資産運用を目的に「不動産投資」を始めてみたいけれど、副業だと見なされるかどうか気になる方もいるのではないでしょうか。とくに、公務員の方は、法律で副業が禁止されているので、不動産投資を始めにくいと感じている方も多いはずです。

では、実際に不動産投資は、副業に当てはまるのでしょうか。本記事では不動産投資と副業の関係性や、不動産投資を始めるうえで注意しておきたいことを紹介します。

不動産投資は副業にならないと言われる理由

結論から言うと、「不動産投資は副業にはならない」と言われています。次の4つの理由をもとに、不動産投資と副業の関係性を確認しましょう。

不動産投資は副業ではなく資産運用であるため

1つ目の理由は、不動産投資自体が副業ではなく、「資産運用」であることです。一般的に、副業とは、本業と同様に労働の対価として報酬を得る作業を指します。

つまり、労働を伴わない不動産投資は、副業に当てはまらないということになります。公務員の方に関しても、以下の条件を守れば不動産投資を行えます。

・不動産投資の規模が5棟10室未満

・家賃収入が年500万円未満

・物件の管理を業務委託する

ただし、例外として不動産投資を副業として判断している企業もあるので、就業規則の確認を忘れないようにしましょう。

家族の不動産を相続することがあるため

自身で不動産投資を希望するわけでなく、家族の事情でどうしても不動産を運用しなければならないことがあります。たとえば、両親が運用していた不動産に関して、やむを得ない理由で相続することになった結果、副業が禁止になっているという理由だけで容易に放棄できません。

相続を放棄するだけでも莫大な労力がかかるので、自身で不動産投資を続ける選択をする方も多いはずです。副業が禁止となっている場合でも、会社側とも相談をしながら、不動産投資を継続するという形を取るようにしましょう。

職場に損害を与えるリスクが低いため

企業が副業を禁止としている理由に、「本業への支障が出てしまうこと」や、「副業を通じて情報漏洩が起こるリスク」を防ぐ目的が挙げられます。副業に時間を費やしすぎて本業に集中できなくなったり、自社の機密情報を競合企業に提供してしまったり、副業が企業に損害を与えるリスクは少なくありません。

一方、不動産投資は、物件の売買に多少の労力が発生するものの、管理については外部に委託すれば、時間を節約できます。また、副業と異なり、基本的に外部とのやり取りもなく、情報漏洩のリスクも防げます。

職業選択の自由が保証されているため

最後に、日本国憲法において、職業選択の自由が保証されていることです。日本国憲法第22条の「職業選択の自由」には、「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」 と記載があります。

ただし、企業側と雇用契約を結ぶなかで、「副業禁止」となっている場合は原則として従う必要があります。とはいえ、個人の不動産投資が会社に損失を与えにくいことや、資産運用の一環であることを説明し、不動産投資を認めてもらうようにしましょう。

不動産投資の副業がサラリーマンや公務員におすすめな理由

不動産投資は、サラリーマンや公務員の方にとっておすすめの資産運用方法です。これから不動産投資を始めてみたいという方は、以下の理由を参考にしてみてください。

初期費用を少額に抑えられやすい

サラリーマンや公務員の方が副業として不動産投資を始めるメリットは、初期費用を少額に抑えられやすいことです。不動産を購入する際に、金融機関から不動産投資用のローンを借り入れることができます。

金融機関側で厳格な審査を行っているものの、一部のサラリーマンや公務員といった安定収入がある方は、返済能力が評価されるので、審査に通過する可能性が高まります。現時点における年収で借入額が変動しますが、不動産購入時の自己資金を抑えられます。

生命保険の代わりになる

不動産投資を始めることで、生命保険の代わりとしても活用できます。というのも、金融機関で不動産投資用ローンを組む際に、「団体信用保険」と呼ばれる生命保険に加入することとなるためです。

団体信用保険に加入しておけば、不動産投資家本人が亡くなった場合に、返済が済んでいない残りのローンが保険で支払われます。また、家族に不動産の所有権が引き継がれるので、残された家族が家賃収入を得られます。

将来的な年金対策に活かせる

若いうちに不動産投資を始めれば、老後の年金対策にも活かせます。年金受給問題が話題となるなかで、年金とは別の収入を確保する必要も出てきました。

不動産投資は、毎月安定した家賃収入を期待できることから、年金以外の収入源としても魅力です。定年退職とともに収入が途絶えるサラリーマンや公務員にとって、公的年金だけに頼らない老後生活の実現に寄与します。

管理業務委託による本業への支障を軽減できる

不動産投資を検討している方のなかには、「物件の管理に手間がかかってしまう」と感じられている方も多いでしょう。自分自身で物件を管理することも可能ですが、サラリーマンとして働いている以上、業務に支障が出るリスクがあります。

そこで、管理業務を外部に委託することで、管理の手間を省けます。委託費用が発生するデメリットがある一方で、不慣れな管理業務を外部に丸投げできます。とくに、公務員は、不動産投資を行う条件として、物件管理の外部委託が必須となっているので、業務に支障が出ることなく不動産投資を行えます。

資産運用初心者でも始められやすい

不動産投資は、初心者でも始められやすい資産運用方法です。ローンを組むことで初期費用を抑えられるほか、管理業務を外部に委託すれば、本業に集中できる環境を整えられます。

また、日本国内だけでなく、海外不動産を購入して資産運用を行うことも可能です。東南アジアをはじめとする新興国の不動産は、経済成長とともに物件価格の上昇が見込まれており、将来的により大きなキャピタルゲインを狙えます。ただし、海外不動産を購入する場合、不動産投資用ローンの借入が難しいことに注意が必要です。

「海外不動産投資の魅力」や「国内不動産との違い」が気になるという方は、この機会にぜひお問い合わせください。

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不動産投資を副業で始める際の注意点

サラリーマンや公務員の方が副業として不動産投資を始める際には、いくつかの注意点に気をつけなければなりません。どのようなポイントに注意するのかをまとめます。

公務員は一定規模を超えた不動産投資が禁止

1つ目は、公務員の方は一定規模を超える不動産投資が制限されています。記事冒頭でも解説したように、以下の条件を守る必要があります。

・不動産投資の規模が5棟10室未満

・家賃収入が年500万円未満

・物件の管理を業務委託する

また、上記の規模を超える運用や収益が発生しそうな場合には、すみやかに届け出なければなりません。仮に、届け出ないまま不動産運用を続けていると、罰則を受ける危険性があります。

参考記事:公務員が不動産投資を始めても大丈夫?副業の条件や失敗しないための注意点

空室リスクや滞納リスクなどが存在する

不動産投資は、ほかの資産運用方法と同様に一定のリスクが存在します。とくに、空室リスクは、家賃収入にも影響が出ることから、物件購入前に十分なリサーチが必要です。

また、入居者を獲得したあとにも、確実に家賃を支払ってもらわなければなりません。事前にリスクをしっかり把握し、不動産投資で損失が出ないように注意しましょう。

確定申告を自分で行い税金を納める

不動産投資で発生した収益については、自分自身で確定申告を行い税金を納める必要があります。サラリーマンや公務員としての給与とは別に、毎年20万円以上の不動産所得がある方は確定申告が必須です。

会社にバレる恐れがある

不動産投資で収益を得られるようになると、会社にバレる可能性があります。というのも、前年の所得に応じて住民税額が決まりますが、この住民税は勤務先の給与から天引きされるためです。

つまり、会社の収入に対する住民税と比較して、天引きされる住民税が高い場合には、本業とは別の収入源があると思われてしまいます。もちろん、不動産投資を行っていることがすぐにバレるとは限りませんが、経理担当や上長から尋ねられることがあります。

不動産事業の法人化に伴う二重給与の発生

不動産投資は副業に該当しないものの、不動産事業を法人化すると副業と見なされる場合があります。まず、不動産事業を法人化することで、不動産投資の収益が「自身が法人化した会社からの収入」となり、「本業で勤務している会社からの給与」と合わせた二重給与の状態となります。

つまり、「別の会社からも給与をもらっている」と勤務先から見なされ、これが副業に該当する可能性があるということです。会社ごとにルールが異なるので、不動産事業を法人化する際には会社側と相談しましょう。

不動産投資を副業で始めるための手順

最後に、不動産等を副業で始めるための手順を紹介します。

ステップ1.勤務先の副業ルールを確認する

はじめに、勤務先の副業ルールを確認してください。就業ルールにて副業が可能であれば問題ありませんが、副業禁止の記載がある場合、念の為会社に相談しておくことをおすすめします。

また、公務員の方は、不動産投資の規模や年間の収益が一定範囲を超えそうな場合には、事前に許可を取らなければなりません。就業ルールに違反すると、罰則対象となりかねないので注意が必要です。

ステップ2.不動産投資の目的・目標を定める

次に、不動産投資を行う目的や目標を決めます。目的や目標を定めないまま始めると、不動産投資で損失を出してしまったり、期待していたほどの収益を得られなかったりする恐れがあります。

目的・目標を決める際には、「将来的にどれくらいの資産を築きたいのか」、「何年後に売却を検討しているのか」、「居住目的も視野に入れているのか」といったポイントを押さえておくようにしましょう。

ステップ3.信頼できる不動産仲介会社を探す

不動産投資の成功は、信頼できる不動産仲介会社を探すことが大切です。悪質な不動産仲介会社も多く、相場よりも高額な不動産を紹介されるようなトラブルに発展することもあります。

信頼できる仲介会社を探すためには、会社の実績や口コミ、営業担当者の態度を見るようにしましょう。とくに、海外不動産をお探しの方は、購入を希望している国に現地法人を構えていることもポイントの1つです。

参考記事:プロが教える不動産投資用物件の探し方とは?物件購入時のチェックリストや注意点

ステップ4.物件を調査・利回りを分析する

あらゆるリスクを回避するために、物件の調査や利回りについても分析します。まず、物件の調査では、空室リスクが発生しにくいエリアを選定するほか、競合となり得る物件の特徴を押さえておきます。また、将来的に、不動産売却による利益を狙うためにも、物件価値が上がりそうなエリアや、下がりにくいエリアを調べるようにします。

次に、表面利回りだけを当てにするのではなく、経費を計算に含んだ実質利回りも算出するようにしてください。実質利回りが想定よりも悪くなると、キャッシュフローに悪影響を及ぼす可能性があります。

ステップ5.物件を購入し入居者を募る

目的に適した物件を見つけたあとは、購入と入居者を募る作業に移ります。物件購入の申込みから、不動産投資用ローンの審査、売買契約などを経て、物件を購入します。

自身で入居者を探せない場合は、不動産仲介会社に入居者募集の依頼も行います。入居希望者を獲得することで、家賃収入を得られるようになります。

参考記事:海外不動産の買い方を解説!向いている人の特徴を押さえておこう

まとめ

不動産投資は、基本的に副業に該当しないので、副業が禁止となっている企業に勤めている方でも始められる資産運用方法です。ただし、20万円以上の不動産所得が発生した際には確定申告が必要であるほか、公務員の方は、不動産投資の規模に関するルールを守らなければなりません。

また、不動産投資は一定のリスクが存在する運用方法であるため、不動産仲介会社への相談も検討してみてください。当社は、カンボジアやマレーシアに現地法人を設置し、お客様に最適な物件を紹介しております。海外不動産投資に興味がある方は、この機会にぜひお問い合わせください。