世界の名門不動産企業TOPインタビュー Vol. 7





SEKAI PROPERTY編集チームは、マレーシアでの住宅、商業および産業などでさまざまなプロジェクト開発を手掛けているペリドットディベロップメント(Peridot Development Sdh Bhd)社の常務取締役ケンウィ(Mr. Ng Keong Wee)氏と専務取締役エッリク(Mr. Eric Lai Wee Meng)氏にインタビューしました。



Peridot Development Sdh Bhd(ペリドットディベロップメント社) 
右:常務取締役 ケンウィ(Ng Keong Wee)氏(以下、NKW)
左:専務取締役 エリック(Eric Lai Wee Meng)氏(以下、EL)




人物について】

経歴について教えてください。

NKW:私は土木工学の修士号を卒業しましたが、土木工学だけでなく、数学、金融、統計も学びました。これらの学問は直接的には土木工学とは関係はありませんが、これらを学ぶことによって幅広い経験と知識を得ました。 卒業後は、不動産業界に入り、9年間の経験を積みました。 2012年、不動産業界において共通の関心を持っていたパートナーとペリドットディベロップメント社を設立しました。



EL:私は土木工学の学士号と財務の修士号を卒業し、その後建設業界に入社する前に約5年間ファイナンスに関わる仕事をしていました。 その間、不動産開発にも携わっており、この分野ではすでに20年の経験があります。私たちは共にいくつかの事業を手掛け、後にペリドットディベロップメント社を設立しました。 実際のところ、私たちは昔からお互いのことを知っており、家族ぐるみで仲が良いです。



不動産業界にどのように興味を持ったのですか?

NKW:大学時代から不動産への関心がありました。この建物がどのように建設されたのか、このプロジェクトがどのように計画されたのか、などの疑問や好奇心から始まり、今ではそれが私の仕事となるまでになりました。 そして、今は自分の仕事が大好きです。



EL:私が建設業界にいる時、不動産開発に携わる機会を得ました。それ以来、私のキャリアは不動産開発に携わることが増えてゆき、今では完全に不動産開発のみになりました。この分野で働けることは自分の成長のためだけでなく、自分が常に創造的で楽しくいられるのでとても面白いです。



ビジネスキャリアを通して学んだことは何ですか?

NKW:チームワークと基礎力です。 もちろん、良いチームワークを構築することは重要ですが、より良いチームワークは簡単には手に入りません。私はスタッフ達がただ仕事のためだけに会社に来ることを望んでいるわけではありません。私は彼らが幸せでいてほしいのです。 そして基礎力です。 ビジネスを始めるには基礎力がとても重要だと思っています。このチームワークと基礎力があってこそ私たちはさらに進むことができると信じています。



EL:基礎力と強い思いです。成功したキャリアを得るためには、一般的な知識と家族や友人に恵まれるなど安定した生活を持っていることが重要です。また、強い思いを持っていれば、望んでいるものは大抵手に入るはずです。



人生の目標は何ですか?

NKW:今やっていることを楽しみ、何でもバランスを取ることです。 私たちのスタッフに関して言うと、私はスタッフと良好な関係を築きたいと思っています。 良好な関係を得るためには、スタッフと適度な距離感で接し、仕事に見合う給料を彼らに支払い、アドバイスや自信を与えることだと思います。 時々私たちはスタッフと一緒に外出し、共に時間を過ごします。 私はスタッフが仕事や職場に満足していれば会社全体の生産性も上がると信じています。



EL: 私の目標は、仕事においても生活においても、自分が生きている限り学ぶ姿勢を忘れないことです。 学ぶことをやめる日は、この世を去る日と同等だと捉えています。 そして、私は、ペリドットディベロップメント社が開発産業において、名の知れた評判の良い会社になることを期待しています。 時には、すべてのスタッフを管理するために厳しい発言をしなければならない場合もありますが、私たちは事業や会社を改善するためのスタッフからの提案はいつでも歓迎しています。



【会社概要】



会社の強みは何ですか?

会社の強みは、若く、活気がある点です。 それに加えて、開発会社に必要な専門知識、建築、エンジニアリング、金融、マーケティング、ビジネス開発など、それぞれの分野において必要となる専門知識を持った人がいることです。私たちは、彼らが気兼ねなく私たちとコミュニケーションを取れるよう努力しています。また私たちは、オフィスでの仕事からカスタマーサービスまで、非常に「実践的」で、お客様との良好な関係を維持し、良質なアフターサービスを提供するために、常にお客様のことを考えています。また、私たちは大きな会社ではありませんので、スタッフそれぞれが強い責任感を持ち、自分のすべきことを明確に把握しており、意思決定も迅速に行うことができます。



会社の目標は何ですか?

私たちの会社のスローガンは 「素晴らしいものを造り、より良い生活を(Building BRIGHTER、Living BETTER)」です。 私たちは社会的責任と環境を考慮しながら事業を進めており、革新的かつ、付加価値のある物件を提供し、ビジネスパートナーだけでなく地域社会とも良好な関係を維持しようと努力しています。 また、その使いやすさと投資家の投資収益率(ROI)の観点から、お客様にとって最善であると思うものを提供したいと考えています。



この目標を達成するためにどうしていますか?

私たちのチームは非常に「実践的」です。バリューエンジニアリング、コスト管理、納期までに承認を得るためにはどうすればいいのかをスタッフ一人一人が把握するようにしています。 また、当社のマーケティングチームはアフターセールスチームとしても強みを持っています。 これは、顧客との関係が鍵を受け渡したときに終わるわけではないと考えているからで、アフターセールスサービスはなくてはならない重要なサービスだと私たちは捉えています。



【プロジェクトについて】

最新のプロジェクトは何ですか?

今年は2つの新しいプロジェクトがローンチする予定です。 一つはノースクラン(North Klang)のカパール(Kapar)通り沿いにある商業プロジェクトのマークビズパーク(MARQ Bizpark)です。本物件は、3階建てのテラスハウスと3階建ての商業オフィス用ビルで構成されています。 もう一つのプロジェクトは、バンティン(Banting)にあるヌサセリーズ@タマンマンギスジャヤ(NUSA Series @ Taman Manggis Jaya)です。こちらは今年末に販売が開始される予定です。 本物件は、2階建てのテラスハウスと集合住宅で構成されています。どちらのプロジェクトも高速道路と港に近く、非常にアクセス性の良い場所に建っています。輸入や輸出などのビジネスを行っている人には、非常に利便性の高い場所であり、小売、物流、ショーハウスやショーギャラリーなど様々な用途に使えることが見込めます。 私たちは、ローンチ前からすでにプロジェクトに対するお問い合わせを頂いており、 現在は、ローンチに向けて最終的な調整をしているところです。



この物件の目標は何ですか?

マークビズパークは、自社製品を展示するためのオフィスを求めている方向けのニッチな開発です。さらに、本物件はさまざまなビジネスや産業に合うように設計された、「オールインワンビジネス」プロジェクトとなっています。ヌサセリーズは、すべてのユニットが公園に面しているプロジェクトで、エリア内の人々がより良い生活を送れるよう設されています。以前のプロジェクトであるタマンニラムレジデンス(Taman Nilam Residenz)の成功のおかげで、このプロジェクトでは多くの問い合わせを頂きました。私たちは国際市場もターゲットにしています。マークビズパークは活発な貿易活動が行われているクラン港(Port Klang)の近くに位置しているため、戦略的にも非常に投資、購入のしやすいプロジェクトとなっています。



顧客数、利益、都市開発への影響の観点における本プロジェクトの目的は何ですか?

マークビズパークは、近代的なデザインを持った低密度の商業用プロジェクトです。また、幅広い用途に対応できるよう開発しています。ヌサセリーズは、低密度の住宅プロジェクトであり、公園に面した全30戸からなる新しいコンセプトを持ったテラスハウスです。私たちは単に安く物件を売るのではなく常にその物件の価値を考えており、物件価格は製品の品質、デザイン、使いやすなどの価値を反映しています。



最大のプロジェクトは何ですか?

すべてのプロジェクトに自信を持っています。私たちはプロジェクトを成功に導くため、あらゆる努力をしてきました。私たちが力を入れて進めていたプロジェクトの一つのプライム@アクシスインダストリアルパーク(PRIME @ Axis Industrial Park)で、アジア太平洋プロパティーアワード(Asia-Pacific Property Award )を受賞しました。 本物件は私たちが初めて手掛けたプロジェクトで、建設と販売において多くの努力をしました。建物の構造から規則、規制、権威問題、市場、販売など、あらゆることをこのプロジェクトを通して学びました。



どうやってこのプロジェクトを思いつきましたか?

周辺には数多くの工場があり、軽工業の市場に対応するためにも、まだその時になかった軽工業に対応できる物件を設計したいと思いました。



このプロジェクトと他の企業のプロジェクトとの違いは何ですか?

すべてのプロジェクトが異なります。私たちは実践的であり、顧客に付加価値のある製品を提供するよう努力しています。付加価値は、投資収益率だけでなく、製品の品質価値と提供するサービスの価値、例えばフォローアップして連絡を取り合い続けるなどです。



それはどのように利点となりますか?

品質が高ければ、顧客は購入した物件に満足し、口コミにより評判を広げてくれます。つまりそれは私たちの会社にとっても良いブランディングとなります。優れた価値と同様に、当社のマーケティングチームは、スムーズに鍵の引き渡しを行えるため、顧客への満足度も高いと確信しています。他のディベロッパーよりも優れた価値を付加することが重要だと認識しています。



【不動産市場に関して】

不動産市場の現状と未来に関してどう思いますか?

私たちは常に不動産市場を前向きに捉えており、常にチャンスを探しています。市場は変化しており、厳しい状況もあるものの、依然として中規模の不動産に対する需要はあります。今私たちがやっていることは人が生きていく上で必要とされる家を提供しているという点で、今後も常に必要とされるビジネスだと確信しています。



メッセージ】

外国人投資家に対するメッセージをお願いします。

まず、一度マレーシアに来て、そのプロジェクトを実際に見るのがいいと思います。 マレーシアは素敵な国であり、自然災害もほとんどありませんし、不動産は昔から投資の中でも最も安定した投資と言われています。また、現在の通貨は外国人にとってレートが良く、マレーシアの不動産市場に参入するのはさらに魅力的な状況となっています。 外国人投資家は物件を購入する前に様々な検討をしてきていると思います。 彼らが正しく不動産市場を理解しているのであれば、私たちの物件がいかに投資に適しているのかが分かると思います。