アラスカ州は、広大な土地と豊富な天然資源を持つアメリカ最北端の州で、不動産投資の新たな市場として注目されています。特に観光業の発展や税制上のメリットが投資家にとって魅力的な要素となっています。

そして不動産価格が比較的低いため、初期投資を抑えつつ長期的な収益を見込むことが可能です。一方で極寒の気候や市場の流動性の低さといったリスクも存在するため、慎重なエリア選定が求められます。

本記事では、アラスカ州の不動産市場の特徴、投資のメリット・デメリット、そしておすすめの投資エリアについて詳しく解説します。

アラスカの概要

アラスカ州はアメリカ合衆国の最北端に位置し、広大な自然と豊富な資源を有し、壮大な自然景観と独特の文化で知られています。

アラスカ州はアメリカ合衆国で最も面積が大きく、アメリカ全土の16%を占めていて、テキサス州の約2倍、そして日本の約4倍もの広大な土地を抱えています。

1867年にロシアからアメリカに売却され、1959年に州として認められました。そして今やアメリカ各地、また、世界中から観光客が訪れています。

アメリカ本土とは陸続きでなく、カナダを経由しなければ到達できないため、独立した経済圏を形成しています。州の面積はアメリカ最大であり、日本全土の約4倍の広さを誇ります。この広大な土地には、氷河や山脈、広大な森林が広がり、野生動物も多く生息しています。特にデナリ山(旧マッキンリー山)は北米最高峰として有名です。

アラスカ州の気候は地域によって異なり、南部沿岸部は比較的温暖なものの、内陸部や北部では冬季には氷点下数十度にまで下がることもあります。この厳しい環境にも関わらず、住民は自然と共存しながら暮らしており、狩猟や漁業を生業とする人々も多く見られます。

極寒の気候ながらも、原油、天然ガス、漁業、観光業といった産業が州経済を支えています。広大な土地と比較的安価な不動産価格が特徴で、特に観光需要が高い地域では投資のチャンスが広がっています。

また、アラスカ州はアメリカ国内で唯一消費税がない州の一つであり、税制面でのメリットもあります。州政府は石油産業からの収益を基にした「アラスカ永久基金」を運用しており、州民には年間配当が支給される制度も存在します。

このように、アラスカ州は独特の経済システムと自然環境を持つ魅力的な地域であり、不動産投資の観点からも注目されています。

項目概要
人口約73万人
言語英語
宗教キリスト教が多数
主要産業原油、天然ガス、漁業、観光業
為替1ドル=約150円(2025年3月時点)

 

アラスカ不動産投資のメリット

アラスカの不動産投資にはいくつものメリットがあります。今回はアラスカ不動産投資のメリットを3つご紹介します。

不動産価格の安さ

アラスカ州の不動産は、アメリカ本土と比較して手頃な価格で購入可能です。アメリカの大手不動産サイトZillowによると、2024年第4四半期のアラスカ州の典型的な住宅販売価格は381,985ドルで、アラスカから一番近い、西海岸のワシントン州は600,939ドル、その南のオレゴン州は497,646ドルと、本土の近隣州と比較して価格が低いことがわかります。

特に都市部から離れた地域では広大な土地を低価格で取得できるため、長期的な資産運用としての価値があります。

また、固定資産税が比較的低いため、維持費の負担が少ない点も魅力です。さらに政府が特定地域での開発を支援するプログラムを提供しているため、投資家にとっては有利な条件が揃っています。

観光需要による収益性

アラスカ州は世界的に有名な観光地であり、特にクルーズ観光やオーロラ観光が人気です。観光客向けの宿泊施設や短期賃貸物件への投資は、高い利回りを期待できます。

特にアンカレッジやフェアバンクスなどの主要都市では年間を通じて旅行者が訪れるため、民泊ビジネスやホテル投資も有望です。

さらに近年のアウトドアブームにより、キャビンやグランピング施設の需要も増加しており、新たな投資機会が広がっています。

天然資源の豊富さと安定した経済

アラスカ州は天然資源が豊富で、石油・ガス産業が州経済を支えています。そのため、景気変動の影響を受けにくい点が投資家にとってのメリットです。

さらに、州政府はエネルギー産業の利益を活用してインフラ整備を進めており、都市部の発展が期待されています。そして漁業も主要な産業であり、サーモンやカニの輸出が盛んなため、港湾施設や加工工場周辺の不動産市場も活発になってきています。

政府の資源管理政策が安定しているため、長期的な投資環境としても魅力的です。

アラスカ不動産投資のデメリット・リスク

アラスカ不動産投資のメリットを先にご紹介しましたが、デメリットやリスクがあることも事実です。以下に解説する3つのマイナス面に気をつけて不動産投資を検討することをおすすめします。

厳しい気候条件

アラスカの冬は非常に寒冷で、建物のメンテナンスコストが高くなる可能性があります。暖房設備の管理や雪害対策が必要になるため、維持費が増加するリスクがあります。

また、冬季の積雪や凍結によって交通インフラが影響を受けることも多く、物流やアクセスの面でも不利な条件が生じる可能性があります。

流動性の低さ

アラスカ州の不動産市場は他の州と比較して流動性が低く、物件の売却に時間がかかる可能性があります。特に都市部以外では買い手が限られるため、投資資金の回収に時間がかかることも考慮すべき点です。

さらに、州外の投資家にとっては遠隔地での物件管理が難しく、適切な管理会社を見つけることが重要になります。

限られた賃貸需要

人口が少なく、特定の地域以外では賃貸需要が少ないため、投資先の選定が重要です。観光地や州都アンカレッジなど、需要の高い地域に限定した投資が推奨されます。

また、州の経済が特定の産業に依存しているため、産業の衰退が地域経済や住宅市場に大きな影響を与える可能性があります。

アラスカのおすすめ投資エリア3選

アラスカといっても、様々な特色のエリアが点在しています。今回はアラスカでおすすめの不動産投資エリアを3つピックアップしてご紹介します。

1. アンカレッジ

アンカレッジはクック湾の入り江に面し、山脈にも囲まれたロケーションで、自然と都市が調和した美しい風景を作り出しています。そしてその美しさから、過去に全米都市賞を何度も受賞している町です。

同じアンカレッジ市内でも、標高の違いや、海に近いか山に近いかで気候が大きく異なり、エリアによって、約1ヶ月も冬の長さが違うと感じる人もいるようです。

アラスカ州最大の都市であり、州の経済の中心地として機能しています。人口の約40%が集中しており、商業施設や医療機関、教育機関が充実しているため、住宅需要が安定しています。

観光業も盛んで、クルーズ船の発着地としても知られており、ホテルや短期賃貸物件への投資も有望です。また、アンカレッジ国際空港があることで物流の拠点としての役割も果たしており、商業不動産の投資機会も豊富にあります。

2. フェアバンクス

アラスカ州内陸部に位置し、オーロラ観測の名所として世界的に有名な都市です。冬季には多くの観光客が訪れ、ホテルや民泊ビジネスの需要が高いエリアとなっています。

さらに、アラスカ大学フェアバンクス校があるため、学生向けの賃貸市場も安定しており長期的な賃貸投資も可能です。

内陸部に位置するため、厳しい冬季の気候に適応した建築や管理が求められますが、それをクリアすれば安定した収益を見込めるエリアです。

3. ジュノー

アラスカ州の州都でありながら、道路で他の都市とつながっていない珍しい都市です。そのため、交通手段は船か飛行機に限られますが、政治・行政の中心地であるため政府関連の雇用が安定しており、賃貸需要も高い傾向にあります。

また、ジュノーは観光業も盛んで、特にホエールウォッチングや氷河観光で知られています。観光シーズンには多数のクルーズ船が寄港し、宿泊施設や商業施設の需要が増加するため、投資家にとっては魅力的な市場となります。

まとめ

アラスカ州の不動産投資は、不動産価格の安さや観光需要の高さといったメリットがある一方で、流動性の低さや厳しい気候といったリスクも存在します。

特にアンカレッジ、フェアバンクス、ジュノーといった主要都市では投資の可能性が高く、適切な物件選びと管理体制を整えれば、安定した収益が期待できます。

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