年間50万人を超える日本人観光客が訪れるフィリピン。中でも東南アジア屈指のリゾート地、セブ島は人気の訪問先の筆頭でしょう。

近年、英語習得のための留学先として圧倒的な支持を得ていることや、格安航空バニラエアが成田から直行便を就航したことなどから、今後も同島を訪れる日本人はさらに増加していくと見られています。

また、単なる旅だけでなく、生活の場を移しセブ島でのセカンドライフを楽しむケースも多くなっています。

今回は、そんなセブ島で、

「コンドミニアムに滞在してみたい」

「コンドミニアムで暮らしたい」

「コンドミニアムを購入し投資を検討している」

などという方々に向けて、セブ島のコンドミニアム事情について解説していきたいと思います。

不動産投資先としてのセブ島の魅力


セブ島はフィリピンの「南の女王」とも呼ばれていますが、堅調に推移する経済を擁しフィリピン国内で最も栄え豊かな地域の1つであることがその呼称の背景にあります。さらにセブ島は、経済的に発展しているだけでなく、美しい白浜のビーチや豊富な自然資源でその地域特有の雰囲気を失っていないことに大きな魅力があると言えるでしょう。

このようなセブ島は投資の重要拠点と位置付けられ、首都のメトロマニラと同様に国内外から高い注目を集めています。

セブ島のコンドミニアム市場動向は?


セブ島の不動産市場は、地方経済が観光とビジネスプロセスアウトソーシングによって促進されているため、オフィスをはじめ、小売市場、住宅市場で成長を続けています。

セブ島の不動産会社 Cebu Landmasters Inc のCEO ホセ・ソベラーノ氏によると、2014年、同島のコンドミニアムの在庫は約7,000~8,000ユニットでしたが、その3年後の2017年には、約15,000~17,000ユニットまで増加。買い手市場になっているため、選択の幅が広がっています。

また、セブ島の不動産会社 Colliers Philippinesは、市内を訪れる観光客数は今後も15%~20%増加していくと予測。セブ島の不動産市場は、海外のフィリピン労働者(OFW)からの送金と、移住による人口増加による影響を受けていると述べています。

セブ島の物価から検証。セブ島での暮らし方


セブ島が多くの外国人に支持される理由のひとつに物価水準の低さが挙げられるでしょう。物によって日本の方が安いものもありますが、全体的にセブ島の物価は日本の1/3程度と言われています。

下記の表はセブ島の物価の目安です。食料品から日用品、暮らしのサービスにかかる料金を参考に、セブ島での生活費をイメージしてみてください。

食料・飲料にかかる費用の目安

フィリピン産 2kg 205ペソ(約425円)
12個パック 83ペソ(約172円)
じゃがいも3個入り 32ペソ(約66円、1個あたり約22円)
玉ねぎ2玉入り 27ペソ(約56円、1個あたり28円)
にんじん2本入り 75ペソ(約155円、1本あたり78円)
キャベツ1玉 46ペソ(約95円)
マンゴー1個 33ペソ(約68円)
バナナ1房 64ペソ(約132円)
リンゴ1個 23ペソ(約47円)
鶏肉1kg 225ペソ(約466円、100g当たり46円)
豚肉1kg 208ペソ(約431円、100gあたり43.1円)
醤油385ml 14ペソ(約29円)
飲料水500ml 10ペソ(約20円)
缶ビール330ml 37ペソ(約76円)
牛乳1リットル 87ペソ(約180円)

こうして見るとほとんどの商品が日本より安いことがわかりますが、以外にもバナナは少し高めです。野菜も日本とそれほど変わらず、安くても2~3割程度でしょうか。一般的に肉と米が安く野菜が高いため、フィリピン人庶民は肉と米による食事が多くなっています。

また、セブ島では輸入品となる味噌や酒、みりん、うどん・そば、日本のカップラーメン等の日本食材もほとんど手に入れることが可能ですが、価格は日本の1.5~2倍となります。

コンドミニアム周辺には日本レストランをはじめとした様々なリンゴリーズナブルな飲食店があるため、食事を用意をする余裕がない時も気軽に食事を済ませれる環境です。

暮らし・サービス関連にかかる費用

トイレットペーパー9ロール 75ペソ(約155円)
シャンプー750ml 359ペソ(約744円)
歯磨き粉126g 72ペソ(約149円)
洗剤1100g 80ペソ(約165円)
ブラウン管TV6,000ペソ(約12,446円)
洗濯機8,500ペソ(約17,632円)
エアコン12,000ペソ(約24,893円)
扇風機800ペソ(約1,659円)
アイロン300ペソ(約622円)
電子レンジ2,500ペソ~(約5,186円)
インターネット接続(月額)999ペソ(約2,072円)
携帯電話代1,000ペソ(約2,074円)
はがき郵便代14ペソ(約29円)
映画250ペソ(約518円)
マッサージ(1時間)200ペソ(約4,148円)
タクシー40ペソ(約82円)

セブ島には電車がありません。地元の人々の間で使われる公共交通機関は乗合いバスが主流ですが、日本人や外国人はタクシーを利用することが多いでしょう。上記の表を見ても分かる通り、タクシーの初乗りは格安です。

市内を少し移動するだけなら100ペソ(約200円)程度で足りるでしょう。ただし、ホテルの周辺の路上にずっと止まっているタクシーは法外な料金を要求するタクシーの可能性がありますので要注意。タクシー乗り場やホテルで呼んでもらったタクシーに乗るのが安全です。

加えて近年は、「Grab(グラブ)」というマレーシア発のタクシー配車サービスが登場し、英語や現地の言葉が話せなくても、アプリで料金を確認してから乗車できるので大変便利です。

また、セブ島のコンドミニアム生活で気をつけたいのは電気代。暑い時はエアコンを使用することが多くなりますが、電気代は高く費用がかさみます。

電気代は使用頻度によって大きく変わりますが、日本人の1人暮らしで月額2,000ペソ(約4,148円)、エアコンを一晩中つけたままだと4,000ペソ(約8,297円)くらいかかります。

セブ島コンドミニアムの賃貸相場は?


続いて、セブ島におけるコンドミニアムの相場を見ていきます。

不動産投資をする上で最も重要なのは立地ですが、特にセブ島はエリアによって全く別の表情を見せることがあります。日本人や外国人が多く居住するセブ島で不動産投資をする場合、対象となる物件は外国人居住者を想定する場合がほとんどです。

例えば、「オスメニア・サークル」「ITパーク」「アラヤモール」「マンゴースクエア」などの周辺は多くの外国人が居住しており、安心して心地よく住めるエリアであることがうかがえます。

下記の表は、ITパーク周辺にある物件の参考価格です。

ランク間取り・専有面積価格
ハイエンドStudio(ワンルーム)、35.10㎡680万ペソ(約1,410万円)
ミドルStudio(ワンルーム)、24.48㎡283万ペソ(約590万円)
ローカルStudio(ワンルーム)、22.00㎡~170万ペソ(約355万円)~

セブ島の中心、セブシティにある「ITパーク」は、アメリカや日本のIT企業がオフィスを構えるオフィス街で、高層ビルやショッピングモールが点在する近代的なエリアで、外資系ビジネスマンなど多くの外国人も目につくでしょう。

ここにはアメリカをはじめとした海外のコールセンターも多く所在していることから、昼夜問わず働く人たちが居ます。このため24時間営業の店もあり、警備も24時間体制で行われています。

上記のようなスタジオタイプを購入し賃貸した場合、15,000~30,000ペソ(約31,000~62,000円)前後の家賃収入が見込めるでしょう。

まとめ


以上、セブ島のコンドミニアムにスポットを当てて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

セブ島でコンドミニアムを購入する際は、自分が住む物件なのか、賃貸に出すものなのかを明確にしてから検討することをおすすめします。目標が定まらない場合、不動産選びや後の賃貸運営に影響が出てくることがあります。

また、セブ島のコンドミニアムを検討する際には、「フィリピン・セブ島不動産投資ガイド。価格やおすすめエリアまで紹介!」も参考にご覧ください。

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