「せっかく買うならピカピカの新築物件がいい」

そう考える方も多くいらっしゃると思いますが、実はシンガポールの中古物件には魅力がたくさん詰まっています。

今回はコンドミニアム・アパートの中古物件購入に関するメリットとデメリットをご紹介します。

シンガポールの中古物件タイプ

シンガポールではコンドミニアムやアパートと言っても、いくつかの物件タイプがあります。

①高層型コンドミニアム

画像:最近人気のブオナビスタ駅近くにある高層コンドミニアム

高いビルが立ち並ぶシンガポールですが、コンドミニアムも40階を超える高層コンドミニアムがあります。多くの高層コンドミニアムは、一つの敷地内に複数の棟がある為、大型のコンドミニアムになります。

物件にもよりますが、各フロアに3~6世帯が住んでおり世帯数が多い分、設備も充実した物件が多くあります。

②低層型コンドミニアム

画像:ワンノース駅すぐの低層コンドミニアム

高層型に対し、10階建て前後の低層型コンドミニアムも数多くあり、外国人に人気があります。中には5階建て以下の物件もあり、小規模のものでは世帯数が50以下の物件もあります。

規模が小さくなると設備も限られてきますが、屋上にプールがついていたり小さなジムが設置されているものもあります。

また、大型物件のような24時間体制の警備員がいない物件もあるので、その辺が気になる場合は見学の際に確認が必要です。

③クラスターハウス

コンドミニアムの中には敷地内に、一軒家同士が横につながったようなクラスターハウスという物件があります。 通常2階建てもしくは3階建てで、一軒家同様の大きくて広い物件になります。

④ウォークアップアパートメント

通常3階もしくは4階建ての物件で、エレベーターがありません。主に古いタイプの物件ですが、間取りが広々しているものが多く、レアな立地に建っているものもある為、あえてこの物件を選ぶ人もいます。

またレトロな外観の物件が多いからか、西洋人が好んで住んでいるケースが多いようです。

シンガポールの中古物件のメリット

①ともかく広い!

築20年以上の物件は新築物件と比べると間取りが広く、リビングや部屋だけでなくキッチンやキッチン裏の収納・洗濯エリアも余裕のある設計になっている物件が多くあります。

シンガポールでは住み込みのメイドさんを雇う家庭が多い為、キッチンの裏にメイドさん専用の部屋とバスルームが付いている物件が多いです。

メイドさんを雇う必要がなければ、そちらは収納部屋として使うことも出来ますし、リノベーション次第でキッチンを広げることも可能です。

古い物件のメリットは家の中だけではありません。各フロアのエレベーターホールも広く設計されているものが多く、玄関周りに植木や靴箱(シンガポールでは玄関のドアの外で靴を脱ぐのが一般的です)などを置くことが可能です。(規定がある物件もあります)

小さなことかも知れませんが、意外と住んでみると「玄関周りのスペースがもう少し広かったらいいのに」と日常で感じる事があります。シンガポールでは隣の家のドアとの距離がとても近い設計だったり、ドア同士が真正面に向かい合っていたり、日本人の感覚だと少しプライバシーが気になる造りの物件も多いです。 

プライベートリフト(専用エレベーター)完備のコンドミニアムならプライバシーの問題はありません。しかしエレベーターのドアがリビングに直接付いているような物件もあるので「玄関スペースを確保」という意味では一概にプライベートリフト完備の方がいいとは言い切れません。

また、シンガポールでは「グリルドア」と呼ばれる鉄格子のドアを、玄関のドアの前に設置している家庭も多いのですが、玄関周りが広い物件だとグリルドアと玄関ドアの間にスペースを設けることができる場合があります。 中には自転車や靴箱などが置ける広さを確保することができる物件もあるので、非常に便利です。

そして古い大型コンドミニアムだと、敷地内にテニスコートやプールが複数設置されていたり、住民がくつろげる小さな公園のようなものがあったり、全体的にゆったりとした造りになっている物件が多くあります。

②新築のような物件に出会えるチャンスがある

古い物件の中には、オーナーがリノベーションをした直後に売り出している物件も時々見かけます。

気に入ったコンドミニアムがあった場合、いくつか別の部屋を見学させてもらうと、そのような「お宝物件」に出会えるチャンスがあるかもしれません。

③物件の価値が極端に下がらない


画像:ハーバーフロント駅前のコンドミニアム

なんといっても一番の魅力は、物件の価値が「中古だから」と言うことだけを理由に下がることが少ない点ではないでしょうか。

新築・中古どちらも不動産価格の変動はありますが、特に駅周辺や有名校近辺の物件は中古でも非常に高い人気があります。

99年リース型の場合、物件によっては年数が経つにつれて価格が下がっていくものもありますが、立地や条件によってはコンドミニアムごと新たな開発業者によって買い取られる事もあります(En-blok sale)。

開発業者の買い取りを期待して、あえて中古物件に投資する人もいます。

シンガポールの中古物件のデメリット

①窓が小さい

最近の物件は窓が大きく、壁一面に設計されているものが多いですが、古い物件になると、部屋の広さに対して窓が小さい物件もあります。

またバルコニーも最近はガラス張りのお洒落なデザインが主流ですが、古いタイプではそういったタイプは殆どありません。その代わりバルコニー部分にも窓を取り付け、部屋の一部として使っている物件が多いです。

②リノベーションが必要

築年数が浅いものであれば、壁の塗り替え等簡単なリノベーションで済みますが、古い物件だとキッチンやトイレのパイプ交換など、見えていない部分の工事も必要になります。

前オーナーが投資で買い、賃貸物件としていた家では、内装が建てられた当初のままになっている場合があります。 

物件の中には日本人には少し抵抗があるような状態のものもあるので、そうなると床の張替え・バスルームの全取り換えなど大規模のリノベーションが必要になってきます。

③中古の割に値段が高い

「中古物件=安い」という図式は、シンガポールでは一般的ではありません。新築で購入した時よりも中古として売り出す時の方が、高い値段が付くことが多くあります。それだけ中古物件でも需要があるので、将来的に売却予定を立てている場合は売却しやすいエリアや物件を選ぶようにしましょう。

シンガポールで中古物件を購入する際の注意点

①99年リース型の残りの年数を確認する

99年リース型の物件では残りのリースが何年あるのか確認する必要があります。ローンを組む際にも残りの年数次第で組める金額が変ってくるケースがありますし、将来的に売却を視野に入れているならば、築年数の浅い物件の方が良いかも知れません。

②プロパンガスかシティーガスか

古い物件の場合、シティーガスではなくプロパンガスを使用している物件も多くあります。シティーガスを引いていない物件は、お風呂のお湯を沸かすヒーターが付いていますが古いものはバスタブのお湯がいっぱいになるまで熱いお湯が続かない・・なんて事もあります。

プロパンガスの物件の場合は、バスルームのヒーターはどういったものを使っているのかチェックが必要です。

コンドミニアムによってはリノベーションの際にプロパンガスからシティーガスに変更可能なものもあるので、事前にエージェントに確認してみて下さい。

③設備が故障していることがある

大型コンドミニアムでたくさんの設備があっても、古いコンドミニアムだと中には故障や老朽化で使用できないものがそのままになっている場合があります。

見学の際にエージェントが敷地内の設備も紹介してくれますが、複数の設備がある際にはすべて使用可能なのか確認した方が良いでしょう。

最後に

中古物件といっても新しいものから古いものまで様々ですが、内装はリノベーション工事でいくらでも新築のように変えることができます。

デベロッパーから新築物件を購入すると完成まで数年待たなくてはいけませんし、ショールームだけで物件を判断しなければなりませんが、中古物件はその点実際の物件を見学できます。

ですのでそこに住んだ後、どのような生活になるか想像しやすいのではないかと思います。中古物件を購入する際には同じコンドミニアムでも別の棟の部屋もチェックしたり、数多くの物件を見学することをお勧めします。

SEKAI PROPERTYではシンガポール不動産の購入相談も受け付けていますので、シンガポール不動産に興味がある方はご気軽にご相談ください。

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セカイプロパティ編集部
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