カンボジアの不動産市場は、まだ黎明期です。そのため、

「そもそも、外国人は不動産を購入できるの?」

「コンドミニアムの場合は?土地の場合は?」

「税制はどうなっているの?」

と、数々の疑問を持つことになるでしょう。

そこで、本記事ではカンボジアの不動産の規制や税制について、なるべく分かりやすく、シンプルに解説していきます。

カンボジア不動産を外国人が購入する際の規制

ここでは外国人がカンボジアで不動産を購入する際の、規制について紹介します。

外国人は土地の購入、所有ができない

カンボジアでは、外国人は土地を購入または所有できません。そのため、カンボジアの一戸建てや一棟アパートを、外国人投資家が取得することは困難です。

カンボジア国籍を持つ人との共同所有や、本来は政府から非公認の状態で土地を所有することなど、外国人が土地を事実上所有することは不可能ではありません。

しかし、リスクが高く、法的に不透明な部分が多いため、避けるのが無難です。

2階より上の階のみ購入可能

外国人はカンボジアの建物の1階や地下部分は所有できず、2階以上の住戸のみ購入できます。そのため、アパートやコンドミニアムなどの集合住宅を購入する場合も、購入対象となるのは2階より上層階の住戸のみです。

建物全体の70%まで所有が可能

コンドミニアムなどの集合住宅では、建物全体の70%までは外国人が所有できますが、残りの30%は必ずカンボジア人が所有しなければなりません。例えば100戸のコンドミニアムであれば、外国人は70戸までを購入、所有できます。

購入後の賃貸、転売は可能

外国人であっても、カンボジアでの不動産を購入後、賃貸、転売等行うことができます。そのため、不動産投資目的で賃貸付け、売却を行うことができます。

カンボジアの不動産購入・売却時にかかる諸費用・税金

カンボジアの不動産購入・売却時にかかる諸費用・税金は下記の通りとなります。

取得時 資産譲渡税物件売買価格の4%
固定資産税物件評価額の0.1%
印紙税100~2000リエル(約3~71円)
運営時 不動産収入税10%/年
売却時 キャピタルゲイン税20%

資産譲渡税

物件を購入する際には、物件の評価額あるいは売買価格の高い方の4%に対して、資産譲渡税がかかります。

印紙税

100~2000リエル(約3~71円)程度がかかります。

固定資産税

所有する不動産に対し、政府の不動産評価額のうちも80%に税率0.1%が課税されます。

不動産収入税

投資目的で購入した後、賃貸に出したときにかかる税金のことです。不動産購入後に入居者からの家賃収入が発生する場合、関連総賃貸収入の10%が毎年課税されます。

キャピタルゲイン税

カンボジアの税務総局が発表した内容によると、2022年1月以降は、カンボジア不動産の売却について、カンボジア国内でもキャピタルゲイン税が課税される見通しです。

当初は2021年1月1日から課税される予定でしたが、コロナの影響を受けて1年延期されています。なお、キャピタルゲイン税の税率は、物件売却益に対して20%です。

また、2021年時点では、日本はカンボジアと租税条約を締結していないため、カンボジア不動産を売却するとカンボジアと日本との両国で税金が課税されます。物件売却の際には税金に要注意です。

まとめ

カンボジアの不動産売買の法規制や税制は、まだ非常に未発達な状態です。現在、不動産市場の発展により、徐々に整備が進められていますが、まだはっきりしない部分が多いのが現状です。

そのため、なるべく法規制や税制について詳しく、リスクが低い状態で物件の購入をサポートしてくれる不動産会社に相談するのが良いでしょう。

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