世界最大の組織・人事コンサルティング会社Mercerが行った「2019年世界生計費調査(2019 Cost of Living Survey)」によると、フィリピンの首都マニラは昨年より大幅にランクアップし、29位に浮上したという。(フィリピン全体としては109位)

今回の調査では、住宅・交通費・食費・衣料・日用品・娯楽など、200以上の項目にかかる費用を210の都市で比較している。生活費と賃貸住宅の家賃については、3月に行った調査を元にまとめられている。

生計費は、ビジネスの海外拠点を選ぶ際に非常に重要なポイントとるものであり、今回のような調査結果は、企業が海外駐在員の給与体系や待遇を決める際に大いに参考になるであろう。

今年の調査では、トップ10に8つのアジア諸国がランクインしている。
昨年に引き続き、香港が最も生計費のかかる国として1位をキープし、2位以下は東京、シンガポール、ソウル(韓国)、チューリッヒ(スイス)、上海(中国)、アシガバード(トルクメニスタン)、北京(中国)、ニューヨーク(アメリカ)、深圳(中国)と続いた。アシガバードについては、昨年より順位を36上げた。プノンペン(カンボジア)やハバナ(キューバ)もそれぞれ大幅にランクアップしている。

マニラが大きく順位を上げた要因としては、昨年の急速なインフレと金利の上昇、また他のアジア諸国と比較しGDPの伸びが比較的良かったことなどが考えられる。さらに家賃や不動産価格、人件費の高騰も生計費の上昇に影響を及ぼしているという。

2018年のフィリピンの経済成長率は、政府が設定した目標6.5〜6.9%を下回る6.2%にとどまったが、それでもこの数値は、アジアの中では最も急成長したことを示している。今年1〜3月までのGDP成長率は5.6%(政府目標値:6〜7%)で、過去4年間では最も低い伸び率となっている。

またフィリピンはここ数年インフレが続いており、昨年9月10月には6.7%のインフレ率を記録している。2018年の平均インフレ率は、政府の2〜4%の目標値に対し、5.2%であった。

【参照】Mania now more costly for expats - Mercer

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セカイプロパティ編集部
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