ミズーリ州は物件価格が手頃なうえ、堅実な経済基盤と幅広い資産運用の選択肢があるため、投資家たちの間で人気のエリアです。特にカンザスシティやセントルイスといった主要都市では、再開発プロジェクトが賃貸需要を押し上げています。
また税制優遇やインフラ整備は今後の物件価格上昇を後押ししています。本記事ではミズーリ州の不動産市場の特徴や投資のメリット・デメリット、そしておすすめのエリアについて詳しく解説します。
不動産投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
ミズーリの概要
ミズーリ州はアメリカ中西部に位置する州で、豊かな自然と多様な産業が調和しています。州都はジェファーソンシティで、経済と文化の中心はカンザスシティとセントルイスの2大都市です。
この州はアメリカ中西部の中でも物価が比較的手頃なことから、不動産投資の魅力が高い地域として知られています。豊かな水資源をもたらすミシシッピ川とミズーリ川は、州を農業と貿易の重要な中心地へと押し上げてきました。
四季を通じて温暖な気候に恵まれているため、農業や観光業も地域経済を支えています。オザーク山地や広大な森林地帯は、自然が豊かでアウトドア愛好家に人気です。経済面では、伝統的な農業や製造業に加え、IT産業や医療、バイオテクノロジー分野の成長が著しく、州内の雇用は安定しています。
またカンザスシティとセントルイスに主要な金融機関や企業の本社が拠点を構えており、不動産市場は成長しています。人口増加やインフラ整備も進行中で、今後の経済成長が期待される州の一つです。
ミズーリ州は私が思っていた以上に気候の変化が激しい土地でした。夏は日本より蒸し暑く、冬には大雪で学校が休みになることもあります。訪れた一戸建ては庭で野球ができるほど広々としていて広大な土地に驚きました。都市間の距離が離れているので、どこに行くにも車は必須です。
項目 | 概要 |
---|---|
人口 | 約620万人 |
言語 | 英語 |
宗教 | キリスト教が主流 |
主要産業 | 農業、製造業、ヘルスケア、金融、不動産 |
為替 | 1ドル=約150円(2025年3月時点) |
在留邦人数 | 約12,000人 |
ミズーリ不動産投資のメリット
ミズーリの不動産投資にはいくつものメリットがあります。今回はミズーリ不動産投資のメリットを3つご紹介します。
初期投資費用の低さ
ミズーリ州はアメリカ全土の中でも、比較的手頃な価格で不動産を購入できる地域です。カンザスシティやセントルイスといった主要都市でも、他州と比較して驚くほど手頃な価格帯で物件を購入できます。
例えば3ベッドルームの一戸建て住宅は、約20万ドル〜35万ドルで購入が可能です。カリフォルニア州の同等物件と比較すると、わずか¼ から⅙のと言う驚きの価格差があります。
固定資産税率も比較的低いため、維持コストを抑制しながら安定した賃貸収益を確保できます。都市部では再開発プロジェクトが進行中で、多くのエリアは今後の物件価格の上昇を見込め、長期的な視点を持つ投資家にとって魅力的と言えるでしょう。
加えて、予算を抑えながらリノベーションできる物件も多く、購入後に付加価値を高め、収益を拡大させやすい市場です。
高いキャッシュフロー
ミズーリ州の不動産市場では、初期投資に対して比較的高い賃貸利回りが可能です。特にセントルイスやカンザスシティのダウンタウンエリアは、空室率が低く賃貸需要が安定しています。
また数多くの大学や医療機関が点在し、学生や医療従事者向けの賃貸市場が活発です。特に大学周辺の物件は、年間を通じて安定した入居率を維持しやすく、長期的な収益を見込めます。
さらに企業の進出や産業の多様化により雇用が拡大し、賃貸市場は安定しています。これにより、安定した長期的な安定したキャッシュフローの確保が可能です。
再開発とインフラ整備の進展
ミズーリ州では、都市部を中心に再開発プロジェクトが進行中です。カンザスシティでは新たなビジネス地区の開発や公共交通機関の拡充が進み、都市全体の利便性が大きく向上しています。
またセントルイスでは歴史的建造物を活用したリノベーションが盛んで、観光地としても大人気です。こうした動きは地域全体の不動産価値を押し上げ、投資家にとって有利な条件を生み出しています。
また高速道路や鉄道などの交通インフラも整備され、他州へのアクセスが良好です。そのため物流の拠点としての不動産市場も活発で、投資家には様々な選択肢があります。
ミズーリ不動産投資のデメリット・リスク
ミズーリ不動産投資にはデメリットやリスクがあることも事実です。以下で解説する3つのマイナス面に注意し不動産投資を検討しましょう。
気候と自然災害リスク
ミズーリ州はアメリカ中西部に位置し、年間を通じて天候の変化が激しい地域です。夏は蒸し暑く、冬は厳しい寒さに見舞われるため、建物の耐久性や維持管理に気を配る必要があります。
また春から夏にかけて竜巻が発生しやすく、建物やインフラに被害が出ることが懸念されます。投資物件を選ぶ際は、耐震や耐風対策が施された物件を選び、適切な保険に加入することが不可欠です。
経済の地域差と成長性の課題
カンザスシティやセントルイスは安定した経済成長を続けていますが、州全体で見ると産業の偏りが見られます。特に農業や製造業が中心の地域では、景気変動による不動産価格の影響を受けやすいと言えるでしょう。
また都市部でも一部の地域は人口流出が続き、不動産価格が下落するリスクもあります。投資先を選ぶ際は、人口動態や雇用の増減を長期的な視点で分析することが重要です。
治安と地域格差
ミズーリ州の主要都市では、治安の良いエリアと悪いエリアが混在しています。セントルイスは、全米でも特に犯罪率が高い都市の一つとされ、一部の地域は安全面で不安が残ります。
カンザスシティも同様に、地域による犯罪発生率の差が顕著です。治安の悪いエリアでは賃貸需要が不安定になり、家賃滞納のリスクも高まるため、投資前には地域の治安状況を慎重に調査することが欠かせません。
リスクを軽減するには、治安の良いエリアを選び、現地の不動産管理会社と連携することが重要です。
ミズーリのおすすめ投資エリア3選
ミズーリには特色の異なるエリアが点在しています。今回はミズーリでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。
1. カンザスシティ
ミズーリ州最大の都市であるカンザスシティは、経済と文化の中心地です。新興企業の増加と積極的な再開発プロジェクトにより、ダウンタウンエリアやウェストポート地区は人気が高く、投資価値のあるエリアです。
また大手企業の倉庫やオフィスが集積しているため、アメリカ中西部の重要な物流ハブとして機能し、企業勤務者向けの賃貸市場も安定しています。さらにスポーツや音楽の文化も盛んで、NFLのチーフスやMLBのロイヤルズの本拠地としても知られ、観光客が流入し経済が活発です。
カンザス州にも同名の都市がありますが、一般的に「カンザスシティ」と言えばミズーリ州側を指し、こちらのほうが規模が大きく、知名度も高いです。ロサンゼルスのような大都市と比べると、騒がしさを感じさせず、ゆったりとした時間が流れている印象を受けました。
2. セントルイス
セントルイスは歴史的な建築物が多く、リノベーション投資の可能性に溢れた都市です。医療機関と教育機関が充実しており、学生や医療従事者からの安定した賃貸需要が生まれ、投資の基盤となっています。
クレイトン地区やセントチャールズ地区は高所得層が集まるため、堅実なリターンが見込めるエリアとして注目されています。また「ゲートウェイ・アーチ」という象徴的な観光名所があり、観光業も経済の重要な柱です。
都市内にはバイオテクノロジー企業も多く、研究者や技術者向けの住宅需要も活発です。加えて都市再開発が進行中で、リノベーション物件の価格が今後上昇すると見込まれています。
セントルイスは元々フランス領だった歴史があり、古い建物が今でも残っています。また大手物流企業から地元サービスまで巨大な配送センターがいくつもあり、物流の需要が高いと感じました。
3. コロンビア
コロンビアは、ミズーリ大学を中心に発展した学術都市で、学生向けの賃貸市場が安定しています。住民の多くが大学関連の職に就いているため、不景気の影響を受けにくいことが特徴です。
大学周辺エリアは特に賃貸需要が高く、魅力的な投資利回りが見込めます。ミズーリ大学だけでなく、複数の高等教育機関が集まっているため、学生向けの住宅需要は年間を通じて安定しています。
さらに住みやすい都市として高く評価され、教職員や研究者向けの賃貸市場も成長中です。コンパクトな街並みながら、多彩なレストランやショップが揃い、若者の多さが街に活気をもたらしています。
コロンビアでは映画祭が開催されると、学生や教授が運営に参加していました。またファーマーズマーケットでは、大学の農業研究部門と連携した地元産品が販売されていました。市内のイベントが大学と結びついていて、街全体が「大学街」という雰囲気ですよ。
まとめ
ミズーリ州の不動産市場は手頃な価格と再開発の進展を背景に、投資家にとって魅力的な機会を提供しています。
不動産投資家にとって魅力と言えるメリットは以下の3つです。
- 手頃な購入価格
- 高いキャッシュフロー
- インフラ投資の拡大
一方で、次のような課題もあるため、慎重な分析が必要です。
- 気象変動リスク
- 成長率の地域格差
- 治安のばらつき
入念なリサーチを行いながら、リスク管理を徹底した投資戦略を構築しましょう。
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