2021-11-30
【タイ移住のメリット】年金だけで暮らせる?ビザや注意点まで徹底解説!
- 海外不動産コラム
在留邦人数は7万人を超え、海外移住したい国ランキング第2位のタイ※。
物価の安さ、リタイヤメントビザの取りやすさから「老後はタイで過ごしたい」と考えられる人も多くなってきているようです。
「微笑みの国タイ」という言葉はあまりにも聞きなれた言葉かもしれませんが、仏教大国で、信仰深く礼儀正しく温和なタイ人の国民性は 日本人にもなじみやすいものでしょう。
今回は、タイの移住の魅力をお伝えしたいと思います。
※出所:一般財団法人ロングステイ財団『ロングステイ希望国・地域2019』
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タイ移住の6つのメリット
1.物価が安い
経済発展とともに物価も上昇し続けているタイですが、まだまだ日本より全体的な物価も安く、暮らしやすい国と言えるでしょう。ただ、暮らしのレベルが選べる国とも言われ、日本と孫色ない暮らしをしようとすると、それなりに出費もかかるようです。
夫婦2人でバンコク在住の日本人Aさんの1か月の生活費の一例です。
項目 | 費用 |
---|---|
住居 | 約9万円(3LDKのコンドミニアム) |
食費 | 約7万円( ほぼ3食外食たまに自炊) |
通信費 | インターネット 100MB 3,000円、電話代5GB1,800円(携帯電話・インターネットの固定回線) |
水道光熱費 | 5,000~8,000円(水道・ガス代) |
交通費 | 普段は車、たまに電車に乗ると55~145円円 |
合計 | 約17万円 |
この方はバンコクの都心部スクンビットに住み、食事は現地のものより日系や他の外資の飲食店で食べることがほとんどのため、住居費、食費が日本に住んでいるとき並みにかかるようです。(タイでは自炊より食事は外で済ますのが普通という文化があり、賃貸ではキッチンがまともについていないところもけっこうあります)。
タイで日本食を自炊しようとすると、富士スーパーという有名な日本食材を打っているスーパーもありますが、輸入品ということもあり、価格は日本米、醤油、味噌などだいたい日本で買う場合の2倍くらいです。
現地のフードコートなどで食事をすれば200~300円くらいでもお腹一杯食べることはできますので、日系のお店と現地のお店を半々くらいにすれば、食費はもう少し安く抑えることもできます。
光熱費、通信費などは日本より安く、住居費も都心部から少し外れれば5~6万円台でも十分にきれいで広い部屋を借りることができます。ただ、タイの交通渋滞は半端ではありませんので、働いている人はそのあたりの考慮は必要です。
交通費については地下鉄でだいたい日本の1/3ぐらいの料金です。
便利さをとることも安さをとることもできるのがタイの生活です。
2.公共交通機関が発達していて便利
首都バンコクでは渋滞に悩まされるところはありますが、地下鉄などの交通機関が発達しているため、便利に生活ができます。
BTS(高架鉄道)は、サイアム、ラーチャダムリ通り、スクンビット通り、シーロム通りなどバンコクの都心を走っています。5時頃から24時頃まで約4~8分の間隔で運行しています。運賃も16~44バーツと本数も多くリーズナブルなため、地元住民も観光客も重宝している公共交通機関です。
MRT(地下鉄)は、ホアランポーン駅(国鉄バンコク中央駅前)からタオプーン駅間20kmを運行しています。シーロム駅、スクンビット駅、チャトゥチャック駅ではBTSの駅と連結しています。
路線バスは日本のように系統が数字になっています。(アルファベットのバスもあります)。どの路線バスも時刻表がないのですが、最近路線バスにGPSを搭載しどのバスがどの辺りを走っているのかが分かるアプリ(VIABUS)やどのバスに乗ればが良いかを検索できるサイトがありますので、是非チェックしてみてくださいね。
冷房入りバス:青色バス(緑色の帯入り)・白色バス(緑色の帯入り)・オレンジ色バス・ピンク色バス
冷房なしバス:赤色バス(赤い帯入り)・白色バス(青い帯入り)・白色バス(青と黄色の帯入り)
となっています。英語が通じない場合もありますので注意が必要です。
鉄道ではカバーしきれないエリアはタクシーやトゥクトゥクを利用します。タイ中央平野部では、水上交通(ボート)という交通手段もあります。
3.居住環境が良い
タイの不動産は地域によりますが、500万円台のコンドミニアムから上は1億を超える物件まであります。タイでは外国人は土地を買えませんので、コンドミニアムでの購入となります(規定あり)。どの物件も日本で同じものを購入するより、ワンランク、ツーランク豪華な物件を購入することができます。
賃貸の場合も、都心部は2LDKで9万円くらいと一見日本と価格が変わらないように思われますが、家具・家電付きで入り口には警備員が常駐し、共有スペースにはプールやジムがあるといった具合です。
都心部から少し離れれば、プール・ジム付きでも5~6万円という賃貸もあり、同じ金額でも日本より優雅な住居に住むことができます。
4.日本人街がある
バンコクは外国における都心部の人口密度が世界一と言われており、スクンビットエリアには、日本人街と言われる通りもあり、大戸屋やモスバーガー、丸亀製麺といった日本でなじみの深い多くの日系飲食店チェーンがあります。
さらに、日本の食材が買えるスーパー、デパート、邦画も見れる映画館、日本人経営のスーパー銭湯まであります。日本語の通じる大病院も存在し、日本語だけでも生活できる環境がそこには存在します。
バンコクのほかにもシラチャ、チェンマイも日本人の多いエリアです。
5.日本からペットを連れていっても快適に暮らせる
移住もいいけれども、日本で一緒に暮らしているペットのことを考えると二の足を踏む、そう考えられている人にとっては、タイは最適な国です。
マレーシアやインドネシアでは宗教上の理由で、犬を外で散歩させるのが難しいのですが、タイでは堂々と愛犬と散歩をすることもできます。(イスラム圏の国はどちらかというと猫に寛容です)。
バンコクでは、ペット飼育可の物件も徐々に増えてきていますし、都心部は日本語の話せる獣医のいる動物病院やトリマー、ドッグカフェやドッグランなどペットと暮らす環境も整っています。
ペットと一緒の日本からの出国については、だいたい6週間前くらいに出国する空港の検閲に問い合わせましょう。犬や猫であれば、一定の書類を提出したり、検査をしたり、予防接種をしたりということは必要ですが、きちんと手続きを踏めば、特に向こうの検疫に何日も預けられるということもなく、空港から一緒にタイの引っ越し先に向かうことができます。
6.日本からのアクセスがよい
日本からのバンコクへは、成田空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港(名古屋)、福岡空港、新千歳空港(北海道)、那覇空港(沖縄)、仙台(宮城)空港の合計8社の直行便で6~7時間が出ています。
タイ移住のビザの種類について
タイは観光なら30日までビザなしで滞在することができます。(イミグレーションで30日間延長可)
それ以上の滞在となるとビザの申請が必要で、ビザの種類としては
- 観光ビザ
- 学生ビザ
- 就労ビザ
- 年金ビザ
- リタイアメントビザ
などがありますが、長期滞在をする場合、学生ビザ、就労ビザ、リタイアメントビザ等が主になるかと思います。(家族ビザのようなものもあります)
学生ビザはタイの学校に通学している間有効で、就労ビザはタイにある企業に申請をだしてもらうことが条件ですが、いずれも長期滞在のためには何度も延長申請を出さなければならず、結構面倒なところがあります。
50歳以上の方なら日本からの年金受給額が月額800,000バーツまたは銀行預金残高が800,000バーツ、直近3か月以上ある事という条件でリタイアメントビザというロングステイビザが取得できます。
タイ移住して日本からの年金だけで暮らしていける?
タイは経済成長とともに物価も上昇し続けているため、昔のように「安いお金で優雅に暮らせる」とは言い難い国になりつつあります。前述したようにタイにいながら日本と変わらない食事をし続けたりすると、日本よりお金がかかってしまうという事態も起こります。
ただ、バンコクでも現地のタイ人の生活費は5万円くらいなので、本当に現地の生活に合わせて暮らすなら、日本からの年金だけでもお釣りのくる生活が送れるでしょう。
しかし、年金が支給されるくらいの年齢で3食現地のタイ料理という生活は現実的には無理があると思いますので、バンコクではなくチェンマイのような地方都市に移り、そんなに贅沢をせず暮らすなら、10万円以下の生活というのも可能です。
日本にいるときと同じくらいの生活費で暮らすことができる人は、月に20~30万円あれば日本にいるときよりも優雅で贅沢な暮らしを送ることができます。
このように生活レベルを選べるのがタイ移住ですが、今の生活費を落とすためにタイに移住するというより、今の生活費でワンランク上の生活を送るためにタイに移住するという考えでいたほうが、タイでの移住生活がスムーズにいくでしょう。
タイ移住におすすめの都市
バンコク
タイの首都バンコクは今やエネルギッシュな大都会です。日本人の働き口もたくさんあるため、就労ビザを使って滞在したい人にもおすすめです。
物価はやはりタイでは一番高いですがその分海外で暮らしている不便さを感じさせない都市でもあります。日本人コミュニティも活発で娯楽も多く、アクティブな生活を送ることができます。
パタヤ
地上の楽園と表現する人もいるパタヤは、バンコクから東に車で2時間ほど行ったリゾート地です。ヨーロッパ地方の年金受有者が多く、都会の喧騒から離れてビーチ沿いでのんびりとした生活を送ることができます。
リゾート地なので、ほかの地方都市より少し生活費は高めですが、月20万円もあれば週に何回か飲み歩いたり旅行に行ったりもできる余裕のある生活が送れるようです。
チェンマイ
チェンマイはバンコクなどと比べると、生活費も安くリタイアメントビザを取得した日本人も多く住んでいる落ち着いた地方都市です。
タイの古都として観光客にも人気があり、日本語通訳者が常駐している病院や日本料理屋も多く、停電などはたまにありますが、あまり不便なく暮らすことができます。
近年はノマドの聖地とも呼ばれるようになったチェンマイにはコワーキングスペースも多数できて、ノートパソコンを抱えた欧米や日本の若者の姿も街中でよく見かけられるようになりました。
ただ盆地のため、暑いときは気温が45度を越えることもあるということを覚悟しておいたほうがよさそうです。
タイ移住で注意すべきこと
日本人の詐欺にご用心
日本人が多く集まるところには、海外に住む同胞だからと近寄ってきて言葉巧みに詐欺を仕掛けてくる日本人が一定数いることが問題になっているようです。小さいところでは、お財布を落としたから貸してほしいという寸借詐欺から、新しい事業を持ち掛けてきて実際にはお金を巻き上げるだけというものまでバラエティに富みます。
同じ日本人が困っているから、と騙されてしまうことが多いようですが、お金を出してくれという話に対しては多少にかかわらず、警戒心を持って接したほうがよさそうです。
タイでは水道水は掃除・洗濯に
タイの水道水は基本的に飲用ではありません。日本人は煮沸をしても料理や飲み水としては使わないほうがよいでしょう。水道の水は掃除や洗濯の時に使い、料理やできれば食器を洗うときも市販されているミネラルウォーターを使うことをおすすめします。
英語が通じないことも結構ある
バンコクの都市部では日本語だけでも大丈夫なエリアもあり、英語はまず通じるのですが、ちょっと都心から外れると英語も通じないことが多いのがタイという国です。
自分は日本人街から一切出ないというなら大丈夫ですが、たまには地方へ小旅行したい、ちょっと郊外にも買い物やアクティビティに行きたいというのであれば、必要最低限の生活に必要なタイ語(数字や日常会話)をタイに行ってからでも勉強してみたほうが、生活の幅が広がるでしょう。
文字をマスターするのはなかなか難しいですが、簡単な言葉は意外にすぐ使えるようになります。バンコクには日本人対象の英会話やタイ語の学校もたくさんあります。
タイは敬虔な仏教国であることを理解する
タイは仏教国です。日本も仏教国だから同じでは?と思われる人もいるかもしれませんが、日本よりもずっと、仏教という宗教が国民の生活に色濃く根付いている国なので、日本人が考えられる以上にそのことに配慮しなければいけないことがたくさんあります。
例えば寺院に行くとき、女性はあまり肌を露出した服を着て行ってはいけない、不用意に僧侶に触ってはいけない(特に女性は絶対に僧侶に触れてはいけないそうです。女性に触られることで、その僧侶の今までの修業が0に戻るとか)乗り物に乗るときは、僧侶、子供、お年寄りは優先しなければならない、バスや電車に乗って、どんなに混んでいても普通の人は優先席に座らないなど、日本といろいろ異なるルールがあります。
郷に入っては郷に従えで、タイに行ったら、旅行者であれ、居住者であれこれらのルールは守る必要があります。
タイに移住した際の医療事情
タイの大病院の医療は高水準の技術を提供しており、日本の医療と同じような治療を受けることができます。
日本と技術提携している病院などもあり、日本人向けサービスも充実しています。バンコクやシラチャなどにある総合病院のサミティヴェート病院などは、日本語のホームページも解説していて、もちろん日本語のサポートがあるので、タイ在住の日本人がよく利用しているようです。
ただ、もちろん日本の国民健康保険は使えませんので、なんらかの保険に加入していないと高額な医療費がすべて自己負担になりますので、注意が必要です。(日本で国民健康保険に加入したままになっている人は、自己負担で全額支払った後に必要書類を日本に持って帰り還付手続きをすれば、3割負担分以外は返ってきます)
タイ移住のまとめ
タイは異国文化に触れながらも日本と変わらぬ便利さで質の良い生活ができる場所として、リタイヤ後の移住先に最適な国ではないでしょうか。
ただ、都市部では家賃の高騰が続いていますので、余裕があるならコンドミニアムを購入し、移住するまでの間は賃貸で貸し出して置く等しておけば、移住後もゆとりをもつことができるのではないでしょうか。
少しでも興味があるなら、まずはタイの暮らしぶりを見に行って、今後の計画を立ててみてもいいかもしれませんね。
