1000万円で資産運用を始めるにあたって、定期預金として現金を保有することも1つの選択肢ですが、低金利で得られる利息はごくわずかです。そこで、1000万円で始められる多様な資産運用方法を見ていきましょう。

今回の記事では、1000万円を元手に始める資産運用方法を5選紹介します。また、1000万円で始められる資産運用おすすめ5選とともに、利回り別のシミュレーションや注意点をまとめているので、今後の運用に活用してみてください。

資産1000万円を超えたら資産運用を始めるべき?

そもそも、資産1000万円を超えた時点で資産運用を始めるべきなのでしょうか。もちろん、生活資金を別に用意しておく必要はありますが、1000万円の元手があればさまざまな資産運用方法から選べます。

また、将来的にインフレが発生した際に、1000万円を現金だけで保有していると、資産が目減りする可能性があります。自身が保有する資産価値を低下させないためにも、貯蓄と分けて運用することが大切です。

1000万円あったらできる資産運用おすすめ5選

1000万円の資金で資産運用を始めるうえで、どの商品を購入すればよいのでしょうか。資産運用におすすめの商品5選を紹介します。

おすすめ運用方法1.国内・海外不動産

はじめに、国内・海外の不動産投資です。不動産投資では、入居者から毎月支払われる家賃収入や、不動産売却によるキャピタルゲインで収益を狙います。

1000万円で不動産投資を始められるのか不安に思う方もいるかもしれませんが、不動産投資用ローンを組めば少額の資金で始められます。一般的に、物件購入価格に対する頭金は15〜30%ほどと言われており、3000万円の物件を購入するのであれば、450〜900万円の資金でも始めることが可能です。

また、経済発展が続く東南アジアの不動産も注目されています。「貧しい国のイメージ」があるカンボジアでは、首都プノンペンにおける主要エリアの地価が2019年のたった1年間で約12%も上昇しました(※1)。また、プノンペンには首都であるのにも関わらず、1000万円で販売されているコンドミニアムもあります。ただし、海外不動産購入時に、不動産投資用ローンの借入が難しい点に注意が必要です。

カンボジア不動産市場を徹底解説|カンボジア不動産ガイド

おすすめ運用方法2.株式投資

株式投資は、株式の売買を繰り返して収益を狙う方法です。また、一部の株式では、保有者に対する配当金の収益も期待できます。

経済状況に応じて、国内だけでなく、海外企業の株式を購入できるのが魅力です。また、ドル建てを含む海外通貨建てで株式を購入することで、円安時のリスク対策にもつながります。

おすすめ運用方法3.投資信託

投資信託とは、運用のプロであるファンドマネージャーに資金を預けて、株式や債券を運用する方法です。株式投資と異なり、自分自身で運用する必要がないので、サラリーマンの副業にもおすすめと言われています。

また、複数企業の株式を組み合わせた商品や、各業界に特化した商品、新興国の株式をまとめた商品などがあるので、分散投資にも効果があります。

おすすめ運用方法4.REIT(リート)

REIT(リート)とは、不動産投資信託とも呼ばれており、投資家から集めた資金をコンドミニアム、商業施設、オフィスビルといった不動産を対象に投資する方法です。実物の不動産投資と異なり、あくまでも投資信託という形でファンドマネージャーが代わりに運用します。

一方で、現物資産である不動産を保有することはできません。不動産投資とREITのどちらに投資するべきか迷われている方は、それぞれの違いも把握しておきましょう。

おすすめ運用方法5.外貨預金

外貨預金は、その名前のとおり、外国の通貨を預金する運用方法です。日本国内の金融機関のなかには、日本円の預金だけでなく、米ドル、ユーロ、ポンド、豪ドルといったさまざまな通貨の預金にも対応しています。

外貨預金による資産運用方法では、為替変動による差益や、各通貨間の金利差による収益を狙えます。とくに、円安が進行しているなかで、日本円だけを保有していることによる資産の目減りを防ぐのも役立ちます。

1000万円で資産運用を始めるメリット

1000万円を元手に資産運用を始めることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。これから資産運用を始めようとしている方は、次の3つのメリットを参考にしてみてください。

家賃収入や配当による不労所得を期待できる

1つ目のメリットは、不労所得の実現を狙えることです。不労所得とは、労働をしていないのにも関わらず収入を得られる所得で、不動産投資における家賃収入や、株式投資の配当などが当てはまります。

たとえば、1000万円の元手で利回り3%の商品を保有していれば、10年後には合計300万円(単利)の収益を労働することなく狙えます。

長期投資で複利効果を狙える

複利効果とは、資産運用で発生した利益を再運用し、さらなる利益を狙う方法です。1000万円の資金を元手に利回り3%の複利効果を狙った場合、10年後に合計350万円ほどの収益が発生する計算となります。

同じ資金・期間において、単利で運用したときの収益が300万円だったのに対して、複利効果を活用すれば50万円ほど上乗せできます。すべての投資商品で複利効果を狙えるわけではありませんが、期間が長いほど複利効果を高められます。

資産の目減りを防ぎやすい

資産運用を行うことで、資産の目減りを防ぎやすい点もメリットに挙げられます。経済状況が著しく変化するなかで、今後インフレが加速した場合、現金資産だけでは資産が目減りする可能性があります。また、円安の状況下では、日本円の価値が相対的に低下してしまいます。

一方、一部の現金以外の資産を保有していることで、資産の目減りを防ぐのに役立ちます。たとえば、不動産はインフレに強い資産と言われており、資産価値の低下を軽減します。

また、海外不動産は円安対策にも効果的です。カンボジアの不動産は、不動産による利益を米ドルで受け取れるほか、米ドルの預金にも対応しています。円安リスクに不安を感じている方は、海外不動産の選択も検討してみてください。

【利回り別】1000万円で始める資産運用シミュレーション

1000万円を元手に資産運用を始めることで、どれくらいの資産を築けるのでしょうか。3%、5%、7%の利回り(複利)別に、1000万円で始める資産運用シミュレーションを紹介します。

【利回り3%】資産運用シミュレーション

1000万円を元手に利回り3%で運用した場合、1年後に1030万円、5年後に1159万円、10年後に1343万円、20年後に1806万円、30年後に2427万円といった資産を築ける可能性があります。

3%の利回りを狙うのであれば、投資信託やREIT、外貨預金といった低リスクの商品を中心にポートフォリオを作成してみてください。

利回り1年後5年後10年後20年後30年後
3%
1030万円
1159万円
1343万円
1806万円
2427万円

【利回り5%】資産運用シミュレーション

1000万円を元手に利回り5%を運用する場合、1年後に1050万円、5年後に1276万円、10年後に1628万円、20年後に2653万円、30年後には4321万円にも上ります。

30代で資産運用を始めれば、老後のタイミングで4000万円の資産を見込めます。5%の利回りを狙うのであれば、成長性の高い企業の株式や、国内・海外不動産も検討に入れてみてください。

【無料ダウンロード可能】18ヶ国の不動産を徹底比較!海外不動産比較ガイド

利回り1年後5年後10年後20年後30年後
5%
1050万円
1276万円
1628万円
2653万円
4321万円

【利回り7%】資産運用シミュレーション

利回り7%で資産運用を行うと、1年後に1070万円、5年後に1402万円、10年後に1967万円、20年後に3869万円、30年後には7612万円もの数字を期待できます。株式投資や海外不動産といった高い利回りの商品を購入することで、1000万円からの運用でも30年後には7000万円を超えてくる可能性があります。

ただし、7%もの高利回りの商品に投資する場合、リスク管理にも注意が必要です。資産運用の専門家にも相談し、安全な方法で投資を行うようにしましょう。

利回り1年後5年後10年後20年後30年後
7%
1070万円
1402万円
1967万円
3869万円
7612万円

1000万円で資産運用を始める際の注意点

1000万円を元手に資産運用を始めるにあたって、いくつかの注意点に気をつけるようにしましょう。

低リスクの商品で資産運用を始める

1つ目の注意点は、低リスクの商品で資産運用を始めることです。投資商品のなかには、リスクが低いものから、高いものまで幅広いものがあります。

リスクが比較的高い商品は、高リターンを狙える可能性もありますが、損失の危険性も高まります。元手1000万円をそのまま高リスクの商品に投資し、すべての資金がなくなってしまわないように、低リスクの商品を中心に投資を行うようにしましょう。

ポートフォリオを作成する

次に、ポートフォリオを作成することです。ポートフォリオは、各商品の比率や、収益・損失状況の把握や、専門家に相談する際にも役立ちます。

また、ポートフォリオは、リスクコントロールにも効果的なツールです。リスクが高い商品と、低い商品の比率を調整したり、将来的なリスクを踏まえながら、資産運用を行えるようになります。

10年、20年後のライフプランを考える

資産運用を始める際には、10年後、20年後のライフプランを考えるようにしましょう。具体的には、結婚や子育て、海外移住、定年退職後や老後の生活といった自身の人生におけるプランを立てることです。

このようにライフプランを考えておけば、いつまでに、どれくらいのお金を用意しておけばよいのかが明確になります。

資産運用の専門家に相談する

最後に、資産運用の専門家に相談することです。これまで投資を行ったことがない方の場合、「どの商品を購入すればよいのか」、「1000万円の資金に対して、どのようなポートフォリオを組むべきか」といった悩みを抱えることがあります。

あらかじめ専門家に相談をしておけば、今後の目標・目的達成に向けて、適切な資産運用の道筋を持てるようになります。もちろん、自身で勉強することも大切ですが、専門家からも話を聞きながら資産運用を始めるようにしましょう。

まとめ

1000万円の資金を元手に資産運用を始めることで、不労所得の実現や、今後のライフイベントに発生するお金のやり繰りに対応できます。また、現金だけでなく、株式投資や不動産といった資産を保有し、予測が難しい経済状況の変化にも適応する可能性を高められます。

ただし、資産運用には一定のリスクも存在するので、ポートフォリオを作成したり、自身のライフプランを計画したりしましょう。また、専門家にも相談し、資産を安全に増やせる方法を模索してみてください。

※1:CBRE社「Phnom Penh, Q4 2019