ワイオミング州はアメリカ国内でも特に税制優遇が充実している州の一つであり、個人所得税がかからない点が不動産投資家にとって大きなメリットとなります。


また、広大な土地と豊かな自然が特徴で観光業が盛んなことから、短期レンタル市場にもチャンスがあります。さらにシャイアンやジャクソンなどの都市部では安定した住宅需要が見込まれ、不動産市場も堅調です。


本記事ではワイオミング州の不動産市場の概要、投資のメリット・デメリット、おすすめの投資エリアについて詳しく解説します。

 

ワイオミングの概要

ワイオミング州はアメリカ合衆国西部に位置し、広大な自然と低い人口密度が特徴です。州全体にわたる大自然が魅力であり、イエローストーン国立公園やグランドティトン国立公園などの観光地が有名です。また、州内にはロッキー山脈が広がり、ハイキングやスキーなどのアウトドアアクティビティが豊富で年間を通じて多くの観光客が訪れます。

ワイオミング州の気候は、年間を通じて乾燥しており雨もあまり降りません。雄大な自然のなかでの放牧も盛んで、「カウボーイ州」とも呼ばれています。白人の探検隊によって開拓されるまではネイティブ・アメリカンの部族が生活していた地域で、「ワイオミング」という名前は先住民の言葉で「大平原」という意味だそうです。

経済面ではエネルギー産業が主要産業で、石炭や天然ガスの採掘が盛んです。特に石炭の埋蔵量は全米トップクラスであり、エネルギー輸出の拠点として重要な役割を担っています。さらに牧畜業も盛んで、広大な土地を活かした畜産業が州経済を支えています。

ワイオミング州は税制面でのメリットが大きく個人所得税が課されないため、ビジネスオーナーや投資家にとって魅力的な環境となっています。また、州全体の治安が比較的良く住みやすい環境が整っていることも特徴の一つです。

項目概要
人口約58万人
言語英語
宗教キリスト教が主流
主要産業エネルギー(石炭、天然ガス、石油)、観光、農業
為替1ドル=約150円(2025年3月時点)
在留邦人数約200人(2024年10月時点)

 

ワイオミング不動産投資のメリット

ワイオミングの不動産投資にはいくつものメリットがあります。今回はワイオミング不動産投資のメリットを3つご紹介します。

低い税負担

ワイオミング州は全米で最も税制優遇が充実している州の一つです。州の所得税がないため、住民は収入に対して州税を支払う必要がなく、ビジネスオーナーや投資家にとって大きな利点となります。

さらに、固定資産税も全米平均と比べて低い水準に抑えられており、不動産所有に伴う税負担が軽減されるのが魅力です。また、法人税も低く設定されているため不動産関連の事業展開に適した環境が整っています。

 

広大な土地と低い不動産価格

ワイオミング州は全米で最も人口密度が低い州の一つであり、そのため土地価格が比較的安価に抑えられています。アメリカの大手不動産サイトZillowによると、2024年第4四半期のアメリカの典型的な住宅販売価格について、全米全体では356,782ドルであったのに対し、ワイオミング州は349,074ドルと、全米全体と比較して価格が低いことがわかります。

特に都市部を離れると広大な土地を安価に取得できるため、牧場経営、リゾート開発、さらにはエコツーリズム関連の不動産投資にも適しています。低い取得コストは長期的な不動産運用や資産形成を考える投資家にとって大きなメリットとなります。

さらに近年ではリモートワークの普及により、都市部から郊外への移住を考える人々が増えており、将来的な地価上昇の可能性も秘めています。

 

観光産業の需要

ワイオミング州にはイエローストーン国立公園やグランドティトン国立公園など世界的に有名な観光地があり、年間数百万人の観光客が訪れます。この観光需要により短期滞在型の賃貸市場が活発であり、バケーションレンタルやロッジ型の宿泊施設の投資が魅力的な選択肢となります。

特にジャクソンのような高級リゾート地では、観光客向けの高級別荘や貸別荘の需要が高く、安定した収益が期待できます。また、観光業に関連した商業不動産、例えばレストランやアウトドアショップなどへの投資も収益性の高い選択肢となるでしょう。

 

ワイオミング不動産投資のデメリット・リスク

ワイオミング不動産投資のメリットを先にご紹介しましたが、デメリットやリスクがあることも事実です。以下に解説する3つのマイナス面に気をつけて不動産投資を検討することをおすすめします。

人口が少なく、賃貸需要が限定的

ワイオミング州は人口が約58万人と少なく、都市部でない限り賃貸物件の需要は限られます。そのため賃貸市場をターゲットとする投資は慎重に検討する必要があります。

特に人口が増加していない地域では空室リスクが高く、長期的な賃貸収入の安定性に欠ける可能性があります。

 

厳しい気候条件

ワイオミング州の冬は非常に厳しく、気温が氷点下にまで下がることが一般的です。また、降雪量も多いため建物の維持管理には高いコストがかかります。

屋根の補強、断熱設備の強化、除雪対策など寒冷地特有のメンテナンスが必要となるため、不動産所有者にとっては追加の負担となる可能性があります。

 

経済の依存性が高い

ワイオミング州の経済はエネルギー産業に大きく依存しており、特に石炭や天然ガスの価格変動が州全体の経済に与える影響が大きいです。エネルギー価格の下落が続くと地域経済が低迷し、雇用環境の悪化や不動産価値の下落につながる可能性があります。

また、再生可能エネルギーへのシフトが進む中でワイオミング州の主要産業がどのように変化するかも、長期的な投資判断の要素として考慮する必要があります。

 

ワイオミングのおすすめ投資エリア3選

ワイオミングといっても、様々な特色のエリアが点在しています。今回はワイオミングでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。

1. シャイアン

シャイアンはワイオミング州の州都であり、州内で最も人口が多い都市です。州政府の中心地であるため公務員や関連企業の雇用が安定しており、住宅市場の需要も継続的にあります。また、商業施設やショッピングモールも充実しています。

西部開拓時代の町並みや雰囲気が強く残っており、ワイオミング州の中でも人気の高い観光都市です。経済や交通の面では、ロッキー山脈地方の中心都市であるコロラド州のデンバーと結びつきが強く、デンバー国際空港からの便がシャイアンの玄関口であるシャイアン空港に発着しています。

不動産投資においては、長期賃貸物件の需要が比較的安定しています。特に政府関係者や地元企業の従業員向けの住宅需要が高く、投資家にとっても魅力的です。

さらに、シャイアンフロンティアデイズという有名なロデオイベントが毎年開催されるため、短期レンタル市場にも一定の可能性があります。

 

2. ジャクソン

ジャクソンはワイオミング州随一の高級観光地であり、グランドティトン国立公園やイエローストーン国立公園に近接しています。そのため国内外から多くの観光客が訪れ、高級リゾート地としての需要が非常に高いです。一般的にはジャクソンホールという名で知られ、自然の美しさと、街やリゾートエリアが見事に調和した風光明媚な都市です。

このエリアの不動産市場は特に高級志向が強く、別荘や高級コンドミニアムの投資が人気です。観光客向けの短期レンタル物件は年間を通じて高い稼働率を誇り、特にスキーシーズンや夏の観光シーズンには高収益が期待できます。また、ジャクソンには高所得層が多く住んでおり、物件の資産価値が安定しやすいのもポイントです。

 

3. カスパー

カスパーはワイオミング州内で2番目に大きな都市であり、石油・天然ガス産業の中心地として発展してきました。エネルギー関連企業が集積しており、産業労働者向けの住宅需要が高いのが特徴です。

この地域の不動産市場は比較的手頃な価格帯であり、投資初心者でも参入しやすい点が魅力です。特に一戸建て住宅やアパートの賃貸物件は安定した需要があります。また、近年ではエネルギー産業以外にも観光や小売業が発展しつつあり、地域経済が多角化している点も注目すべきです。

 

まとめ

ワイオミング州の不動産投資は低い税負担や観光需要などのメリットがある一方で、人口の少なさや厳しい気候といったリスクも伴います。

特にジャクソンやシャイアンといったエリアでは、観光や州政府関連の安定した需要があるため投資を検討する価値があります。ワイオミング州の特性を理解し、適切なエリアを選定することが成功の鍵となるでしょう。

 

アメリカ不動産の実際の購入方法について詳しく知りたい方はこちらも合わせてお読みください。

>>アメリカで外国人が不動産を購入する方法。購入条件やローンまで解説!

 

 

海外不動産投資の全体概要とおすすめ投資先国についてはこちら。

>>海外不動産投資の魅力と現実|2025年おすすめ5カ国

 

 

アメリカの不動産投資についてのメリット・デメリットを詳しく知りたい方はこちら。

>>アメリカ不動産投資のメリット・デメリット / 失敗を防ぐポイントも

 

 

 

海外不動産の全てがわかる!海外不動産購入ガイド

・海外不動産を購入するまでの流れがわかる ・海外不動産がおすすめな理由は? ・海外不動産のメリット・デメリットは?