シンガポールでは、コンテナターミナルの移転に伴う南部ウォーターフロント地域の再開発計画「Greater Southern Waterfront(GSW)」が検討されている。先日行われたシンガポール独立記念日の式典では、リー・シェンロン首相が初めてGSWプロジェクトについて言及した。

現在の計画では、GSWプロジェクトはシンガポール北東部の新興住宅地プンゴルの約2倍の規模になるという。(プンゴルは、HDB(住宅開発庁)の最新のニュータウンでシンガポール初のエコ・タウンとされている。)ベイ・イースト・エリアからパシール・パンジャンまでの東西約30kmに及ぶエリアが開発対象となっており、面積2,000ヘクタールという壮大なスケールとなっている。

最初に開発が着手される予定なのは、ゴルフ場で有名な「Keppel Club」である。44ヘクタールの面積を有する「Keppel Club」は、あと2年でリース契約が満了となり、MRT(地下鉄)の駅にもラブラドール自然保護区にもほど近いなど立地も申し分ない。このエリアに9,000件を超える公営・民営住宅が建てられる予定だという。

ウォーターフロントエリアは、GoogleやCisco、Unileverなどといった大企業がオフィスを構える商業中心地となる予定であり、オフィススペースを増やすことで雇用機会の増加も期待されている。

また発電所があったパシール・パンジャン地区は、レクリエーション施設の建設が計画されており、年末までにはプロジェクトの詳細が決定される予定だ。

本島とセントーサ島の間に位置するブラニ島には、「Downtown South」のリゾート計画が検討されている。再開発を受け、セントーサ島のビーチエリアも活性化が期待される。

GSWプロジェクトは、ウェスト・コースト・パークやイースト・コースト・パークなど自然が豊かなエリアとも隣接する形となる。シンガポールはこれまで「ガーデン・シティ」という都市ビジョン(=都市緑化による対外的なイメージ戦略)をもって国際的な競争力を高めてきた。今後は緑あふれる「ガーデン・シティ」をさらに発展させた「シティ・イン・ア・ガーデン」、つまり都市全体が緑の中にあるかのようなイメージで、都市と自然との共存を目指していくという。

【参照】9,000 housing units, including HDB, to be built on Keppel Club site

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セカイプロパティ編集部
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