アメリカで不動産購入をする際、居住用でも投資用でも、検討するべきポイントがたくさんあります。どのエリアで購入するか、予算はどのくらいにするか、などさまざまですが、「どの種類の不動産を購入するか」も非常に大事です。今回はアメリカの中でも、特に人気のあるニューヨークに着目し、どのような種類の不動産があるのか解説していきます。

1 NYの不動産は大きく分けて3種類

ニューヨークは不動産の価格や市場が安定しており、投資家や不動産業者から人気が高いエリアです。マンハッタンを例に挙げると、2010年~2014年の間に人口が3.2%増加し、不動産のニーズが増えています。空き室率は平均1.5%と非常に低く、賃料も毎年上昇傾向にあります。そんなニューヨークで購入できる不動産は、主に「コンドミニアム」「コーポラティブ・アパートメント」「タウンハウス」の3つ。どのような特徴があるのでしょうか。

1-1 コンドミニアム 

コンドミニアムとは、日本における分譲マンションです。ニューヨークでも人気があり、近年は物件数が増え続けています。100世帯以上が暮らす大型物件から、数世帯のみの小型物件まで、大きさは様々です。

設備やサービスも建物によって異なります。高級なものになると、住人専用のプールやスポーツジム、図書館やシアタールーム、来訪者を迎え入れる応接スペースなどが備わっていることも。コンシェルジュが常駐し、生活全般の面倒を見てくれる物件もあります。大型のコンドミニアムでは、スーパーマーケットやレストラン、クリニックや託児所などが併設され、周辺だけで日常生活が完結する便利なところもあります。

不動産のなかで、コンドミニアムは最も購入・転売がしやすいと言われており、比較的人気も高いのが特徴です。購入すると、部屋の所有権でなく、建物がある土地の所有権も同時に得られます。仮に2LDKを購入する場合、マンハッタンでは5,500ドル~、ブルックリンやクイーンズでは4,500ドル~が相場です。

1-2 コーポラティブ・アパートメント 

コーポラティブ・アパートメント(通称コープ)も、建物の外観や内観だけ見ると、日本の分譲マンションと非常によく似ています。ということは、コンドミニアムとも近いのですが、購入後の権利関係が大きく異なります。コープを所有しているのはあくまでオーナー。購入した人は、その部屋に住む権利を得られるのです。なので厳密には、不動産ではなく、部屋の面積に応じた株式を購入するということになります。

購入する場合、独自の審査があることがほとんど。外国人の場合は、永住権を持っていないとNGだったり、厳しいと外国人というだけで審査を通過しないことも。投資用としてコープを購入した際、「実際に住むのは誰か?」という点でも、審査をクリアしないといけません。

不動産を所有できるわけではないので、コープというだけで購入を敬遠する人も少なくありません。ただメリットもあります。まず、コンドミニアムと比較すると、平均2割ほど価格が安いこと。また、建物全体が管理されているため、共有部分や部屋の修繕などの面で、非常に手厚いことが一般的です。自らが暮らすのであれば、快適だと感じるかもしれません。

1-3 タウンハウス 

タウンハウスは、簡単に言うと一軒家のことです。ニューヨークでは、18世紀後半~19世紀前半にかけて建てられた、レンガ造りの建物が多くあります。アンティークな建物が並ぶ光景は「ブラウンストーン」「ライムストーン」と呼ばれ、ニューヨークの名物としても知られています。こういった建物は、元々は富裕層が暮らすために建てられました。その後、2世帯や3世帯が暮らすようになり、現在まで残っているのです。中には歴史保護指定されている貴重な建物もあります。購入後、趣のある雰囲気を残しつつ、自分好みの生活空間にリノベーションする人も多くいます。

タウンハウスの大きな魅力は、そのほとんどが庭付きであること。バーベキューや家庭菜園、子どもの遊びなど生活の楽しみ方が広がります。コンドミニアムやコープと比較すると、価格面ではどうしても高くなりますが、上記に魅力を感じ、タウンハウスを選ぶ人も少なくないのです。

居住はもちろんのこと、投資用物件としてもメリットがあります。例えば一つのユニットに自分が住み、他のユニットを賃貸に回し、管理も自ら行うとします。すると外部の管理会社を介さないので、管理コストがかかりません。また、複数の世帯が入居できるタウンハウスなら、多額の家賃収入が見込めます。

ちなみにユニットが5つ以上あると、「商業用物件」に分類され、様々な規制が生じます。一方で4つ以下は「居住用物件」となり、運用のハードルは比較的低くなります。

2 不明なことはプロに聞こう

ここまで不動産の種類を解説してきました。それぞれの不動産に特徴があり、どれが良い・悪いとは一概には言えません。不動産購入の目的ははっきりしているけど、どの種類を選べばいいのか、決めかねている方もいるでしょう。そんなときは、遠慮なくプロに相談しましょう。英語がある程度できるのであれば、現地の不動産屋に直接コンタクトを取るのもアリです。ただし、日本とは法律や手続きが異なるため、苦労してしまうことも考えられます。

そんなときにお勧めなのが、日系の不動産会社に相談すること。日本でも知られる不動産大手のエイブルや、日系企業としてアメリカ最大級の規模のリダックをはじめ、現地の不動産事情に精通した企業がたくさんあります。日系の不動産会社であれば、日本にいながら問い合わせもできますし、アメリカとの法律や手続きの違いも踏まえた上で、親切に相談に乗ってくれるでしょう。

4 まとめ

国によって、不動産の種類は変わってきます。投資用にせよ、居住用にせよ、まずはその国にどのような不動産があるのか、把握しておくことが重要です。その上で、「自分は何の目的で不動産を購入するのか? 不動産購入によってどんな生活・状況を実現したいか?」と照らし合わせた上で、最適な不動産の種類を選ぶことが大事です。

今回は、ニューヨークで不動産購入を検討するなら、絶対に知っておきたい3種類を解説しました。ぜひ参考にしていただければと思います。

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