マレーシアの今年8月のCPI(消費者物価指数)は、大方の予想通り前年同月比1.5%のプラスとなった。552品目のうち、396品目が上昇、117品目が低下、39品目が横ばいとなっている。

物価は経済活動が活発になると上昇し、停滞すると低下する傾向があるため、CPIは経済政策を的確に推進する上で非常に重要な指標となる。

部門別には、主に家具や住宅設備、住宅管理(3.2%)、食料、ノンアルコール飲料(2.6%)、アルコール、タバコ(2.5%)、雑貨、サービス(2.5%)、娯楽、文化(2.3%)、コミュニケーション(2.2%)などの品目における上昇が目立った。

月ベースでは、7月より0.2%の上昇となっており、住宅、水、電気、ガス等(0.5%)、雑貨、サービス(0.5%)、食料、ノンアルコール飲料(0.2%)、ヘルスケア(0.2%)、レストラン、ホテル(0.2%)などの品目で上昇が見られた。

地域別に見ると、クアラルンプール(2.4%)、ペナン(2%)、セランゴール・プトラジャヤ(1.8%)、ペラ(1.6%)の4地域においては、マレーシア全体の1.5%を超える上昇率を記録している。

また、8月のコアインフレ率(変動の激しい食品やエネルギーを除いた物価指数)は、前年同月比+2%となっている。

2019年通年、2020年のCPI上昇率に関しては、それぞれ0.8%、2.5%程度で推移すると見られている。野菜や魚介類などのヘイズ(煙害)による影響も懸念されているが、来月のCPIにそれほど深刻な影響は出ないものと見られている。

世界的には経済成長の軟化傾向が続いているが、このタイミングでの利下げは好ましくないと考えられる。マレーシアでは、今年5月にOPR(Overnight Policy Rate:マレーシア中央銀行によって決められている政策金利)の引き下げが行われ、その影響はしばらく続くものと見られている。また2020年度予算には、国内経済活性化のための景気拡張政策が盛り込まれると見られており、今年の更なる利下げは行われないというのが大方の見方である。

BERNAMAPIX

【参照】Malaysia's Aug CPI up 1.5%

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