2019-07-20

開発ブームに沸くタイ-カンボジア国境沿いエリア

  • 海外不動産ニュース

カンボジア・ポーサット州のタイ国境沿いの町で、新たな都市開発が行われている。中国人投資家らはこぞって投資を行っており、その額は100億バーツ(約350億円)に上るとも言われている。今回のプロジェクトは、タイーカンボジア間の輸出入や観光に大きな変化をもたらすと期待され、各方面からの注目を集めている。

開発が行われているタマダ地区(Thmada)は、タイとカンボジア両政府が新しい国境検問所を設置したいと考えているタイ・ムアントラート郡に隣接する地域である。プロジェクト完了後には、新たに10,000件を超えるコンドミニアムユニットが誕生することになる。

プロジェクト開発は5段階に分けて行われており、現段階で第一フェーズの80%が完了しているという。コンドミニアムのほかにも、五つ星高級ホテルやレストラン、カジノ、その他公共施設等も併せて建設が進められる。プロジェクト全体の完成は、3~5年後となる予定である。

カンボジアは東南アジアの中でも最も中国との関係が深く、中国からの助成金や投資で成り立っている部分も大きい。今回のプロジェクトにおいても、完成を前に多くの中国人がすでにタマダ地区へ移ってきているという。

また、カンボジアからタイへとつながる主要道路の建設への投資も盛んに行われている。このような中国からの投資ブームとも言える動きは、タマダ地区のみならず別の国境付近でも見られる。

タマダ地区における新プロジェクトには、カンボジア政府も大きな期待を寄せており、また今後の国境沿いの開発におけるモデルとなると見られている。

国境を越えて観光客の行き来が増えるため、タイ側にも利益が見込まれることが予想されるが、そのためにはタイ・トラート地区は電気、水道、ガスなどの公益事業やインフラの整備を行っていく必要があり、また現在限定的にしか稼働していないBan Tha Sen検問所を常設の検問所とするプランを積極的に推進していくことも重要になってくる。

Ban Tha Sen検問所を常設検問所にする案については、タイとカンボジア両政府が4年間に合意しているものの、その後何も進展がない状態である。常設検問所ができることでトラート地区経済が活性化することは間違いないが、タイ中央政府の積極的な関与が見られず後回しにされているのが現状である。

現在の国境付近の開発ブームを活かせるのかは、今後の政府と民間部門の対応にかかっている。

【参照】Boom along the border

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セカイプロパティ編集部
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