オーストラリアは温暖な気候で過ごしやすく治安もよいので日本からも旅行者がたくさん訪れます。旅行だけでなく、ワーキングホリデーや語学留学・ロングスティでも大人気ですよね。オーストラリアへの移住を考えている方もいらっしゃるかもしれません。
今回はオーストラリアに居住するなら必ず必要なオーストラリアの銀行口座開設について説明していきます。
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1 オーストラリアの銀行口座を開設する必要性
旅行で一時的に滞在する場合は必要ありませんが、それ以外で一定期間オーストラリアに住む予定の場合、オーストラリアの銀行口座を持つ必要性が出てきます。
ワークビザやワーキングホリデービザを取得して現地の企業で働く場合、通常、給料は銀行口座への振込となります。
自分で部屋を借りる場合、オーストラリアでの家賃の支払い方法のほとんどが、小切手払いか銀行口座からの自動引き落としとなります。(部屋のオーナーによっては、現金支払い希望の場合もあります。)
また、オーストラリアで不動産を購入した場合も支払いや、賃貸付けした時の振込先としてもオーストラリアの口座は必須となってきます。
2 オーストラリアで銀行口座を開設するメリット
オーストラリアで銀行口座を開設すると、メリットがいくつもあります。
利息が高い
日本の低金利と比べると、オーストラリアの口座で付く利息は高いです。以前ほどの超高金利ではありませんが(以前は17%以上の利息がつく時期もありました)、定期預金などで日本の数倍〜10倍つくことも珍しくありません。
例えば、オーストラリア・ニュージーランド銀行の現在のセービングアカウントなら、ボーナスレートが加算され2.55%つくタイプもあります。
バンクカードをデビットカード として使えるようになる
「日本のクレジットカードを持っているけど、海外使用による手数料・為替レートで損したくない。」という方にオーストラリアの銀行のデビットカードは役に立ちます。
また、クレジットカード払いをすると支払い手数料を上乗せする店もありますが、後述するEFTPOS(エフトポス)でバンクカードを使えば手数料は取られないというところもメリットです。
一番の長所は、現金を持ち歩かなくてすむという点です。海外では、「できるだけ現金を持ち歩かない」というのは、安全面で大切な事です。
デビットカード使用後は、すぐに使用した金額が口座から引き落とされます。口座残高がなければ使えないので、クレジットカードのように使いすぎる心配もありません。
<バンクカードはどこで使えるの?>
お店のキャッシャーには、EFTPOS(エフトポス)という端末があります。バンクカードがあれば、その端末を使って支払いができます。ほとんどのレストランやスーパーストア・ガソリンスタンド・ファーストフード・ショッピングモール内のショップなどで導入されています。タクシー内にもある場合がほとんどなので、運転手に聞いてみましょう。
ATMやお店で現金を引き出せるようになる
EFTPOS(エフトポス)の加盟店であれば、バンクカードを使って現金を引き出すこともできます。現金引き出し時の手数料もかかりません。また、銀行内だけでなく、街角やお店の中にあるATMで現金を引き出すことができます。
ただし、EFTPOS(エフトポス)が利用できない口座もあるので、利用したい方は口座開設前に確認した方が良いでしょう。また、1日の利用上限金額も決められています。
3 オーストラリアの4大バンク
オーストラリアには、4つの代表的な銀行があります。
- National Australia Bank(ナショナル・オーストラリア銀行)
- Westpac Bank(ウェストパック銀行)
- Commonwealth Bank(コモンウェルス銀行)
- Australia and New Zealand Banking(オーストラリア・ニュージーランド銀行)
で、これらの銀行はBig Fourと呼ばれています。
National Australia Bank(ナショナル・オーストラリア銀行
略称はNAB。オーストラリア国内で最大の資産を持つ銀行です。イギリス、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドで運営していて、本部はメルボルンです。
このバンクの大きな特徴は、口座維持手数料が無料というところです。
Westpac Bank(ウェストパック銀行)
オーストラリア国内で最古の歴史を持つ銀行です。シドニーに本店があり、以前は東京支店がありましたが、撤退してしまいました。この銀行の本店はシドニーにあります。
Commonwealth Bank(コモンウェルス銀行 )
コモンウェルス銀行は、これら4つの銀行の中で最大のATM台数を誇っており、国内に4000基以上を設置しています。
Australia and New Zealand Banking(オーストラリア・ニュージーランド銀行)
ANZの略称で知られており、オーストラリアやニュージランドだけでなく、アジア太平洋地域、アメリカ、ヨーロッパ、中東を含む33の国と地域で事業をしています。日本人スタッフのある支店があったり、日本支社で現地口座開設媒介サービスをしていたり、日本人にとっては使いやすい銀行です。
4 日本人におすすめの銀行は?
日本語が通じる/日本人スタッフがいる銀行はある?
オーストラリア・ニュージーランド銀行のケアンズ支店、サーファーズパラダイス支店(ゴールドコースト)には、日本語で対応できるスタッフがいます。
ナショナル・オーストラリア銀行は、サーファーズパラダイス支店、サウスポート支店に日本人スタッフがいます。ウェストパック銀行のサーファーズパラダイス支店にも日本人スタッフがいます。
日本国内からでも口座開設ができる銀行はあるの?
日本に支店がある銀行は、コモンウェルス銀行、ナショナル・オーストラリア銀行、オーストラリア・ニュージーランド銀行です。
しかし、これらの銀行の中で、オーストリア現地の銀行口座開設を代理でしてくれるサービスがあるのはオーストラリア・ニュージランド銀行のみとなります。
各銀行のメリットを比較
ウェストパック銀行には、日本人が実感できるようなメリットは特にありません。ゴールドコーストのサーファーズパラダイス支店近くに住む予定なら、日本人スタッフがいるので便利かもしれません。とにかく出費を抑えたい方は、口座維持手数料が無料のナショナル・オーストラリア銀行です。しかし、各銀行が定めている口座維持手数料免除の条件に合う方にとっては特別なメリットではありません。「日本語サポートの安心感が欲しい」「英語が苦手」という方は、やはりオーストラリア・ニュージランド銀行がおすすめです。
実際に、オーストラリア在住の日本人の多く(特に留学生やワーキングホリデーの方)は、オーストラリア・ニュージーランド銀行を使用しているようです。そこで、日本人におすすめのオーストラリア・ニュージーランド銀行での口座開設について、以下で詳細にお伝えしたいと思います。
5 オーストラリア・ニュージーランド銀行で口座開設をする方法
オーストラリア・ニュージーランド銀行で口座を開設する方法は3種類あります。
1.オーストラリア・ニュージーランド銀行の現地支店に直接行く
2.オーストラリア・ニュージーランド銀行日本支店で、口座開設の媒介サービスを利用する
3.オーストラリア・ニュージーランド銀行のホームページから、オンラインで口座開設をする
それでは、1〜3それぞれについて説明していきます。
オーストラリアの現地支店で銀行口座を開設する場合
- 身分証明書
- 現金$20〜50
- オーストラリアの滞在許可を証明できるもの(ビザ)
- オーストラリアの住所
- オーストラリアの電話番号
- マイナンバー
- フルタイムの学生の場合は学生証
<身分証明書>
オーストラリアに来たばかりの日本人なら、パスポートで大丈夫です。
<現金>
口座を開く際には、少なくSても$20〜$50ほど入金しましょう。
<ビザ (滞在許可証)>
オーストラリアに合法に滞在しているか?を確認されます。
なくても大丈夫だったという場合もありますが、ほとんどの場合はビザの種類を聞かれます。その際は、自分の持っているビザの種類を答えましょう。(例えば、ワーキングホリデービザ、学生ビサ、ワークビザなど)
<オーストラリアの住所>
自分が実際に住んでいるアパートやホームスティ先が一般的です。アクセスカード(オーストラリア・ニュージーランド銀行のキャッシュカード)が送られてくるので、必ず受け取れる住所を登録しましょう。ルームシェアをしていてきちんと受け取れるか不安な方や、まだ住む場所を探し中でホテルなどに滞在している場合は、大学や語学学校をカードの受け取り先に指定しても大丈夫です。
アクセスカードは、口座開設日から通常1〜2週間以内に、登録した住所に送られてきます。口座開設申込時点で送付先住所がはっきりわからない方は、口座開設した銀行の支店で受け取ることも可能です。
<オーストラリアの電話番号>
口座開設の時点で、まだ携帯電話や家の電話を契約していない場合は、その旨を伝えましょう。後で電話を契約したら、自分の口座のコンタクトインフォメーション(連絡先情報の欄)に電話番号を登録しましょう。
<マイナンバー>
2017年から、オーストラリアの銀行で口座を開設する際にも、日本のマイナンバーの登録が必要となりました。今のところ、担当者によって聞かれたり聞かれなかったりするようですが、念の為、用意した方がいいです。
「何で日本のマイナンバーが必要なの?」と思う方も多いかもしれませんが、脱税防止のためのOECDルールをオーストラリアも適用しています。原本は不要なので、マイナンバーのコピーを持参しましょう。
海外に1年以上住む予定の場合は、日本で海外転出届を出さなければなりません。その場合、役所でマイナンバーカードの返還手続きをしなければならず、「国外転出により返納」という記載がされて一時使用停止のような扱いになります。マイナンバーの番号自体は一生変わらないので、オーストラリアでマイナンバーの番号を聞かれたら、同じ番号を伝えても大丈夫です。
担当者がマイナンバーを知りたい時は、「TFN(Tax File Number) of JAPAN」あるいは「TIN(Tax Identification Number)of your country」のように聞いてきます。オーストラリアで「マイナンバー」と言っても、日本人スタッフ以外にはほぼ通じません。
<学生証>
銀行によって条件は違いますが、前述の通り、通常かかる毎月の口座維持手数料を免除してもらえる場合があります。フルタイムの大学生なら無料になりますので、必ず学生証を持参しましょう。まだ学生証を発行してもらっていない場合は、eCOE(electronic confirmation of enrolment) でも大丈夫です。eCOEとは、学生ビザ申請の時にも必要な、各教育機関の入学許可証です。
日本支店で、口座開設媒介サービスを利用する場合
オーストラリア・ニュージーランド銀行の日本支店は、東京と大阪にあります。現地口座開設の代行を頼む場合、手数料として9,000円を支払う必要があります。ちなみに、オーストラリアで銀行開設をする場合は、無料となります。
手数料の内訳は、(1)外国送金電信料(2)媒介手数料となっており、(1)の電信料は送金の度に払わなければなりません。送金予定額が決まっている場合は、まとめて送金したほうが手数料を節約できます。また、最低申込額は手数料込みで100万円です。口座開設媒介サービスを依頼できるのは、申込時点で満20歳以上の方およびパスポートを保有しているオーストラリアに渡航予定の方です。申込受付期間は、日本出発予定日の1カ月月前から2週間前までです。
オーストラリア・ニュージランド銀行の日本支店に行く時は、事前に電話をして予約をしましょう。(電話番号:東京(03)6212−7777 /大阪 (06)6456-1231)
日本で口座を開設しても、銀行のキャッシュカード(アクセスカード)受け取り・暗証番号登録は、オーストラリア現地の銀行でする必要があります。
ホームページから、オンラインで口座を開設する場合
12歳以上なら、オンラインで口座を開設することができます。オーストラリア国外から、オーストラリア・ニュージランド銀行のウェブサイトを使ってANZ Access Advantage accountの口座を開くと、毎月の口座維持手数料が12カ月間無料になります。通常は、毎月$5かかるのでおトクですね。
12カ月を過ぎた後も、(1)25歳未満 (2)毎月少なくとも$2000の入金がある (3)フルタイムの学生のどれかにあてはまれば、口座維持手数料は免除され続けます。
6 銀行の口座の種類
口座の名称は銀行によって違いますが、内容はほとんどの銀行でほぼ同じです。以下は、ANZ銀行の口座の一例です。
ANZ Access Advantage (Everyday bank account)
オーストラリア・ニュージランド銀行の普通銀行口座です。送金やATM・支店での取引利用が無制限にできます。デビットカードやインターネットバンキング・Appの利用もできるなど、日常生活の中で便利に使える口座です。その代わりに利息は低く、$50,000未満の残高では利息は付きません。
ANZ Online Saver
上記のANZ Access Advantageとリンクされる口座ですが、毎月の口座維持手数料は無料で、最低限必要となる残高も設定されていません。ANZ Access Advantageを通して無制限に預金アクセスできるにもかかわらず、利息は2.55%(bonusレート上乗せ後)と高く設定されているため、日々の出し入れに必要なお金以外はこちらに移しておくと良いでしょう。
ANZ Progress Saver
オーストラリア・ニュージランド銀行の積立口座です。ANZ Online Saverよりも高金利で口座手数料も無料です。毎月$10以上の入金をする必要があるほか、引き落としのあった月は利息がつきません。こちらの口座もANZ Access Advantageとリンクされます。
7 日本の銀行口座との違い
ATM利用料が無料
土日祝日関係無く、24時間ATM利用料は無料です。これは同じ銀行のATMの場合で、自分の銀行以外のATMを使用する場合は、利用料が発生するので注意しましょう。
通帳が無い
通帳の代わりに、取引明細書(Statement)が送られてきます。オーストラリア・ニュージランド銀行の場合は、3カ月に1回郵送されます。
郵送の取引明細書ではなくてオンラインでの取引明細書(online statement)を希望する場合は、インターネットバンキングから設定を変えることができます。
郵送の取引明細書からオンラインステートメントに変更する手順
- ANZ internet bankingにログインする
- ”Profile”メニューに行って、”Change my statement preferences”を選択する。
- オンラインでの取引明細書を希望する口座すべてについて”Online only”を選ぶ
また、インターネットバンキングやAppを利用すれば、いつでも取引きの履歴を確認することができます。
口座維持手数料が必要
前に述べたように、通常は口座維持手数料が毎月かかります。「口座のお金を使用していないから」と安心して残高確認をしないと、いつの間にかマイナスになってしまう場合があるので注意しましょう。
8 オーストラリアの銀行口座に関する注意点
口座開設手続きの時期
オーストラリアの現地支店で口座を開設する予定なら、現地到着後6週間以内に手続きをしましょう。 それ以降になると、必要書類が増えてしまい準備が大変になってしまいます。
銀行や支店によっては6週間を過ぎても大丈夫な場合もあるようです。しかし、期間をすぎると、本来は免許証やクレジットカードの明細書・光熱費の請求書などを用意しなければならないことを考えると、念の為、6週間以内に手続きをした方がいいでしょう。
口座開設日の予約
ほとんどの銀行では、いきなり行っても口座開設手続きをできることが多いですが、あらかじめ予約を入れることをおすすめします。手続きもスムーズに進みますし、銀行で長時間待つ必要がなくなります。
予約は、電話やウェブサイトでできます。オーストラリア・ニュージランド銀行のウェブサイトの場合は「appointment request form」があるので、必要事項を記入して「submit」を選んで送信するだけです。3日以内に、予約の詳細について連絡があります。
バンクカード上の番号
バンクカードには番号が書かれていますが、その番号は口座番号ではありません。
給料振込をしてもらう時などに口座情報を伝えなければなりませんが、その時に、間違ってバンクーカード上の番号を教えないように注意しましょう。
口座の解約
4つの注意点の中で一番気をつけたほうがいいのは、この口座解約についてです。長期間口座に動きがないと、手数料が発生することがあります。残高が無くなると、マイナスの預金残高が記録に残ってしまいます。
あるいは、まだ残高があっても口座が凍結されてしまうこともあり、再開設するのに手続きが必要になります。日本へ帰国してしばらくオーストラリアには帰らない、もう戻ってこないという方は、帰国前に必ず口座を解約しましょう。
日本に支店がある銀行でも、オーストラリア現地の銀行口座解約手続きはできません。オーストラリア・ニュージランド銀行日本支店でも、現地銀行の口座開設媒介サービスはありますが、海外口座からの引き出し・振り替え・口座解約などはできません。
9 まとめ
オーストラリアで銀行口座を開設する方法について解説しましたが、いかがでしたか?「予想していたより簡単かもしれない。」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まだ英会話に自信のない方は、「オーストラリアの銀行に一人で行って、しかも英語で口座手続きをするなんて絶対無理!」と思ってしまうかもしれません。
しかし、普通口座を開設するだけなら、実際は全然難しくありません。オーストラリアの銀行員は、フレンドリーで親切な人が多いので躊躇する必要はありません。
また、オーストラリアは移民も観光客も多いので、多くの人が自国語のアクセントのある英語を話しています。ジャパニーズイングリッシュでも気にせず、堂々と話しましょう。銀行員があまりにも早く話して聞き取れなかったら、もっとゆっくり話してくれるようにお願いすればいいのです。
まず、本記事に出ている関連英単語を覚えておきましょう。それでも不安なら、本文にある英語の単語や例文を写して持参しましょう。もし、銀行で発音できなかったら、その紙を銀行員に見せればいいのです。
住所や電話番号もあらかじめメモしておけば、スムーズに手続きが進みます。
オーストラリアに着いたばかりでいろいろと不安な時に、銀行口座を開設に行くのは大変かもしれません。しかし、自分の力でオーストラリアの銀行口座を開設できた時の達成感は、これから始まるオーストラリアの生活の中で、必ず大きな自信となるでしょう。
また、セカイプロパティは、現地へ視察に行き、デベロッパーからの生の情報を基に現地の治安・物価・生活環境についてご紹介させていただきます。また、他国との比較を通して、お客様に最適の移住先をご提案させていただきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。