テネシー州は近年不動産投資家の間で注目を集めるエリアの一つです。州全体の経済成長が続いており、特にナッシュビルやメンフィスを中心に人口増加と賃貸需要が拡大しています。


税制面での優遇措置や住宅価格の安定性も相まって、長期的な資産運用に適した市場といえるでしょう。


本記事ではテネシー州の不動産市場の特徴や、投資のメリットやリスクを詳しく解説します。また、投資先として特に魅力的なナッシュビル、メンフィス、チャタヌーガの3都市についても詳しくご紹介します。テネシー州での不動産投資を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

テネシーの概要

テネシー州はアメリカ南東部に位置し、美しい自然環境と経済発展の両方を兼ね備えた州です。東西に細長い形をした州で、北はバージニアとケンタッキー、東はノースカロライナ、西はアーカンソーとミズーリ、南はジョージア、アラバマ、ミシシッピの、合計8つの異なる州と接しています。東西に細長いため、州内に2つの時間帯があるのも特徴です。

アメリカ南部特有の「おもてなしの心」がある州民性が魅力で、街中を散策中に気さくに声をかけてくれたり、自宅に招いてくれたりと、「古きよきアメリカ」という印象が強い州です。

州都であるナッシュビルは世界的に有名な音楽産業の中心地であり、特にカントリーミュージックの発祥の地として知られています。

一方で、メンフィスはブルース音楽とともに歴史的な街並みを持ち、観光地としても多くの訪問者を魅了しています。

経済面では、テネシー州は製造業や自動車産業が盛んであり、特に日系企業の進出が多い地域としても注目されています。また、州全体で物流・運輸業が発展しており、メンフィスにはFedExの本社があることから貨物輸送のハブとしての役割も果たしています。

さらに州の不動産市場は比較的安定しており、住宅価格の上昇率は全米平均を上回る傾向にあります。ナッシュビルやメンフィスの都市部では再開発が進んでおり、新築住宅や賃貸物件の需要が拡大しています。また、州内の大学や教育機関も充実しており、特にナッシュビルのヴァンダービルト大学は全米屈指の名門校として知られています。

テネシー州は気候も温暖で、年間を通じて比較的過ごしやすい環境です。四季がはっきりしており、特に春と秋は美しい風景が広がります。これらの要素が相まって、移住先や投資先としても人気が高まっています。

 

項目概要
人口約720万人
言語英語
宗教キリスト教が多数派
主要産業製造業、音楽、観光、テクノロジー
為替1ドル=約150円(2025年3月時点)

 

テネシー不動産投資のメリット

テネシーの不動産投資にはいくつものメリットがあります。今回はテネシー不動産投資のメリットを3つご紹介します。

低い税負担

テネシー州は州所得税がなく、不動産投資家にとって魅力的です。州の固定資産税も他州と比較して低めに設定されているため、不動産の維持コストが抑えられます。これにより賃貸収入を得る際の手取り利益が増えるため、長期的な資産運用に適しています。

また、法人税率も比較的低く、投資用物件を法人名義で所有する場合にも税制面でのメリットが大きいといえます。

高い賃貸需要

ナッシュビルやメンフィスなどの都市では、経済成長とともに人口が増加しており賃貸需要が高まっています。特に音楽やIT関連の若年層の流入が多く、安定した賃貸市場が形成されています。

さらに、大学や医療機関が多い地域では学生や医療従事者向けの賃貸需要が安定しているため、空室リスクが低くなります。

観光業も盛んなため短期賃貸市場(Airbnbなど)も活発で、長期賃貸と併せた柔軟な投資戦略が可能です。

物件価格の上昇傾向

都市部を中心に再開発が進んでおり、今後も不動産価値の上昇が期待できます。特にナッシュビルのダウンタウンエリアや郊外の住宅市場は成長を続けています。州内では新たなオフィスビルや商業施設の開発が進んでおり、それに伴って住宅需要が増加しています。

さらに、テネシー州の生活費が他州と比較して低めであるため移住者が増加しており、これが住宅市場の活性化につながっています。特に近年ではリモートワークの普及により他州からの移住者が増え、郊外エリアの住宅価格が上昇する傾向にあります。

 

テネシー不動産投資のデメリット・リスク

テネシー不動産投資のメリットを先にご紹介しましたが、デメリットやリスクがあることも事実です。以下に解説する3つのマイナス面に気をつけて不動産投資を検討することをおすすめします。

物件価格の上昇による競争

不動産市場が成長する一方で、競争が激化し、人気エリアでは購入価格が高騰しています。特にナッシュビルのような大都市では需要が供給を上回っており、手頃な価格の物件を見つけるのが難しくなっています。

初心者投資家にとっては参入のハードルが上がる可能性があり、慎重な市場分析が必要です。

ハリケーンや自然災害リスク

テネシー州は比較的自然災害のリスクが少ないですが、一部地域では洪水や竜巻の影響を受けることがあります。特に川沿いや低地に位置する物件は水害の影響を受けやすいため、適切な保険への加入が求められます。

また、地震リスクは低いものの、気候変動による異常気象の影響も考慮する必要があります。

物件管理の手間

長期的な投資を考える場合、テネシー州外からの投資家にとっては物件管理が課題となる可能性があります。信頼できる管理会社の選定が重要です。

遠隔地からの管理はコストがかかるだけでなく、物件のメンテナンスや入居者対応にも時間と労力が必要になります。特に築年数の古い物件を購入する場合は、修繕費用の増加も考慮し、適切な予算計画を立てることが求められます。

テネシーのおすすめ投資エリア3選

テネシーといっても、様々な特色のエリアが点在しています。今回はテネシーでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。

1. ナッシュビル

ナッシュビルは「音楽の都」として知られ、音楽産業だけでなくIT・医療・教育分野でも成長が著しい都市です。特にダウンタウンやミッドタウンエリアは若年層の流入が続いており、賃貸市場が活発です。

また、ナッシュビルは多くの移民を受け入れており、外部からの移住者にも優しい都市として知られています。全米最大のクルド人のコミュニティがあるのも有名です。

さらに、ナッシュビルにはヴァンダービルト大学をはじめとする名門大学があり、学生や研究者の賃貸需要も高いです。さらに企業の進出が相次ぎ、新たなオフィスビルや住宅開発が進められています。レストランやショッピング施設も充実しており、住環境としての魅力も増しています。

ナッシュビルの不動産価格は上昇傾向にあり、投資物件の価値も高まりつつあります。特に新興エリアでは今後の資産価値の上昇が期待されます。

2. メンフィス

メンフィスはアメリカ南部の文化と歴史が色濃く残る都市であり、ブルース音楽やエルヴィス・プレスリーのゆかりの地としても有名です。

また、アフリカ系アメリカ人の公民権運動を先導したキング牧師が暗殺された地としても知られており、歴史的にも重要な都市です。そのため観光業が盛んで短期賃貸市場も活発に動いています。

さらにメンフィスは物流拠点としての重要性も高く、FedExの本社があることで知られています。この影響で物流業や倉庫業の労働者向けの賃貸需要が安定しており、高い利回りを期待できる市場となっています。また、テネシー州内ではナッシュビルとメンフィスに国際空港があります。

住宅価格が比較的低く、手頃な初期投資で不動産を購入できる点も魅力です。特にダウンタウン周辺の再開発地域では新しい商業施設や集合住宅の開発が進められており、今後の不動産価値の向上が期待されています。

3. チャタヌーガ

チャタヌーガはテクノロジーとスタートアップ企業の集積地として注目を集める都市です。「ギガシティ」とも呼ばれるほど高速インターネット環境が整備されており、リモートワーカーやIT系企業の移転先としての人気が高まっています。

また、自然環境が豊かでアウトドアアクティビティを楽しめるエリアが多いことも魅力の一つです。市内には公園やハイキングコースが点在し、自然を満喫できる環境が整っています。近年若年層や家族連れの移住者が増えており、住宅需要が高まっています。

チャタヌーガの不動産市場はナッシュビルやメンフィスに比べるとまだ手頃な価格帯が多く、今後の成長を見越した長期投資に適したエリアといえます。特にダウンタウン周辺では新しいコンドミニアムやタウンハウスの開発が進んでおり、今後も市場の拡大が見込まれます。

まとめ

テネシー州の不動産市場は税制面のメリットや賃貸需要の高さから、魅力的な投資先の一つです。特にナッシュビル、メンフィス、チャタヌーガなどの都市はそれぞれ独自の特色と成長の可能性があり、投資家にとって有望なエリアといえます。

市場競争や物件選びのリスクを考慮しつつ、長期的な視点で慎重に投資計画を立てることが成功の鍵となります。

 

 

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