イギリスで不動産投資にチャレンジしてみたいけれど、税金面や利回りがどれくらいになるのか気になる方も多いのではないでしょうか。外国人による不動産の購入規制が緩いと言われる一方で、デメリットにも注意しなければなりません。
本記事では、イギリスの不動産投資に関するメリット・デメリットを解説します。さらに、イギリスの不動産投資に迷われている方向けに、今後の経済発展が見込まれる新興国の不動産も紹介しているので、投資先をじっくりと比較してみてください。
イギリスで不動産投資をするメリット
イギリスは、外国人投資家への不動産購入規制が少なく、日本人の方でも不動産投資でメリットを得られる国です。どのようなメリットがあるのかを踏まえたうえで、今後の検討材料にしてみましょう。
イギリスの不動産価格が上昇傾向にある
イギリスの不動産価格は、最近10年間で上昇傾向にあります。イギリス政府発表の「UK House Price Index: March 2022」によると、2022年3月の住宅価格は、278,000ポンド(約4,500万円※)でした。2021年の3月と比較して、24,000ポンド上昇する結果となりました。
また、2022年3月を基準とした過去1年間で、イギリスの不動産価格は平均9.8%上昇しています。新型コロナウイルスの感染拡大で、一時的に不動産価格が下落したものの、過去16年間のなかでも高い数値が出ているのが現状です。(※1)
※ : 1ポンド=162円で計算
イギリスの不動産価格が上昇傾向にある
イギリスは、海外からの留学生が多い国で、賃貸物件として家賃収入を得られるのもメリットです。高等教育統計局(HESA)の調べた調査によると、2020年から2021年にイギリスに留学した学生数は、605,130人に上りました。(※2)
2021年の日本国内における海外留学生数は242,444人であったことから、イギリスの海外留学生数は約2.4倍にも及びます。学生数が非常に多いことから、賃貸需要の投資にも魅力があります。(※3)
法整備による安全な不動産投資が可能
イギリスは、不動産に関する法整備も進んでいるのが特徴に挙げられます。新興国のなかには、法整備が進んでいない国も多く、契約時や売却、税金などでトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。
一方、イギリスでは、不動産の取引時に「ソリシター(Solicitor)」と呼ばれる弁護士が、買主・売主の双方に付きます。そして、イギリスの法律に基づき、不動産購入の手続きや本人確認、マネーロンダリングといった厳しい審査をクリアし、最終的に購入に至ります。買主・売主が同じ目線で購入プロセスを進められるため、外国人でも安全に投資しやすいのがメリットです。
イギリス不動産投資のデメリット
外国人でも投資しやすいイギリスの不動産ですが、購入時に注意しておきたいこともあります。トラブルや損失を防ぐためにも、不動産投資を始める前に、次の4つの注意点を把握しましょう。
イギリス経済の先行きが見通しにくい
1つ目に注意しておきたい点は、イギリス経済の先行きが見通しにくいことです。すでに解説したとおり、不動産価格は上昇している一方で、イギリスの経済成長は鈍化傾向にあります。
コロナ禍真っただ中の2020年のGDP成長率は、-9.4%まで落ち込みました。そこから、2021年に7.5%まで上昇するも、2022年以降は3%台から1%台まで下がることが予測されています。経済成長の停滞が不動産価格に直結するとは限りませんが、1つの指標として頭に入れておくようにしましょう。(※4)
イギリスの不動産売買は英語を使ったコミュニケーションが必要
次に、イギリスで不動産売買を行う際には、基本的に英語が必要です。イギリスの公用語は英語であり、人と人とのコミュニケーションだけでなく、不動産の契約書や公的な書類も英語で記入しなければなりません。言語が苦手な方にとって、単独でイギリスの不動産を購入するとなると、ハードルが高くなる恐れがあります。
銀行口座の開設と融資の借り入れが難しい
イギリスの銀行口座開設は、非居住者の外国人の場合、ほぼ不可能であるという認識で問題ありません。
次に、融資の借り入れについても、金融機関の口座を持っていないことから難しいと考えてください。また、日本の金融機関から、海外不動産購入に関する融資を借り入れることも難しいため、基本的に現金を用意することとなります。
イギリス不動産投資の表面利回りはそこまで高くない
イギリスの表面利回りは、おおよそ3〜4%です。世界各国の生活に関するデータを発信するNumbeo社の調べでは、2022年のイギリス不動産の利回りは3.86%との予測が出ており、新興国と比較するとそこまで高い数字ではありません。
一方、東南アジアの不動産は、利回りが6〜7%にまで上る物件もあります。利回りを狙いたい方は、東南アジアの不動産もご検討ください。(※5)
イギリスの不動産投資情報に詳しい会社を探す手間がかかる
途上国と比較して法整備が整っている点が、イギリス不動産投資の安心材料と言えます。とはいえ、英語でのコミュニケーションが必要なことや、現地の不動産情報を入手するにあたって、イギリスの不動産に精通した会社を探すことも大切です。
とくに、不動産の会社選びで重視したいのが、現地法人を設立しているかどうかです。最新の不動産情報が入手しやすいだけでなく、英語によるコミュニケーションのサポートや、投資に最適な不動産を紹介してくれるので、スムーズに不動産投資を始められます。
なお、当社は、マレーシアとカンボジアに現地法人を設立しています。今後、マレーシアやカンボジアを含む東南アジアで不動産購入を検討する際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。
イギリス不動産投資に関する税金の種類
イギリスの不動産投資では、主に「土地印紙税」、「所得税」、「キャピタルゲイン税」、「カウンシル税(Council Tax)」が課せられます。とくに、不動産売却時のキャピタルゲイン税が高い点に注意が必要です。
キャピタルゲイン税
キャピタルゲイン税とは、不動産売却時に課せられる税金です。売却額に応じて税率が変わりますが、基本的には売却益に対して18%が課税されます。
土地印紙税
土地印紙税は、日本における不動産取得税にあたるものです。物件価格に応じて、0〜12%の税金が課せられます。
賃料の所得税
日本と同様に、イギリスでも累進課税が採用されています。以下のとおり、所得額に応じて税率も高くなります。
所得額 | 税率 |
---|---|
~£11,000(約180万円) | 税率0% |
~£43,000(約700万円) | 税率20% |
~£150,000(約2,400万円) | 税率40% |
£150,001 ~(約2,400万円)以上 | 税率45% |
カウンシル税(固定資産税)
カウンシル税は、固定資産税に近いもので、イギリス国内の不動産に居住する限り支払わなければならない税金です。ただし、購入した不動産に別の入居者がいる場合は、入居者が支払います。一方、入居者がいない場合には、非居住者でも不動産を購入した人物が支払う必要があります。
不動産投資におすすめの国
イギリスは、不動産価格が高く、融資の借り入れも難しいことから、相当の資金力が必要となります。「海外不動産は資金がないと難しいのか」と思われる方もいるかもしれませんが、東南アジアであれば、イギリスの不動産よりも安く購入できます。経済成長が著しい東南アジアのなかでも、不動産投資におすすめの国を紹介します。
カンボジア
近年、カンボジアは、目覚ましい経済成長を遂げています。2020年は、新型コロナウイルスの影響で-3.1%まで落ち込んだものの、2021年は3.0%まで回復しました。さらに、2022年には5.3%、2023年は6.5%まで上昇することが予測されており、経済成長に伴い、不動産価格の上昇も期待できます。(※6)
また、カンボジアは、非居住者の外国人でも銀行口座を開設できるほか、米ドルでの不動産売買に対応しています。資産運用の面でも、為替リスクへの安全性にメリットがあります。
フィリピン
カンボジア同様に、フィリピンも経済成長が続いています。2020年のGDP成長率は、-9.6%まで下がりましたが、2021年には5.6%まで回復しました。また、2022年には、1人当たり国民総所得(GNI)が4,046~1万2,535ドルに値する「高中所得国入り」を見込んでいます。(※7)
フィリピンの不動産は、600万ペソ(約1,500万円)ほどで購入可能な物件も多く、融資を受けられにくい一方で、金銭的な負担を抑えやすいのがメリットです。
マレーシア
マレーシアの不動産は、利回りだけでなく、キャピタルゲインを狙いやすいのも特徴です。コロナ以降の2021年に、GDP成長率を3.1%記録し、2022年も5.3~6.3%までの上昇が見込まれています。(※8)
また、マレーシアは、片道6〜7時間ほどのフライトで移動できるため、実際に街の様子を見に行きやすい国です。日本人が移住したい国にも14年連続でNo.1に選ばれており、移住目的で不動産を購入する方もいます。
まとめ
イギリスの不動産は、外国人でも比較的購入しやすいのがメリットです。しかし、利回りがあまり期待できないことや、イギリス経済の先行きが見通しにくいこと、イギリス現地に精通した不動産会社を探す手間がかかるなど、注意するべき点が多くあります。
そこで、日本からも訪れやすい東南アジアの不動産がおすすめです。今後の経済成長や人口増加に伴い、不動産価格の上昇が期待されています。
当社は、マレーシアとカンボジアに現地法人を設立し、お客様の不動産投資をサポートしています。東南アジアの不動産にご興味がある方は、この機会にぜひお問合せください。
出典一覧
※1:イギリス政府「UK House Price Index: March 2022」
※2:イギリス高等教育統計局HESE「2020/21 - Where students come from and go to study」
※3:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)「2021(令和3)年度外国人留学生在籍状況調査結果」
※4:Statista「Forecasted annual growth of gross domestic product in the United Kingdom from 2000 to 2026」
※5:Numbeo社「Europe: Gross Rental Yield City Centre by Country 2022」
※6:Asian Development Bank「Cambodia: Economy」
※7:JETRO「2021年の経済成長率は5.6%、2022年の高中所得国入りを見込む」
※8:JETRO「2022年のGDP成長率は5.3~6.3%、中銀が予測を下方修正」
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