テレビ番組でたくさんの特集が組まれ、東京から3時間程度で気軽に行ける旅行先として人気の台湾。小籠包、タピオカ、マンゴーかき氷などのグルメ、故宮博物院、九份、夜市(ナイトマーケット)などの観光が楽しめます。台湾に移住・留学など長期滞在をする場合に便利な銀行口座の開設方法をご紹介します。

1 台湾の銀行について

台湾での銀行口座開設の前に日本の銀行と異なる点や特徴を簡単に紹介します。
◾︎キャッシュカードにVISA、JCB、mastercardのデビットカード機能がつけられる。
◾︎窓口営業時間が9:00から15:30と日本より少し長い。
◾︎ほとんどの支店で外貨両替が可能。
◾︎ATM利用手数料が安い。
台湾の多くの銀行のキャッシュカードにはVISA、JCB、mastercardのデビットカード機能がつけられます。利用明細は郵送またはメールが選択でき、決済時に登録しておいた携帯電話番号のSMSへ利用金額などのメッセージが送信されるサービスもあるため不正利用などの不安が軽減されます。台湾ドルをあらかじめ口座に入金しておけば大金を持ち歩かずに済むのも安心できるポイント。ATM利用手数料が安いです。時間外取引手数料がなく、他行ATMでの引き出し手数料も概ねNT $5(約18円、2019年10月時点、以下同)、他行への振込手数料がNT $15(約53円)と安いです。

1-2 台湾の主な銀行

台湾にはインターネットに特化した銀行を含めいくつもの銀行があります。ATM設置場所の利便性などから台湾の銀行で人気なのが次の3行です。

1. 中國信託銀行
2. 台新銀行
3. 國泰世華銀行

中國信託銀行は東京スター銀行の親会社でセブンイレブンの各店舗にATMが設置されています。台新銀行は多くのファミリーマートでATMが設置してあります。

國泰世華銀行は台北の地下鉄(MRT)の駅、スーパーマーケットの全聯福利中心の各店舗やコンビニエンスストアにもATMが設置されています。

1-3 台湾で銀行口座開設にあたり必要なもの

台湾で銀行口座を開設するにあたり、必要なものは下記のとおりです。

1. 旅券(パスポート)
2. 日本の公的証明書(銀行による。「中華民國統一證號基資表」の場合必須なことが多い。自動車免許などでOK)
3.住所・電話番号(台湾のプリペイドタイプのSIMカードを契約しておくと良い)
4. 印鑑(銀行による。台湾ではフルネームの印鑑が主流だが日本の名字のみの印鑑でOK)
5. 居留証または中華民國統一證號基資表
6. 現金(口座開設時に預金する。銀行によるがNT$1000~(約3500円)が多い)

1-4 居留証および中華民國統一證號基資表とは?

【外国人用のマイナンバー・統一證號(ID No.)について】
台湾では日本でいうマイナンバー制度が浸透していて、身分証、健康保険証、免許証に記載され税金・保険を含め個人識別番号で管理されています。もちろん銀行口座開設時にも身分証の提示は必須です。外国人には外国人用のマイナンバー・統一證號(ID No.)があり、統一證號(ID No.)が記載された外国人用身分証明証が居留証や中華民國統一證號基資表です。いずれも内政部入出国及移民署に申請、取得します。2019年10月時点の移民署の所在地をいくつか紹介します。地域によりますが移転することもあるので最新の情報を確認してください。

・台北市:100台北市中正區廣州街15號
・新北市:235新北市中和區民安街135號
・台中市(2か所):40855台中市南屯區文心南三路22號  420台中市豐原區中山路280號

【中華民國統一證號基資表について】
台湾において銀行口座を最短で開設する方法は、当日発行可能な中華民國統一證號基資表を利用するという方法です。申請費用は無料となっています。取得した統一證號は居留証に切り替える場合も同一IDを継続して使用が可能です。A4の用紙1枚です。

【居留証について】
居留ビザ(投資、就業、家族呼び寄せ、長期の留学など)で取得可能。申請から受け取りまで申請者の条件によりますが2週間程度はかかります。キャッシュカードサイズのカード。

1-5 銀行窓口で手続き

「>1-3台湾で銀行口座開設にあたり必要なもの」でご紹介した1から6の書類を準備したら、銀行へ向かいます。入口に発券機があるので口座開設(開戶)したい旨を伝え順番待ちの番号を受け取りましょう。紙に「我要開戶」と書いて見せると楽です。

あとは窓口で書類を記載し口座を開設します。台北のオフィス街の銀行であれば外国人の対応も慣れていることも多く、書類は中国語と英語で書かれていることがほとんどです。口座の暗証番号が6~12桁と日本より長いため、あらかじめ決めておくと焦らなくてすむでしょう。

2015年に締結された日台租税協定により台湾の確定申告時には日本のマイナンバーを求められることがありますが、口座開設時には不要です。ただし、必要書類を尋ねた際にある行員は「必要な書類は○○ですが、支店により異なる場合があります。」とも言っていたので、時間と気持ちに余裕をもって臨むことをおすすめします。


 銀行で口座開設をする際に役立つ中国語

台湾での口座開設時の書類や手続きなどの中で頻出する中国語を以下にまとめておきましたので、口座開設の際にぜひ参考になさって下さい。

・ICチップ入りキャッシュカード:晶片金融卡
・クレジットカード:信用卡
・パスワード:密碼
・インターネットバンキング:網路銀行
・銀行のスマホアプリ:行動銀行
・預け入れ/引き出し:存款/提款
・残高照会:餘額查詢

3 まとめ

この記事では、台湾の主な銀行や日本の銀行との違い、台湾での銀行口座開設にあたり必要なものや手順などをご紹介しました。台湾の銀行での口座開設は、台湾版マイナンバーを取得してパスポートなどの必要書類を持参すればそれほど難しくはありません。この記事を参考に、台湾での口座開設や長期滞在をぜひご検討なさってみて下さい。