不動産販売が2カ月連続で減少したこともあり、中国の6月の新築住宅価格の伸びは鈍化した。しかし新規建設や投資活動は積極的に行われており、景気の減速を緩和する結果となった。

中国70か所の主要都市における平均住宅価格の伸び率は、6月に前月比+0.6%となり5月の+0.7%より若干の鈍化を見せたものの、50ヵ月連続の価格上昇を記録した。

伸びの鈍化は、主に大都市の価格が影響したものと考えられる。北京、上海、広州、深圳における伸び率平均は、前月比+0.2%であった。その他の主要都市については前月比+0.8%と、5月とほぼ変わらない伸び率をキープしている。

床面積ベースの不動産販売の70%を占める中小都市における需要低迷が見込まれていることや、政府による不動産に関する規制緩和の動きが見られないこともあり、一部の都市で価格上昇は見られるものの、今年の中国の不動産市場は下げ相場で推移していくと見られている。

需要を測る上での指標ともなる床面積ベースの不動産売上については、6月は2.2%減少している。(5月については5.5%減少しており、2017年10月以来の最低額を記録した。)

中国不動産市場は、価格が高騰している地域と急落している地域に二極化していることが指摘されており、政府は地方自治体に対し、自治体中心に価格抑制に取り組むよう繰り返し要請している。

一方、投資については前年比10.1%増加し、5月の+9.5%よりもさらに伸びを見せるなど、活発な動きが見られた。床面積ベースの新規建設についても、前年比+8.9%と順調な伸びを見せており、依然として需要が高いことが伺える。

しかし投資の伸びについては、デベロッパーが積極的に土地入札を行った結果という分析もあり、実際の不動産建設はペースダウンしているという。

また経済的影響を受けやすい中小都市におけるリスクを避けるため、中国政府は2019年に予定されていた貧困地区の再開発を大幅にカットしている。中小都市における不動産取引や価格への影響は避けられず、その影響は国レベルの不動産販売や価格にまで及ぶものと考えられる。

【参照】China home price growth cools in June, but investment quickens

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セカイプロパティ編集部
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