もしもあなたが中国への移住を検討するとしたら、次のことを疑問に思いませんか?
- 中国に移住するメリットは?
- 中国ではいくらくらい生活費がかかるの?
- 外国人がビザを取得するのは簡単なの?
そのような疑問に答えるため、今回は中国に移住するメリットや生活費、移住のためのビザ、おすすめエリアを解説します。
中国に移住する5つのメリット
まずは、中国に移住するメリットについて見ていきましょう。中国に滞在経験がある人の体験談などから、中国移住のメリット5つを紹介します。
物価が安い
経済成長の続く中国では、毎年のように物価も上昇しています。そのため、特に都市部での生活費は、日本で暮らすのとそれほど変わらないか、むしろ高くなるかもしれません。
ただし、それは贅沢な暮らしをした場合です。中国では、光熱費や食費などの生活必需品に関しては、ある程度安い値段で暮らすことができます。その一方で、外食や嗜好品、ブランド品などはけっして安くありません。
貧富の差が拡大しているため、上流の暮らしを望めば生活費は高くなり、当たり前の暮らしを望めば比較的安い物価で暮らすことができるでしょう。
食事がおいしい
中華料理には、宮廷料理のような高級なものから、屋台で食べられる安くておいしい料理までさまざまな種類があります。その多くは日本人の口に合う料理といえるでしょう。
日本国内でも気軽に中華料理を食べられることから、日本人には慣れた味といえます。
それに加えて、同じアジア地域の国同士ということで、食材やその調理方法に類似点もあるでしょう。移住先の国で、その国の食文化を自然に受け入れられるというのは大きいです。
日本から近い
中国は、欧米諸国や南半球の国々と比べて、日本との距離が圧倒的に近いです。この距離の近さは、一時帰国するときなどに大きなメリットとなります。
また、中国は、アメリカに次いで日本人が多く滞在している国となりました。日本企業の進出も活発に行われています。そういったことも関係してか、中国の主要都市から日本への直行便も多いです。
移住先でなにか問題があったとき、一時帰国が容易にできるのは保険になります。
中国文化や歴史好きには宝の山
日本では、三国志などの中国の歴史を元にした物語が、小説、マンガ、映画などで世代を超えて人気です。
そういった歴史絵巻に登場してくる建物が中国にはまだ残っており、紫禁城や万里の長城などの歴史的遺物は保護・保全されています。
今回は、観光ではなく移住計画の話なので、歴史が好きだからという理由だけで移住する国を選ぶことはないかもしれません。
ただ、世界的な大都市での便利な生活と歴史的遺産が同時に存在しているのは、中国の都市や周辺地域の大きな魅力といえるでしょう。
広大な国土を楽しめる
中国には日本とは比べものにならないほど広大な国土があり、それぞれの地域によって民族や文化、言語、歴史、自然環境などが異なっています。
それらは中国の大きな特色となっており、移住者が積極的にその中にはいっていくことで楽しめる部分が多いでしょう。
旅行が趣味の人であれば、移住後に各地をまわるのもおすすめです。沿海部と内陸部では都市の有り様もまったく違います。
シルクロードをたどり敦煌などに向かうのもよいですし、香港やマカオなども中国の他の都市とは趣が異なるでしょう。
中国に移住すると生活費はいくらかかる?
中国に移住すると、どのくらいの生活費がかかるのかは気になります。一つの目安とするために、北京市内で暮らす日本人単身者の1カ月分の生活費を紹介します。
【項目】 | 【費用】 |
---|---|
住居(家賃) | 10万円(1LDKのマンション) |
食費 | 約2万円(ほぼ自炊、たまに外食) |
通信費 | 約2,500円(携帯電話、インターネット) |
水道・電気・ガス | 約2,000円 |
交通費 | 約4,000円(地下鉄) |
合計 | 12万8,500円 |
北京市内で単身者がマンションに住む場合、家賃が10万円というのはけっして安くありません。そのくらい中国の都市部では、家賃や住宅購入費が高止まりしている現状があります。
家賃をもっと削ることは可能でしょうが、住居の設備や治安、衛生面などを考えるとこのくらいが妥当でしょう。
外食は日本並みがそれ以上のお金がかかります。食費が2万円程度でおさえられているのは、自炊を行っているためでしょう。この単身者は、暮らしやすさと生活費のバランスを上手に取っているといえます。
中国の国土は広大なため、生活費についても地域や都市によって違いがでてきます。そこで、日系企業が多く進出している大連市における1カ月間の生活費も見てみましょう。
【項目】 | 【費用】 |
---|---|
住居(家賃) | 9万円(1ベッドルーム) |
食費 | 約8万円(自炊と外出先での飲食を含む) |
通信費 | 約2,500円(携帯電話、インターネット) |
水道・電気・ガス | 約2,000円 |
交通費 | 約2,000円(地下鉄・バス) |
合計 | 17万6,500円 |
こちらが大連市の中心部で暮らす単身者の生活費となります。北京の単身者よりもよい物件に住んでいるため家賃はほとんど変わりません。
通常であれば、北京市よりも大連市のほうがもっと家賃は安くなります。
北京市の単身者がほぼ自炊で生活していたのに比べて、大連市の単身者は外出先で飲食をする機会が多いようです。食費は実に4倍となりました。
北京市に住むことに比べれば、大連市のほうが生活費を安くおさえることは容易でしょう。しかし、外出先での飲食代は高くつくため、生活費が相応に高くなります。
このように、北京のほうが家賃や物価が高い傾向があるにもかかわらず、その生活の仕方によって大連での生活費が同じだったり、むしろ高くなったりします。
中国のどこで、どういった暮らしを求めるのかを、移住前にしっかりと決めておくとよいかもしれません。
中国に移住するのに必要なビザは?
15日以内の滞在であればビザがなくても大丈夫ですが、長期間滞在するにはビザを取得しなければなりません。中国のビザは非常に細かく分類されています。
大きく分けると、定住ビザ、就労ビザ、留学ビザ、観光ビザ、その他となります。その他には、中国国内に住む家族や親族に訪問するためのビザや、国内での交流・訪問・視察などのために取得するビザなどがあります。
すぐに定住ビザを取得できれば話は簡単でしょうが、なかなかそういうわけにはいきません。まずは、就労ビザなどを取得して、中国に滞在しながら定住ビザの条件をクリアすることが一般的です。
Dビザ(定住ビザ)
Dビザは永住居住権を持つ人のビザです。中国への定住を希望する人が申請するのが、このDビザとなります。
Dビザの資格要件を満たすのは簡単ではありません。中国人と結婚したとしても、中国に安定した生活保障と定住所を持ち、婚姻期間と中国での居住期間が5年以上、さらには毎年9カ月以上中国に滞在していなければ、Dビザの条件をクリアできません。
中国への投資に興味がある人であれば、中国への安定した直接投資を3年以上行い、納税も済ませている人が、Dビザ取得の条件となります。
それ以外の条件となると、仕事や学問などで中国への貢献が認められた人などが該当しますが、誰もがクリアできる条件ではありません。
Zビザ(就労ビザ)
定住ビザであるDビザの取得が難しいため、まずは就労ビザであるZビザを取得して、中国滞在を続ける人も少なくありません。
特に、中国人の配偶者がいる人に多いようです。滞在期間や生活保障の目途がたった時点でDビザの申請を行うことになりますが、長い道のりとなることが多いでしょう。
仕事関係の他のビザでは、中国が求める高度人材や専門分野人材が取得できるRビザや、商業貿易業務で中国に入国する人向けのMビザなどがあります。
中国に移住するのにおすすめのエリア
アジア圏の大都市である首都・北京
首都である北京市は人口約2,152万人、政治の中心地であり、経済規模においても上海に次いで第2位の地位にあります。
市内中心部には中国進出を果たしている日系企業も多いです。ビジネスパーソンにとって需要の高い、単身者用の住宅なども多くあります。
しかし、移住するための住宅とすれば、家賃・住宅購入費ともに中国国内でも最高値となるでしょう。敷地面積においても、少し手狭かもしれません。
日本人学校がある麗都エリアには、日本人駐在員が多く住んでいます。家族で暮らせるような住宅を望む場合には、あえて中心部を外して麗都エリアやその隣の燕莎エリア、あるいは郊外などに選択肢を広げることをおすすめします。
日系企業の進出が多い大連
大連市は中国東北部遼寧省に位置し、人口は約600万人です。日本企業の大連への進出は歴史が長く、現在、市中心部には森ビルが建っており、多くの日系企業や日本食レストランが入居しています。
大連市の気候は、春夏秋冬の四季が明確にあることが特徴です。夏期でもっとも暑くなる8月の平均最高気温が27.3度、冬季は1月が平均で-3.9度にまで下がります。夏の暑さも冬の寒さも、それほど厳しいものではありません。大連市の緯度は、日本の仙台市と同じくらいです。多くの日本人には住みやすい気候といえるでしょう。
南国リゾート気分を味わえるアモイ
アモイ市は、中国大陸南東部に位置する福建省の沿岸部にあり、台湾海峡のすぐ向こう側には台湾があります。人口は約373万人、中国の5大経済特区の1つに指定されている都市です。
気候は1年を通して温かく、リゾート地として国内外から多くの観光客が訪れます。
市内ではマンションやアパートの建設が続いていますが、外国人向けの不動産エージェントが少ないため物件選びには苦労しそうです。
アモイ市には日本人があまり多くありませんが、移住先として見た場合に、比較的治安がよくて、気候も穏やかなためおすすめできるエリアといえます。
世界最大の都市重慶
中国内陸部の重慶市は、中国に4市しかない直轄市の1つです。人口は約3022万人、中国だけでなく世界最大の都市として知られています。日系企業の進出も盛んで、自動車メーカー、部品メーカー、総合商社などが挙げられます。
市内には、オフィスや商業施設、アパート、マンションなどがはいった高層ビルが建ち並びます。便利な都市生活をおくれる一方で、少し足をのばせば、長江流域の大自然を楽しむことができるでしょう。数日間かけて長江を下る遊覧船は観光客にも人気です。
重慶市の気候は、盆地のために夏期は高温多湿です。最高気温が40度を超える日もあるでしょう。冬季は比較的温暖ですが、雨や曇りの日が多いため日照時間は少ないです。
中国への移住は段階的に進めよう
中国への移住情報を解説してきましたが、いかがでしたか?外国人でも条件さえそろえば、中国で定住ビザを取得することができます。
それでも、定住ビザを取得するのも、中国で安定した生活をおくるのも簡単ではありません。ひとつひとつ段階を踏んで、慎重に移住計画をすすめましょう。
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