カンボジア・シアヌークビルと言えばカジノが有名であるが、そのイメージから生まれ変わるべくシアヌークビル州は今、新しい観光地としてのアピールポイントを模索している。これまでオンラインカジノに向いていた中国人投資家を新しい分野で惹きつけたい考えだ。
今年8月にはカンボジアでのオンラインカジノの廃止が発表され、多くの中国人がカンボジアを出国する事態となった。不動産は売れなくなり価格は下落し、失業者も増えるなど、不動産や雇用部門に影響が現れている。
同じく8月に行われたシアヌークビル州知事と中国サイドとの会談でもこの件についての話し合いが行われ、状況を収拾するため、中国側も投資家の呼び込みに協力することが約束されたという。
シアヌークビル州における建築プロジェクトは、その多くが一時保留という形になっており(*1)、危機的状況を生み出していると言える。シアヌーク州としては、ビーチフロントプロジェクトなど、今後力を入れていく新分野で中国投資を集めたいところだ。(*1:今年6月、シアヌーク州では建設中のビルが崩壊し、作業員28名が犠牲になるという痛ましい事故が起こった。このビルには建築許可が下りていなかったことが判明するなど当局のずさんな管理体制が問われ、その後州内の建物の設計、建築基準、建設会社の状況などが厳しく調べられるようになった。)
州の関係者によると、最近中国から新規プロジェクトのため1億ドル(約108億円)を超える投資を受けたという。プロジェクトには五つ星ホテルや皮革加工工場、飼料工場などが含まれている。
カジノ以外の投資誘致は、シアヌーク州に長期投資をもたらす良い機会になると考えられている。長期投資は、安定した雇用を生み出すだけではなく、国家経済の安定も期待できる。経済成長とともに、不動産部門も右肩上がり維持することができるだろう。
photo:Heng Chivoan
【参照】Sihanoukville aims to reform tourism landscape
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