中東に位置する「ドバイ」には世界的な富裕層が集まり、不動産投資も盛んに行われています。近年では、日本人の富裕層からも注目されているエリアで、今後の不動産動向が気になるところです。

とはいえ、ドバイ不動産投資を始めたいけれど、「ドバイの不動産事情がよくわからない」、「具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか」といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、「海外不動産投資家アラフォー男」が実際にドバイを訪問し、ドバイ不動産の発展状況や、他国との比較、メリット・デメリット、注意点などをレポートします。

※本レポートは2023年6月現在の情報であるため、それ以降にドバイ不動産購入を検討している方は弊社スタッフまでご相談ください。また、本記事に掲載されている写真は全て私が撮影したもので、デベロッパーの許可も得ております。

筆者がドバイ不動産投資に注目した背景

私の友人の海外不動産投資に精通している方が、最近ドバイ不動産を購入したという話がありました。私と同じく東南アジアを中心にコンドミニアムやホテル等の物件に投資している方で、どのような経緯があったのかを聞いてみると、ドバイは不動産投資が面白くなるエリアであると判明したのです。

芸能人や有名YouTuberが、ドバイに移住するのには理由があります。そこで、「思い立ったらすぐ行動」というスタイルの私は早速現地に直接行ってドバイの不動産を見てみることにしました。

本記事は「不動産投資家のプロ」である私が、2023年6月におけるドバイ不動産視察を記録したものです。少しでも読者の皆様が現地の最新状況を把握するお役に立てれば、海外不動産投資オタクの私にとって非常に嬉しく感じます。 

ドバイ不動産投資の視察に向けた入国手続き

ドバイはアラブ首長国連邦(UAE)に属し、東京からのフライト時間は約12時間です。同国フラッグシップのエミレーツ航空より東京(羽田空港、成田空港)・大阪(関西国際空港)から直行便が出ています。

2023年6月時点でのドバイ入国状況(PCR検査、ワクチン証明書など)

2023年6月末時点で、ドバイへの渡航・入国の条件としてはパスポートの保有だけで、基本的にPCR検査やワクチン証明書は不要となっています(渡航前に確認を推奨します)。依然として入国時にアプリや証明書の確認が必要な場合もありますが、ドバイに関してはパスポートのみで入国できる状態です。

過去に、とある国で不動産視察をする際に、渡航時に物件開発をしている不動産会社から正式なオファーレター(招待状)の取得が必要なことがありました。招待状の発行に約2週間かかり、不動産売買でも取引慣習などスピードが遅いのだろうと考え、物件視察を取りやめたことがあります。

ドバイ不動産投資の視察にビザは不要(日本パスポート保有者)

なお、ドバイ政府が認めるビザ最優遇国20ヶ国に日本が含まれています。日本のパスポートを保有していれば観光ビザが入国時から30日間無料で付き、不動産視察が目的であってもビザを取得する必要はありません。今回、マレーシアの首都クアラルンプール国際空港経由でドバイ入りしましたが、上記の条件に代わりはなくスムーズに入国できています。

ドバイ国際空港から「ドバイ不動産投資」は始まっている

ドバイ国際空港(略称:DXB)は、中東屈指のハブ空港でもあり、到着後から多くの人で溢れていました。また、入国審査を無事に終えて荷物の受け取りレーンに向かうと、ドバイ不動産の物件案内ブースがありました。

上記画像の「DAMAC」は、ドバイの民間不動産開発会社で最大手です。このように、ドバイでは、ドバイ空港の到着エリアから不動産投資が始まっているのです。

ドバイ不動産投資で見るべきポイントとは?

ドバイ不動産投資に限らず、海外の不動産投資を行う際に注意深く気にしていることは、「当該国・都市のインフラ」です。というのも、インフラが整備されていない場所は、住みにくく、人口が増える可能性が低いためです。

一方、インフラが整っているところにはその国の人だけではなく外国人も集まります。結果的に、海外からの投資も呼び込みやすくなり、不動産投資が活発になります。

不動産投資は「交通インフラ」を要チェック

インフラと言っても多種多様ですが、とくに交通インフラは要チェックです。日本の不動産投資同様に、駅チカ物件や、交通インフラが整っているエリアは価値が上昇しやすいためです。

実際に、当該国・都市を訪問し、自分自身が体験しながら把握することを推奨します。渡航が難しい場合には、ネットやSNSで情報を集めたり、GoogleMAPを見たりしながら、交通インフラの発展状況を確かめてみましょう。

ドバイ不動産投資も「交通インフラ」が重要

私もドバイ渡航時に、交通インフラを重点的にチェックしました。ドバイの交通インフラは、先進国同様に発展しており、多くの外国人が不自由なく公共交通機関を使っています。(※ドバイは同国市民:外国人=1:9で外国人が多い)

現地の地下鉄サービスである「ドバイメトロ」は駅構内・車内ともに清潔感が高く、日本人でも利用しやすい環境です。

また、駅から遠い場所に行くのであればタクシーアプリも活用してみてください。Careem(カリーム)という配車アプリサービスが提供されており、クレジットカード登録による支払い、現金での支払いに対応しています。なお、Careemは、フードデリバリーサービスでも人気が高い「UBER(ウーバー)」に買収され、さらなる利便性の向上が期待できます。

ドバイ不動産投資のメリット

ドバイ不動産投資には、どのようなメリットがあるのでしょうか。私がドバイに約1週間滞在し、20件ほどの不動産を視察・デベロッパーから説明を受けたなかで、下記のメリットを紹介します。

・外国人対象の不動産購入規制がない

・一定額の不動産購入でビザが与えられる

・各種税金が発生しない

外国人対象のドバイ不動産購入規制がない

ドバイ不動産投資のメリットは、外国人への購入規制が設けられていないことです。ほかの諸外国では、外国人のみを対象にした不動産投資の規制を設けているケースが少なくありません。

規制内容
マレーシア
外国人は日本円で約3,000万円未満の不動産は購入不可
シンガポール
外国人が不動産を購入するタイミングで60%の印紙税が発生
ベトナム
外国人は不動産の所有権を持てず、50年間の定期借地権のような仕組み
インドネシア・ミャンマー
そもそも外国人の不動産購入が不許可

上記のとおり、外国人への不動産投資規制が設けられている国がある一方で、ドバイは外国人にもオープンな環境です。外国人の自由度が高い点が、ドバイ不動産投資のメリットと言えるでしょう。

一定額のドバイ不動産購入で移住ビザが取得できる

また、外国人が200万UAEディルハム(日本円約7,800万円)以上のドバイ不動産を購入した場合、10年間の居住VISAの取得が可能です。2011年に発生した東日本大震災以降、多くの日本人が海外移住を意識し始め、当時はマレーシアやフィリピンのビザ取得が話題となりました。

ドバイでも、世界中の人々が自国にいることに対しての何かしらのリスクを考え、不動産購入を通じてビザを取得しています。不動産価格もまだまだ割安な状況で、今のうちに購入しておけば不動産投資としても利益を狙えます。

ドバイ不動産購入における各種税金が発生しない

最後に、ドバイ不動産投資の大きな魅力である「税金」です。そもそも、ドバイ自体に消費税以外の税金が一切設けられていません(※VATと呼ばれる消費税は2023年6月時点で5%)。

ドバイ不動産購入時における「不動産取得税」も無ければ、家賃収入に対する「所得税」、「固定資産税」に加え、不動産価格上昇後に売却する際の「キャピタルゲイン税」の納税が不要です。

また、法人税・贈与税・相続税も設けられていないのがドバイ税金システムの特徴です。日本はもちろんのこと、諸外国の不動産投資と税金は切っても切れない関係ですが、中東で勢いのあるドバイは税金に悩む必要がありません。税金のメリットを享受するために、各国の富裕層がドバイに熱い視線を向けているのです。

ドバイ不動産投資のデメリット

ドバイ不動産投資には多くのメリットがある一方で、デメリットにも注意しなければなりません。他国と比較しながら、現状どのようなデメリット・注意点があるのかを私が解説します。

ドバイビジネスへの参入に企業が消極的

中東のドバイでは、日本人を見る機会が少ないだけでなく、日系企業の進出もまだまだ少ないのが現状です。日本食レストランも最近になって増えてきているものの、諸外国と比較すると少ないです。

私が現地に住んでいる富裕層の日本人の方を訪ねた際に、「2009年に起きたドバイショック」によって多くの日本企業がドバイ進出に消極的であると話がありました。東南アジアと比較すると、駐在員への賃貸需要を狙いにくいのがデメリットになる可能性があります。

一方で、日本人の進出が目立っていないからこそ、不動産投資のチャンスとも言えます。不動産オーナーとしての競争相手が少なく、まだまだ不動産価格が高騰していないため、早めに動くほどキャピタルゲインを狙える確率が高まります。

ドバイにネガティブなイメージを持つ人が一定数いる

「ドバイ」と聞いて、さまざまなイメージを持つでしょう。最近ではドバイを舞台にしたネガティブなニュースも見られるなかで、あまり良いイメージを持っていない方も少なくありません。

しかし、ドバイの特性を知ることで、不動産投資における高い潜在性に気づけます。私が感じたドバイのイメージは、東南アジアの優等生国家である「シンガポール」に似ていることです。シンガポールは金融・貿易を武器に発展を遂げた国であり、低税率の実現や、外資を積極的に呼び込むなど、外国人富裕層の移住先としても人気です。

また、「領土が限られていることから高層の建物が多い点」や、「地震が発生する可能性が低い」、「英語が公用語のように話されている」、「安定した治安」、「ハブ空港の存在」など、ドバイとシンガポールは類似点が多くあります。

ドバイ不動産とシンガポール不動産の違いは「価格」

上記のとおり、ドバイとシンガポールは類似性が高いエリアです。とはいえ、1点異なるのが「不動産価格」です。すでに不動産価格が上がりきっているシンガポールと比較して、ドバイの不動産価格はまだまだ安いです。

ドバイ不動産の平米単価は90万円程度

DAMAC(ダマック)というドバイ民間最大手の不動産開発ディベロッパーが、外国人富裕層や日本人駐在員も多く住むマリーナエリアに新規プロジェクト「DAMAC”Bay2”(ダマック・ベイ2)」をローンチします。物件のすぐ近くには、人工島で今は超高級住宅地にもなっているパームジュメイラが存在します。

【無料DL可能】DAMAC ”Bay2” 物件資料のダウンロードはこちら

本物件は、2023年6月時点で平米単価が約155万円(坪単価で約515万円)で販売します。現地不動産エージェントによると、昨年のドバイ全体における平米単価が約90万円だと話されていたため、平均と比べても高額なプロジェクトです。

ドバイ不動産投資は早いほど利益が狙える

一方、先日私の友人がシンガポールのオーチャードという高級エリアで購入した新築のコンドミニアムは平米単価415万円(坪単価で約1,370万円)でした。ドバイ不動産における平米単価の2.6倍です。

また、東京の六本木ヒルズの売買価格を調べてみたが、平米単価398万円(坪単価で約1,315万円)で昨年成約事例がありました。

すでに、シンガポールは東京を上回る不動産価格ですが、これだけ発展しているドバイの高級不動産はシンガポール、日本と比べてまだ半額以下で購入ができます。前述通り、シンガポールが税率や外資受け入れで急速な発展をして不動産価格が上昇したことを考えると、今のうちからドバイ不動産に投資することは理にかなっていると言えます。

まとめ:ドバイ不動産投資には豊富な魅力が詰まっている

以上が、海外不動産投資家アラフォー男による2023年6月時点のドバイ不動産視察レポートです。最後にドバイという場所は、私たち日本人も含めて外国人を喜ばせてくれるようなコンテンツが大変充実しています。

世界最高層のタワーのライトショー・噴水ショーをはじめ、日本では味わえないような砂漠のラクダツアー、巨大なショッピングモールでは世界中から集まった製品のショッピングも楽しめるほか、モールの中にスキー場が入っているところもあります。

私たち不動産投資家は「不動産投資で利益を得る」ことも大切ですが、不動産購入後にじっくりと国が成長するのを待ちながら、たまには家族や仲間と現地を訪れて、その国を楽しむということが醍醐味です。そう考えるとドバイは常に私達を飽きさせない驚きを提供してくれるとても楽しみな国なのです。