世界の名門不動産企業TOPインタビュー Vol. 5
UMランド社 代表取締役 Mr. Dennis Ng Yew Khim(デニス氏)
デニス氏はシンガポール生まれ。幼少期をカナダ・バンクーバーで過ごす。その後、ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)に進み、コンピューターサイエンス学部を卒業。シンガポールのCPGコンサルタント(主に建築・エンジニア分野の会社)、AECコンサルタントにて5年勤務した後、カナダに渡り、カナダの上場不動産開発投資会社の一つであるキングジョージ金融会社 (King George Financial Corporation)で10年の経験を積んだ。
その後、デニス氏は2013年にマレーシアのUM Landに専務取締役として就任し、2016年3月1日には専務取締役から執行取締役に再任され、現在に至る。
会社概要
ユナイテッド・マラヤンランド(United Malayan Land Sdn Bhd.、以降UM Land)社はマレーシアで不動産開発業者として20年以上の歴史を持っている。UMLandは、住宅都市開発とニッチ市場における不動産開発を中心的ビジネスとして手掛けている。住宅都市開発においては、5つの都市開発が混在している、一方でニッチ市場では主に居住用のサービスアパートメントを運営しており、どちらもマレーシアの中でも成長スピードの速い、クアラルンプールとジョホールに位置している。また、当グループは1,800エーカー以上の未開発の土地を所有している。
UM Landを経営するにあたり最も重要な点は何ですか?
不動産開発は資源集約型ビジネスであり、様々な分野に適応できる知識とスキルを持った経験豊富な指導者やスタッフが重要となります。効果的でスムーズな企業活動を行っていくためには、それぞれが有益な情報を共有し、知識やスキルを受け継いでいくことにより、会社全体の成長にも繋がると信じています。
2017年の目標は何ですか?
2017年は、建設が予定通り、かつ確実に進むことを目標としています。2017年から2018年にかけて不動産部門は転換点となっております。UMLandの大規模なニッチプロジェクトのほとんどは建設中で、それらは2018年に完成する予定です。またUMLandは、初のホテル開発となった、アマリホテルジョホールバル(Amari Hotel Johor Bahru)の開発を無事終え、ホテルがオープンしました。今後数年間に渡り、ホスピタリティ部門に関しても事業を進めていく予定です。
最新プロジェクトは何ですか?
今年5月には、有名なONYXホスピタリティグループ(ONYX Hospitality Group)によって運営されている、アマリホテルジョホールバルをオープンしました。 ジョホールバル中心部に位置する本ホテルは、シンガポールから税関を通ってマレーシアに来るお客様には徒歩圏内です。アマリホテルジョホールバルはスアザナイスカンダール(Suasana Iskandar)の複合開発プロジェクトの一環で、36階建ての高級サービス居住用タワー、飲食店やエンターテイメントをテーマにしたゼニスモール(Zenith Mall)で構成されています。
最大のプロジェクトは何ですか?
ジョホールバルのバンダーセリアラム(Bandar Seri Alam)で20年前に始まった当社の最初のプロジェクトは、質の高い住宅と80,000人以上の居住者を持つ盛んなコミュニティのモデルタウンとして今日も成長し続けています。新たなタウンシップは、10以上の学術機関が集まっており、「知の都市」としても認識されています。TESCO、スターバックス、マクドナルドなど数多くの国際的チェーン店からの出店も相次いでおり、商業施設や居住施設が立ち並ぶ町並みは何もなかったゴム農園の頃から考えると大きな発展です。
長年にわたり、私たちは、タウンシップ開発から象徴的な建築プロジェクトの設計に至るまで、多岐にわたるビジネスを行ってきました。クアラルンプールシティセンター(KLCC)のすぐそばに位置するスターレジデンス(Star Residences)は、約60階建ての3つの塔で構成されており、KLのスカイライン、世界的に有名なレストランの入る豪華な商業エリアが併設されています。来年完成予定の複合用途プロジェクトUMシティ(UMCity)は、ジョホールバルのメディニ(Medini)に位置しています。チタダインズ(Citadines)とシャーマ(Shama)が運営するサービスアパートメントタワー、オゾ(Ozo)が運営するホテル、ショッピングモール、湖に面したオフィスタワーもあります。 UMシティオフィスタワーは、2015年にロンドンで開催された国際プロパティーアワード(International Property Awards)で最優秀オフィス開発賞を受賞しました。
どのような強みを持ってプロジェクトを進めていますか?
過去20年にわたり、私たちは今までの経験と不動産開発におけるイノベーションを通して得た強みを元に成長してきました。私たちは最先端を目指して努力しており、世界の業界を先導する企業とのパートナーシップを結んでいます。 たとえば、サムスンC&Tとサムスン電子と協力して、最高品質の建設とスマートホーム家電製品を顧客に提供しています。
ローカル、または海外の顧客のどちらに焦点を当てていますか?
ローカルのみならず海外の顧客のニーズにも対応するため、多様なスタイルの物件を提供しています。手頃な価格の戸建住宅から高級マンション、店舗オフィス、高級オフィスビルまで多岐に渡ります。海外の顧客には、KLCCのスターレジデンス(Star Residences)が魅力的な物件となっています。また、ジョホールバルのメディニは外国人に特別なインセンティブを与えているため、イスカンダールのUMシティ(Shama、Citadines、Office)やヴィリディア(Viridea)などは、メディニでの開発と同様に、海外の顧客向けに設計された高級物件です。
日本の投資家へのメッセージは何ですか?
マレーシアと日本は、60年前から友好的な外交関係を維持しています。昨年、日本はマレーシアの第4位の貿易相手国でした。今日のマレーシアは、政治的安定、強力な経済基盤、整ったインフラを持ち合わせているため、日本人のみならず、多くの外国人投資家を引き付けています。マレーシアには既に大規模な日本人コミュニティが存在しており、多くの日本人学校やインターナショナルスクールがコミュニティの充実化に貢献しており、今後、日本人投資家の数も増えると予想しています。成長を続けるマレーシアは、多くのビジネスポテンシャルを提供しています。外国人は、他の先進国が抱える高い生活費や高い人口率、汚染などの問題に悩むことなく、利便性の高い生活を送ることが可能です。 同国の不動産価格は依然として過小評価されており、価格上昇の余地はかなりあります。海外の投資家の方へのアドバイスは、マレーシアにお越しいただき、無限の可能性を探ることです。
<<UMランド社の掲載中のプロジェクト>>
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Suasana Bukit Ceylon(スアサナブキッチェロン):KLタワー、クアラルンプールの繁華街のすぐそばに位置するコンドミニアム
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