マレーシアで不動産を売却するための10のステップ【査定相談受付中】マレーシアで所有している不動産を、そろそろ売却しようとお考えの方は、「いつ売却すべきなの?」「どのような手順で売却ができるの?」「売却した場合の税金はどうなるの?」といったことが気になるのではないでしょうか。本記事では、マレーシアで所有する不動産の売却を行う際、売却時にかかる税金や、どのような手順で手続きが必要か、売却完了までの流れを紹介させていただきます。
マレーシア不動産を売却する際にかかる税金
マレーシアで不動産を売却する際、最も押さえておくべきポイントは、「キャピタルゲイン税」の税率です。キャピタルゲイン税とは、不動産売却時の価格から、購入時の価格を差し引いた「利益」に対してかかる税金です。マレーシアでは不動産譲渡税(RPGT)と呼ばれており、税率は以下のようになります
図:不動産譲渡税(RPGT)の税率
保有期間 | 個人(外国人) | 個人(マレーシア人 ) | 法人 |
取得日より3年以内 | 30% | 30% | 30% |
4年目 | 20% | 20% | |
5年目 | 15% | 15% | |
6年以降 | 5% | 0% | 5% |
例えば、3,000万円で購入した物件を4,000万円で売却した場合、利益分の1,000万円に対して課税されます。
外国人が個人で購入した場合、物件を購入してから5年以内に売却すると、売却益に対して課税される不動産譲渡税の税率は30%です。利益が1,000万円の場合は、不動産譲渡税は300万円になります。
しかし、物件を取得して6年目以降の場合は税率が5%となるため、6年より短期間で売却した場合と比較すると、不動産譲渡税は大幅に少なくなります。物件の売却時期によって不動産譲渡税が大きく変わるため、物件を売却するタイミングについては慎重な検討が必要です。
なお、物件の売却手続きにおいては、物件の売買契約締結と同時に、物件価格の10%を手付金として買主から受領します。手付金のうち、物件価格の7%は源泉徴収されることになり、不動産譲渡税が30%の場合は、最終決済後に追加で納税が必要です。不動産譲渡税が5%の場合は、決済後に過払い分が還付されます。
マレーシアで不動産を売却するための10ステップ
それでは、マレーシアの不動産を売却するための具体的なステップを解説します。
①物件の売却査定
まず、売却する物件の相場価格を把握することが必要です。物件の査定を依頼するにあたっては、複数の不動産会社に問い合わるのが望ましいです。所有不動産の情報やその説明が面倒な場合は、信頼できそうな不動産会社1社を選び、その会社に査定してもらうのもよいでしょう。なお、マレーシアを含む東南アジアでは、無免許のまま不動産業を営んでいる業者も少なくありません。査定を依頼するときには、あらかじ不動産会社を見極めるため、不動産会社が持つライセンスの確認が重要です。また、多くの不動産会社が適正価格を調査せずに売却額を提示してくるため、売主も自ら不動産の周辺相場を把握しておく必要があります。マレーシアの物件査定はこちらからもお申込み可能です。
物件の査定額を上げるためには、日本国内の不動産について書かれた記事ですが、こちらの記事も参考になります。
参考:家査定で評価される6つポイント!高く査定されるための注意点とは?
②不動産会社の選定
複数の不動産会社から物件の査定を取得したら、査定額や対応の質などを考慮して不動産会社を選びます。不動産会社を選ぶ基準としては、マレーシア現地に法人もしくは拠点を持っている会社を選ぶのが望ましいです。現地に活動拠点を持たない不動産会社を選ぶと、再委託という形で現地の不動産エージェントに対応を丸投げされることもあります。現地の不動産エージェントに実務を再委託されることは、売主が直接現地の不動産エージェントをコントロールできないので、望ましくありません。
③不動産会社と契約を締結する
不動産会社へ売却を依頼する書面にサインをし、売却活動をスタートします。不動産会社と契約するときには、下記3つの書類をあらかじめ不動産会社に確認してもらうと、その後の対応がスムーズです。
・物件購入時のSPA(Sales and Purchase Agreement=売買契約書)の写し
・売主のパスポート
・住宅ローン償還表(物件購入時に住宅ローンを利用した場合)
なお、日本国内で不動産を売却する場合は、複数の不動産会社へ並行して物件売却を依頼することもできます。しかし、マレーシア不動産を売却する場合には、不動産会社は極力1社に絞るほうが無難です。複数の不動産会社に依頼すると、手数料の獲得を優先するあまり、不動産会社が売り急いで指値交渉になることも少なくありません。結果的に当初の想定よりも売却額が安くなってしまうことも起こり得ます。
④売却活動を開始
不動産会社との契約が完了したら、不動産会社は買主を見つけるために売却活動を開始します。広告掲載から買主候補者への提案、内覧、買主との交渉も基本的には全てやってくれることがほとんどです。なお、大半の場合はいくつかの方法を並行して買主を探します。代表的な方法の1つはiPropertyなどの不動産ポータルサイトに物件情報を掲載し、買主からの問い合わせを待つことです。そのほか、同業他社へ物件情報を流して紹介を受けるなどの方法もあります。
⑤購入申込書の受け取り
物件の購入希望者が現れたら、購入の条件が書かれた申込書を購入希望者から受け取ります。購入にあたっての条件が記載されているので、内容の精査が重要です。また、購入申込書を受け取ったら、同時に購入希望者から予約金の支払いを受けます。多くの場合は、予約金は物件売却額の2%〜3%です。
⑥売却申込書の提出
購入条件を確認後、その条件での売却するのであれば、買主に対して売却の申込書を提出します。申込書を提出する時の注意点は、物件の故障や不具合をあらかじめ修繕するか、付帯設備や家具などを買主に引き渡すかどうかです。
⑦売買契約書にサイン
売主と買主との間で売却条件がまとまったら、SPAと呼ばれる売買契約書を作成します。売買契約書を作成するのは現地の弁護士です。このため、売主は弁護士に契約書作成などの業務を委託する必要があります。なお、委託先の弁護士については、担当の不動産会社が紹介してくれるのが一般的です。弁護士に業務委託したら、再度買主から手付金が支払われます。手付金は、物件価格の10%から支払い済みの予約金を差し引いた金額です。また、手付金を受領したら不動産会社へ仲介手数料を支払います。
⑧買主の購入許認可申請
買主が外国人の場合
外国人がマレーシア不動産を購入する場合は、物件が立地する州の政府に対して許可申請を行い、承認の取得が必要です。申請から承認まで3~4ヶ月かかるので、その間はしばらく待ちの状態となります。
買主がマレーシア人の場合
州政府等への申請は不要です。売買契約を締結したら次のステップに進みます。
買主がローンを組んで購入する場合
買主の購入申し込み後、買主は銀行へローンの申込手続きを行います。ローンの申請手続きから審査の完了までに必要な期間は1~2ヶ月です。
買主が現金購入する場合
買主が売買代金をいつでも支払う準備ができているのであれば、即手続きも可能です。
⑨残金の支払いと決済
州政府からの許可がおり、ローンの審査も完了したら残金の決済に入ります。買主が残金を弁護士の口座へ送金した後、弁護士が所有権移転に関する手続きを行います。弁護士から売主へ残金が支払われるのは、所有権移転の手続きが完了した後です。なお、残金決済日を起算日として、税金や物件運用の諸経費を買主と精算します。コンドミニアムなど管理組合が組織されている物件の場合は、管理費および修繕衝立金の精算も必要です。
⑩買主への引き渡し
残金決済および諸費用の精算が完了したら、鍵の一式を買主に引き渡します。また、事前に決めておいた、修繕や家具の引き渡し有無についても確認し、後のトラブルにならないようにすることが重要です。
まとめ
マレーシアで不動産を売却する手順はシンプルで、基本的には不動産会社と弁護士が全て代行してくれます。そのため、現地に赴くことなく、日本にいながらも不動産の売却を完了させることが可能です。マレーシア不動産の売却成否には、不動産会社の経験などが大きく関わります。このため、最初の不動産会社の見極めは重要です。弊社ではマレーシア不動産の査定および売却に注力していますので、マレーシア不動産の売却を検討されている方は、お気軽にご連絡下さい。