
ミシシッピ州は不動産価格が比較的低く、投資初心者でも参入しやすい市場として注目されています。観光業やカジノ産業、教育、医療機関の集積により、賃貸需要が安定し、長期的な収益を見込めるエリアも多いのが特徴です。
さらに経済活動の多様化を背景に、都市開発やインフラ整備が進行中の地域もあり、将来的な資産価値の上昇も期待できます。
本記事ではミシシッピ州の不動産市場の特徴や投資のメリット・デメリット、そしておすすめのエリアについて詳しく解説します。ミシシッピ州での不動産投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ミシシッピの概要

アメリカ南部に位置するミシシッピ州は、豊かな自然と温暖な気候に恵まれた州です。ミシシッピ川が州の西側を流れ、豊かな自然環境を形成しています。歴史的に農業が主要産業で、現在も綿花や大豆の生産が州経済を支えています。
州内のガルフコースト地域には、美しい白砂のビーチが広がることで知られ、観光業やカジノ産業が盛んで、州経済の重要な柱となっています。この州には南部特有の伝統文化が色濃く残っており、歴史的建造物や文化スポットが点在しています。
近年では産業の多様化が進行し、ジャクソンやガルフポートなどの都市部を中心に製造業や物流業が発展しています。また生活費が低く、不動産価格も比較的手頃なため、移住者や投資家にとって魅力的な地域となっています。
ミシシッピ州の特に南部は、メキシコ湾に近いため湿度が高めでした。ブルースやロックなど音楽の発祥地で、エルビス・プレスリーやB.B.キングなどの博物館があり、音楽好きにはたまらない場所ではないでしょうか。
またこの州は、生活費が最も低く、ビジネスコストも6番目に低い州として、ビジネスチャンネルCNBCから高く評価されています。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 人口 | 約300万人 |
| 言語 | 英語 |
| 宗教 | キリスト教(多数派) |
| 主要産業 | 農業、製造業、カジノ産業 |
| 為替 | 1ドル=約150円(2025年3月時点) |
| 在留邦人数 | 約2,600人 |
ミシシッピ不動産投資のメリット

ミシシッピの不動産投資には、税制面での優遇や観光業による賃貸需要など多くのメリットがあります。今回はその中から3つのポイントをご紹介します。
初期投資費用の低さ
ミシシッピ州の不動産市場は、全米の中でも比較的価格が安く、初期投資費用を抑えやすい点が大きな魅力です。特に住宅価格の中央値が全国平均よりも低く、数万ドルから購入可能な物件が多く存在します。
これにより少額の資金で不動産投資を始められ、初心者や予算を抑えたい投資家にとって参入しやすい市場となっています。また固定資産税が比較的低いこともこの州の特徴の一つです。
州全体の固定資産税率は全米平均よりも低く設定されており、物件保有時の費用を抑えられるため、長期的な不動産運用がしやすくなります。さらに州や地方自治体による住宅購入支援プログラムも充実し、特定のエリアでは税制優遇措置や補助金を活用できる場合もあります。
これらの点から、ミシシッピ州は不動産投資を始めるのに適した地域と言えるでしょう。
高いキャッシュフロー
ミシシッピ州の不動産市場は、家賃相場と住宅価格のバランスが良く、高いキャッシュフローを得やすい特徴があります。初期投資額が低いため、比較的短期間で投資資金の回収が可能で、家賃収入による安定したキャッシュフローを実現しやすいのが魅力です。
特に州内の大学都市や工業地域では賃貸需要が高く、安定した入居率を見込めます。例えばミシシッピ大学(Ole Miss)やミシシッピ州立大学(MSU)のある都市では、学生や教職員向けの賃貸物件が常に高い需要を持っています。
また大手メーカーの工場が立地するエリアでは、労働者向けの賃貸需要が安定しているため、空室リスクが低いのも特徴的です。さらに政府による住宅支援プログラムが充実しており、低所得者向けの住宅補助金制度などを活用することで、安定した家賃収入を確保しやすくなっているのも見逃せないポイントです。
再開発とインフラ整備の進展
ミシシッピ州では近年、州政府および地方自治体による再開発プロジェクトやインフラ整備が進行中で、不動産市場の拡大が見込まれています。大都市圏や沿岸部では、新たな商業施設や住宅地の開発により、物件価格の上昇が予想できるでしょう。
州都ジャクソンで進められている都市開発計画は、新しいビジネスエリアの創出や交通網の拡充を含んでいます。これらの取り組みによって雇用が生まれ、人口増加へとつながる見込みです。結果として不動産市場の活性化が見られるのではないでしょうか。
港湾都市のガルフポートやビロクシにおいては、観光業の発展に伴うホテルやリゾート施設の建設が進行中です。こうした動きは、短期の賃貸市場の成長を促進します。再開発が活発な地域では、将来的な不動産価格の上昇が見込まれるため、投資家にとって魅力的な市場です。
加えて州は道路や公共交通機関の整備にも力を入れており、利便性の向上が移住者の増加につながる可能性があります。こうした要因が、ミシシッピ州の不動産市場の成長を後押ししているのです。
ミシシッピ不動産投資のデメリット・リスク

ミシシッピ不動産投資にはデメリットやリスクがあることも事実です。以下で解説する3つのマイナス面に注意し不動産投資を検討しましょう。
経済の不安定性
ミシシッピ州は経済規模が小さく、主要産業が農業や製造業に偏っているため、経済の多様性に欠けるというリスクを抱えています。自然災害や市場変動によって農業や製造業が打撃を受けた場合、地域経済全体が不安定化する恐れがあるでしょう。
また州全体の所得水準が比較的低いことから、高額な家賃設定が難しい状況です。このため賃貸収益の伸びに制限がかかる点は、投資家にとって無視できない懸念材料となっています。
こうした経済的な不安定要素は、不動産市場へ直接影響を与える可能性があるため、投資を検討する際には事前の市場分析が欠かせないでしょう。
自然災害のリスク
ミシシッピ州はハリケーンや洪水といった、自然災害の影響を受けやすい州です。特にメキシコ湾に面する沿岸部では、毎年のようにハリケーンが襲来し、住宅やインフラに深刻な被害をもたらすことがあります。
このため投資物件を選ぶ際には、災害に強い建物を選定することや、適切な保険の加入が不可欠となっています。また洪水によるリスクも無視できず、特定のエリアでは洪水保険の加入が法的に義務付けられている場合もあるのが現状です。
こうした状況により保険料が高額となり、結果的に投資収益を圧迫する可能性がある点には、十分な注意が必要といえるでしょう。
賃貸市場の競争と空室リスク
ミシシッピ州の一部地域では、賃貸需要が安定している一方で、新しい住宅供給が増加しており、賃貸市場の競争が激化しています。このため立地や物件の条件によっては、空室リスクが高まる可能性があります。
特に都市部では新築物件の供給が拡大しているため、古い物件は家賃を下げないと入居者確保が困難になるケースも少なくありません。こうした状況から、当初想定していた収益が得られないリスクがあることから、物件選びの際には市場動向の入念な調査が必須といえます。
ミシシッピ州の不動産投資にはメリットだけでなく、このようなリスク要因も伴うことを認識すべきでしょう。投資を検討する際には、経済状況や自然災害のリスク、賃貸市場の競争状況を十分に理解し、慎重な判断が求められます。
ミシシッピのおすすめ投資エリア3選

ミシシッピには特色の異なるエリアが点在しています。今回はミシシッピでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。
1. ジャクソン
ミシシッピ州の州都で、最大の都市でもあるジャクソンは、行政機関やビジネスの中心地として機能しています。
大学や病院が点在するこの地域は、教育や医療分野での安定した雇用を背景に、賃貸物件の需要が高いエリアです。
加えて州政府による都市再開発も現在進行中で、今後のさらなる発展に期待が寄せられています。住宅価格は比較的手頃な水準に保ち、長期的な資産価値の上昇が見込まれることから、初心者投資家にとっても魅力的な市場だと言えるでしょう。
ジャクソンは音楽の聖地として有名です。また南北戦争や公民権運動の舞台となったことから博物館が多くありました。音楽イベントや歴史探訪を目的に訪れるなら、フォンドレンやベルヘイブンのエリアがおすすめです。
2. ガルフポート
ガルフポートはミシシッピ州第二の都市で、メキシコ湾沿いに位置する美しい海岸都市です。観光業が盛んなこの地域では、特にカジノ産業が大きな収益源となっています。
観光客向けの短期賃貸市場が活発で、バケーションレンタルへの需要が高いことから、収益性の高い物件投資が可能と言えるでしょう。
また充実した港湾施設を有するガルフポートでは、貿易や物流関連の産業も拡大しており、地元住民向けの賃貸市場にも安定した需要があります。海沿いの不動産価格は上昇傾向にあり、今後の価格上昇が期待できるエリアです。
ガルフポートは穏やかなビーチタウンです。2005年のハリケーン・カトリーナで大きな被害を受けましたが、私が訪れたときは復興が進んでおり、今では観光地として再び活気を取り戻していました。
3. ハティスバーグ
ハティスバーグは教育と医療の中心地として知られる都市で、サザン・ミシシッピ大学が所在することから、学生向けの賃貸市場が安定しています。複数の大規模な医療施設を擁するこの街では、医療従事者向けの住宅需要も高く、安定した収益が見込めるのが魅力です。
近年ではショッピングモールやレストランが次々とオープンし、生活利便性が大きく向上しました。住宅価格は手頃でありながらも需要が堅調であるため、投資家にとって、安定した賃貸収入を期待できる魅力的なエリアとなっているのです。
ハティスバーグは鉄道が街の発展を切り開き、木材産業で栄えた「松林地帯」の中心として知られています。専門クリニックや大きな病院、大学の他にキャンプ・シェルビーという訓練基地もあり、豊かな自然と現代的な発展が調和した都市だと感じました。
まとめ
ミシシッピ州の不動産投資は、低コストで始めやすく、高いキャッシュフローを狙える魅力的な市場です。
不動産投資家にとって魅力と言えるメリットは以下の3つです。
- 低コストでの参入
- 収益性の高さ
- 都市インフラの拡充
一方で、次のような課題もあるため、慎重な分析が必要です。
- 経済成長の鈍化
- 自然災害リスク
- 市場競争と空室懸念
経済や観光の中心地を中心に投資を検討すると、安定した収益を得やすいでしょう。
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