2021-07-12

マレーシアで不動産を購入する方法!おすすめ物件も紹介

  • 海外不動産コラム

日本人でも、マレーシアで不動産を買うことはできます。

他の東南アジアの国と比較すると「規制がゆるい」と言われることもありますが、意外と複雑なのがマレーシアの不動産。

地域ごとに物件の最低購入価格が定められていたり、長期滞在ビザ「MM2H」の有無で条件が異なるなど、必ず知っておくべきポイントを解説します。

マレーシア不動産の購入で外国人が知っておくべき4つのルール

日本人がマレーシア不動産を購入する前に把握しておきたい、外国人向けの規制について解説します。

1.外国人が購入できる物件は、「原則RM60万(約1,550万円)以上」

マレーシアの連邦政府は、外国人が購入できる物件を、原則RM60万(約1,550万円)以上に限定しています。

物件の最低購入価格はもともとRM100万(約2,700万円:RM1=27円換算)でした。しかし、マレーシアではコンドミニアムやアパートメントが供給過剰状態で、売れ残り不動産の処理が社会問題化しています。問題解決の一環として、外国人による不動産の購入を促すべく最低購入価格が引き下げられました。ただし、物件の最低購入価格は、次の3つの条件によって変動します。

変動要素(1)購入物件がどの州に属しているか

マレーシアには、3つの連邦直轄領と13の州があり、各州政府が自治権を持っています。外国人による不動産の最低購入価格は州政府の決定事項です。このため、不動産の最低購入価格は物件が立地する州によって異なっています。

なお、日本人に人気の首都クアラルンプールは、連邦直轄領なので原則のRM60万(約1,550万円)以上が購入の条件です。

変動要素(2)物件の所有者は誰か

マレーシアでは、不動産の所有権が、「フリーホールド(永久所有権)」と「リースホールド(定期借地権)」の2つに大別されます。フリーホールド(永久所有権)は、土地と建物の両方を取得・登記できるものです。所有権がフリーホールドの場合、オーナーは永久的に不動産を所有できます。

一方、リースホールド(定期借地権)は、日本でいう不動産借地権のことで、不動産を所有できる期間があらかじめ定められているものです。日本の借地権は25~35年が一般的ですが、マレーシアでは大半の場合に99年と長期で設定します。

期間が長期に渡るため、借地権であっても不動産評価が下がることはなく、所有権と大差ない扱いで取引されています。権利区分としては、借地の管理・所有は行政が行い、事業者が土地を賃貸する形です。

この2種類の不動産所有権に加えて、それぞれの枝となる所有権があります。「マスタータイトル」「ストラタタイトル」「インディビジュアルタイトル」の3種類です。

1つ目の「マスタータイトル」は、建設中にデベロッパーが所有している土地を含めた物件全体の所有権のことです。

2つ目の「ストラタタイトル」は、分譲された居住スペース(土地なし)の所有権を指しています。マスタータイトルが分割されて、ストラタタイトルになる流れです。

3つ目の「インディビジュアルタイトル」は、土地付の戸建て物件の所有権を指しています。

マレーシア不動産投資に多いコンドミニアムでは、マスタータイトルとストラタタイトルが用いられることが大半です。所有権の種類によって最低購入価格が変わります。エリアと所有権の種類をもとに物件の最低購入価格を一覧化すると、以下の表のようになります。

図:所有権ごとの最低購入価格

州/地域
最低購入価格:土地付戸建て
最低購入価格:分譲
ジョホール
RM 100万
RM 100万
メディニ地区
最低購入価格なし
最低購入価格なし
クアラルンプール
RM 100万
RM 100万
ケランタン
RM 100万
RM 100万
ケダ
RM 60万
RM 60万
ラブアン
RM 100万
RM 100万
マラッカ
RM 100万
RM 50万
ネゲリ・スンビラン
RM 100万
RM 100万
ペリス
RM 50万
RM 50万
ペラ
RM 100万
RM 100万
パハン
RM 100万
RM 100万
ペナン島
RM 180万
RM 80万
ペナン本土
RM 75万
RM 40万
プトラジャヤ
RM 100万
RM 100万
サバ
RM 75万
RM 50万
サラワク
RM 50万
RM 50万
セランゴール*


購入不可

エリア①
RM 200万
エリア②
RM 200万
エリア③
RM 100万
トレンガヌ
RM 100万
RM 100万

エリア①ペタリング、ガンバク、フル・ランガット、セパン、クランエリア
エリア②クアラ・ランガット、クアラ・セランゴールエリア
エリア③サバッ・ブルナム、フル・セランゴール 

表から分かる通り、ジョホールのメディニ地区では物件の最低購入価格がなく、一方でペナン島では、Individual Titleの場合、最低購入価格がRM180万と通常の2倍となっています。

変動要素(3)長期滞在ビザ「MM2H」を保有しているか

「MM2H」は、年齢制限なくマレーシアに10年滞在できる長期滞在ビザで、更新も可能です。MM2Hの有無によって物件の最低購入金額が変動します。たとえば、ペナンではMM2H所有者は物件の最低購入金額が引き下げられます。

図:MM2H保有によって異なる最低購入価格一覧 

州/地域
最低購入価格:MM2H保有者
ペナン
RM 50万 (最大2物件まで)
ジョホール
物件によって異なる
ケダ
制限なし
ペラ
RM 35万
サラワク
RM 30万

ペナン州では、MM2H保持者はRM50万から物件を取得できます。また、ケダ州ではMM2H取得者に対して最低購入価格の規制が適用されません。

2.州政府から「外国人取得合意」を得る必要がある

マレーシアで外国人が不動産を購入する場合、購入物件の位置する州政府から許可を得なければなりません。

具体的には「外国人取得合意(State Consent)」という許可証を取得します。現地の弁護士を通じて州政府に申請すれば、申請から2~3カ月程度で許可証を入手可能です。手数料は3万円程度です。なお、長期滞在ビザのMM2Hを持っている人は、申請が免除されます。

3.外国人が購入できる土地と、購入できない土地がある

東南アジアでは、外国人による土地の購入や所有を認めていない国も少なくありません。たとえば、タイやフィリピン、カンボジアなどでは、コンドミニアムは購入できても、土地付きの戸建ては原則として購入できません。

しかし、マレーシアでは外国人も土地付きの戸建てを購入可能です。これは、2006年の法改正で実現しました。ただし、外国人はどこの土地でも購入できるわけではありません。

たとえば、マレー人保留地やマレー優先政策である「ブミプトラ」で定められた関係者の所有する土地などは、外国人が購入できないと定められています。

4.長期滞在ビザMM2Hを保有している場合は、住宅ローンの条件が変わる

長期滞在ビザのMM2Hを保有していると、物件の最低購入金額が下がる場合があると解説しました。MM2Hの保有者は、物件購入価格に関する規制の緩和に加えて、現地の銀行で住宅ローンを組む場合、MM2Hの非保有者よりも有利な条件で組めるメリットもあります。

たとえばMM2Hを持っていない外国人は、融資限度額が物件価格の50%で利率4.5%などの条件となるのが一般的です。その一方で、MM2H保有者の外国人は、融資限度額が物件価格の60%~70%となり、利率もマレーシア人と同等レベルになります。

マレーシア不動産購入のポイント:ジョホール州とペナン州には特例がある

ジョホール州とペナン州で物件を購入する場合は、他の州とは違った特例が適用されます。

ペナン州の特例

マレーシア屈指のリゾート地を擁するペナン州では、最低購入価格と規制の内容が特徴的です。物件の最低購入金額については、MM2Hの保有有無によって2倍近い差があります。

「MM2H」を持っている

最低購入金額/RM50万

「MM2H」を持っていない

最低購入金額/RM100万(戸建てRM200万)

 
また、次のような特例もあるので、注意しましょう。
・購入時に課税売買代金の3%を支払う
・購入する物件がペナンの経済にとってメリットがある場合(オフィス用物件等)は免除される。
・外国人物件取得の許可申請にRM1万を支払う
・3年間は物件の転売ができない

ジョホール州の特例

シンガポールと隣接し、イスカンダル計画という国家プロジェクトでも知られるジョホール州も、外国人投資家が集まりやすいことから、以下の2つの特例を設けています。
・物件の売買代金の2%、あるいはRM2万のどちらか高い額を支払う
・メディニ地区では最低購入価格の制限がない

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マレーシア不動産購入のポイント:日本と異なる4つの点

物件の所有権や最低購入価格の規制以外で、マレーシア不動産の購入に関して日本国内と異なる点を解説します。

1.不動産仲介手数料に法定の上限がない

日本国内では、不動産仲介会社が要求できる仲介手数料は法律で上限が決められています。しかし、マレーシアでは仲介手数料に関する上限が決められていません。マレーシアでは、商習慣に従って手数料を請求されることが多くなります。

大半の場合は売主のみが手数料を負担するため、中古物件を購入する場合は、買主は手数料を支払わないことも少なくありません。しかし、現地の不動産エージェントを利用する場合は、後で不当に高い手数料を要求される可能性も否定しきれないので、事前に確認しておくことが重要です。

2.キャピタルゲインの税率が、日本よりも低い

保有している物件が高く売れた場合、発生した収益に対してキャピタルゲイン税が課税されます。日本もマレーシアも、不動産の保有期間によって税率が異なりますが、日本では5年以内なら39%、5年を超えると20%です。

一方、マレーシアは、5年以内なら30%、5年を超えると10%と、日本よりも税率が低いことが特徴的です。


5年以内
5年超
日本
39%
20%
マレーシア
30%
10%


また、保有期間の数え方について、日本では不動産の引き渡しと同時に所有権を移転し、所有名義が自分の名前に変わったタイミングで保有期間のカウントを開始します。

一方マレーシアにおける所有期間の起算日は売買契約書にサインした日です。つまり、建設工事に2年かかった場合は、工事中の2年間も保有期間に含まれます。したがって、工事に2年かかった場合は、残り3年でキャピタルゲイン税の税率が下がることになります。

3.ランニングコストが、日本よりも格段に安い

固定資産税、管理費、修繕積立金など、物件を保有するとかかる費用をランニングコストと呼びます。日本と比べてランニングコストが非常に安いのがマレーシア不動産投資のメリットです。

固定資産税に関しては、日本だと固定資産税評価額(土地や家屋の地価の70%程度)×標準税率(原則1.4%)で計算します。一方マレーシアでは、100㎡程度のコンドミニアムを所有する場合の固定資産税は、年間1,000RM(約26,000円)が目安です。

日本国内で同じ広さのマンションを買うと、固定資産税だけで年間10万円以上はかかるので、マレーシアのほうが安いことになります。また、修繕積立金という概念はマレーシアにはありません。修繕については、管理会社が管理費の中から支出するため、ランニングコストの総額が、マレーシアでは非常に安くなります。

4.不動産売買契約は、専門の弁護士が担う

日本では、不動産売買契約書の作成など一連の手続きを担当するのは不動産会社です。一方マレーシアでは、契約書の作成や取り交わしは不動産取引を専門としている弁護士が行います。

物件の売買手続きで最も重要な契約に関する部分を法律の専門家に任せられるので、マレーシアでの不動産取引は安全です。

マレーシア不動産を購入する5つのステップ

実際に外国人がマレーシア不動産を購入する手順について解説します。特に重要なポイントは、1番最初に行う不動産エージェントの選定です。

1.不動産エージェントを探して物件情報をもらう

最初に、物件情報の提供と不動産購入手続きを依頼する不動産エージェントを探します。不動産エージェントは現地人と日系不動産会社との2種類に大別されますが、日本人がマレーシア不動産を購入する上では、日系不動産会社を選ぶ方が安全です。

現地人の不動産エージェントは、言語や商習慣の違いなどから、コミュニケーションが難しい点に注意を要します。

2.物件現地を視察する

不動産エージェントから物件情報をもらっておおよその見当をつけたら、可能な限り物件現地を視察するのがおすすめです。現地視察では、机上の情報からは感じ取れない現地の空気感を確認できます。

物件が立地するエリアでは、公共交通機関を利用したアクセスが良いか、現地を往来する人にはどんな人が多いかなど、肌で感じられる情報は物件を選ぶ上で重要です。

3.購入申し込みと売買契約の締結

現地視察を経て物件を絞り込んだら、購入申し込み手続きに入ります。申込金の支払いが必要なケースもあるので、可能であれば現地視察時に銀行口座の開設手続きも済ませるのが理想的です。

売主と物件の売買条件に合意したら、売買契約の締結に移ります。中古物件の場合は特に、売買契約書の作成を依頼する弁護士の選定が必要です。弁護士については不動産エージェントに提案を求めると良いでしょう。

売買契約を締結したら手付金を支払います。手付金は物件価格の10%に設定されるのが一般的です。10%から支払済の申込金を差し引いた残額を送金します。

4.州政府へ物件購入を申請する

物件の売買契約を締結したら、物件が立地するエリアを管轄する州政府に対して物件購入の申請をします。許可の取得には審査の通過が必要ですが、購入物件が1物件のみの場合は特に、審査で否決されることはまずありません。

5.残金の決済と引渡し

州政府からの物件購入許可を取得できたら残金の決済に移ります。売主側で着金の確認が取れたら、物件の鍵や備品などの引き渡しを行います。必要に応じて内装や家具類を整えたら、入居者を募集して本格的な運用開始です。

マレーシアのおすすめ物件3選

日本人が購入できるマレーシア不動産の中でも、おすすめの物件についてご紹介します。

8 Conlay


8 Conlayはマレーシアの首都クアラルンプールの中でも一等地と言える中心部に立地するコンドミニアムです。近隣には大使館もあり、海外では大使館に近いエリアは治安が良いと言われています。そのほか、敷地内には商業施設も併設されるため、生活利便性は非常に高いものです。8 Conlayについては、こちらのページでも詳しくご紹介しています。

Kiara 163 OOAK SUITES


Kiara 163 OOAK SUITESは、クアラルンプールの中でも多くの日本人が居住する、モントキアラの中心部に立地しています。

日本人の現地駐在員や移住者が多いことから、日本人の入居も狙える点がモントキアラで投資するメリットです。周辺エリアは治安が良く、ショッピングモール直結なので生活利便性も高くなっています。Kiara 163 OOAK SUITESについては、こちらのページでも詳しくご紹介しています。

BBCC ルセンティアレジデンス


BBCC ルセンティアレジデンスは、クアラルンプールの中でも高級住宅街として知られるブキッビンタンに立地する高級コンドミニアムです。

本物件の開発には日本のデベロッパーである三井不動産株式会社が参画しており、敷地内には「三井ららぽーとショッピングセンター」が併設される予定になっています。BBCC ルセンティアレジデンスについては、こちらのページでも詳しくご紹介しています。

まとめ

マレーシアで外国人が不動産を購入する場合の規制やルールについて解説しました。最も注意すべき規制は「最低購入価格」です。マレーシアの最低購入価格は原則として60万RM(約1,550万円)となっていますが、不動産の供給過剰が続くと、もう少し下がる可能性もあります。

また、エリアによって規制の内容が異なる点もおさえておきたいポイントです。マレーシア不動産についてさらに詳しく知りたい方は、SEKAI PROPERTYまでお問い合わせください。


玉邑憲一
株式会社BEYOND BORDERSマレーシア支社長
東急リバブル株式会社にて9年の間、幅広い分野の不動産売買仲介業に従事。その後独立し、神戸にて大型収益不動産案件等に携わる。2015年にマレーシアに移住し、現地にて不動産の購入・売却のサポートに従事。大阪府出身。
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