日本は少子化が進行しているため、賃貸住宅の需要が将来的に低下する可能性があります。そのため、不動産投資に興味があるものの、空室リスクが気になって一歩を踏み出せないという方も多いと思います。そんな中、注目されているのが海外コンドミニアムへの投資です。

そこで今回は、海外コンドミニアムへの投資で失敗しないための4つのポイントをご紹介します。

1 海外コンドミニアムへの投資とは

コンドミニアムと聞いても、あまりピンとこない方も多いのではないでしょうか?日本でコンドミニアムという言葉はあまり馴染みがありませんが、日本の分譲マンションのことを海外ではコンドミニアムと呼びます。

リゾート地のコンドミニアムは、家具や家電などが室内にあらかじめ備え付けられており、旅行者向けに貸し出されているのが一般的です。一方、リゾート地以外のコンドミニアムは、家具や家電などを備えていないものもあり、日本の賃貸物件のように居住用として貸し出されています。

日本は少子化の進行によって需要が将来的に低下する可能性があるほか、世界的に見れば物件価格が高く利回りが低いというデメリットもあることから、不動産投資のハードルは高いと言えます。

しかし、海外コンドミニアムは国やエリアによっては物件価格が安く、人口増加が見込まれている場合は不動産の需要が高まっていくことも期待できるため、物件をしっかりと選ぶことができれば投資妙味があります。

2 海外コンドミニアム投資を始める方法とは

海外コンドミニアムへの投資が注目を集めていると言っても、どのように始めればいいのでしょうか?海外コンドミニアムへの投資を始める方法は以下の3つです。

  1. 日本の不動産会社に相談する
  2. 海外の不動産会社に相談する
  3. 海外不動産投資に詳しい専門家に相談する

それぞれの特徴について詳しく解説します。

2-1 日本の不動産会社に相談する

日本国内の不動産会社の中には海外の不動産情報を扱っているところもあります。日本国内の不動産会社に相談するメリットは、日本語で気軽に相談できるという点です。気になっていることを遠慮なく聞けるため、トラブルを防ぐ効果が期待できます。

しかし、扱っている不動産情報が限られている、物件価格や手数料が現地不動産会社よりも高く設定されているといった可能性があるので注意が必要です。日本国内の不動産会社に相談したい場合は、まずは不動産会社が開催している海外不動産投資セミナーに参加してみましょう。

2-2 海外の不動産会社に相談する

現地にも日本と同じように不動産会社があるため、現地の不動産会社に相談すれば海外で不動産投資を始めることが可能です。海外の不動産会社に相談するメリットは、日本の不動産会社を通すよりも物件価格や手数料を抑えられる期待があるという点です。投資額が小さくなるため、不動産投資のリスクを多少抑える効果が期待できます。

しかし、現地の言葉や英語のみでのサポートしか受けられない、アフターフォローが整っていない、というケースが多いので注意が必要です。また、現地の法律や税制の日本との違いによって、トラブルに発展する可能性もあります。リスクを考えると、あまりおすすめできない方法と言えるでしょう。

2-3 海外不動産投資に詳しい専門家に相談する

これまでは不動産会社に相談するという方法でしたが、海外不動産投資の専門家に相談するという方法もあります。例えば、海外不動産投資に詳しいファイナンシャルプランナーに相談するなどです。

ファイナンシャルプランナーの中には、宅地建物取引士という不動産取引に関する資格を有している方もいますが、業務範囲は不動産会社のように仲介まで行うわけではなく、海外不動産会社とのやりとりのサポートとアフターフォローまでに留まることが一般的です。

しかし、なかなか海外不動産投資に詳しい専門家を見つけることは難しいため、現実的には日本国内の不動産会社に相談するのが一般的と言えるでしょう。

3 海外コンドミニアムに投資する際の4つのポイント

海外コンドミニアムへの投資が注目されていると言っても、投資である以上は何かしらのリスクを伴います。そのため、リスクを抑えるためにも失敗しないためのポイントをしっかりと押さえておくことが重要です。海外コンドミニアムに投資する際のポイントは以下の4つです。

  1. 経済成長(人口増加)が期待できるエリアを選ぶ
  2. 情報を入手しやすいエリアを選ぶ
  3. 海外不動産投資への融資に対応している銀行や不動産会社を選ぶ
  4. カントリーリスクの低いエリアを選ぶ

それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

3-1 経済成長(人口増加)が期待できるエリアを選ぶ

海外コンドミニアムは、東南アジアなどの新興諸国であれば物件価格は日本に比べて安いという魅力があります。しかし、経済成長が期待できなければ家賃も物件価格も低い状態で推移することとなるため、海外不動産特有のメリットは薄くなります。そのため、経済成長によって価値の上昇が期待できるエリアを選ぶことがポイントになります。

また、日本のように少子化が進行しているエリアでは、将来的な需要は期待しにくいため、人口増加が期待できるエリアを選ぶこともポイントの1つです。世界的に見れば人口減少は一部の地域で起きているだけなので、人口増加が期待できるエリアをきちんと選んで運用すれば、安定した需要が期待できるでしょう。

3-2 海外現地の情報を入手しやすいエリアを選ぶ

例えば日本国内では、乗降者数の多い駅から近い、コンビニや病院といった利便性の高い施設が近い物件のほうが、賃貸需要が期待できます。それらの情報は主要都市では比較的手に入りやすいですが、地方に行くとなかなか手に入らないこともあります。

海外不動産は国内に比べてさらに現地の情報が手に入りにくいため、購入判断が難しくなります。新興国の建築途中の不動産を購入したものの、現地に行ったら何もなかった、という詐欺に巻き込まれるケースもあります。そのため、少しでも海外不動産の投資リスクを抑えるためには、現地の情報を入手しやすいエリアを選ぶことが重要と言えるでしょう。

3-3 自己資金での購入を想定し、融資が活用できる場合は適宜検討する

日本国内で不動産投資を行う際は、銀行の融資条件を満たしている場合は銀行から融資を受けることが可能です。しかし、海外で不動産投資を行う際は、融資リスクが高いという理由で、簡単には融資を受けることができません。

そのため、海外コンドミニアムへの投資を検討している場合は、基本的には自己資金での購入を想定しておき、融資が活用できそうな場合は金利や融資額、返済期間などを見て適宜検討する、と考えておくと良いでしょう。

しかし、実際に取り扱っている銀行を探すことは容易ではありません。すぐに見つからない時は、そういった銀行と連携している不動産会社に相談することで、海外不動産投資をよりスムーズに行いやすくなるでしょう。

3-4 カントリーリスクの低いエリアを選ぶ

カントリーリスクとは、物件がテロの攻撃に巻き込まれるリスクや法律や税制が変化するリスクなど、その国が持つリスクのことです。いくら順調に海外コンドミニアムの運用を行っていても、テロの被害を受けると建物を失ってしまうこともあります。また、法律や税制が変わったことによって、財産の没収や多額の税金を徴収される可能性もあります。

このようなトラブルに巻き込まれないようにするためにも、治安が良い、政治が安定しているなど、カントリーリスクの低いエリアを選ぶことも重要と言えるでしょう。

4 まとめ

日本は少子化の影響を受けて、賃貸住宅への需要が将来的に低下することが予想されます。そのため、最近は不動産投資の拠点を日本から海外に移すことを検討している方が増えています。

海外コンドミニアムへの投資は、人口増加が期待できるエリアを選べば将来的にも安定した需要が期待できることや、新興国であれば物件価格が安く経済成長による家賃収入や物件価格の上昇が期待できるといったメリットがある一方、情報が容易に手に入らない、カントリーリスクを伴うといったデメリットもあります。

リスクを抑えながら安定した海外コンドミニアム運用を行うためにも、失敗しないためのポイントをしっかりと押さえてから運用を始めましょう。