これからのライフイベントや老後の生活資金に備えて、資産運用は重要なものとなってきます。しかし、資産運用は一定のリスクが伴うことから、失敗しないように注意しなければなりません。

そこで、本記事では資産運用を行うにあたって、失敗を防ぐ始め方を紹介します。資産運用におすすめの商品や、資金別にどれくらいの資産が構築可能なのかをシミュレーションしていくので参考にしてみてください。

資産運用とは

資産運用とは、自分が持っているお金を運用して効率的に資産を増やすことです。一般的に、資産運用では「預貯金」と「投資」の2つに分けられます。

前者の預貯金は主に、定期預金や外貨預金といった方法を用いて、地道に資産を増やすことを目的とします。一方、後者の投資は株式投資や不動産投資など、一定のリスクを負いながら資産を大きく増やしていきます。

どちらの運用方法が良いというわけではありませんが、資産運用に回せる資金の額、資産運用の目的・目標、自分に適した運用方法などを考慮して選択するようにしましょう。

資産運用で失敗しない始め方とは?

資産運用という言葉を聞くと、「失敗してお金を失ってしまうのではないか」と心配する方も多いのではないでしょうか。もちろん、リスクを伴う運用方法を選ぶと、予期せぬ損失を被る可能性があります。リスクを少しでも回避するために、資産運用で失敗しない始め方を把握しておきましょう。

資産運用向けの資金を確保する

まず、資産運用向けの資金を確保することです。資産を増やすという目的で始める資産運用ですが、生活資金を別に用意しなければなりません。

生活資金まで資産運用に回した結果、運用を失敗してしまうと、日常生活にも悪影響を及ぼす形となり得ます。資産運用向けの資金と、生活資金を別々に用意したうえで、運用を行うようにしましょう。

資産運用の期間や目的を定める

次に、資産運用の期間や目的を定めることです。期間や目的を決めておくことで、効率的に資産を増やせる可能性を高められます。

具体的には、自身のライフプランに合わせて、「いつまでに」、「どれくらい」の資産を構築すれば良いのかを計画します。また、ライフプランや目標額から逆算して、資産運用期間を考えるようにしましょう。

各投資商品のリスク・リターンを分析する

資産運用を始める際には、各投資商品におけるリスク・リターンの分析が重要です。というのも、投資商品ごとに利回りや、リスクの種類が異なるので、事前に分析しておかないと計画が失敗する可能性があります。自身の資産を投じて運用を行う以上、それぞれの商品がどのような特徴を持つのかをしっかりと把握しましょう。

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資産運用におすすめの商品・種類

資産運用を始めるにあたって、どの商品を選べばよいのでしょうか。おすすめの商品を5つ紹介するので、資産運用を始める際にチェックしてください。

国内・海外不動産

不動産投資では、毎月入居者から得られる家賃収入や、不動産売却によるキャピタルゲインなどの収益を狙えます。インフレリスクにも強く、安定した収益を期待できる運用方法の1つです。

また、不動産投資用ローンを組むことで、レバレッジ効果を活かせます。一般的に、物件購入価格に対する頭金は15〜30%ほどと言われており、3000万円の物件でも用意する金額は450〜900万円ほどです。

また、近年では海外不動産投資も注目されるようになりました。カンボジアやフィリピン、マレーシアといった東南アジア諸国は急速に経済が発展しており、不動産価格の上昇が見込まれています。たとえば、フィリピン全国における住宅用不動産価格指数は、2022年第1四半期において前年比で5.6%上昇しました(※1)。経済発展する余地はまだまだあり、キャピタルゲインを狙えるチャンスと言えます。

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※海外不動産投資の場合、不動産投資用ローンの借入が難しい点に注意が必要です

株式投資

株式投資は、企業が発行する株式を売買して収益を狙う方法です。株価が安いときに購入し、値上がったタイミングで売却すればキャピタルゲインを得られます。

また、一部の株式では、定期的に配当金という形で投資家に還元されます。ただし、株式を購入したときよりも株価が下落すれば、含み損を抱えたり、利益がマイナスになったりする危険性があります。

投資信託

投資信託は、投資ファンドに資金を預けて、さまざまな株式や債券などを運用する方法です。週ごと、月ごとといった一定期間を置きながら運用できるので、少額の資金からでも始められます。

また、株式投資は自分自身で運用しなければならない一方で、投資信託はプロのファンドマネージャーが代わりに運用してくれます。サラリーマンや経営者など、本業が忙しい方にとって運用しやすい方法です。

外貨預金

外貨預金は、米ドルやユーロといった外貨を預金し、為替変動や金利で収益を狙う方法です。日本国内の金融機関でも外貨預金に対応した口座が提供されており、日本にいながら外貨を運用できます。

とくに、円安下では日本円の価値が目減りするので、外貨預金がリスク回避につながります。運用方法も難しくなく、少額の資金で始められるのがメリットです。

リート(REIT)

リートとは、不動産投資信託のことです。投資信託の一種であり、ファンドマネージャーが投資家の代わりに不動産投資で運用益を狙います。

もともとアメリカで始まったリートですが、2000年11月「投資信託及び投資法人に関する法律」の改正に伴い、2001年9月に日本国内でも市場(JREIT)が設けられました。投資信託同様に少額の資金で始められるのがメリットです。

【資金別】資産運用の利回りシミュレーション

資産運用を始める前に、将来的にどれくらいの資産を築けるのかシミュレーションを行うことも大切です。1000万円、3000万円、5000万円、1億円の資金別に運用した場合における利回りシミュレーション(平均利回り3・5・7%で運用)を紹介します。

※複利で運用した場合のシミュレーションで必ずしも数値通りになるとは限りません

1000万円で始める資産運用シミュレーション

1000万円で資産運用を始めたときの利回りシミュレーションです。投資信託やリートといった比較的リスクが低い商品で平均3%の利回りを狙った場合、10年後には合計1343万円、30年後には合計2427万円まで伸びていきます。

一方で、平均7%の利回りで運用すれば、30年後には合計7612万円の収益を期待できます。ただし、一発で高収益を狙うのは危険であるため、リスクを考慮しながら商品を選ぶようにしましょう。

参考記事:1000万円で始める資産運用おすすめ5選!利回りシミュレーションや注意点

利回り1年後5年後10年後20年後30年後
3%
1030万円
1159万円
1343万円
1806万円
2427万円
5%
1050万円
1276万円
1628万円
2653万円
4321万円
7%
1070万円
1402万円
1967万円
3869万円
7612万円

3000万円で始める資産運用シミュレーション

次に、3000万円を元手に資産運用を行ったときのシミュレーションです。原資もそれなりに多いことから、平均3%の利回りでも10年後には合計4031万円、30年後には7281万円の収益を狙えます。

平均利回り5%を狙って運用した場合には30年後に合計1億円を突破、平均利回り7%であれば20年後には合計1億円を突破する計算です。分散投資を意識しつつ、資金に余裕があれば海外不動産も検討してみてください。

参考記事:3000万円の資産運用におすすめの方法とは?予想利回りや運用時の注意点

利回り1年後5年後10年後20年後30年後
3%
3090万円
3477万円
4031万円
5418万円
7281万円
5%
3150万円
3828万円
4886万円
7959万円
1億2965万円
7%
3210万円
4207万円
5901万円
1億1609万円
2億2836万円

5000万円で始める資産運用シミュレーション

5000万円を元手に資産運用を始めると、平均利回り3%でも30年後には合計1億円を超える計算となります。つまり、30代ですでに5000万円の余裕資金を持っている方であれば、低リスクの商品を中心に運用しても60歳には合計1億円以上の資産を築けるということです。

また、国内・海外不動産投資で、5%近い利回りの商品を中心に運用すると、20年後に合計1億3266万円、30年後には2億1609万円まで伸びていきます。リスクに注意しながら、合計1億円を超える資産構築が目標となります。

参考記事:5000万円で始める資産運用シミュレーションを紹介!セミリタイアは可能?

利回り1年後5年後10年後20年後30年後
3%
5150万円
5796万円
6719万円
9030万円
1億2136万円
5%
5250万円
6831万円
8144万円
1億3266万円
2億1609万円
7%
5350万円
7012万円
9835万円
1億9348万円
3億8061万円

1億円で始める資産運用シミュレーション

最後に、1億円で資産運用を始めた場合の利回りシミュレーションです。平均利回り3%の商品を中心にポートフォリオを組んでも、30年後には倍以上の資産構築を期待できます。

参考記事:1億円の資産運用方法とは?ポートフォリオ例や利回りシミュレーションを紹介

利回り1年後5年後10年後20年後30年後
3%
1億300万円
1億1592万円
1億3439万円
1億8061万円
2億4276万円
5%
1億500万円
1億2762万円
1億6288万円
2億6532万円
4億3219万円
7%
1億700万円
1億4025万円
1億9671万円
3億8696万円
7億6122万円

資産運用の始め方で注意すること

資産運用を始める際には、いくつかの注意点にも気をつける必要があります。4つのポイントを紹介するので、1つ1つ丁寧に見ていきましょう。

初心者は少額で始められる投資商品を選定する

資産運用を始めたばかりの方は、少額で始められる投資商品から選定します。いきなり高額の商品を購入すると、損失が発生したときに手元の資金を大幅に失う可能性があります。

たとえば、3000万円の余裕資金がある方が資産運用を始める場合、投資信託や区分マンション投資などから始めてみるのもおすすめです。また、カンボジアの首都プノンペンには1000万円台で購入可能な物件もあるので、海外不動産も候補に入れてみましょう。

【無料ダウンロード可能】カンボジア不動産市場を徹底解説|カンボジア不動産ガイド

資産全体のポートフォリオを作成する

資産運用で投資を進めていくなかで、ポートフォリオの作成も忘れないようにしましょう。ポートフォリオは、各商品の保有比率や、どれくらいの収益が発生しているのかを可視化するものです。

仮に、ポートフォリオを作成しないままでいると、ある商品で損失が発生しているときに損失に気づかないまま資産を失っていく危険性があります。資産運用の専門家に相談するときにも役立つので、ポートフォリオの活用を推奨します。

長期・分散・積立投資でリスク対策を行う

投資には、一定のリスクが伴います。そこで、長期・分散・積立投資を行い、リスク対策を徹底するようにしましょう。

たとえば、不動産投資であれば、複数の都市・国に物件を保有することで、地理的リスクや政治的リスク、経済的リスクなどのリスク回避につながります。また、短期投資で売買を繰り返すのではなく、長期目線で資産を保有し、じっくりと収益が発生するのを待つようにしてみてください。

資産運用の専門家に相談する

最後に、専門家への相談です。これまで投資を行ってこなかった方のなかには、「どの商品を購入すればよいのか」、「いつ商品を購入すればよいのか」などの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

資産運用の専門家に相談すれば、自身の余裕資金や目的・目標に応じて最適なアドバイスをもらえる可能性があります。疑問点や不明点の解決にもつながるので、まずは専門家に相談をしてみましょう。

まとめ

資産運用を失敗しないためにも、始め方をしっかりと把握することが大切です。余裕資金と生活資金を分けることや、各商品のリスク・デメリットを分析するなど、事前準備をしてから始めるようにしましょう。

また、資産運用を始めるにあたって、本記事で紹介した注意点の確認も忘れないようにしてください。当社は、東南アジアを中心に海外不動産を取り扱っており、各国の物件情報に精通したスタッフがご案内しています。日本国内だけでなく、海外不動産にもご興味がある方はぜひお問い合わせください。

※1:フィリピン中央銀行「Residential Real Estate Prices Continue to Rise in Q1 2022

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