シンガポールではMRT8つ目の路線となる横断線(CRL:Cross Island Line)が現在開発中であるが、東部および北東部地区の交通網拡充のため、さらに区間を延伸する。
延伸区間はプンゴル駅からパシール・リス駅までの7.3kmで、4駅・全地下鉄となる予定だという。現在この2駅の間にはバスが運行しているが、MRTが開通すれば、所要時間は40~45分から25分へと大幅に短縮できることになる。人数にして約4万人の近隣住民の利便性がアップすると見られている。
プンゴル駅(Punggol)、リビエラ駅(Riviera)、エリアス駅(Elias)、パシール・リス駅(Pasir Ris)4駅の建設工事は2022年に始められる予定であり、2031年までの開業を目指すという。プンゴル駅、リビエラ駅、パシール・リス駅の3駅については、すでに建設されている駅を拡大整備する形となり、エリアス駅は新設される。
車両については横断線と同じ6両編成を予定しており、需要に応じて8両編成まで増設することが可能となる。当局は60万人の利用客を見込んでおり、将来的には100万人の利用を目指しているという。
今回の延伸区間については、東部および北東部に住む人々のチャンギ(Changi)など商業地区へのアクセスが大きく改善されるとし、MRTインフラ開発においても重要視されている。またシンガポールが目指す自動車に依存しない社会作りの一環としても、注目されるものとなっている。
プンゴル・ノース地区については、デジタル産業の拠点「プンゴル・デジタル地区(PDD:Punggol Digital District)」としての開発が進められている。2023年から順次オープンする予定のPDDは、50ヘクタール(50万㎡)の敷地面積を有し、28,000件に上るデジタル経済関連企業(AIやサイバーセキュリティーなど)のサポートを行う。
また北東線(NEL:North East Line)を1.6km延伸し、プンゴル・コースト駅(Punggol Coast)が終着駅として建設される予定であり、プンゴル・ノース地区における鉄道アクセスがさらに拡充されるという。
【参照】Punggol and Pasir Ris residents to get four more train stations by 2031