低迷が続いていたオーストラリアの住宅市場だが、完全復活の兆しが見えてきたようだ。

昨年6月に住宅価格は底値に達し、現在は前年比プラス圏まで回復が進んでいる。通常回復にはピーク時から底値に達した期間と同じ期間を要すると言われているが、今年1月の上昇率(0.9%/月)を維持できれば、オーストラリアの住宅市場は4月までに完全回復するだろうと関係者は話す。

今週、首都キャンベラでは1,122件の物件がオークションにかけられ、物件数は今後さらに増えていくことが予想されている(先週末は625件)。特にシドニーでは428回のオークションが開かれるなど活気を見せており、79.9%という高いクリアランス率に達した。メルボルンでは401回のオークションが開かれ、クリアランス率は74%、キャンベラのクリアランス率は77.8%であった。ブリスベンについては、36.4%にとどまった。

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は、昨年6月、7月、10月と3回にわたって政策金利の引き下げを行ったが、10月以降据え置かれ、現在も0.75%という歴史的低金利が続いている。金利が下がったことで住宅ローンへのハードルが下がり、不動産の売買が再び動き出したと言える。今後についてはRBAが追加利下げを行うのではという予想も多く、実施されれば不動産市場の回復にさらに拍車がかかるものと思われる。

オーストラリア統計局(Australian Bureau of Statistics)によると、初回の住宅バイヤー、よりグレードの高い物件を求めるバイヤー、また規模の小さい物件を求めるバイヤーなどの購買活動が目立ち、市場復活に貢献しているという。

オーストラリアでは、建設の遅れ等で供給が追い付いておらず、さらに人口増加も見込まれるため、住宅価格の上昇はしばらく続くものと見られている。


【参照】2020 property market recovery 'faster ever' :Corelogic

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セカイプロパティ編集部
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