海外不動産投資に興味があるけれど、できる限りリスクを抑えた投資をしたいと考える人もいるのではないでしょうか。リスクの抑制を主眼に置いて投資するならば、アメリカ不動産投資がおすすめです。
人口増加を継続している点や、中古物件も多数流通していることなどから、アメリカでは空室や物件価格の下落といったリスクを抑えて投資できます。この記事では、主に日本国内と比較したアメリカ不動産投資のメリット・デメリットや、物件を選ぶときの確認ポイントなどについて解説します。

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アメリカ不動産投資のメリットは?

中古物件が多数流通している点や、人口増加による住宅需要の向上を期待できる点などが、アメリカ不動産投資の大きなメリットです。また、海外には人口が増加している国は多数ありますが、外国の中でもアメリカは規制変更の可能性が低い点などに利点があります。

中古物件でも値上がりする可能性が高い

日本の不動産市場では、不動産は新築時が最も高価格で、築年数の経過とともに値下がりしていきます。また、新しい家を好む入居者も多いものです。しかし、アメリカの不動産市場では新築住宅よりも中古住宅の方が多く流通しており、必ずしも新築だけが好まれるわけではありません。なお、不動産市場が持つ特性から、中古住宅でも値上がりの期待を持てます。

アメリカ人は日本人ほど中古住宅を敬遠しません。アメリカ人は、日本人よりも短い周期で住み替えを繰り返す上に、築古の住宅でも何度も修繕して住み続ける習慣を持っているためです。アメリカ不動産投資では、日本国内の不動産投資よりも物件の売却で利益を取れる可能性が上がります。

先進国でありながら人口が増加している

2021年時点で、日本ではすでに人口減少が始まっています。しかし、移民を受け入れていることもありアメリカでは人口が増加中です。世界に目を向けると、人口が減少している先進国は多いため、アメリカは人口増加を続ける希少な先進国と言えます。

人口が増加している国では、住宅需要が拡大するため、住宅価格の値上がりと賃貸需要の拡大を期待できます。また、コロナの影響を除外して考えれば、アメリカは経済成長を続けているため、経済的な側面からも住宅の値上がりを期待可能です。

日本では住宅需要の縮小が懸念されているため、日米の比較では、アメリカ不動産市場の方が大きい可能性を持っていると言えます。

外国人投資家にとってリスクが低い

新興国の中には、外国人投資家に対する規制を設けている国も多いものです。しかし、アメリカでは外国人投資家に対する規制が特にありません。外国人が土地を所有できない新興国も多い一方で、アメリカでは外国人も土地を所有可能です。

また、新興国では、外部要因による影響から将来的に外国人に対する規制が新設されるリスクもあります。しかし、アメリカでは、経済規模の大きさなどを考慮すると、対外的要因による規制の新設などは起こりにくいものです。法規制などのリスクが小さい点も、アメリカ不動産投資のメリットです。

注意すべきアメリカ不動産投資のデメリット

アメリカ不動産投資で要注意のポイントは、ローンによる資金調達が難しいことや、節税効果は小さくなっている点などです。また、先進国特有のデメリットとして、都心部では物件価格が特に高い点が挙げられます。

日本国内よりもローンを使いにくい

アメリカ不動産投資が持つ1つめのデメリットは、日本国内の不動産投資と比較してローンを使いにくいことです。アメリカ不動産投資で、購入物件を担保に入れて利用できるローンは非常に少ないものです。金融機関の選択肢が限られるため、アメリカ不動産投資にはローンを比較しにくいデメリットがあります。

また、アメリカ不動産投資では、日本国内での不動産投資よりも融資比率が低い点に要注意です。大半の金融機関では物件評価額の50%を融資限度額としています。フルローンを利用できるケースはほとんどありません。アメリカ不動産投資には多額の自己資金が必要です。

減価償却費の計上を利用した節税はできない

従来、アメリカ不動産投資は、日本人の富裕層に節税対策として利用されていました。しかし、2020年度の税制改正によって、海外不動産投資では減価償却費を計上できなくなっています。

減価償却費とは、物件価格を建物価格と土地価格とに按分し、建物価格を税制上の経費として計上できるものです。実際の支出を伴わない税務上の経費として利用できるので、所得を圧縮するための手段として使われてきました。

賃貸管理や修繕などの費用などは従来通り計上できるため、アメリカ不動産投資では、経費を全く計上できないわけではありません。しかし、アメリカ不動産投資の税務効果は非常に小さくなった点に要注意です。

都心は特に物件価格が高い

空室リスクや物件価格の下落リスクを抑えるため、都心で物件を探したいと考える人は多いものです。しかし、例えばニューヨーク・ロサンゼルス・ホノルルなど、日本人にも馴染み深いアメリカの都心では、物件価格がとても高くなっています。

上記の大都市では物件価格が高いために、表面利回りも2%〜4%程度など低いものです。利回り狙いの投資にはあまり適していない点に注意を要します。アメリカでは、新興国のように、人口が集まってくる大都市で安く物件を購入するといった投資はできません。アメリカ不動産投資で利回りを上げるためには、大都市とは別の州にも目を向けて物件を探す必要があります。

アメリカ不動産投資における物件の選び方

不動産投資の物件選びでは、人口が集まっている都市などに的を絞ることが重要です。しかし、アメリカ不動産投資では、人口以外のポイントからも各エリアを分析することが重要になります。

学区のレベルが高いエリアの物件を選ぶ

アメリカ不動産投資の物件探しにおいて、チェックすべきポイントは学区のレベルです。アメリカ人の高所得者は、学区のレベルが高いエリアを好みます。高レベルのエリアで投資すれば、高所得者層の入居も期待可能です。

高所得者の入居を狙うメリットとしては、家賃滞納のリスクを下げられることや、家の使い方がきれいなことなどが挙げられます。

アメリカでは日本よりも貸主側の力が強いため、家賃滞納者の強制退去も比較的簡単にできますが、滞納など発生しないに越したことはありません。また、家の使い方は修繕費の多寡に影響が出るため、高所得の入居者を選ぶことが収益の安定に寄与します。

州税は要チェック

アメリカでは、連邦税と州税との2種類の税金を徴収されます。連邦税はどこの州で投資しても共通ですが、州税は税金の種類や税率が州によって異なる点に要注意です。

税金の少ないエリアで投資すれば、キャッシュフローを増やせます。少しでも効率の良い投資をするためには、物件選びの時点で州税を確認することが重要です。

まとめ

アメリカ不動産投資には、不動産市場の持つ特性から、日本国内の不動産投資よりもキャピタルゲインを狙いやすいメリットがあります。そのほか、人口増加を続けている点から、空室率の低い投資も期待可能です。

一方で、ローンを出す金融機関は少ないことや、節税効果は小さいことなどに注意を要します。また、新興国と違って市場が成熟しているため、アメリカ都心部の物件は高額です。投資エリアを絞り込むには、学区のレベルや、州税の種類・税率を比較することが重要なポイントとなります。

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