ドバイで投資やビジネス、移住を目的として「銀行口座」を開設したいという方も多いのではないでしょうか。とはいえ、日本と異なり、海外の銀行口座を開設する際にはさまざまな条件やルールに注意しなければなりません。

本記事では、ドバイの銀行口座を開設する手順・流れに加えて、おすすめの銀行や選び方について解説します。最後には、よくある質問にも触れているのでご一読ください。

 

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ドバイ銀行口座の開設手順と流れ

ドバイで銀行口座を開設する際は、手順を理解した上で準備を進めることが重要です。

ステップ1.銀行口座の選定

最初に、自身の利用目的に合った銀行を選ぶことが重要です。ドバイにはローカル銀行と国際銀行があり、手数料、オンラインバンキングの使いやすさ、最低預金額や多通貨対応などが異なります。

 

また、個人口座と法人口座、居住者用と非居住者用でも条件が変わるため、比較検討が必要です。銀行ごとのサービスやサポート体制も確認し、口座開設後の利便性も考慮しましょう。

ステップ2.開設前の事前準備

日本同様に口座開設には必要書類を揃えることが不可欠です。パスポートや住所証明、資金源証明などを準備し、銀行が求める場合は翻訳や公証も行う必要があります。

 

特に、法人の場合は会社登記証明や定款も用意し、事前に不備がないか確認することが大切です。その後の審査にも影響することから、口座開設前に提出書類を整理し、条件や手数料も把握しましょう。

 

個人口座開設に必要な書類と手続き

ドバイで個人口座を開設するには、まず基本的な必要書類を準備することから始めます。

パスポートは、有効期限が3ヶ月以上(銀行によっては6ヶ月以上)残っていることが必須条件です。

加えて、過去6ヶ月分の銀行取引明細書のコピーと、出身国の銀行からの推薦状も準備が必要です。

手続きは銀行を選んだ後、オンラインで事前登録を行い、現地支店での本人確認と書類提出を経て審査が行われます。

初期入金額は3,000AED程度が一般的で、審査には通常1〜2週間ほどかかります。

非居住者の場合は普通預金口座のみ開設可能で、追加で資産証明書や職歴書の提出が求められることもあるため、事前に銀行へ確認しておくと安心です。

法人口座開設に必要な書類と手続き

ドバイで法人口座を開設するには、会社の存在と事業実態を証明する包括的な書類準備が不可欠です。

基本書類として、UAEでの会社登記簿(トレードライセンス)、法人設立証明書、定款、そして代表者・取締役のパスポートやビザ、エミレーツIDが必要になります。

事業実態の証明には、現地オフィスの賃貸契約書・銀行取引明細書・株主情報などが求められます。

代表者のUAE居住証明書も必須条件となっており、非居住者の場合は開設が難しいケースもあります。

ステップ3.銀行窓口での申請

口座開設の準備が整ったら、実際に銀行窓口で口座開設の申し込みを行います。基本的に、ドバイ非居住者も現地で本人確認や面談が必要です。

 

申請時には必要書類を提出し、銀行担当者の質問に答えながら手続きを進めます。また、口座タイプや通貨オプション、オンラインバンキング設定などもこの段階で確認します。

ステップ4.銀行側の開設審査

銀行は提出された書類や面談内容をもとに口座開設の可否を審査します。審査期間は銀行や口座タイプによって異なり、数日から数週間かかる場合があります。

 

非居住者や新規法人の場合は、追加書類の提出や資金源の詳細確認が求められることがあるので注意が必要です。審査結果に基づき、口座開設の承認または、状況に応じて補足情報の提出依頼が通知されます。

ステップ5.口座情報の受領

口座開設の審査が完了すると、口座番号やデビットカード、オンラインバンキング情報などが提供されます。実際にドバイの銀行口座で入金や送金、支払いなどの取引が可能になります。

 

また、銀行から受け取った情報やパスワードは安全に保管し、オンラインバンキングの設定も忘れずに行いましょう。最後に、口座維持条件や手数料なども再確認しておくと安心です。

ドバイ銀行口座開設のメリット

ドバイで銀行口座を開設することには、個人・法人を問わず多くのメリットがあります。資産運用や国際取引を考えている人にとって、利便性と経済的な恩恵が得られます。

非課税や税制優遇を受けられる

ドバイを含むUAE(アラブ首長国連邦)では、基本的に個人所得税やキャピタルゲイン税が原則かかりません。配当金や利息、資産運用益が非課税の対象で、税負担を抑えつつ資産形成が可能です。

 

ただし、日本など居住国の税制に従う必要があるため、税務上の申告義務は確認しておくことが重要です。また、銀行口座を通じて複数通貨で資産を運用する場合も、非課税メリットを活かせます。

国際金融ハブでの資産管理に使える

ドバイは中東の国際金融ハブとして、世界各国との送金や資産管理に適したエリアです。多通貨口座や国際送金ネットワークを活用することで、資産を分散して安全に管理できます。

 

また、ドバイの銀行はオンラインバンキングやモバイルアプリの機能が充実しており、海外にいながらでも資金状況を確認しやすい点がメリットです。国際取引や投資機会へのアクセスもスムーズになります。

ビジネスの国際送金が便利になる

ドバイ銀行口座を持つことで、海外ビジネスでの資金移動が迅速かつ安全に行えます。アジア、欧州、中東間での送金は、銀行間のネットワークを活用することで手数料を抑えつつスピーディな対応が可能です。

 

非居住者や法人にとっても、国際取引の効率化や決済管理の容易さが大きなメリットです。また、オンラインでの送金手続きや定期支払い設定を活用しながら、業務効率の工場にもつながります。

不動産を含む投資機会に活かせる

ドバイでは不動産市場をはじめ、多様な投資商品が存在します。銀行口座を通じて現地資産にアクセスすることで、購入手続きや管理がスムーズに行えます。

 

また、多通貨口座を活用することで、外国為替リスクを抑えながら投資運用することも可能です。投資口座として、現地不動産の収益や株式、債券など多様な投資機会を効率的に活かせるのもメリットです。

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ドバイ銀行口座を選ぶ際のポイント

ドバイで銀行口座を開設する際は、自分の利用目的やライフスタイルに合った銀行を選ぶことが重要です。自分にとって適切な銀行口座を開設することで、資産管理や送金、投資などの利便性を最大化できます。

銀行の種類

ドバイにはローカル銀行と国際銀行があり、それぞれ特徴が異なります。一般的に、ローカル銀行は、支店やATMの数が多く、地域密着型のサービスが受けられる点が魅力です。

 

一方で国際銀行は海外送金や多通貨口座の利便性が高く、グローバルな資金管理に向いています。口座開設の条件や手数料体系も銀行によって異なるため、複数の銀行で比較検討しましょう。

口座タイプ

口座には個人口座と法人口座、居住者向けと非居住者向けがあり、それぞれ利用条件が異なります。個人口座は日常の入出金や給与受取に便利で、非居住者向け口座は資金管理や投資用途に便利です。

 

また、法人口座は法人取引や海外送金、資金運用に特化しており、最低預金額や書類要件が高めに設定されることがあります。目的に応じて、どちらの口座タイプを開設するのかを考えましょう。

サービスの種類

銀行によって提供されるサービス内容が異なります。多通貨口座やオンラインバンキング、デビットカード・クレジットカード発行の有無などが利用目的に応じて重要となります。

 

銀行の中には、投資商品やローン、保険サービスなどをセットで提供しているケースも少なくありません。事前にどのサービスが必要かを明確にしておくことで、口座選びがスムーズになります。

利便性・金利など

利便性や金利は銀行選びの重要なポイントです。オンラインバンキングやモバイルアプリの操作性、ATM・支店のアクセスの良さは日常利用に大きく影響します。

 

また、預金利率や定期預金の金利、送金手数料の条件も銀行ごとに差があります。どのようなメリットがあるのかを比較し、使い方に最も合った銀行を選ぶことが大切です。

カスタマーサポート

銀行のサポート体制も口座選びにおいて重要なポイントです。具体的には、問い合わせ対応のスピードや言語対応、オンライン・電話・窓口でのサポート体制が整っているかを確認しましょう。

 

特に、ドバイ非居住者や法人利用の場合、複雑な手続きやトラブル時の対応力が比較要素となります。信頼できるカスタマーサポートがある銀行を選ぶことで、安心して口座を利用できます。

ドバイ銀行口座開設におすすめの金融機関5選

ドバイでは多くの銀行が口座開設サービスを提供していますが、信頼性・利便性・国際対応力の面で優れた銀行を選ぶことが重要です。ここでは、非居住者にも人気が高く、サービス品質に定評のある5つの銀行を紹介します。

エミレーツNBD銀行(Emirates NBD)

ドバイ最大級の商業銀行で、預金規模はUAE上位。

デジタルバンキングにも注力しており、モバイルアプリ「ENBD X」を中核に、SMS/メールOTPからアプリ内認証への段階的移行を進めています。

2025年3月にはBlackRockと提携し、プライベートマーケット投資商品を提供開始。

富裕層向けの運用・信託・海外送金に強く、資産保全・多通貨運用を重視する顧客に適しています。

非居住者の場合は、来店および居住証明・収入証明書などの提出が求められるのが一般的です。

ファースト・アブダビ銀行(First Abu Dhabi Bank, FAB)

UAE最大の銀行で、自己資本比率と国際格付けはいずれも中東最高水準。

法人・機関投資家向けサービスに加え、個人向けでもマルチカレンシー口座やオンライン取引環境を整備しています。

外貨間送金や為替ヘッジを伴う国際ビジネスに適しており、企業経営者や海外投資家に選ばれやすい傾向があります。

非居住者でも開設可能なケースがありますが、原則として現地支店での本人確認が必須です。

アブダビ・コマーシャル銀行(Abu Dhabi Commercial Bank, ADCB)

ADCBはリテールと中小企業(SME)領域に強く、UAE全土に安定した支店網を持ちます。

2019年にはAl Hilal Bankを傘下に取り込み、イスラム金融商品を含むハイブリッド構成を実現。

デジタル口座開設やオンライン取引機能も充実しており、中規模投資家・駐在員層にとって利用しやすい設計です。

非居住者の場合は、パスポート・源泉地証明・在職証明など追加書類の提出を求められます。

 

マシュレク銀行(Mashreq Bank)

UAEのデジタルバンキング先駆者として知られ、オンライン完結型の「Mashreq Neo」を提供。

ただしNeoの口座はEmirates ID保有者向けが中心であり、完全な非居住者対応ではない点に注意が必要です。

一方で、非居住者向けには通常のSavings口座や「Al Islami Easy Saver」など、柔軟な残高条件の商品もあります。

デジタル取引の利便性が高く、居住者・長期滞在予定者向けとして評価が高い銀行です。

アル・ヒラル銀行(Al Hilal Bank)

完全なイスラム金融専門銀行として設立されたAl Hilalは、預金・融資ともにシャリア準拠の運用を行います。

一部のSavingsでは「最低残高ゼロ/落ち込み手数料なし」の設計や、月次プロフィット分配が導入されています。

2019年以降はADCBグループ傘下にあり、グループのネットワークを通じた支店・ATM共有が可能です。

透明な手数料体系と宗教的倫理性を重視する利用者層に支持されています。

 

比較表:非居住者向けドバイ主要銀行の基本条件(2025年10月時点)

銀行名

非居住者口座開設

最低残高要件

対応通貨

手数料の目安

Emirates NBD

可(条件付き)

AED 3,000〜10,000(口座種別による)

AED, USD, EUR, GBPなど

月維持手数料 AED25〜50(残高未達時)

First Abu Dhabi Bank (FAB)

可(審査あり)

AED 3,000〜

AED, USD, EUR, GBPなど

月維持手数料 AED25〜

Abu Dhabi Commercial Bank (ADCB)

可(審査あり)

AED 5,000〜

AED, USD

月維持手数料 AED26〜

Mashreq Bank

一部可(Neoは居住者限定)

AED 3,000〜

AED, USD, GBPなど

月維持手数料 AED25〜50

Al Hilal Bank

可(イスラム口座)

一部「最低残高ゼロ」

AED

残高要件なしの場合は無料または低額

 

ドバイ銀行口座を開設時の注意点

準備不足や条件の見落としは、口座開設の遅延や手数料発生の原因になることがあります。5つの注意点を参考にしながら、銀行口座の開設を進めましょう。

マネーロンダリング対策が厳しい

UAEではマネーロンダリング対策が非常に厳格に行われており、銀行は口座開設時に資金源や取引目的の詳細な確認を行います。

特に、ドバイ非居住者の場合、給与明細や納税証明、既存銀行口座の履歴などを提出する必要があり、場合によっては追加書類や面談が求められることもあるので注意が必要です。

 

銀行はこれらの情報を慎重に審査するため、書類不備や情報不足があると審査が長引く可能性があります。事前に必要書類を揃え、正確かつ最新の情報を準備しておくことがポイントです。

最低預金額・維持条件を満たさないと手数料が発生する

銀行口座には最低預金額や維持条件が設定されている場合が多く、条件を下回ると毎月手数料が発生します。口座タイプや銀行ごとに最低残高は異なり、数千AEDから数万AEDの範囲で設定されることがあります。

 

非居住者向け口座やプレミアム口座は条件が高めに設定されることが多く、事前確認が不可欠です。維持条件や手数料を理解し、自分の資金計画に合った口座を選ぶことが重要です。

書類の公証・翻訳・認証が必要な場合がある

パスポートや住所証明、資金源証明など、銀行が求める書類は「英語またはアラビア語」で提出する必要があります。日本など海外から提出する場合は、翻訳や公証、さらにUAE大使館の認証が必要となるケースも多いです。

 

これらの手続きには時間がかかるため、余裕をもって準備することが大切です。事前に銀行に確認して必要な手続きを把握しておくと、スムーズに開設を進められます。

現地訪問・面談が必要なことが多い

多くの銀行では、非居住者や初めて口座を開設する場合に現地での面談が必要です。オンライン申請だけで完結するケースはほとんどなく、本人確認や口座利用目的の確認が行われます。

 

面談では銀行担当者の質問に答える必要があり、準備した書類の確認も受けます。現地訪問が難しい場合は、信頼できる口座開設サポート会社を利用するなど、事前に対応策を検討しておきましょう。

税務・報告義務(CRS)が求められる

UAEはOECDの共通報告基準(CRS)に参加しており、非居住者が開設した口座情報は居住国に自動報告されます。税務上の申告義務や報告義務が発生するため、開設前に居住国(日本であれば日本)の税制も確認必須です。

 

また、口座開設後も、銀行から送られる情報を正しく処理することで、後々の税務リスクを回避できます。税務・報告義務を理解した上で、銀行口座を活用することが重要です。

ドバイ銀行口座開設に関するQ&A

 

最後に、ドバイ銀行口座開設に関するよくある質問について回答します。

Q1. 非居住者でも口座を開設できますか?

A. はい、非居住者でもドバイの銀行口座を開設できます。ただし、銀行や口座タイプによって条件が異なり、一般的には「Non-Resident Account」と呼ばれる口座が対象となります。

 

非居住者向け口座は、最低預金額が高めに設定されている場合や、融資や小切手利用など一部サービスが制限されることがあります。また、資金源の確認や現地面談が必要な場合もあり、銀行側の審査が厳格に行われることを理解しておくことが重要です。

Q2. 口座開設に必要な書類は何ですか?

A. 個人の場合、一般的に必要なのはパスポート、有効な居住国での住所証明、資金源を示す給与明細や銀行履歴といった書類が必要です。一方、法人の場合は、会社登記証明、定款、取締役リストなどが追加で求められることがあります。

 

また、銀行によってはこれらの書類を英語またはアラビア語に翻訳し、公証やUAE大使館での認証を行う必要がある場合があります。書類に不備があると審査が長引くため、事前に銀行に確認して必要な書類を正確に準備しておくことが大切です。

Q3. 日本にいながらオンラインで開設できますか?

A. 完全に日本からオンラインだけで口座開設を完結できる銀行はほとんどありません。一般的には、オンライン申請で事前情報を提出した後、現地で本人確認や面談を行う流れになります。

 

非居住者の場合は、面談や書類提出のためにドバイへの渡航が必要なことが多いです。ただし、口座開設サポート会社を利用することで、現地手続きを代行してもらい、手続きを簡素化することが可能な場合もあります。

まとめ

ドバイの銀行は一定要件を満たすことで、非居住者でも口座を開設できます。ただし、マネーロンダリング対策で個人用・法人用共に開設条件は厳しく、非居住者であってもドバイ現地に訪問する必要があります。

 

また、複数の銀行がある中で、どのような利用目的があるのかを精査することも大切です。ビジネス用、不動産投資用、移住用といった目的を踏まえた上で、自分自身に合った銀行口座を開設しましょう。

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