資産運用の方法のなかでも不動産投資は、不労所得を狙う方に適しています。安定した収益が実現しやすく、サラリーマンの副業としても始めやすい投資です。

一方で、不動産投資で不労所得を目指すにあたって、注意しておきたい点も多くあります。成功させるポイントも参考にしながら、不動産投資での不労所得を達成しましょう。

不動産投資が不労所得におすすめな理由とは?

そもそも、不動産投資は、なぜ不労所得を実現しやすいと言われているのでしょうか。ほかの資産運用方法にはない不動産投資の特徴を紹介します。

安定した家賃収入を得やすい

不動産投資は、不労所得を得る方法のなかでも、安定した収益を狙いやすい方法です。たとえば、株式投資で不労所得を狙う場合、株価の変動に伴い損失を被るリスクがあります。

一方で、不動産は価格変動が少なく、安定的に収益を得られる資産です。衣食住に欠かせない要素の1つであり、居住者が決まりさえすれば長期に渡って収入を得られるチャンスを期待できます。また、不動産投資ローンを返済し終えたあとは、家賃収入がそのまま不労所得となります。

多額の自己資金を用意する必要がない

一般的に不動産投資を始めるにあたって、多額の自己資金を準備する必要がありません。というのも、金融機関から不動産投資専用のローンを借入し、不動産の購入資金に充てられるためです。

ローンを組むことで捻出費用を抑えられることから、早い段階で不動産投資を始められることや、自己資金だけでは購入が難しい物件への投資などが可能です。ただし、資金繰りが悪化しないように、自己資金とのバランスを考えながらローンを組むようにしましょう。なお、海外不動産投資の場合、ローンの借入は難しいです。

税金対策につなげられる

不動産投資は、節税対策にも効果的です。たとえば、不動産の減価償却費を経費と計上することで不動産所得を抑えて、損益通算による所得税の節税を期待できます(海外不動産の損益通算は不可)。

また、不動産投資で売却益を狙う場合、5年と1日以上の保有(長期譲渡)で譲渡税の税率が低くなるという節税対策もあります。下記の記事も参考にしながら、不動産投資の税金対策も考えておきましょう。

不動産投資で税金対策は可能?節税の仕組みをわかりやすく説明

不動産投資で不労所得を狙う人によくある失敗事例

不動産投資で不労所得を目指す際には、失敗しないように注意することが大切です。よくある失敗事例を参考にし、どういった点に注意するべきかを考えておきましょう。

危険エリアの不動産購入

不動産投資で不労所得を狙う方でよくある失敗例に、危険エリアにおける不動産購入が挙げられます。危険エリアとは、主に「人口減少に伴う賃貸需要が低いエリア」、「日常生活における利便性が低いエリア」、「自然災害が発生しやすいエリア」などです。

危険エリアの不動産に投資しても、安定的に不労所得を獲得することが難しく、不動産投資自体が失敗につながる危険性があります。事前に危険とされるエリアを調査し、入居者が長期的に住みたいと思えるような不動産を購入します。

急速な物件数の拡大

不労所得を狙ううえで、急速な物件数の拡大には注意が必要です。高い収益を確保するためには、複数の不動産を購入し、投資事業を積極的に進めていかなければなりません。

しかし、不動産投資による収益拡大を急ぐあまり、リスクを軽視した結果、損失が膨らむ危険性があります。専門家とも相談しながら、不動産投資の計画をじっくりと考えるようにしましょう。

不動産の売却先が見つからない

家賃収入だけでなく、不動産売却による譲渡益による不労所得を狙っている方は、売却先が見つからないとならないように注意しましょう。不動産は流動性が低く、売却したいときに売り手が見つからないことがあります。

将来的な売却先を見越して、上記で解説した危険エリアにおける不動産購入を控えるようにします。また、積算評価と呼ばれる「土地と建物の価値」が評価され、どれくらいの担保価値があるのかが判断されます。このときに、担保価値が低すぎると、金融機関からの融資が限定的となり、高額な自己資金を必要とすることから、購入可能な層も限られてしまいます。

アパート・マンションの劣化に伴う多額の修繕費

購入したアパートやマンションが劣化することで、多額の修繕費がかかる恐れがあります。また、オーナーである自分自身で劣化状況の確認や、リフォーム会社とのやり取りなど、想定外の手間がかかってしまいます。

不動産投資における不労所得を目指すためには、安定的な収益の確保と、時間的損失の回避を意識しなければなりません。不動産購入時に、設備の状態や劣化具合をしっかりと確認しておきましょう。

オーナーチェンジ物件でのトラブル

オーナーチェンジ物件とは、賃貸での入居者がすでにいる状態で、不動産の所有権のみを移行する取引形態です。新しくオーナーになる側にとって、入居者を探す必要がなく、すぐに家賃収入を得られるのがメリットです。

手間をかけずに不労所得を狙える方法ですが、物件の状態を確認できないことや、入居者とトラブルに発展する可能性があります。オーナーチェンジ物件で不動産投資を始める際には、契約内容を十分に確認することを推奨します。

不動産投資で不労所得を成功させるポイント

不動産投資で不労所得を実現するためにも、失敗事例を踏まえたうえで成功方法を参考にしてみてください。安定した収益達成に向けて、事前準備を徹底しましょう。

不動産投資のリスクを調べる

不動産投資で不労所得を狙う際には、不動産投資でよくあるリスクを調べるようにしましょう。具体的には、空室リスクや、家賃下落リスク、不動産価格の下落リスク、自然災害リスクといったリスクが挙げられます。

とくに、日本の景気悪化や人口減少が予想されるなかで、将来的に不動産価格が下落する可能性があります。日本国内だけでなく、経済成長が著しい新興国の不動産にも注目してみてください。

利回りを入念に計算する

不動産投資による不労所得を成功させるためには、利回りの計算も重要です。一般的に、不動産投資の利益は表面利回りで計算されますが、表面利回りには経費が含まれていません。

不動産管理費用や物件の修繕費などが含まれていないので、想定していた利回りを得られない可能性があります。安定した不労所得を狙う方は、不動産購入時と不動産運用時の経費を含めた実質利回りを計算して、正確な利回りを把握することを推奨します。

不動産管理会社と連携する

不動産投資で不労所得を狙う方は、効率的に運用するようにしましょう。たとえば、不動産管理会社と連携することで、入居者の手続きや、トラブルが発生したときの対応、入居者の募集などを代行してくれます。

とくに、サラリーマンの方や、不動産投資以外の事業を行っている方であれば、不動産管理会社を活用し、時間的な余裕を生み出すことが可能です。管理会社への手数料がかかりますが、不労所得を実現するにあたって重要なポイントと言えます。

区分マンション投資で不労所得を狙う

区分マンション投資とは、マンションを1部屋単位で購入し家賃収入を得ることです。マンションを1棟まるごと購入する投資方法よりも、空室リスクを軽減させられるため、安定した不労所得を狙えます。

また、区分マンション投資であれば、初期費用も安く済ませられるので、金銭的なリスクを抑えながら不労所得を実現できます。

海外不動産にも注目する

日本経済の鈍化や人口減少が危惧されているなかで、海外不動産への投資も検討してみてください。とくに、東南アジア諸国は、目覚ましい経済発展を遂げており、将来的な不動産価格の上昇を期待できます。

また、労働生産人口と呼ばれる15~64歳の人口増加も著しく、家賃収入を狙いやすいのが特徴です。たとえば、カンボジアでは、2020年現在、労働生産人口と呼ばれる15~64歳の割合が51%と最も高く、2030年に66%にまで上る予測があります(※1)。

まとめ

不動産投資は、安定的に家賃収入を得られることや、管理会社に事務作業を任せられることから、不労所得を狙いやすい投資手法です。また、金融機関から不動産投資用のローンを借り入れることで、初期費用を抑えながら投資を行えます。

一方で、不動産投資による不労所得を目指すにあたって、注意点にも気をつける必要があります。資産運用や不動産投資に詳しい専門家とも相談し、リスク対策を講じるようにしましょう。

※1:経済産業省「医療国際展開カントリーレポート新興国等のヘルスケア市場環境に関する基本情報カンボジア編