マレーシアの高級住宅市場は、供給過剰の影響で、次の四半期についても低迷が続くと見られている。背景には、需要と供給間のミスマッチと融資に関する厳しい規制があるという。

現在の住宅市場においては、手頃な価格の住宅が拡大しており、特に初めて住宅を購入する人々からの関心が高まっている。手頃な価格の住宅への需要が高まっていることは間違いないが、需要と供給のずれが結果的に売れ残り物件を生み出してしまっている状況だ。

マレーシア国家不動産情報センター(Napic)の2018年度レポートによると、2018年における余剰物件は前年比+30.6%の22,313件に上ったという。特に首都クアラルンプールと西海岸北部のペラ州における高級物件の余剰が目立つ。

住宅価格指数は2017年に比べ3.1%上昇しているが、高級住宅の価格については、ほぼ横ばいであった。2018年第二四半期の高級コンドミニアムの価格(月額、1平方フィート当たり)については、購入・賃貸それぞれ、1,036リンギット(約27,000円)と3.86リンギット(約101円)とわずかに変化が見られた。

一方、オフィス市場については、供給過剰と需要の減少が今後数年間の課題になると見られている。クアラルンプールにおけるオフィス総在庫数は、国際金融特区(TRX)にMerana Prudentialがオープンしたこともあり、2019年第二四半期には増加している。しかし稼働率については、79.7%と若干の落ち込みが見られた。

1平方フィート当たりのオフィス賃料については、ゴールデントライアングルエリアで月額7.23リンギット(約190円)、KLセントラルエリで月額7.10リンギット(約186円)となっている。

【参照】High-end residential market unlikely to grow much, says expert

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セカイプロパティ編集部
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