2022-06-24

3000万円の資産運用におすすめの方法とは?予想利回りや運用時の注意点

  • 海外不動産コラム

資産運用は現時点での貯金額に関係なく、すぐに始められます。とはいえ、資産額に応じて適切な運用を行うと、さらなる利益を期待できます。

では、3000万円の貯金で資産運用を始める場合、どのような方法があるのでしょうか。本記事では、3000万円から始める資産運用方法や、利回りシミュレーションを紹介します。注意点も参考にしながら、資産運用を始めるようにしましょう。

貯金3000万円の人に資産運用がおすすめな理由

資産運用は、貯金の額に関わらず始められます。とはいえ、3000万円もの貯金がある方が資産運用を始めることで、将来における選択肢を広げられます。

セミリタイアを考えられる

3000万円の貯金額は、セミリタイアやアーリーリタイアを考えられる金額です。たとえば、3000万円で資産運用を始めて、年間利回りで5%(税引後)得られたとすると、1年に150万円の資金を生活に充てられます。また、150万円を複利運用することで、利益を得るチャンスがさらに広がります。

老後の資産形成につながる

3000万円の貯金があったとしても、貯金を切り崩しながら生活すると、老後の生活中に貯蓄が切れてしまう可能性があります。日本の平均寿命は男性・女性ともに80歳を超えており、3000万円の貯金だけで生活するのは危険な選択になりかねません。(※1)

そこで、3000万円を資産運用に回すことで、老後資金の形成につなげられます。生活資金にも余裕が生まれ、老後の生活を豊かに送りやすくなります。

3000万円の預金はペイオフの対象外

ペイオフとは、金融機関が破綻したときに、預金保険機構が預金者に一定額までは払い戻す制度です。1金融機関あたり、1000万円と利息がペイオフ対象の限度で、上限を超える金額については金融機関の財産次第となっています。

つまり、3000万円を1つの金融機関に預金し、仮に金融機関が破綻すると1000万を超えた分は戻ってこない可能性があるということです。もちろん、3000万円を分散して預ける方法もありますが、円安傾向が続くなかで、相対的に円の目減りが進んでいます。自己資産に余裕を持たせるためにも、資産運用でコツコツと増やし続ける必要があります。

将来的に海外移住を検討できる

老後やセミリタイアなどを迎えた際に、海外移住という目標を立てている方も多いのではないでしょうか。早い段階で、3000万円の貯金を資産運用に回すことで、将来的に海外移住も検討できます。

とくに、東南アジア諸国は日本よりも物価が安く、生活コストを抑えながら生活を送れます。今のうちに3000万円の元手で資産運用を始めれば、海外移住も十分に検討することができます。

参考:【東南アジア】移住人気4ヵ国比較ガイド

3000万円で資産運用を始める方法

3000万円の資金で資産運用を始めるにあたって、どのような投資商品を購入すればよいのでしょうか。各投資商品の概要と想定利回りを紹介します。

国内不動産

安定して利回りを獲得したい場合には、国内不動産への投資も選択肢に挙がります。金融機関で不動産投資用のローンを組めば、自己資金を最小限に抑えながら運用できます。

地域ごとに期待利回りは異なりますが、東京都は3〜4%、札幌・仙台・京都・広島は5%台、大阪は4%台という調査結果が出ています。(※2)

海外不動産

海外不動産投資は、日本国内の不動産投資と同様に、継続的な家賃収入や不動産売却によるキャピタルゲイン獲得を目指します。ヨーロッパやアメリカ(ハワイを含む)方面での不動産投資が人気ですが、最近では東南アジアの不動産投資も注目されています。

東南アジアの不動産投資で注目を集めている理由は、経済成長です。カンボジアでは、新型コロナウイルスの感染対策によるロックダウンで成長率が落ち込んだものの、2021年は2.2%、2022年には5.1%の経済成長が見込まれています。(※3)

不動産の利回りも高く、フィリピンでは6.13%、カンボジアでは5.33%という数字が出ています。経済成長による不動産価格上昇を狙って、東南アジア方面の不動産を購入するのもおすすめです。(※4)

東南アジア諸国の不動産利回り相場(表面利回り)

国名 表面利回り
フィリピン
6.13%
カンボジア
5.33%
タイ
5.13%
マレーシア
3.72%

国内・海外株式投資

1つ目は、国内・海外株式投資です。株式投資は、企業の株式を購入し、株価が上がったときに売却することで、キャピタルゲインを獲得する方法です。また、一部の企業では、株式を保有する株主に対して、配当金が支払われることもあります。

どの株式を購入するかによりますが、一般的に株式投資の平均利回りは5%ほどと言われています。ただし、購入時より株価が下落すれば、含み損を抱えたり、利益がマイナスになるリスクがあります。企業の業績や財務状況などを調べたり、株価のチャートを分析したりするなどし、今後伸びる可能性が高い株式を中心に購入するようにしましょう。

投資信託(インデックス投資)

投資信託とは、運用のプロフェッショナルであるファンドマネージャーに資金を預けて、株式や債券などを運用する方法です。株式投資と異なり、自分自身で売買する必要がないので、本業が忙しい方や株式投資の運用方法がわからない方に適しています。

なお、投資信託の利回りは、商品ごとに大きく異なります。たとえば、テクノロジー系の企業やインフラ系の企業に集中して投資する商品だと、年間で10%以上の利回りが発生しています。一方、今後成長が予想される企業の株式を中心とした商品は、年間4〜6%ほどの利回りです。高い利回りを得られる商品を購入するのが望ましいですが、リスク管理にも注意しましょう。

国内・海外債券

債券とは、国や自治体、企業などが、投資家から資金を借り入れるために発行する有価証券です。債券ごとに、利率や償還日が明記されており、満期を迎えたときに額面通りの金額が支払われます。

債券に投資する場合、インフレ率が高い国ほど金利が高くなるため、債券による利回りも比例して高い数字となります。インフレが進んでいるアメリカの米国国債10年の利回りは、2022年6月現在で3.288です。一方、量的緩和を続けている日本の日本国債10年の利回りは、同じく2022年6月現在で0.237です。(※5)

外貨預金

外貨預金は、その名前の通り、海外の通貨を預金することです。日本国内の証券会社や銀行で、外貨用の普通預金と定期預金の口座を開設できます。

昨今、海外の通貨と比較して、相対的に日本円の価値が下落傾向にあります。米ドルに関しては、2022年3月時点で1ドル=115円から、2022年6月には1ドル=135円までドル高・円安となりました。つまり、今後も円安が続く場合、外貨を保有しておくことで、値動きの差額分を利益として得られます。

また、外貨預金は、為替相場の変動による利益だけでなく、金利による利益も狙えます。預金口座の金融機関で異なりますが、三井住友銀行で米ドルを1年定期預金した場合は0.001%、住信SBIネット銀行であれば同じ条件で1.350%の金利が付きます。(※6)

国内・海外REIT

REITとは、「Real Estate Investment Trust」の頭文字を取った言葉で、日本語では「不動産投資信託」という意味があります。上記で解説した投資信託の一種で、投資家から集めた資金をコンドミニアム、商業施設、オフィスビルといった不動産を対象に投資を行います。

REITの特徴は、高い利回りを期待できることです。JREIT(日本国内のREIT)の過去10年間における平均予想分配金利回りは、3〜6%で推移しています。JREITの場合、収益の90%超を分配することで、法人税が課せられない仕組みであるため、投資家への還元も高くなります。(※7)

ヘッジファンド

ヘッジファンドは、金融機関や機関投資家から資金を集めて運用するファンドです。そもそも、「ヘッジ(hedge)」とは、「避ける」という意味があり、ヘッジファンドでは為替相場や株価が下がったときでも、資産が減ってしまうのを避けるように運用します。

通常、株式投資や投資信託では、株価や指数などが上昇したときのみでしか利益を得ることができません。一方、ヘッジファンドは、先物取引や信用取引において空売りを活用し、相場が下落トレンドのときでも利益を狙います。

具体的な数字は公表されていませんが、10〜15%以上の利回りを狙っているヘッジファンドが多いです。ただし、ヘッジファンドによる運用は、リスクが高く、逆に損失が出る危険性もあります。

30代・40代が3000万円の運用で得られる利回りのシミュレーション

30代や40代の方が3000万円の資産を運用することで、どれくらいの利回りを得られるのでしょうか。1年ごとの利回りを1%・3%・5%・7%と仮定し、運用益を再度投資に回す複利運用でのシミュレーションを確認してみてください。

利回り 1年後 5年後 10年後 20年後 30年後
1% 3030万円 3153万円 3313万円 3660万円 4043万円
3% 3090万円 3477万円 4031万円 5418万円 7281万円
5% 3150万円 3828万円 4886万円 7959万円 1億2965万円
7% 3210万円 4207万円 5901万円 1億1609万円 2億2836万円

上記の利回りシミュレーションのとおり、3000万円を長期で資産運用すれば、20年後、30年後には老後資金に十分な額に届きます。ただし、投資商品や景気などの原因によって、将来的に利回りが変動する可能性がある点には注意が必要です。

また、資産運用では、年齢ごとに目標額を設定することも大切です。たとえば、65歳までに5000万円以上の資産額を達成したい場合には、利回り3%の商品を20年運用すると仮定して、40代中盤までには3000万円で資産運用を始めるようにします。あらかじめ、目標額と目標達成年齢を設定しておくことで、資産運用のゴールを明確にできます。

3000万円から資産運用を始める際の注意点

3000万円から資産運用を始めるにあたって、注意点を把握しておく必要があります。資産を失わないように、注意点を踏まえたうえで適切に管理しましょう。

ポートフォリオで資産状況を把握する

まずは、ポートフォリオで自身の資産状況を知ることです。資産運用では、1つの投資商品だけでなく、複数の商品を同時に保有するため、全体における比率を把握しておく必要があります。

ポートフォリオを把握しておくことで、リスクの高い商品をどれくらい保有しているのか、どの商品で利益が発生しているのかをひと目で確認できます。また、外部の専門家に相談する際にも、ポートフォリオを作成することで、適切なアドバイスを受けられやすくなります。

流動性の高い資産を持つようにする

2つ目の注意点は、流動性の高い資産を保有することです。たとえば、現金化に時間を要する金融商品でポートフォリオを占めている場合、突発的に現金が必要になったときの対応が難しくなります。

また、流動性が低い商品は、売却に時間が取られてしまうため、損失が出続ける危険性があります。ポートフォリオを作成する際には、流動性が低い商品で固めるのではなく、すぐに現金化が可能な商品も選ぶようにしましょう。

一括投資を避けてリスク分散を心がける

資産運用では、一括投資を避けて、リスク分散を心がけることも大切です。利益を狙う以上、利回りの高い商品を購入したい気持ちが出ますが、利回りが高いほどリスクも高くなりやすいです。

たとえば、ヘッジファンドは、10〜15%の高利回りを期待できる一方で、多額の損失を被る危険性があります。高利回りの商品に一括投資したい気持ちを抑えて、バランスを重視しましょう。

資産運用に特化した専門家と相談する

最後に、資産運用を成功させるためにも、資産運用の専門家への相談も検討してみてください。さまざまな投資商品のなかから、バランス良く利回りを得られるポートフォリオを作成するのは簡単ではありません。

とくに、海外不動産投資は、現地の不動産情報が入手しにくく、単独で行うと失敗するリスクが高まります。当社では、マレーシアとカンボジアに現地法人を設立し、初めて海外不動産を購入する方にも丁寧にサポートしております。少しでも海外不動産に興味がある方は、気軽にお問い合わせください。

まとめ

3000万円から資産運用を始めることで、利回り次第で老後資金を十分に確保できます。また、3000万円という資金的に、株式投資や国内外のREIT、国内不動産、海外不動産など、さまざまな運用方法が可能です。

一方、運用方法を間違えると、貴重な資産を失う危険性があります。リスクを最小限に抑えるためにも、分散投資の徹底や専門家への相談を検討しましょう。

※1:公益財団法人生命保険文化センター「日本人の平均寿命はどれくらい?

※2:第43回 「不動産投資家調査」(2020年10月現在)の調査結果

※3:JETRO「需要拡大などを背景に景況感は大幅なプラスに(カンボジア)

※4:GlobalPropertyGuide「Rental Yields in Asia

※5:SBI証券「米国国債10年」、「日本国債10年

※6:三井住友銀行米ドル定期預金住信SBIネット銀行米ドル定期預金

※7:J-REIT分配金利回り(10年間)