将来的な社会的な不安定さから、本業の給与以外に不労所得による収入源を作りたい方も多いでしょう。しかし、不労所得生活をすぐに実現することは難しく、最初のうちは労働も必要となるケースがあります。

そこで、不労所得生活を実現するための方法を丁寧に解説します。不労所得の種類や、作り方も併せて紹介しているので、最後までご覧ください。

不労所得生活とは

不労所得生活とは、労働の対価として支払われるお金以外の収入で生活することです。具体的には、株式投資の配当金や、不動産投資の家賃収入などが不労所得に該当します。

効率的に資産運用を進めるためには、安定的に収入を得ることが重要です。しかし、サラリーマンの方が、本業以外の仕事を複数同時に行うのは、体力的にも時間的にも難しいです。そこで、不労所得の仕組みを作り出し、労働しなくても安定した収入を得られます。

主な不労所得の種類

不労所得生活を実現するには、安定的に収入を得られる方法を取る必要があります。多くの方法があるなかでも、注目されている不労所得の作り方を5つ紹介します。

株式投資

株式投資とは、証券会社を介して株を売買することで、配当金や売却益を得る方法です。たとえば、株価1000円の銘柄を500株購入し、1300円まで株価が上昇したあとに全株売却すれば、(1300円-1000円)×500株=15万円の売却益を得られます。

このように、労力をかけずに多額の収益を狙える株式投資ですが、株価下落に伴う損失につながる危険性もあるので注意が必要です。

投資信託

次に、投資信託は、株式投資と異なり、プロのファンドマネージャーが運用します。投資家から集めた資金を運用し、成果に応じて報酬が得られるものです。

また、投資信託はリスク分散にもメリットがあります。テクノロジー企業に投資する商品や、エネルギー系の企業に投資する商品、さらには債券を集めた商品など、社会・経済状況に合わせて投資を行えます。

印税収入

印税とは、本の著者や、楽曲を作った作曲家といった著作者に支払われる対価のことです。一般的に、印税収入は10%と言われており、1000円の本が1000冊売れれば、10万円を印税として受け取れる計算です。

なお、電子書籍も印税収入の対象であるため、副業や趣味で本を書いて印税収入を狙えます。印税が発生するまでに時間を要しますが、クリエイティブな作業が好きな方におすすめの方法です。

広告収入

とくに注目を集めている不労所得を狙う方法として、広告収入が挙げられます。自身が立ち上げたWebサイトやブログに広告を掲載し、広告がクリックされたり、広告の商品が購入されたりすると、広告主から報酬を受け取れるという仕組みです。

また、動画媒体を介して広告を発信し、広告収入を獲得する方法もあります。広告を配信するコンテンツの作成に手間や時間がかかりますが、半永久的にWeb上に残るため、継続して不労所得を得るチャンスがあります。

不動産投資

安定的に不労所得を狙いたい方は、不動産投資も検討してみてください。不動産投資は、物件を他人に貸して家賃収入を得る方法と、不動産を売却して収益を得る方法があります。

とくに、前者の家賃収入は入居者が見つかりさえすれば、安定して収入源を確保できます。減価償却費計上による損益通算や、その他経費を計上することで、節税対策を講じやすいのもメリットです。

【金額別】不労所得の作り方

さまざまな不労所得の種類を紹介しましたが、すぐに不労所得だけで生活を送れるとは限りません。不労所得生活を始めても、最初はなかなか稼げない可能性があります。初心者の方でも実践しやすいように、金額別で不労所得の作り方を解説します。

不労所得で月5万円稼ぐ方法

不労所得で月5万円を狙っている方は、アフィリエイトを含む広告収入や印税収入を検討してみてください。

アフィリエイトは、ブログやYouTube上で広告主の商品を紹介し、購入に至った場合に報酬を受け取れる方法です。基本的に、初期費用をかけずに始められるほか、損失につながる危険性も少ないのがメリットです。

ただし、広告収入の項目でも解説したとおり、アフィリエイトと印税収入は、コンテンツを作成する手間や時間がかかるため、不労所得生活と言いにくい部分があります。とはいえ、一度コンテンツを作成すれば、半永久的にWeb上に残るので、将来的に何もしなくても収益確保のチャンスを広げられます。

不労所得で月10万円稼ぐ方法

月10万円の不労所得を稼ぐには、株式投資にも挑戦してみてください。一般的に、株式投資の平均利回りは5%ほどと言われており、ある程度まとまった資金で運用すれば、安定した収益を得られる可能性があります。

また、同時に、不動産投資も検討してみましょう。日本国内における不動産投資の平均利回りは、場所にもよりますがおおよそ3〜5%です。不動産投資と株式投資などを組み合わせて運用することで、月10万円の不労所得生活に近づけられます。不動産と聞くとハードルが高く感じることもありますが、海外不動産であれば1000万円台で購入可能な物件もあります。

不労所得で月20万円稼ぐ方法

不労所得で月20万円を稼ぐとなると、資産運用におけるノウハウや、それなりの資金を用意する必要があります。広告収入や株式投資、投資信託などで手元の資金を増やしていき、高利回りの投資商品で資産運用を始めるのも選択肢に挙げられます。

たとえば、3000万円で年間利回り7%の商品を複利運用する場合、1年後に210万円、10年後に2901万円、20年後に8609万円といった形で不労所得を得られます。また、5000万円で年間利回り5%の商品を運用すれば、1年後に250万円、10年後に3144万円、20年後に8266万円の不労所得を手に入れられます。また、資金に余裕があれば、国内・海外不動産への投資も検討してみてください。

下記の記事も参考にしながら、不労所得を得るために資産運用を始めてみましょう。

3000万円の資産運用におすすめの方法とは?予想利回りや運用時の注意点

5000万円で始める資産運用シミュレーションを紹介!セミリタイアは可能?

不労所得で月30万円稼ぐ方法

月30万円の不労所得を得るためにも、ヘッジファンドや不動産投資といった高い利回りの商品への投資が必要です。また、国内不動産だけでなく、海外不動産も選択肢の1つとして検討してみてください。

とくに、東南アジア諸国は各国の経済成長や人口増加とともに、不動産価格の上昇を期待できます。国ごとに多少異なりますが、6〜7%の利回りを得られる物件もあります。(※1)

海外不動産投資の国別利回りランキング!おすすめの国はどこ?

不労所得生活の注意点

不労所得生活を行ううえで、注意しなければならないことがあります。トラブルが起こらないようにするためにも、次の注意点を参考にしておきましょう。

不労所得分の確定申告が必要

不労所得生活で得た所得に関して、確定申告が必要です。所得が20万円以下の場合であれば確定申告は不要ですが、各市町村で住民税の申告を済ませなければなりません。

仮に、確定申告を怠った場合は、税務署からの調査を受ける可能性が出てきます。最悪の場合、脱税行為と見なされ、追徴課税や刑事罰に課せられる危険性もあります。

会社で副業が禁止かどうかを確認する

本業をしながら不労所得を狙いたいという方は、勤務先の会社が副業を禁止にしているかを確認してください。不労所得とはいえ、本業とは別に発生している所得に関して、会社の規定で認められない場合があります。

また、不労所得が増えすぎると、住民税が大きく変動することから、会社側から指摘を受ける可能性があります。副業が容認されている企業でも、念の為に報告をしておきましょう。

主婦の場合は扶養が外れる可能性がある 

主婦の方で不労所得を得ている場合、配偶者の扶養から外れる可能性があります。まず、不労所得の年収が100万円を超えると住民税、103万円を超えると所得税が課せられます。

そして、不労所得が130万円を超えた段階で、夫の扶養から外れ、国民健康保険や国民年金に加入が必須です。主婦の方は税理士にも相談したうえで、不労所得生活を行うようにしましょう。

まとめ

不労所得生活の実現は、すぐに達成できるものではなく、コツコツと成果を作ることが重要です。さまざまな資産運用方法があるなかで、自分にとって安定的に収入を得やすい方法を選びましょう。

ただし、不労所得生活を目指す際には、注意点もしっかりと押さえておきましょう。本記事を参考にしながら、どのように不労所得生活を実現できるかを考えてみてください。

※1:Asian Development Bank「Cambodia: Economy