香港のデモ活動は激しさを増し、いまだ収束の目途は立っていない。香港市民の中には、生活の安全を求めて海外への移住を検討している人もいるという。政治的に安定しているという理由からシンガポールなどが人気の移住先となっているが、より物価や生活費の安いマレーシアも移住先として注目を集めている。
不動産仲介業者のVPC Realtors関係者は、「最近は香港の人々が毎週末集団でマレーシアを訪れ、不動産を購入していく。これまでのところ香港市民が購入した物件は、マレーシア全土で1,000件に上る。」と話している。
2019年7~8月の1カ月間に香港市民が購入したマレーシアの物件は500件に上り、このままのペースでいくと、今後半年で10,000件に達すると見られている。不動産の平均価格を100万RM(約2,600万円)とすると、10,000件の総額は100億RM(約2,600億円)に上ることになる。
香港市民による物件購入が増えれば、当然のことながらマレーシアにおける外国人の不動産購入割合が増加することになる。外国人の所有率が高まることに対しては、懸念を示す不動産関係者もいる。現在のところ彼らは移住のために物件を購入しているのであって、投機目的ではない。投機目的の外国人が増えると、売りに出すタイミング次第で、マレーシアの不動産市場は多大な影響を受けることになる。
香港市内については、商業不動産の価格が下落したとしても、供給不足が続いている住宅不動産については、引き続き堅調に推移していくと見られている。
Photo:Azlan Baharudin
【参照】Hong Kong buyers buying 50-100 Malaysian properties every weekend?
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