タイは、2023年の在留邦人数は7万人を超えており、日本人の移住者や旅行者から人気が高い国です(※1)。物価の安さ、リタイヤメントビザの取りやすさから「海外移住先として老後はタイで過ごしたい」と考えている人が増加しているのが背景にあります。
また、「微笑みの国タイ」という言葉はあまりにも聞きなれた言葉かもしれませんが、仏教大国で、信仰深く礼儀正しく温和なタイ人の国民性は 日本人にもなじみやすいものでしょう。そこで、今回は、タイ移住のメリットに加え、老後や40代・50代からのタイ移住は可能であるかを紹介します。
タイ移住のメリット8選
世界的な観光地としても知られるタイですが、移住に踏み切れないという方も多いのではないでしょうか。「将来的にタイに移住したい」、「タイでどのような生活を送れるのか」といった方は、タイ移住のメリットを参考にしてみてください。
1.物価が日本よりも安い
経済発展とともに物価も上昇し続けているタイですが、まだまだ日本より全体的な物価も安く、暮らしやすい国と言えるでしょう。ただ、暮らしのレベルが選べる国とも言われ、日本と遜色ない暮らしをしようとすると、それなりに出費もかかるようです。
※1バーツ=4.2円で計算(2024年8月現在)
項目 | 費用 |
---|---|
家賃 | 1.5万〜3万バーツ(約6.5万〜13万円) |
食費 | 7,000〜1.5万バーツ(約3万〜6.5万円) |
通信費 | 500バーツ~(約2,200円〜) |
水道・光熱費 | 1,000バーツ〜(約4,200円〜) |
交通費・その他 | 2,000バーツ~(8,400円〜) |
合計 | 40,500バーツ〜(約17万円〜) |
この方はバンコクの都心部スクンビットに住み、食事は現地のものより日系や他の外資の飲食店で食べることがほとんどのため、住居費、食費が日本に住んでいるとき並みにかかるようです。(タイでは自炊より食事は外で済ますのが普通という文化があり、賃貸ではキッチンがついていないところもあります)。
タイで日本食を自炊しようとすると、フジスーパーという有名な日本食材を扱っているスーパーもありますが、輸入品であることから、価格は日本米、醤油、味噌などは日本で買う場合の約2倍です。
現地のフードコートなどで食事をすれば240〜320円(60〜80バーツ)で十分に空腹を満たせるので、日系の飲食店と現地のローカル点を半々にすれば、食費を抑えることができます。
また、水道・光熱費、通信費は日本より安いです。住居に関しても、都心から少し離れた場所であれば、1万〜1.5万バーツ(約42,000〜65,000円)でも十分にきれいで広い部屋を借りられます。ただし、バンコクの交通渋滞は世界的にもひどく、毎日都心まで通勤・出かける必要がある場合には注意が必要です。
なお、交通費に関して、地下鉄は日本の約1/3の料金です。新しい路線も増えてきており、利便性も高まっています。
2.1年中温暖な気候が続く
タイは、東南アジアに位置しており、1年中温暖な気候が続きます。バンコクの年間平均気温は約29℃で、1年中半袖で過ごせます。しかし、日本と同様に湿度が高く、平均湿度は73 %です。また、1年のなかでも5〜6月は気温が高くなりやすい時期で、40℃にも及ぶことがあります。(※2)
3.公共交通機関が発達して便利である
首都バンコクでは交通渋滞に悩まされるところはありますが、地下鉄(MRT)や、高架鉄道(BTS)といった交通機関が発達しており、移動が便利です。
また、BTSは、サイアム、ラーチャダムリ通り、スクンビット通り、シーロム通りなどバンコクの都心を走っています。早朝5時頃から深夜24時頃まで約4〜8分の間隔で運行しています。運賃も17〜47バーツとリーズナブルで、タイの地元住民だけでなく、観光客も重宝している公共交通機関です。
MRTは、2024年6月現在、バンコク市内を循環するブルーラインと、バンコクの郊外を走るパープルライン、イエローライン、ピンクラインの計4路線が運行しています。
とくに、ブルーラインは、フアランポーン駅(国鉄バンコク中央駅前)や、シーロム駅、スクンビット駅、チャトゥチャック駅などを結ぶ重要な路線です。
路線バスは日本のように系統が数字になっています(アルファベットのバスもあります)。どの路線バスも時刻表がないのですが、路線バスにGPSを搭載しどのバスがどの辺りを走っているのかが分かるアプリ(VIABUS)や、どのバスに乗ればが良いかを検索できるサイトもあります。
冷房入りバス:青色バス(緑色の帯入り)・白色バス(緑色の帯入り)・オレンジ色バス・ピンク色バス
冷房なしバス:赤色バス(赤い帯入り)・白色バス(青い帯入り)・白色バス(青と黄色の帯入り)
となっています。英語が通じない場合もありますので注意が必要です。
なお、鉄道での移動が難しいエリアは、タクシーやトゥクトゥクを利用します。水上交通(ボート)という交通手段もあり、交通機関が充実しているのが特徴です。
4.居住環境が整っている
タイの不動産は地域によりますが、500万円台のコンドミニアムから上は1億を超える物件まであります。タイでは外国人は土地を買えないので、コンドミニアムの購入となります(規定あり)。どの物件も日本で同じものを購入するより、ワンランク、ツーランク豪華な物件を購入できます。
賃貸の場合でも、バンコク都心部は2LDKで2.5万バーツ(約11万円)ほどと一見日本と価格が変わらないように思われますが、家具・家電付き、入り口には警備員が常駐しており、共有スペースにはプールやジムを備えているコンドミニアムが多いです。
また、都心部から少し離れれば、プール・ジム付きでも1.万〜1.5万バーツ(約42,000〜65,000円)での賃貸もあり、同じ金額でも日本より優雅な住居に住めます。
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5.日系の飲食店やスーパーが多い
バンコクは外国における都心部の人口密度が世界一と言われており、スクンビットエリアには、日本人街と言われる通りもあり、やよい軒や大戸屋、スシロー、モスバーガーといった日本でなじみの深い多くの日系飲食店チェーンも進出しています。
さらに、日本の食材が買えるスーパー、デパート、邦画も見れる映画館、日本人経営のスーパー銭湯もあります。日本語が通じる病院もあるので、タイ語や英語が話せなくても、日本語だけで生活できます。
バンコクのほかにも、日系企業の工場が集まるシラチャ、バックパッカーにも人気が高いチェンマイも日本人の多いエリアです。
6.日本からペットを連れて住める
タイの移住を検討しているけれど、日本で一緒に暮らしているペットのことを考えると二の足を踏む、そう考えられている人にとっては、タイは最適な国です。
マレーシアやインドネシアでは宗教上の理由で、犬を外で散歩させるのが難しいのですが、タイでは堂々と愛犬と散歩をすることもできます。(イスラム圏の国は猫に寛容です)。
バンコクでは、ペット飼育可の物件も徐々に増えているほか、都心部は日本語の話せる獣医のいる動物病院やトリマー、ドッグカフェやドッグランなどペットと暮らす環境も整っています。
ペットと一緒の日本からの出国については、約6週間前くらいに出国する空港の検閲に問い合わせましょう。犬や猫であれば、日本国内で書類の提出や、検査、予防接種が必要ですが、タイ入国時に検疫で何日も預けられるということもなく、空港から一緒にタイの引っ越し先に向かうことができます。
7.タイと日本の行き来がしやすい
世界屈指の観光国であるタイは、日本との行き来がしやすい国です。2024年6月現在、バンコク・スワンナプームと日本の空港を結ぶ路線は6つ(羽田、成田、関西、新千歳、福岡、中部)です。
また、羽田空港(東京)〜バンコク間は、往路が約7時間、復路が約5時間30分と移動時間もそこまでかからず、日本とタイの行き来が便利であることもメリットです。
8.世界的にも高水準の医療技術がある
タイの大病院の医療は高水準の技術を提供しており、日本の医療と同じような治療を受けられます。
また、日本と医療技術を提携している病院もあるので、日本人向けサービスも充実しています。バンコクやシラチャなどにある総合病院の「サミティヴェート病院」では、日本語専用のホームページを利用できます。院内で日本語のサポートを提供しているので、タイ在住の日本人もよく利用しているようです。
ただし、日本の国民健康保険は使えないので、現地の社会保険や民間保険に加入していないと高額な医療費を自己負担で支払わなければなりません(日本で国民健康保険に加入したままになっている人は、自己負担で全額支払った後に必要書類を日本に持って帰り還付手続きをすれば、3割負担分以外は還付されます。)
タイ移住のデメリット・注意点8選
日本人でも住みやすいタイですが、タイ移住にはメリットだけでなく、デメリットや注意しなければならないこともあります。下記のとおり、タイ移住におけるデメリットや注意点を8つ解説していきます。
・バーツ高に伴い物価が高騰している
・雨季は外出しにくい
・大気汚染が問題になっている
・タイ語しか通じない場面がある
・日本人を含む外国人を狙った軽犯罪が頻発している
・害虫や野犬が多い
・タイの水道水は飲み水に適していない
・タイは敬虔な仏教国であることを理解する
1.物価が高騰している
1つ目に注意しておきたいのが、近年物価が高騰している点です。コロナ禍後に経済が急速に回復していることや、原油高に伴い、世界中で物価が高騰しています。タイも例外ではなく、輸入品を中心に物価が高騰しており、ローカルのレストランでも値上げが目立っている状況です。
また、円安の影響もあり、日本人にとってはとくに物価高を感じます。2020年〜2024年にかけて、1バーツ=3.4円から、1バーツ4.2円まで円安が進行しました。タイバーツと日本円における政策金利の差が大きいことや、純粋にタイ経済が発展していることが要因です。
とはいえ、家賃を中心に日本よりも安い部分は多く、移住先としてはおすすめな国です。
2.雨季は外出しにくい
タイの気候は、「乾季」と「雨季」に分けられ、乾季は10月後半〜3月、雨季は4月〜10月前半です。乾季はカラッとした天候が続き、雨は全く降りませんが、雨季の時期に入ると突発的なスコールが頻発します。
雨季は急に天気が変わることが多く、さっきまで晴れていたのに、いきなり雨が降り出すことも多いです。とくに、夜間にスコールが発生しやすく、しばらくの間は自宅に帰れなくなってしまうことも珍しくありません。日本の梅雨と異なり、1日中雨が振り続けることはないですが、雨季は天気が変わりやすい点に注意しましょう。
3.大気汚染が問題になっている
乾季を中心に、タイでは大気汚染が問題になっています。天気が良い日でも、PM2.5による大気汚染がひどい日には、空が黄色く見えることがあります。
タイの大気汚染が悪化している背景には、増加し続ける自動車からの排ガスや、北部での野焼きが原因であると言われています。最近では、タイ政府がEVを推奨しており、排ガスによる汚染を改善する動きも見られます。
とはいえ、外出時にマスクを付けている人も多く、大気汚染対策はしっかりと行いましょう。
4.英語が通じないことが多くある
バンコクの都市部では日本語だけでも大丈夫なエリアもあり、英語はまず通じるのですが、ちょっと都心から外れると英語も通じないことが多いのがタイという国です。
日本人街から一切出ないというなら大丈夫ですが、「たまには地方へ小旅行したい」、「ちょっと郊外にも買い物やアクティビティに行きたい」というのであれば、必要最低限の生活に必要なタイ語(数字や日常会話)をタイに行ってからでも勉強してみたほうが、生活の幅が広がります。
タイ文字をマスターするのはなかなか難しいですが、簡単な言葉は意外にすぐ使えるようになります。バンコクには日本人対象の英会話やタイ語の学校もたくさんあります。
5.日本人を含む外国人を狙った軽犯罪が頻発している
日本人が多く集まるところには、海外に住む同胞だからと近寄ってきて言葉巧みに詐欺を仕掛けてくる日本人が一定数いることが問題になっています。小さいところでは、お財布を落としたから貸してほしいという寸借詐欺から、新しい事業を持ち掛けてきて実際にはお金を巻き上げるだけというものまで、さまざまな犯罪が発生しています。
また、スクンビットエリアでは、外国人観光客を狙った犯罪も頻発しています。最近では、「あなたの国のお札を見せてほしい」という会話から、お札を出してしまいそのまま盗まれる犯罪です。被害者にならないためにも、怪しい人とは絡まないようにしましょう。
6.害虫や野犬が多い
タイへの移住を検討している方のなかで、とくに害虫や野犬が苦手である方は注意が必要です。日本よりも衛生状態が良くないことや、熱帯気候であるため、害虫が発生しやすい環境にあります。
また、首都バンコクでも人通りが少ないエリアでは、野犬を見ることがよくあります。野犬に噛まれると狂犬病に感染するリスクが高く、すぐに病院でワクチンを接種しなければなりません。
害虫対策としては、可能な限り高層階に住むことや、居住するコンドミニアムでペストコントロールを実施しましょう。野犬については、人通りが少ないエリアを歩かない、野犬に遭遇したときは犬の目を見ないようにするなど、関わりを持たないことが対策になります。
7.タイの水道水は飲み水に適していない
タイの水道水は基本的に飲用ではありません。日本人は煮沸をしても、料理や飲み水としては使わないほうがよいでしょう。水道の水は、掃除や洗濯用に使い、料理や食器を洗うときは市販のミネラルウォーターを使うことをおすすめします。
8.タイは敬虔な仏教国であることを理解する
タイは仏教国です。「日本も仏教国だから同じでは?」と思われる人もいるかもしれませんが、日本よりも仏教という宗教が国民の生活に色濃く根付いている国であり、日本人が考えられる以上に配慮しなければいけません。
たとえば、仏教寺院に行くとき、女性はあまり肌を露出した服を着て行ってはいけない、不用意に僧侶に触ってはいけない(特に女性は絶対に僧侶に触れてはいけないそうです。女性に触られることで、その僧侶の今までの修業が0に戻るとか)、乗り物に乗るときは、僧侶、子供、お年寄りは優先しなければならない、バスや電車に乗って、どんなに混んでいても普通の人は優先席に座らないなどのルールがあります。
郷に入っては郷に従えで、タイに行ったら、旅行者であれ、居住者であれこれらのルールは守りましょう。
老後や40代・50代からのタイ移住は可能?
タイ移住を検討している方のなかには、今ではなく老後に移住を希望している方や、40代・50代になってから移住したい方も多くいるのではないでしょうか。今後、タイ移住を進めていくなかで、老後や40代・50代からでも可能なのかを解説します。
タイ移住のビザの種類について
タイへは30日以内(2024年7月1日以降は60日に変更予定)の訪問であれば、ノービザでの入国が可能です(※ただし、日本を含むビザ免除国であることが条件)。それ以上の期間滞在する場合、観光ビザを延長するか、以下のビザを取得する必要があります。
・学生ビザ
・就労ビザ
・リタイアメントビザ(年金ビザとも呼ばれる)
・ロングステイビザ(リタイアメントビザを1年間にしたもの)
・タイランドエリートビザ
・ノマドビザ
学生ビザはタイの学校に通学している間有効で、就労ビザはタイにある企業に申請をだしてもらうことが条件ですが、いずれも長期滞在のためには何度も延長申請を出さなければならず、面倒なところがあります。
タイ移住の費用は日本からの年金だけで暮らしていける?
タイは経済成長とともに物価も上昇し続けているため、昔のように「安いお金で優雅に暮らせる」とは言い難い国になりつつあります。前述したようにタイにいながら日本と変わらない食事をし続けたりすると、日本よりお金がかかってしまうという事態も起こります。
ただ、バンコクでも現地タイ人の生活費は6万円くらいなので、本当に現地の生活に合わせて暮らすなら、日本からの年金だけでもお釣りのくる生活が送れます。
しかし、年金が支給されるくらいの年齢で、3食現地のタイ料理という生活は現実的に難しい可能性があります。バンコクではなくチェンマイのような地方都市に移り、贅沢をせず暮らすなら、10万円以下の生活というのも可能です。
なお、日本にいるときと同じくらいの生活費で暮らせる方は、月に20〜30万円あれば日本にいるときよりも優雅で贅沢な暮らしを送れます。
このように生活レベルを選べるのがタイ移住ですが、今の生活費を落とすためにタイに移住するというより、今の生活費でワンランク上の生活を送るためにタイに移住するという考えでいたほうが、タイでの移住生活がスムーズにいくでしょう。
50歳以上はリタイアメントビザも取りやすい
50歳以上の方であれば、80万バーツ以上(約350万円)の貯金、または月65,000バーツ以上(日本円約28万円以上)の年金収入、または貯金及び収入の合計が80万バーツ以上(日本円約350万円)ある方であれば、90日間滞在可能なリタイアメントビザを取得できます。
また、ロングステイビザはリタイアメントビザを更新することで取得でき、最大1年間の滞在が可能となっています。(※3)
50歳未満の方だと、上記のビザ取得対象とならないので、就労ビザ、あるいは学生ビザ、タイランドエリートビザが必要となります。
タイ移住向けに不動産を購入する方法
タイ移住をする際に、現地で不動産を賃貸するのではなく、購入する選択もあります。現地で不動産を購入する方法を5つのステップで紹介します。
不動産仲介会社に連絡する
タイで不動産を購入する場合、不動産仲介会社に連絡します。仲介会社ごとに取り扱っている物件が異なるので、複数の仲介会社に連絡を取ってみることを推奨します。
また、タイ現地では日系の不動産仲介会社も多く、日本語でのサポートを受けられます。タイ語や英語でのやり取りに不安を感じる方は、日系の不動産仲介会社を利用しましょう。
購入物件の選定や内見
これまでタイを訪れたことがない方や、購入前に物件の様子を確認しておきたい方は、事前に内見をしておくと安心です。実際に、担当者とともに物件を訪問し、室内や、コンドミニアムの施設を確認できます。
また、投資目的で売却を検討している方は、交通アクセスや、物件周辺の商業施設、どのような人が住んでいるかなども確かめておきましょう。
購入費用の支払い・契約手続き
購入したい物件が見つかったあとは、費用の支払いと契約手続きを行います。不動産仲介会社によって金額が異なりますが、物件を確保するための予約金を支払います。人気の物件は、在庫の変動が激しいので、早い段階で予約金を納付する必要があります。
その後、不動産の購入予約が済んだら、残金の支払いと、契約書の交付・署名の手続きを行います。基本的には、契約書に英訳がついていますが、不安な方は日本語が分かる担当者と一緒にチェックしましょう。当社では、不動産契約に関する書類を日本語に訳しているので、タイ語・英語に不安な方でも安心して契約内容をご確認いただけます。
物件の引き渡し
物件が引き渡される前に、インスペクションと呼ばれる物件のチェックを行います。タイに限らず、海外の不動産では、水漏れや害虫といったトラブルが発生することも珍しくないので、しっかりと確認する必要があります。
インスペクションが終わってから、2〜3ヶ月後に物件が引き渡されます。仮に、インスペクションでトラブルが見つかった場合、修繕を依頼しましょう。
登記移転
最後に、不動産の登記移転です。新築物件と中古物件で、登記費用が異なるので注意してください。新築の場合は、購入価格もしくは評価額の約2%で、一般的にデベロッパーと買主で折半します。
一方、中古の場合、物件の所有者と交渉が必要となるケースがあります。売主側で登記費用を負担してくれることもあるので、相手と話し合いを行いましょう。なお、登記移転に際して、売買の契約書、今までの外貨での支払いを証明する外貨送金証明書が必要となります。
不動産購入の方法をより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
参考記事:タイ不動産を外国人が購入する方法とは?注意点とエリア別の価格相場を紹介
タイ移住におすすめのエリア
タイ移住を決断したあとは、どのエリアに住むかを決めていきます。首都バンコクは日本人も多く便利な都市ですが、観光都市のパタヤや、北部のチェンマイなども選択肢に入れましょう。
バンコク
タイの首都バンコクは今やエネルギッシュな大都会です。日本人の働き口もたくさんあるため、就労ビザを使って滞在したい人にもおすすめです。
物価はタイでは一番高いですが、その分海外で暮らしている不便さを感じさせない都市でもあります。日本人コミュニティも活発で娯楽も多く、アクティブな生活を送ることができます。
バンコク市内中心地の不動産を購入したいとなると、繁華街として有名なスクンビットや、日本人が多く住むプロンポン、トンロー、エカマイなどが候補に挙がります。また、バンコク市内中心部の不動産価格の相場(平米単価)は、2023年1月現在で190,230バーツ(約76万円)です。(※4)
シラチャ
シラチャは、バンコクから車で東に1時間ほどの場所にあります。工業地帯として知られており、日系企業も多く進出するエリアです。
バンコクほどではありませんが、シラチャにも日本人駐在員が住んでおり、日本人街も形成されています。日本人学校や日本語可能なサミティベート病院など、日本人が住みやすい環境が整っています。
パタヤ
地上の楽園と表現する人もいるパタヤは、バンコクから東に車で2時間ほど行ったリゾート地です。ヨーロッパ地方の年金受有者が多く、都会の喧騒から離れてビーチ沿いでのんびりとした生活を送ることができます。
リゾート地なので、ほかの地方都市より少し生活費は高めですが、月20万円もあれば週に何回か飲み歩いたり旅行に行ったりもできる余裕のある生活が送れるようです。
パタヤの不動産価格の相場(平米単価)は、2023年1月現在で67,222バーツ(約26.8万円)です(※4)。ノースパタヤの北側に位置するウォンガマットは、高級ホテルが立ち並ぶエリアで、地上36階建てのタワーコンドミニアム「ウィンダム グランドレジデンス ウォンガマット パタヤ(Wyndham Grand Residences Wongamat Pattaya)」を当社で取り扱っています。
チェンマイ
チェンマイはバンコクなどと比べると、生活費も安く、リタイアメントビザを取得した日本人も多く住んでいる落ち着いた地方都市です。
タイの古都として観光客にも人気があり、日本語通訳者が常駐している病院や日本料理屋も多く、停電などはたまにありますが、あまり不便なく暮らすことができます。
近年はノマドの聖地とも呼ばれるようになったチェンマイにはコワーキングスペースも多数できて、ノートパソコンを抱えた欧米や日本の若者の姿も街中でよく見かけるようになりました。
バンコクと比べるとチェンマイは自然に囲まれた静かな環境で、別荘地としても人気があります。チェンマイ市内中心部の不動産価格の相場(平米単価)は、2023年1月現在で57,000バーツ(約22.8万円)です。(※4)
まとめ
タイは異国文化に触れながらも日本と変わらぬ便利さで質の良い生活ができる場所として、リタイヤ後の移住先に最適な国ではないでしょうか。
ただ、都市部では家賃の高騰が続いていますので、余裕があるならコンドミニアムを購入し、移住するまでの間は賃貸で貸し出して置く等しておけば、移住後もゆとりをもつことができるのではないでしょうか。
少しでも興味があるなら、まずはタイの暮らしぶりを見に行って、今後の計画を立ててみてもいいかもしれませんね。