さまざまな資産運用方法があるなかで、不動産投資は少額で始められる運用方法の1つです。1000万円台で購入可能な海外のコンドミニアムや不動産を商材とした投資信託など、さまざまな運用方法があります。
今回の記事では、少額で始められる不動産投資投資を紹介します。少額で不動産投資を始めるメリットや注意点、成功に向けたポイントを解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
少額で始められる不動産投資方法
少額で始められる不動産投資方法には、海外不動産投資やREIT、不動産小口化商材などがあります。1つ1つ確認していきましょう。
海外不動産投資(1000万円台、月々10万円台から購入可能)
海外不動産投資は、少額で始められる不動産投資の1つです。カンボジアの首都プノンペンや、フィリピンの首都マニラには、以下のように1000万円台で購入可能な物件があります。
ただし、海外不動産購入の際には、不動産投資用ローンの借り入れが難しい点に注意が必要です。基本的に、分割可能な物件以外では、現金一括での購入となります。
アジャイルスカイレジデンス(カンボジア)
アジャイルスカイレジデンスは、カンボジアの首都プノンペンに立地するコンドミニアムです。一等地と呼ばれるボンケンコンエリアに位置し、周辺には各国大使館や商業施設などが点在します。
物件価格は諸経費込みで1000万円台中盤となっており、日本国内のタワーマンションや都心部の区分マンションよりも購入しやすい価格です。
項目 | 内容 |
---|---|
物件名 | アジャイル スカイ レジデンス |
所在地 | プノンペン(一等地と呼ばれるボンケンコンエリア) |
価格(諸経費込み) | 1000万円台中盤 |
階数 | 44階 |
完成予定日 | 2022年12月 |
物件詳細ページ | https://ja.sekaiproperty.com/global/property-agileskyresidences |
ビューアストン(カンボジア)
ビューアストンは、プノンペンの新都心エリアに位置するコンドミニアムです。プノンペン都心部から約3km離れたノレアアイランドに位置し、都心部とノレアアイランドをつなぐ橋も建設中です。
また、ビューアストンは、世界的にも有名なアスコットホテルグループが入居する予定です。周辺エリアと比べて平米単価が半額以下(当社調べ)であることも踏まえ、少額でも購入しやすい物件となっています。
項目 | 内容 |
---|---|
物件名 | ビューアストン |
所在地 | プノンペン新都心エリア(都心から約3km) |
価格(諸経費込み) | 1000万円台 |
階数 | 38階 |
完成予定日 | 2023年6月 |
物件詳細ページ | https://ja.sekaiproperty.com/global/property-vueaston |
タイムスクエア(カンボジア)
タイムスクエアは、アジャイルスカイレジデンスと同じく、プノンペンの一等地と呼ばれるボンコンケンエリアに位置するコンドミニアムです。諸経費込みで1000万円台〜での購入が可能なほか、月々10万円台〜での分割支払いにも対応しています。
台湾系デベロッパーによるプロジェクトで、過去には完売した物件もあります。周辺エリアの物件と比較して平米単価も約半額ほど(当社調べ)で、一等地でありながらも購入しやすい価格です。
項目 | 内容 |
---|---|
物件名 | タイムスクエア |
所在地 | プノンペン(一等地と呼ばれるボンケンコンエリア) |
価格(諸経費込み) | 1000万円台(月々10万円台~の分割可能) |
階数 | 45階 |
完成予定日 | 2026年 |
物件詳細ページ | https://ja.sekaiproperty.com/global/property-timesquare |
ラーセン(フィリピン)
ラーセンは、フィリピン・マニラの南東にあるマカティエリアに位置するコンドミニアムです。外資系企業が入居するビルや、日本人向けの飲食店が多くあり、高級住宅街が形成されているエリアです。
デベロッパーの「ロックウェルランド」は、フィリピン国内における最大手のデベロッパーで、高級不動産を中心に開発実績を重ねています。過去の開発物件には、年8-15%の価格上昇した実績もあります。
項目 | 内容 |
---|---|
物件名 | ラーセン |
所在地 | マニラ(マカティ) |
価格(諸経費込み) | 1000万円台(月々数万円台~の分割可能) |
階数 | 20階 |
完成予定日 | 2025年 |
物件詳細ページ | https://ja.sekaiproperty.com/global/property-larsentower |
REIT(不動産投資信託)
REITは、不動産投資信託とも呼ばれており、不動産専門の投資信託です。投資家から資金を集めたファンドが不動産に投資し、運営による賃料収入や売却益などを原資として、投資家に還元します。
個人向けの不動産投資と異なり、REITではビルや商業施設、ホテルといった規模の大きい不動産も取り扱います。また、日本国内のREITである「J‐REIT」は、収益の90%以上を分配するなどの一定の条件を満たせば、実質的に法人税がかからないルールを設けており、収益がほぼそのまま分配金として配分されます。
不動産小口化商材
不動産小口化商材とは、不動産を1口数十万円から100万円ほどの小口に分けて販売する方法です。複数の投資家が1つの不動産に投資・共同で保有する仕組みで、各投資家は運用益に応じて分配金を受け取れます。
一般的に、不動産小口化商材では、「任意組合型」、「匿名組合型」、「賃貸型」の3種類に分けられます。
任意組合型:投資家と業者が任意組合契約を締結、共同で不動産事業を行う
匿名組合型:投資家が事業者と匿名組合契約を結び、 利益が投資家に分配される
賃貸型:複数の投資家が不動産の持分を購入、事業者に不動産を貸し出す
匿名組合型 | 任意組合型 | 賃貸型 | |
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出資先 | 事業者 | 現物不動産 | 現物不動産 |
出資金額 | 1口数万円~ | 1口100万円~ | 1口100万円~ |
所有権 | 事業者のみ | 事業者と投資家 | 投資家のみ |
特徴 | ・少額から運用可能 ・短期間での運用が多い | ・相続税対策に有効 ・10年以上の長期運用が多い | ・10年以上の長期運用が多い |
不動産クラウドファンディング
不動産クラウドファンディングは、1口1万円ほどから購入可能な運用方法です。不動産特定共同事業法に基づく比較的新しいスタイルの不動産投資方法で、インターネットを介して投資家から資金を集め、不動産の取得・運営を行い、発生した利益を投資家に分配します。
現物での不動産投資と異なり、1万円ほどの資金でも始められるのがメリットと言えます。また、価格変動も少なく、日ごとに価格を追う必要もありません。運用期間も数か月単位から、数年単位のものまで幅広く、自身の投資スタイルに合わせられます。
少額で不動産投資を始めるメリット
不動産投資は、高額なものから、少額のものまで価格が幅広いです。少額で不動産投資を始めることで、どのようなメリットがあるのか解説します。
まとまった資金を用意する必要がない
少額で不動産投資を始めるメリットは、まとまった資金を用意する必要がないことです。一般的に、現物の不動産を購入する場合、物件価格にもよりますが多額の資金が必要となる可能性があります。
一方、本記事で紹介した少額で始められる運用方法は、海外不動産でも1000万円台(月々10万円台~の分割可能な物件もあり)で購入可能であるほか、小口化商材でも1万円~と初心者の方でも始めやすい価格です。まとまった金額を用意する必要がなく、金銭的な負担を軽減できます。
失敗したときの損失を抑えやすい
次に、不動産投資に失敗したときの損失を防ぎやすいのもメリットです。基本的に、不動産投資に関わらず、投資はリスクが生じるものであり、リスクの大小もさまざまです。
仮に、大金を使って不動産を購入したあとに、不動産価格が大幅に下落すると、その分金銭的な損失を被ってしまいます。少額での投資であれば、損失分も最小限に抑えられるので、失敗時のリスク軽減につながります。
不動産投資用ローンを借り入れる必要がない
通常、現物の不動産を購入する際に、自己資金とは別に不動産投資用ローンを借り入れることが多いです。不動産投資用ローンは、自己資金以上の資金で運用する「レバレッジ効果」を期待できる一方で、金融機関から借り入れている以上、返済しなければなりません。
少額で始められる不動産投資の運用方法であれば、ローン自体を借りることがないため、毎月の収益からローンを返済する必要がありません。また、海外不動産投資は、不動産投資用ローンの借り入れが難しいこともありますが、1000万円台で購入可能な物件も多く、ローンを借り入れなくても購入しやすいのがメリットです。
節税効果を狙える
少額で不動産投資を始めた場合でも、節税効果を期待できます。たとえば、小口化商材の任意組合型は、個人で不動産を所有するのと同じように「不動産所得」に分類されます。
仮に、小口化商材による不動産投資で赤字が発生した場合は、給与所得と損益通算することで、納税額を軽減できます。また、小口化商材は、現物の不動産投資と同様に相続評価額の圧縮による相続税の節税効果も狙えます。
少額で不動産投資を始める際の注意点
少額で始められる不動産投資の運用方法は、初心者の方でも始めやすい一方で、いくつかの注意点に気を付けなければなりません。不動産投資で失敗しないようにするためにも、次の注意点を把握しましょう。
購入可能な物件や投資範囲が限られる
少額で始められる不動産投資は、購入可能な物件や投資の範囲が限られてしまう点に注意しましょう。基本的に、不動産投資は条件の良い物件ほど高額で販売されているため、それなりの資金を用意しなければなりません。
不動産投資用ローンを組めば、自己資金を抑えながら物件を購入できるものの、都心の高級マンションや、一棟マンションは物件価格自体が高く、多額の自己資金が必要です。
元本割れのリスクに備える必要がある
少額で不動産投資を始めるにあたって、元本割れのリスクに備えましょう。
現物の不動産投資でも同様に不動産価格が暴落し、元本割れすることも考えられます。利回りの低下や資産価値の暴落といったリスクを想定し、十分な余裕資金を調達することが大切です。
カモにされないように気をつける
次に、カモにされてしまわないように注意しましょう。「少額で始められる」というトークに乗っかった結果、利益が全く出なかったり、さらなる資金の投資を持ちかけられたりすることがあります。
また、安い物件を紹介されたものの、修繕費やその他経費がかかり、赤字になってしまうケースも存在します。詐欺行為に発展することもあるので、投資先をしっかりと選定しなければなりません。
少額の予算で不動産投資を成功させるには?
少額の予算で不動産投資を始める場合、どのようにして成功させられるのでしょうか。成功に向けたポイントを4つ解説します。
利回りの高い物件や運用方法を調べる
少額で不動産投資を成功させるためには、利回りの高い物件や運用方法を調べましょう。というのも、もともとの投資額が少ないことから、投資先の利回りが高くないと、収益も伸びてこないためです。
不動産投資で高い利回りを狙うのであれば、経済成長が進んでいる新興国の不動産や、商品によっては3~4%の利回りを狙えるREITを検討してみてください。とくに、東南アジアの不動産は、人口増加が見込まれることからも、賃貸需要の拡大も期待できます。
東南アジア不動産の利回り相場(※1)
国名 | 表面利回り |
---|---|
フィリピン | 6.13% |
カンボジア | 5.33% |
タイ | 5.13% |
マレーシア | 3.72% |
生活資金と余裕資金を分ける
元本割れのリスクに備えて、生活資金と余裕資金を分けるようにしましょう。投資である以上、確実に利益が出る保証はなく、将来的な市況や地価の下落といったリスクを考えておかなければなりません。
仮に、生活資金を不動産投資に回し、元本割れすると、手元に残るお金がなくなってしまいます。少額で始められるというメリットを活かしつつ、生活資金は別に確保することが重要です。
不動産投資の知識を身につける
不動産投資を成功させるためには、不動産投資そのものの知識を身につけることも大切です。現物の不動産に投資するのであれば、物件の買い方・売り方、収益が出やすい物件の探し方、各エリアにおける不動産価格の相場などを勉強しましょう。
不動産投資の知識を勉強しないまま始めると、悪質な不動産仲介会社からカモにされてしまったり、想定していたほどの利回りを得られなかったりする恐れがあります。不動産投資セミナーにも参加し、専門家から直接話を聞く機会も設けてみてください。
信頼性の高い不動産仲介会社に相談する
不動産仲介会社のなかには、意図的に相場よりも高い金額を提示してきたり、デメリットを隠したまま、購入を迫ってきたりする悪質な会社も存在します。
不動産仲介会社の信頼性を見極める方法としては、これまでの実績やインターネット上の口コミ、会社の経営状況を調べることが重要となります。また、不動産仲介会社に相談し、営業担当者の態度・誠実性や、自身にとって最適な物件を紹介してもらえるのかなどを判断基準にしましょう。
まとめ
東南アジアの不動産は、1000万円台から購入可能な物件や、月々10万円台〜の分割支払いにも対応した物件もあるほか、経済成長に伴う不動産価格上昇を狙って、キャピタルゲインも期待できます。ほかにも、REITや小口化商材といった少額で始められる不動産投資も多くあるので、予算に応じてチェックしてみてください。
しかし、少額であっても、元本割れのリスクや、悪質な不動産仲介会社に騙されないように注意が必要です。不動産投資の知識を学び、安全な運用を目指しましょう。
※1:GlobalPropertyGuide「Rental Yields in Asia」