モンタナ州は美しい自然環境と低い税負担、安定した住宅需要を背景に、不動産投資の魅力が増しています。観光業が盛んで、特にイエローストーン国立公園やグレイシャー国立公園周辺では短期レンタル市場が活発です。


また、近年ではリモートワークの普及により都市部からの移住者が増加し、住宅価格が上昇しています。本記事ではモンタナ州の不動産投資のメリット・デメリット、おすすめの投資エリアについて詳しく解説します。

モンタナの概要

モンタナ州はアメリカ合衆国北西部に位置し、美しい自然環境と広大な土地が魅力の州です。国立公園や山々が多く、イエローストーン国立公園やグレーシャー国立公園などの観光地が豊富にあります。イエローストーン国立公園への入り口5か所のうち、3か所がモンタナ州にあります。そのため観光業は州の経済において重要な役割を果たしており、特に夏季には国内外から多くの観光客が訪れます。

また、モンタナ州は農業が盛んで、小麦や大麦の生産量が全米トップクラスを誇ります。畜産業も重要な産業の一つであり、広大な牧場が点在しています。さらにエネルギー産業も発展しており、石炭や天然ガスの採掘が行われています。

州全体の人口は約110万人と比較的少なく都市部の発展は緩やかですが、ボーズマンやミズーラ、ビリングスといった主要都市では近年人口が増加傾向にあります。特にボーズマンは、テクノロジー産業の成長やモンタナ州立大学の存在により、若年層の移住者が増えている地域です。

モンタナ州の面積は広大で、全米50州のうち4番目に大きく、日本よりも大きいほどです。広い州のため場所によって気候はさまざまですが、四季がはっきりしており、冬は非常に寒く、降雪量が多い地域も多いです。そのため冬季の生活環境や住宅の維持管理には注意が必要です。

一方で夏は乾燥して過ごしやすく、アウトドア活動を楽しむ人々にとって理想的な環境です。昼と夜とでの気温差が大きいのも、山の州と言われるモンタナ州の特徴です。

広大な自然や涼しい夏の環境だけではなく、生活コストの安さもモンタナ州の魅力のひとつです。また、都市部では今後も不動産市場の成長が期待されており、投資先としての魅力が高まっています。

 

項目概要
人口約110万人
言語英語
宗教キリスト教が主流
主要産業農業、エネルギー産業、観光業
為替1ドル=約150円(2025年3月時点)

 

モンタナ不動産投資のメリット

モンタナの不動産投資にはいくつものメリットがあります。今回はモンタナ不動産投資のメリットを3つご紹介します。

土地価格が比較的安い

モンタナ州は他の多くの州と比べて土地価格が安く、大規模な投資がしやすいのが特徴です。アメリカの大手不動産サイトZillowによると、2024年第4四半期の典型的な住宅販売価格について近隣州と比較すると、西海岸のワシントン州では600,939ドル、オレゴン州は497,646ドルなのに対し、モンタナ州は451,482ドルと価格が低いことがわかります。

特に都市部以外では広大な土地を低価格で購入できるため、将来的な開発余地があります。都市部では住宅市場が徐々に成長しており、特にボーズマンやミズーラでは住宅価格の上昇が続いています。観光業の発展によりホテルや短期賃貸物件への投資も増加しており、土地の利用価値が高まっています。

賃貸需要が安定

モンタナ州には大学が複数あり、特にボーズマンのモンタナ州立大学やミズーラのモンタナ大学の周辺では、学生向けの賃貸需要が安定しています。大学周辺ではアパートや一戸建ての賃貸需要が高く、空室率が低い傾向にあります。

また、州内のリゾート地では観光シーズンに合わせた短期賃貸の需要が高く、特にエアビーアンドビー(Airbnb)などのプラットフォームを活用した短期貸しビジネスが人気を集めています。スキーリゾートや国立公園周辺では高級貸別荘などの物件も収益性が高く、投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

さらにリモートワークの普及により、モンタナ州の自然豊かな環境を求めて移住する人々が増えており、住宅需要が安定的に拡大しています。特にテック業界のリモートワーカーがボーズマン周辺に移り住むケースが増えており、賃貸市場の成長を後押ししています。

税制面での優遇措置

モンタナ州には消費税がなく日常生活のコストを抑えられるため、住民にとって魅力的な環境です。また、不動産投資においても税制面でのメリットが多く、固定資産税が比較的低いため長期的な投資がしやすい州の一つとなっています。

また、モンタナ州には投資促進プログラムがあり、特定の地域や開発プロジェクトに対する税控除や補助金が提供されることもあります。例えば環境に配慮した建築プロジェクトや持続可能な開発に関わる事業に対しては、税制優遇措置が適用される可能性があります。

さらに不動産投資家向けの1031交換(類似資産への投資による課税繰延プログラム)を利用すれば、売却時のキャピタルゲイン税を回避しながら、より有利な物件へ投資することができます。これによりモンタナ州の不動産市場に継続的に投資することで、税負担を最小限に抑えつつ資産を増やすことが可能となります。

 

モンタナ不動産投資のデメリット・リスク

モンタナ不動産投資のメリットを先にご紹介しましたが、デメリットやリスクがあることも事実です。以下に解説する3つのマイナス面に気をつけて不動産投資を検討することをおすすめします。

冬の厳しい気候

モンタナ州は冬が長く、寒冷な気候が特徴です。年間の平均気温は低く、特に冬季は氷点下が続く日が多くなります。積雪量も多いため除雪費用が発生するほか、建物の維持管理コストが上昇する可能性があります。

また、寒冷な気候は住民のライフスタイルにも影響を与えます。冬季は移動が制限されるため、住宅の立地によっては利便性が大きく変わる点に注意が必要です。特に観光業に依存するエリアでは、冬の閑散期に収益が落ち込む可能性があるため年間を通じた経営戦略が求められます。

不動産市場の流動性の低さ

モンタナ州は人口が少ないため、不動産市場の流動性が低いという課題があります。特に都市部以外のエリアでは売却時に買い手を見つけるのが難しく、長期的な視点での投資が求められます。

また、市場の規模が小さいため、経済の変動に敏感に反応する傾向があります。景気後退時には不動産価格の下落が大きくなる可能性があり、短期的な売却を計画している場合はリスクが高まります。賃貸市場においても人口密度が低いため空室リスクが高くなることがあり、適切な物件選定が必要です。

地域経済の依存度

モンタナ州の経済は観光業や農業、エネルギー産業に大きく依存しています。これらの産業は外部要因に左右されやすく、例えば原油価格の下落や異常気象による農作物の不作が経済全体に影響を及ぼす可能性があります。

特に観光業はパンデミックや経済不況の影響を強く受ける傾向があります。宿泊施設や短期レンタル物件を投資対象とする場合、景気の変動による収益の変動を想定し、リスク分散の戦略を検討することが重要です。

モンタナのおすすめ投資エリア3選

モンタナといっても、様々な特色のエリアが点在しています。今回はモンタナでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。

1. ボーズマン

ボーズマンはモンタナ州で最も成長している都市の一つで、モンタナ州立大学を擁する学術都市です。モンタナ州立大学は地域密着型の大学ですが、全米的な評価も高く、工学、ビジネス、健康科学といった実学系の専攻分野や農学のカリキュラムに力を入れており、他州からも学生が訪れます。学生や研究者の流入が多く、安定した賃貸需要があります。

また、観光業が盛んで短期レンタル市場も活発です。特に市中心部のアパートや戸建て住宅は、高い利回りが期待できます。

2. ミズーラ

ミズーラはモンタナ州で2番目に大きな都市です。文化的な要素が豊かな都市であり、アートや音楽、フェスティバルが多く開催される地域です。アウトドアアクティビティも盛んで、住環境が良好なため長期居住者や移住者が増えています。

住宅価格の上昇が続いており、今後も資産価値の上昇が見込まれます。

3. ビリングス

ビリングスはモンタナ州最大の都市であり、商業や医療の中心地です。イエローストーン国立公園の玄関口やモンタナ州の他都市へ行く拠点としても知られ、観光客も多く訪れます。

大手企業や医療機関が多く安定した雇用市場が形成されており、賃貸市場の需要が安定しています。特に市中心部のマンションやアパートは高い入居率を維持しており、安定した収益を得やすいエリアとなっています。

 

まとめ

モンタナ州の不動産投資は観光需要の高さ、低い固定資産税、人口増加による住宅需要の拡大といったメリットがあります。一方で、冬の厳しい気候や市場の流動性の低さといったリスクも考慮する必要があります。

特にボーズマン、ミズーラ、ビリングスなどの都市部では安定した投資環境が整っており、不動産市場の成長が期待できます。適切な戦略を立てて長期的な視点を持って投資を行うことにより、高い収益を得ることができるでしょう。

 

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