。将来的な物件価格や賃料の上昇余地は、日本よりも海外市場の方が大きい場合があります。
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通貨・為替リスク
国内不動産は円建てで資金計画が立てやすい一方、海外不動産は米ドルや現地通貨建てでの取引が多いため、為替の変動が投資リターンに影響します。
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法制度・規制の違い
日本では外国人でも比較的自由に不動産を購入できますが、海外では「外国人は土地所有不可」「特定地域のみ購入可能」といった制限が存在する国もあります。投資前に各国の不動産法や規制を確認することが欠かせません。
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利回り・投資効率
日本の住宅投資は利回り3〜5%程度が一般的ですが、海外では国やエリアによって6〜10%以上を狙える市場もあります。ただし、高利回り市場ほどリスクも大きい傾向があります。
海外不動産投資を選ぶ理由
国内不動産投資では得られない「人口増加による成長余地」「インフレに強い資産」「資産分散効果」が海外不動産投資の魅力です。一方で、言語・法律・為替などのハードルもあり、「高リターンだが、情報収集とリスク管理が必須の投資手法」といえます。
海外不動産投資がおすすめな理由/6つのメリット
海外不動産投資には、日本国内の不動産投資では得られないメリットが数多く存在します。キャピタルゲインを狙える市場の多さ、賃貸需要の安定、リスク分散、為替差益の期待、そして優遇制度や税制面の恩恵が挙げられます。これらのメリットを最大限に活かすことで、安定した収益が期待できます。
日本と比べて格安で購入可能
特に東南アジア諸国(フィリピン、マレーシア、タイ、ベトナム、カンボジア)の不動産価格は、都心部においても比較的安価で購入できます。
市内中心部価格相場(㎡あたり) | 郊外価格相場(㎡あたり) | |
日本(東京) | 約162万円 | 約79万円 |
タイ(バンコク) | 約89万円 | 約42万円 |
フィリピン(マニラ) | 約55万円 | 約36万円 |
マレーシア(KL) | 約46万円 | 約22万円 |
ベトナム(ハノイ) | 約48万円 | 約27万円 |
カンボジア(プノンペン) | 約33万円 | 約20万円 |
【出典】NUMBEO|Cost of Living / Property Prices(都市別ページ参照)
東南アジアにおいて経済的にも観光的にも注目を集めるタイの首都、バンコクにおいても1平米当たりの価格相場は東京の約半分程度です。
その他の国においては日本の4分の1以下の都市もあり、今後の成長の期待感も加味すると割安であると言えます。
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キャピタルゲインが狙える市場の多さ
日本の不動産価値は近年上昇を続けているものの、91年のバブル以降、目覚ましい上昇を見せることはなく、諸外国の水準と比べると低く推移しています。
その一方、海外市場には、まだ発展途上の地域が多く存在し、不動産の価値が急上昇する可能性があります。とくに、東南アジアをはじめとする新興国では、経済成長とともに不動産価格も上昇しやすく、将来的な売却益が見込めます。
また、成熟した市場であっても、戦略的に立地を選ぶことでキャピタルゲインを狙えるチャンスが増えます。こうした市場を見極めることが、海外不動産投資における成功の一歩です。
賃貸需要が旺盛な地域での安定収益
一般的に、不動産投資では人口増加や都市化の進行が著しい地域では、賃貸需要が安定しています。賃貸物件に対する需要が高い地域は、空室リスクが低く安定収益が期待できます。
経済成長が著しい国は、不動産の価値上昇が期待される市場となります。たとえば、新興国でのインフラ開発や産業の発展により、キャピタルゲインが狙える場合が多いです。
また、人口動向も賃貸需要に直接影響するため、人口増加率が高い国では賃貸需要が安定しやすくなります。特に、若年層が多い国は、長期的な経済成長の期待が持てるため、投資先としての魅力が高まります。
【出典】CIA World Factbook |Population Pyramid by Region
日本と比較すると、東南アジア諸国の総人口における若年層比率が非常に高いことが分かります。若年層が多い国においては賃貸需要とマイホーム購入需要が安定的に存在するため、キャピタルゲインに加えて賃貸収入等でインカムゲインを狙う方にもおすすめの投資先です。
また、観光地や経済特区などでも需要が増加しているため、立地選びが収益安定に大きく影響します。安定した賃貸収益を目指すには、地域の需要動向を把握することが重要です。
投資先分散によるリスクの軽減
海外不動産投資は、投資先を分散することでリスクを軽減できます。国内不動産に偏らないことで、経済や市場動向の変化に対するリスクを分散できます。
日本においては自然災害のリスクにも注意する必要があります。今後30年以内の巨大地震の発生予測としては、マグニチュード8〜9の南海トラフ地震の発生確率は70〜80%、マグニチュード7の首都直下型地震の発生確率が70%とされています。
そのため、日本国内市場に依存しない収益源を持つことは、長期的な資産の安定性に寄与します。分散投資は、投資全体のリスク管理を強化する手段として有効です。
為替差益の期待と通貨リスクヘッジ
為替変動による差益も、海外不動産投資の魅力の一つです。たとえば、円安時には、円での利益が増加するため、通貨の強弱を見極めることで収益が向上します。
また、為替リスクは、投資収益に大きな影響を与えます。特に現地通貨が安定している国は、収益が為替変動によって目減りするリスクが低く、長期的な資産形成に適しています。
現地通貨が強い国では、将来的に為替差益が期待できるため、安定した投資環境と収益が見込めます。投資先通貨の動向を常にチェックし、適切な対策を講じることが重要です。
国による優遇制度と税制メリット
海外の一部の国では、外国人投資家に対して優遇措置が提供されることがあり、税制面でのメリットが得られる場合があります。優遇制度により、税負担が軽減されるため、投資収益を最大化できます。
また、外国人が不動産を購入しやすい法制度が整っている国は、手続きや契約の透明性が確保されていることが多く、リスクが低減します。
ただし、税制の理解は、投資パフォーマンスに直結するため、投資前に調査することが不可欠です。税制の恩恵を上手に活用することが、収益拡大の鍵となります。
長期資産形成の観点から見た海外不動産の強み
海外不動産投資の真の価値は、短期的な利回りや価格差益にとどまりません。むしろ、長期的な資産形成の柱として活用できる点にこそ大きな強みがあります。国内資産だけに依存するのではなく、成長する海外市場に不動産を保有することで、将来にわたる安定と資産拡大の可能性を得られます。
インカムゲインとキャピタルゲインの両立
海外不動産は、家賃収入という安定的なインカムゲインと、不動産価格上昇によるキャピタルゲインの両方を狙える資産です。特に人口増加や都市化が進む新興国では、長期的に賃料も物件価値も上昇する傾向があり、持ち続けるほど資産が育つ仕組みを構築できます。
通貨分散でインフレや円安に備える
長期の資産形成において大きなリスクとなるのが「円の価値下落」です。国内資産だけでは円安時に購買力が低下しますが、海外不動産を保有すれば米ドルや現地通貨建てでの収益を得られ、通貨分散による資産防衛が可能です。円安局面ではむしろ円換算での収益が増えるため、インフレ対策としても有効です。
資産承継・相続の選択肢を広げる
資産形成は「増やす」だけでなく「次世代につなぐ」ことも重要です。海外不動産は国によって相続税や贈与税の仕組みが異なるため、日本国内の相続税負担を抑えつつ、国際的に資産を承継できる選択肢になります。また、物件購入を通じて長期滞在ビザや投資移民制度を利用できる国もあり、資産形成とライフプラン形成を両立できる点も特徴です。
老後資金・ライフスタイル設計にも活用可能
安定した家賃収入は、年金に加えて老後の生活資金として活用できます。また、将来的に自分自身や家族が居住する拠点としても利用できるため、「投資用」から「実需用」へと柔軟に切り替えられるのも海外不動産ならではの強みです。
海外不動産投資の6つのリスクとデメリット
海外不動産投資に関して、デメリットやリスクを懸念する方も多くいらっしゃいます。
法制度や税制の違い、為替リスク、賃貸管理の難易度、そして国情の不安定さなど、慎重な対策が必要な部分をご紹介します。
法制度や税制の違いによるリスク
海外不動産投資には、国ごとに異なる法制度や税制が関係します。現地の法制度に不慣れな場合、契約時のリスクが増大する可能性があり、慎重な確認が必要です。
また、税制の変更が突然行われるケースも多く、収益に影響を及ぼす可能性があります。法制度や税制を十分に理解し、リスクに備えることが大切です。
例えば、ベトナムやフィリピンにおいては、コンドミニアム1棟あたりの外国人の部屋の保有割合が定められています。こうしたルールを知らずに物件を購入してしまうと、外国人購入制限枠の関係で自分の好きなタイミングでの物件の購入や売却ができないといった問題が発生します。
為替リスクと通貨変動の影響
為替リスクは、海外不動産投資の大きなデメリットです。現地通貨が円に対して不安定な場合、収益が目減りするリスクが伴います。
為替変動による損失を防ぐためには、通貨動向を常にチェックし、リスク管理の手段を講じることが重要です。通貨安定性の低い国では、慎重な判断が求められます。
賃貸管理や物件管理の難易度
海外での賃貸管理や物件管理は、現地にいない分、難易度が高くなります。物件のメンテナンスや入居者管理など、管理会社に委託する場合が多く、管理費用が収益に影響を与える場合があります。信頼できる管理会社を選ぶことが、賃貸物件の安定運営に欠かせません。
情勢不安定な国での投資リスク
海外では、政治や経済の不安定さが投資リスクにつながることがあります。発展途上国や情勢の不安定な地域では、政策変更や経済変動により収益が影響を受けやすくなります。投資先の国の情勢を調査し、安定性の高い地域を選ぶことがリスク軽減に寄与します。
海外不動産購入の融資が受けにくい
日本国内とは異なり、海外不動産購入に対する融資は難易度が高いことが一般的です。現地の銀行から融資を受けるには、多くの条件が求められ、借入が難しい場合があります。
日本の金融機関からの融資も限られるため、自己資金での購入が基本となります。資金調達の手段を事前に確認し、計画的に資金を準備することが重要です。資金面での不安定さは、投資戦略に影響を与える可能性があるため、十分な準備が求められます。
建物が完成しない可能性がある
海外不動産投資において、物件の施工前あるいは完成前に販売される「プレビルド物件」に投資することも多いです。
プレビルド物件の魅力は、完成後よりも安く購入可能で、建築着手前など早く購入すればするほど格安で購入できることです。購入価格を安く抑えることで、完成後の大幅なキャピタルゲインを狙うこともできます。
一方プレビルド物件にはリスクも存在します。
・物件の竣工が予定より大幅に遅れる、もしくは完成しない
・完成後の物件価格が思っていたより上がらない
・物件の現地での需要が想定より低く、売却ができないこのようなリスクを軽減・回避するためには、施工実績がある信頼できるデベロッパーを選ぶことが大切です。
海外不動産投資が注目される理由(背景・市場動向)
海外不動産がここ数年で注目を集めるのは、世界的なインフレと金利サイクルの転換、日本の人口動態と円安リスク、 そして新興国の都市化・若年人口による構造的な需要拡大が重なっているためです。IMFによると、 2025年の世界成長率は3.0%(2026年は3.1%)が見込まれ、地域間の成長格差を前提に 成長都市・通貨分散を取り入れる投資需要が広がっています。 (IMF WEO 2025)
1. 世界的なインフレ・金利局面の変化と「実物資産」への資金シフト
物価の上昇局面では、賃料改定や実需に支えられやすい不動産が資産の受け皿になります。金利上昇で選別は進む一方、 需要が底堅い成長都市では賃料・稼働率が下支えされやすく、キャッシュフロー重視の投資家が集まります。
2. 日本固有の背景:人口減少・円安リスクと通貨分散ニーズ
日本は少子高齢化と人口減少が続き、長期の住宅需要伸びは限定的です。円安局面では円建て資産の購買力が下がるため、 海外通貨建てキャッシュフローの確保が資産防衛の手段として注目されています。
3. 新興国の都市化・若年人口がつくる「構造的需要」
東南アジアは都市化が進み、世帯形成の増加が住居ニーズを押し上げています。人口の年齢構成も若く、賃貸需要の底堅さは 長期のインカム基盤となります。国連の都市化推計でもアジアの都市化比率上昇が確認されます。
4. プライム市場の指標と国際資本の動向
富裕層向けプライム住宅はグローバル資本の移動に敏感です。Knight Frankの最新レポートでは、2024年の世界プライム住宅価格は 平均で上昇し、都市ごとの強弱が明確になりました。中東ドバイでは人口流入と制度面のドライバーが重なり、取引活況と価格上昇が続いています。
5. 制度・政策の追い風:ビザ・税制・透明性の進展
一部の国・都市では外国人投資家向けの長期滞在ビザや税制優遇が整備され、登記・外資規制の透明化も進展。 ただし、外国人購入比率や短期賃貸規制、税制変更などの変更リスクには常時モニタリングが必要です。 都市・セグメント別にネット利回り(実勢賃料・空室・管理費・税保険・修繕など控除後)で評価する視点が重要です。
海外不動産投資で収益が狙えるおすすめ国5選
海外不動産投資の成功には、適切な投資先国を選ぶことが大切です。各国の市場動向や経済状況を理解し、収益が狙える国を見極めることが求められます。フィリピン、マレーシア、カンボジア、ベトナム、タイ、アメリカなどは、今後の成長が期待される国々として注目されています。
フィリピン
フィリピンは、経済成長が著しく、特にマニラ周辺の不動産市場が活発です。若年層の人口が多く、賃貸需要が高いことから安定した収益が期待できます。
フィリピンのマニラの高級コンドミニアムは、2023〜2024年において、世界44都市の中で最も価格が上昇しました。この価格上昇はパンデミックの際も勢いが衰えることがなく、為替相場のドル高の影響も大きいと見られています。
【出典】The Wealth Report|Knight Frank
また、外国人に対する投資規制も緩和されており、投資環境が整っています。教育機関やビジネス地区が多く、リゾート地も近いため、観光需要も高まっています。
マレーシア
マレーシアも、海外不動産の投資先として魅力的な国です。クアラルンプールを中心に都市開発が進んでおり、外国人向けの不動産も多く存在します。
【出典】Bank Negara Malaysia|Housing Price Index
マレーシアのクアラルンプールにおける住宅不動産の取引件数は、2023年下半期において過去最高を記録しました。高級コンドミニアムよりも少し価格帯の安い物件の取引が多く、マレーシアの不動産投資による家賃収入などのインカムゲインを狙う方にとっては良い兆候です。
【出典】クアラルンプール不動産市場調査レポート|UDアセットバリュエーション株式会社
政府による外国人投資への優遇策があり、長期滞在ビザ制度なども充実しています。また、物価が安く、生活費の面でも魅力があります。安定した経済成長が続いており、キャピタルゲインの期待も高いです。
カンボジア
カンボジアは急成長を遂げている新興市場で、プノンペンやシェムリアップなどの都市部が注目されています。外国人投資家に対して比較的オープンな姿勢を持ち、不動産購入に関する法律も整備されています。
経済成長に伴うインフラの整備が進んでおり、将来的な資産価値の上昇が期待されます。また、観光業が盛んなため、短期賃貸市場も活況です。
加えて、カンボジアでは米ドルが流通しているため、ドル建てでの不動産購入と運用が可能です。他の東南アジア諸国とは異なり、安定性の高い通貨での投資ができる点が魅力です。
カンボジアの不動産価値は今後年間3%の成長率を2029年まで継続すると見込まれており、平均年齢が若く経済成長が期待されるカンボジアでの不動産投資は現在注目を集めています。
【出典】Residential Real Estate Cambodia|Statista Market Report
ベトナム
ベトナムは近年、経済成長が著しく、ホーチミン市やハノイでは賃貸需要が高まっています。若年層が多く、都市化が進む中で不動産の需要も増加しています。
ベトナム不動産は過去5年間で59%の価格上昇率を記録しました。これはその他経済成長国と比較しても非常に高い数値で、ベトナム経済や不動産マーケットに対する全世界からの期待を表しています。
近年では、外国人に対する不動産購入の規制も緩和され、投資環境も整ってきました。今後の成長が見込まれる分野であり、賃貸収益の安定性も期待できる国です。
タイ
タイは経済成長国としても観光立国としても世界から注目を集めており、不動産市場の注目度も高いです。特に首都のバンコクにおける不動産価格はここ10年間上昇トレンドを継続しています。
バンコクの物件相場価格は既にかなり高騰していますが、今後もさらなる成長を遂げるとの見立てもあります。現在も住宅価格指数は年間約3%上昇しており、投資先の候補として引き続き注目されています。
アメリカ
アメリカは、成熟した不動産市場として依然として人気です。ニューヨークやロサンゼルスなどの主要都市では、外国人投資家にとって魅力的な投資先とされています。多様な投資商品があり、リスク分散も可能です。
【出典】Federal Housing Finance Agency
安定した経済基盤や高い透明性があり、長期的な資産価値の維持が期待できます。市場の動向を把握しながら、賢く投資することが求められます。
海外不動産投資の始め方
1. 海外不動産投資の目的を決める
不動産投資によって利益を得る方法は大きく分けてキャピタルゲインとインカムゲインの2つです。
キャピタルゲインは不動産の売却によって利益を得る方法で、不動産または土地の価格が上昇し、購入需要が高い場合におすすめの方法です。東南アジアなどの経済発展と人口増加が著しい国の不動産は、価格相場と需要双方の上昇確率が高いため、キャピタルゲインが目的の投資も選択肢の1つです。
一方、インカムゲインは購入した不動産の賃貸収入で利益を得る方法です。日本国内の不動産投資においてはこちらのインカムゲインを目的とした投資が一般的です。
海外不動産においても同様に家賃収入による継続した収益を狙うことは可能で、特に若年層の人口が多い国の都市部においては賃貸需要も高くなるため、こちらもおすすめの収益化方法です。
2. 情報収集して投資先(エリア)を決める
海外不動産投資において投資先国及びエリアの選定は非常に重要です。日本国内の不動産と比べて情報収集が難しく、現地に実際に住んだことのない方にとっては相場感や成長性の見極めは困難です。
物件の建つエリア周辺が今後どの程度開発される予定で、アクセス等の利便性の高さや建物の眺望や設備など、海外不動産投資を決断する際には考慮すべき要素がいくつもあります。
セカイプロパティは、1,000万円台から購入できる海外不動産を多数取り扱っているポータルサイトを運営しています。現地デベロッパーとの面談や現地視察を繰り返しているため、最新の情勢も踏まえておすすめの投資先エリアと物件をご紹介できます。そもそもどこの国に投資すべきかわからない方は、各国を比較した無料ガイドを閲覧してみて下さい。
3. 不動産仲介会社を選ぶ
海外不動産を購入する際、現地の不動産仲介会社から購入するか、もしくは海外に拠点を持つ日本の不動産仲介会社から購入するかという2つの選択肢があります。
現地の不動産仲介会社は、現地の不動産情報についての深い知見や、取り扱い物件数の多さなどが強みです。
ただし、現地不動産仲介会社とのやり取りは現地語もしくは英語となります。海外不動産投資には考慮すべき要素が多くあり、譲れない条件がある方も多いです。
そうした要望や疑問点を問題なく伝え、コミュニケーションを円滑に進めることは、多くの方にとって非常に困難かつ不安を伴うでしょう。
一方海外に拠点を持つ日本の不動産仲介会社は、現地におけるノウハウや知見は現地の不動産会社に劣るかもしれません。
しかし、日本人のお客様にとってコミュニケーションの問題がなく、疑問点や不安な点をスムーズに確認できる点は大きな強みです。
セカイプロパティは、海外への視察を行い、現地デベロッパーとの関係性を構築しております。そのため、現地でしか知り得ない最新かつ生の情報を基に、専門性の高いスタッフがお客様に最適の不動産を提案させていただきます。海外での資産運用や移住に興味や疑問点のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
海外不動産の購入方法
海外不動産を購入する際には、投資目的やエリアの選定を済ませた後、実際の契約・手続きに進むことになります。国内不動産と似た部分もありますが、海外ならではの注意点も多いため、各ステップを理解して準備しておくことが重要です。以下では、一般的な購入の流れを具体的に解説します。
1. 申込金の支払い
気になる物件が見つかったら、まずは購入意思を示すために申込金(デポジット)を支払います。金額は物件価格の5〜10%程度が目安とされるケースが多く、支払い後は「仮押さえ」の状態となります。
この段階で物件が他の購入希望者に渡らないよう確保できるため、スピード感を持って対応することが大切です。なお、申込金は最終的に物件代金に充当されますが、キャンセル時の返金ルールは国や契約条件によって異なるため事前確認が必須です。
2. 必要書類の提出・確認
申込金の支払い後は、購入申込書や本人確認書類、収入証明書などを提出します。現地での不動産取引では、外国人購入者に追加で必要となる書類(パスポートコピー、資金証明、送金証明など)が求められる場合もあります。
書類不備や認証手続きの遅れは契約全体の進行を妨げるため、仲介会社や弁護士と連携しながら、抜け漏れなく準備を進めましょう。
3. 売買契約の締結
提出した書類に基づき、売主と買主の間で正式な売買契約書を取り交わします。この契約書には、物件の詳細、支払い条件、所有権移転の時期、違約時のペナルティなどが明記されます。
外国語で作成されることが多いため、日本語訳を確認するか、現地法務に精通した専門家にチェックしてもらうことが推奨されます。また、このタイミングで追加の手付金を求められるケースもあります。
4. 残金の決済
契約に基づき、購入金額から申込金・手付金を差し引いた残額を送金します。多くの場合、現地通貨もしくは米ドル建てでの送金が必要となり、為替レートの変動や送金手数料がコストに影響します。
海外送金は国内銀行では対応が限定される場合もあるため、仲介会社や専門の金融機関を通じて安全かつ確実に決済を行うことが重要です。
5. 物件の引き渡しと所有権移転
残金の決済が完了すると、売主から買主へ所有権の移転が行われます。登記や権利証の発行は国によって手続きが異なりますが、正式に買主の名義となった時点で物件引き渡しが完了します。
新築物件の場合は竣工後に鍵の受け渡しが行われ、中古物件の場合は決済完了後すぐに入居・賃貸運用が可能となります。ここで忘れてはならないのが、引き渡し後の管理体制の確認です。現地の管理会社と契約を結び、家賃回収や修繕対応を任せる体制を整えることで、安定した運用が実現します。
海外不動産投資で成功するためのポイント
海外不動産投資で成功するためには、しっかりとしたリサーチとパートナーシップの構築が不可欠です。現地市場の理解、信頼できるサポート体制の確保、そして長期的な視野に基づいた戦略が重要な要素となります。
現地市場と投資環境の徹底的なリサーチ
投資先国の市場環境や経済動向を十分にリサーチすることは、成功の第一歩です。地域の人口動態、経済指標、不動産市場のトレンドを把握し、適切な投資判断を下す必要があります。
また、地域の特色や将来的な成長性に注目し、潜在的な投資機会を見逃さないようにすることが重要です。データや情報を基に冷静な判断を行うことで、リスクを回避しやすくなります。
信頼できるパートナーと現地サポートの確保
海外での投資は現地の法律や文化に精通したパートナーの存在が重要です。信頼できる不動産エージェントや法律事務所と提携し、現地サポートを受けることで、リスクを大幅に軽減できます。
地元の情報に基づいたアドバイスを受けられるため、投資判断がしやすくなります。また、現地でのネットワークを活用することで、より多くの情報が得られます。
長期的な投資戦略と柔軟なリスク管理の実践
海外不動産投資は短期的な利益を追求するだけでなく、長期的な視点での戦略が重要です。市場の変化に柔軟に対応しながら、安定した収益を得るためには、リスク管理の手法を取り入れることが不可欠です。
特に、為替リスクや法制度の変化に備えるための計画を立てておくことが、長期的な成功につながります。投資の目的を明確にし、戦略的なアプローチを維持することが成功のポイントです。
海外不動産投資に対するよくある質問と回答
Q. 海外不動産投資で利益は狙える?
不動産投資のため株式投資や事業投資と同じようには儲けは期待できません。株式投資や事業投資のような短期的に利益を上げる投資とは異なり、中長期的な投資となるためです。
しかし、日本の不動産投資と比べると、「経済成長率」と「人口増加率」が高いため利回りも高い傾向にあります。これら2つのファクターは、物件の購入と賃貸両方の需要増加につながり、キャピタルゲインとインカムゲイン双方において将来性があると判断できます。
Q. 海外不動産投資の利回りはどれくらい?
海外不動産投資で期待できる利回りは国によって異なります。日本の利回りは2024年11月時点で約4%となっていますが、その他アジアにおける利回り上位5ヵ国をご紹介します。
インドネシアは約7〜9%でアジアで最も高い水準です。フィリピンは約5〜6%で、特にマニラの都市部で高い利回りです。
カンボジアは約4〜5%で、まだ不動産価格が高騰していないため1,000万円台で高級コンドミニアムを購入することも可能です。
タイが約4〜5%、ベトナムが約4%となっており、日本の約4%とそれほど変わらないように見えますが、表面利回りのため日本で大きな収益を得るためには莫大な投資が必要となります。
上記以外の国も含めてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
>>【2025年最新】海外不動産投資の国別利回りランキング!おすすめの国は?
まとめ
海外不動産投資は、基本の理解からリスク管理、購入手続きまでを押さえれば有力な選択肢になります。要点は次のとおりです。
- 成長の取り込みと資産防衛を同時にねらえる。人口増や都市化で賃貸需要が安定し、通貨分散で円安やインフレに備えられる。
- 国ごとに前提が違う。法制度や税制、為替、管理の実務を事前に調べ、専門家の確認を受ける。
- メリットは大きいが、成否はリスク管理で決まる。外資規制や短期賃貸の規制、為替、建設遅延などに備える。
- 長期資産形成の柱は三つ。安定収益と資産価値の成長、通貨分散による購買力維持、承継とライフプランの選択肢拡大。
- 購入手続きは順番に進める。申込金の支払い、書類準備、売買契約、残金決済、引き渡しと登記。現地の専門家と連携する。
目的と保有期間、許容できるリスクを数値で整理し、候補エリアの法制度と税制と実質利回りを比較しましょう。信頼できる仲介や弁護士や管理会社と体制を組み、無理のない資金計画で最初の一件から着実に進めましょう。