首都リスボンに次ぐポルトガル第二の都市ポルトでは、不動産市場が活況を呈している。不動産価格は2013年頃から上がり始め、現在までに+35%、2018年だけでも+13%の上昇を記録した。しかしリスボンと比較すると、平均して50%下回っているという。

5年前まで、ポルト中心部は夜間の治安の面でやや問題があると見られていたが、建物の改修などが街のあちらこちらで行われ、治安も改善され、観光客も多く訪れるようになった。ポルトに進出するテクノロジー企業も増え、その数はリスボンに迫る勢いだという。

ポルトは、ドウロ川の丘陵地帯にあるこじんまりとした街である。市内西部のフォズ(Foz)は、インターナショナルスクールも近く、比較的裕福な人々が住むエリアになっている。また堅実なリターンを求める投資家に人気なのは、観光客が多いダウンタウンエリアである。

いくつか物件を紹介すると、「Palacete Cedofeita」は元々19世紀に建てられた豪華な邸宅で、現在は3または4ベッドルームのアパートメントとしてリフォームされている。価格は506,000ポンド(約7,260万円)からで、月々のサービスチャージも別途必要となる。またクレリゴスタワーにも近い「Clérigos 82」は、2軒の歴史的建築物を1ベッドルーム16ユニットに改築された物件である。価格は325,000ポンド(約4,660万円)から販売されている。

「The Rebello」は現在開発中のホテルアパートメントである。ホテルマネジメントを手掛けるのはBridgehead Capital(BCL)で、投資家は年6週間まで部屋を使用することができきるとされ、3年間で4%のリターンを保証している。BCLはリスボンでも同じような五つ星プロジェクト「The Lumiares」を展開しているが、売れ行きは上々だという。「The Rebello」の価格は212,000~936,000ポンド(約3,040万~1億3,420万円)で、1Kタイプから3ベッドルームタイプまで揃っている。完成は2022年の予定である。

リスボンとポルトを中心に成長を続けるポルトガルの不動産市場だが、その背景には、観光客の増加、旅行者向けの短期レンタル物件の成長、外国人の国外所得をほとんど非課税にするNHRプログラム税制(Non Habitual Tax Resident Regime)、企業プログラムなど様々な要因がある。リスボンについては需要の増加で投資可能な物件が減少しており、ポルトの注目度は今後ますます高まるものと考えられる。

【参照】Portugal's new boomtown: holiday homes in Porto's thriving property market favoured by tech start-ups

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セカイプロパティ編集部
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