タイで海外不動産投資を考えている場合、現地銀行の口座開設が必須になります。また、口座があればタイ国内にあるATMを利用できるので、現金の出し入れや各種支払いも可能です。そこで今回は、タイで銀行口座を開設する際の手続き方法や必要書類などを解説していきます。

タイでの海外不動産投資には、現地の銀行口座がいる

不動産購入には外貨取引報告書が必要

タイで外国人がコンドミニアムなどの不動産を購入する場合、パスポートの他に「外貨取引報告書(Foreign Exchange Transaction Form)」という海外送金証明書が必要になります。これは、タイに外貨を送金したという証明書で、タイの受取先銀行で発行してもらいます。送り手と受け取り手の口座名が同じでなくてはならないので、タイに自分名義の銀行口座が必要とな流のです。

インターネットバンキングを設定できる

バンコク銀行に口座を開設した場合、ワークパミット(労働許可証)や長期滞在ビザを取得していればインターネットバンキングの利用も開始することができます。初回は銀行へ出向いて登録の手続きをする必要がありますが、いったん登録してしまえば、タイ国外にいてもネットでの振り込みなどが可能になるので、かなり便利です。ただし、銀行によって利用ができないところもあるので、口座開設時に確認をしましょう。

定期預金は金利が日本より高い

バンコク銀行(Bangkok Bank)の銀行金利は普通預金で0.5%と日本と比べてかなり良いので、まとまった額を口座に入れておけば、日本の銀行口座に預金を置いておくより利子が多くつきます。さらに、定期預金になると1年の利息は1.5%とアップ。ただし、定期預金には2000バーツ以上の預金が必要です。また、銀行預金利息に対する税金が15%かかりますのでこちらも計算しておきましょう。定期預金の口座開設は普通預金口座開設時に手続きできますので、希望者は行員に確認してみましょう。

参照:https://www.bangkokbank.com/en/Japanese-Section/Accounts

タイで銀行口座を開設するためには

口座開設の基本条件

外国人がバンコク銀行などのタイ国内の銀行で口座を開設する場合、タイの労働許可証が必要になります。また、労働許可証がなくてもバンコク銀行では長期滞在ビザがあれば口座開設が可能です。以前は非居住者でも労働許可証がなくても銀行口座開設ができるという時代もありましたが、2015年のASEAN経済共同体の発足後、タイ国内でも企業の方針や政策が変新され、非居住者がタイ国内の銀行口座を開設することはほぼ不可能となっています。

バンコク銀行について

バンコク銀行のシーロム本店1階の口座開設カウンター内にはジャパンデスクがあり、日本語を話せるスタッフがいるので安心です。必要書類を揃えてジャパンカウンターへ行けば、スタッフが口座の開設までをサポートしてくれます。バンコク銀行は国内ナンバーワンの銀行ですので、安心安全という観点からもおすすめです。

カシコン銀行について

カシコン銀行のなかには、日本人居住者が多いスクンビットなど日本人専用カウンターがある支店が数カ所ありますが、日本語を話せるスタッフが必ずいるという保証はないそうです。英語は通じるようですので、必要書類をもってカウンターで手続きを行いましょう。地元で「農村銀行」などと呼ばれるように、タイ国内各地に支店があるので、タイ国内各地を行き来する機会が多い人はこちらの銀行口座が便利です。

口座開設にかかる時間

バンコク銀行の場合、必要書類がきちんと揃っていれば、1時間ほどで口座開設手続きは完了します。また、ATMカードもその場で発行してくれます。ただし、銀行が混んでいたり、担当者の作業スピードの差もありますので、時間に余裕をもって手続きを行なうことをオススメします。

タイの銀行口座開設に必要な書類

タイで銀行口座を開設するには下記の書類が必要です。これらの書類をきちんと用意してから銀行の受付カウンターに行きましょう。

タイバーツ(口座開設費用)
パスポート
ワークパミット(労働許可証)
※お持ちでない場合 (Non-Immigrant B, ED, O, O-A 等の長期滞在ビ ザ)
タイの電話番号
タイの住所

タイで銀行口座を持つなら知っておきたいこと

行員や支店によって対応が違う

タイでは外国人の銀行口座開設のルールが厳しくなっていると前述しましたが、銀行によって判断やルールが微妙に違ったりします。タイでは外国人の銀行口座開設のルールが厳しくなっていると前述しましたが、銀行によって判断やルールが微妙に違ったりします。また、同じ支店でも担当者によって対応が違う場合があります。口座開設ができなかった場合は、いくつか他の銀行を回ってみた方が良いでしょう。

ATMカードに年会費がかかる

ATMカードの発行には発行手数料金がかかります。また、カードの種類によっては年会費がかかるものもあります。例えば、日本でいうSicaのような機能が付いているバンコク銀行のBest1スマートカードは年会費が200バーツ必要です。カシコン銀行でもK-MyDebitCardなど、デビットカード機能のついたカードは年会費が200バーツ以上かかります。デビットカード機能はタイ国内では広く使われていることから、行員によってはカウンターで手続き後に年会費の必要なカードを発行してくる場合があります。そのため、カード発行時にはカードの種類についての説明を忘れずに聞きましょう。

口座維持費が毎月かかる

タイの銀行では預金額が少ないと、事務手数料がかかってきます。例えばバンコク銀行では、口座残高が500バーツ以上ないと毎月50バーツの口座維持費がかかります。各銀行でルールが違いますので、口座開設時に最低預入金額を確認しておきましょう。

利用停止になるとタイでの手続きが必要

タイの銀行口座開設後に長期にわたって利用がないなど、諸事情で銀行口座が利用停止になった場合は、タイの銀行窓口で手続きをする必要があります。各銀行でルールがありますので、こちらも口座開設時に確認してください。

まとめ

口座開設をするための様々な情報をご紹介してきました。タイでは口座を維持するために費用が必要だったりと、日本の銀行とは違ったルールが多数あります。そういった情報を一つひとつ確認するのは大変ですが、いざ行動を起こした時に、「知らなかった」では対応しきれない部分が出てきてしまいます。可能な限り自身で情報収集を行うか、信頼できる不動産会社やエージェントからアドバイスをもらうのがよいでしょう。

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