数年前、シンガポールでは不動産市場が過熱し、不動産価格は経済の基礎的条件を上回る勢いで上昇を見せていた。そのような状態に歯止めをかけるため、政府は2018年7月、抑止策として追加購入者印紙税(ABSD)の引き上げを行った。

抑止策の導入で、シンガポールの一般不動産の需要低下につながった可能性があるが、外国人バイヤーの高級不動産に対する需要は再び伸びを見せているようだ。

「ERA Research and Consultancy」の調べによると、シンガポールの中心地コア・セントラル地域(CCR:Core Central Region)における民間住宅(土地なし)について、抑止策導入後にシンガポール市民によって購入された件数は2,427件で38%減少しているという。一方、外国人や永住権保持者による購入は1,264件で30%の減少、企業による購入は142件から49件へ減少している。

シンガポール全体で見ると、不動産取引は25,270件で、抑止策導入前の32,866件より23%減少している。シンガポール市民による購入は20%、外国人バイヤーによる購入は32%の減少となっている。

追加購入者印紙税については、2件目の住宅購入に関する印紙税を7%から12%へ、3件目以降の購入については10%から15%へそれぞれ引き上げられているほか、外国人を対象としたABSD税率は15%から20%へ引き上げられている。

ABSDの引き上げに際しては、外国人バイヤーの需要の方が国内バイヤーよりも回復力を見せたとされているが、これは引き上げられた追加購入印紙税の支払いを厭わないとする外国人バイヤーが高級住宅に興味を示している富裕層であることを表している。

しかし高級住宅購入者のうち最も多い割合を占めるのはシンガポール市民であり、2018年7月から2019年12月の期間におけるCCRの物件購入(土地なし)の65%はシンガポール市民、外国人よる購入は34%、企業による購入は1%ほどであった。

バヌアツ、ドミニカ、デンマーク、コロンビア、キプロス、タイ、スペインなどのバイヤーは抑止策導入後に減少を見せたものの、外国人バイヤーの中で最も多くの割合を占める中国人バイヤーにはそれほど変化は見られなかった。中国人バイヤーによる購入件数は380件と最も多く、それからインドネシア人バイヤー(149件)と続く。またアメリカ、台湾、香港からのバイヤーも多い。


【参照】Foreign buyers show resilience in the luxury condo market

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セカイプロパティ編集部
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