東南アジアを代表するメガシティの「ジャカルタ」、年間を通して世界中から大勢の旅行客が訪れる南国のリゾート「バリ島」。そして、2億7000万人の人口(世界第4位)を誇るインドネシアは、ASEAN経済を支える巨大市場でもあります。

しかし、世界的に経済成長が進んでいる裏で、インドネシアの不動産投資に関する情報がなかなか入ってこないのが現状です。そこで今回の記事では、「インドネシアは不動産投資に向いているのか」、「外国人でも不動産を購入できるのか」、「年中温かいバリ島に別荘を建てて暮らしたい」といったインドネシアの不動産の魅力をお知らせします!

インドネシアとはどんな国?

インドネシア共和国(インドネシアきょうわこく、インドネシア語: Republik Indonesia)通称インドネシアは、東南アジア南部に位置する共和制国家であり、首都はジャワ島に位置するジャカルタです。(2024年にカリマンタン島東部に首都移転、新首都名は群島を意味する「ヌサンタラ」)

5110kmと東西に非常に長く、また世界最多の大小さまざまな島々を抱える国家です。赤道にまたがる1万3466もの島により構成されています。

インドネシア基礎データ(※1)

項目内容
面積
約192万平方キロメートル(日本の約5倍)
人口
約2.70億人(2020年、インドネシア政府統計)
首都
ジャカルタ(人口1056万人:2020年、インドネシア政府統計)
※2024年に首都移転
民族
約300(ジャワ人、スンダ人、マドゥーラ人等マレー系、パプア人等メラネシア系、中華系、アラブ系、インド系等)
言語
インドネシア語
宗教
イスラム教:86.69%、キリスト教:10.72%(プロテスタント:7.60%、カトリック:3.12%)、ヒンズー教:1.74%、仏教:0.77%、儒教:0.03%、その他:0.04%
名目GDP
10584億米ドル(2020年)
一人あたりGDP
4349.5米ドル(2020年)
物価上昇率
1.8%(2021年)

インドネシアは言語、文化、宗教などの多様性が統一された多民族国家

古代から通商貿易の中継地として発展して来た歴史背景があるインドネシア。長い間の文化交流の結果、元々の土着文化にヒンドゥー教、仏教、儒教、イスラム教などの強い影響を受けた文化がうまれました。

インドネシアの僻地には、まだ外国文化の影響を受けていない先住民の文化をまもっている地域もあります。メンタワイ族、アスマト族、ダニ族、ダヤク族、トラジャ族などは、未だに伝統的な衣装をまとい宗教儀式や古代からの習慣を守っています。

親日国インドネシアで共に発展した多くの日系企業

インドネシア共和国は、多くの労働人口、豊富な天然資源や農水産資源を有し、国内需要の拡大と海外からの直接投資にも支えられ大きく発展してきました。JETROの発表によると、2022年12月時点における日系企業のインドネシア進出数は1959社に上ります(※2)。トヨタ自動車、ダイハツ工業、三菱自動車、ホンダ技研、スズキ、ヤマハ、パナソニック、シャープ、エプソン、東レ、マンダム、ユニチャーム、ライオン、花王、味の素、ヤクルト、日清食品、旭硝子、公文といった名だたる大企業がインドネシアに進出しています。

大手企業から中小企業まで様々で、インドネシアの内部需要をメイン市場としている企業や、工場や仕入れをインドネシアで行い他国への輸送を中心としている企業もあります。業種も自動車関係から人材派遣業、代理店企業など、幅広い業種があります。

イオンモールショッピングセンターのジャカルタ店舗展開

郊外型大型ショッピングセンターのイオンモールはインドネシア・ジャカルタでも好調です。西ジャカルタ・タンゲラン地区の「イオンモール・ジャカルタBSDシティ(1号店)」、2号店は東ジャカルタ地区「イオンモール・ジャカルタガーデンシティ(2号店)」につづいて、そして2020年には南ジャカルタ・ボゴール地区で3号店目となる「イオンモール・セントゥールシティ」がオープンしました。

また、2022年5月には南ジャカルタに4号店「イオンモール タンジュンバラット」 がオープンしたほか、2024年春にはジャカルタ東部に5号店となる「イオンモール デルタマス」を開業する予定です(※3)

インドネシアではイオンモールの開業が続いており、日本人でも住みやすい環境があります。

インドネシアは新興国の中で最も安定した経済成長率を誇る国

インドネシアでは2020年の時点で人口は2億7000万人(日本の2倍以上、世界第4位)、2035年には人口3億人を突破すると予想されています。(※4)

平均年齢29歳!人口ボーナス期がしばらく続く

インドネシアは、総人口に占める生産年齢の人口比率が上昇する期間である「人口ボーナス期」が2030年ぐらいまで続くとされています。この時期には、労働力増加率が人口増加率を上回ることで、経済成長が後押しされます。

人口ボーナス期にある国は、個人消費の活発化による高い経済成長を実現する潜在的な能力を持ちます。これにより今後も中間所得層が増えていくことが期待されています。

安定感があるインドネシア経済

インドと中国に続く新興経済大国のなかで、インドネシアの経済成長率の安定感が注目されています。中国とインド以外に人口1億人を超えるメガ新興国は、インドネシア、ブラジル、ロシア、メキシコの4カ国です。これら4カ国の経済成長率は、2003 年から2008年前半にかけて非常に好調でした。

しかし、2008年9月に発生したリーマンショックの激震により、2009年にロシアとメキシコの経済がマイナス成長に陥り、2010年に一旦は回復したものの、2015年にはロシアとブラジルがマイナス成長に陥りました。

これに対して、インドネシア経済は最近10年間(2020年は新型コロナウイルス感染拡大でマイナスの成長率を記録)、概ね5~6%の成長率を安定的に維持しています。(※5)。

インドネシアは、アジア通貨危機直後のスハルト政権崩壊による政治社会情勢混乱の中で、1998年には経済成長率がマイナス13.1%と大幅に落ち込んでしまいました。しかし、その後は、経済成長率がマイナスになった年は2020年のみで、リーマンショック直後の2009年にも経済成長率の鈍化は軽微なものにとどまりました。

豊富な天然資源、投資対象国としての高まる可能性

日本の約5倍の国土を持つインドネシアは天然資源が豊富であることでも有名です。石油や天然ガス、石炭、銅、マンガンなどの鉱物や、パーム油、コーヒー豆、紅茶等の農産物、インドネシア近海で獲れるマグロ、カツオ、エビなどの水産物にも恵まれています。

このように、インドネシアでは多くの労働人口や豊富な天然資源を保有し、国内需要と外国からの投資に支えられ大きく発展しており、投資対象国として今後もさらに注目を集めるでしょう。

インドネシアの不動産投資市場の状況

1998年のアジア通貨危機や、スハルト政権の崩壊以降、インドネシアは着実に民主化を進めてきました。内部需要と海外投資に支えられ、首都のジャカルタを中心に目覚ましい発展を遂げました。しかし、経済発展とともに不動産価格も上昇し続けた一方、外国人に対しては購入の規制が厳しく、これまでインドネシア不動産投資はあまり注目されませんでした。

そこで、2015年に、ジョコ・ウィドド大統領の政権に移行した結果、外国人の不動産所有に関する規制が緩和されました。それまで25年間とされていた外国人の「使用権」が30年間に、さらに延長や更新をすることで最大80年までの権利が認められるようになりました。

それとともに外国人が不動産を購入する際には、最低購入価格という設定が設けられました。インドネシアの各州で異なりますが、ジャカルタでは一戸建ては100億ルピア(約8400万円)、アパートやマンションなどの区分所有は30億ルピア(約2520万円)が最低購入価格となります。

「巨大都市のジャカルタ」と「アジアを代表するリゾートのバリ島」

不動産投資の観点から見て有望だと思われるのは、首都のジャカルタがある西のジャワ島、世界的なリゾート地として発展しているバリ島を筆頭に、バリ島の東に位置するロンボク島、カリマンタン島の東にあるスラウェシ島など、今後もリゾートとしての発展性の高い島々に大別されます。

インフラ整備が着々と進められているジャカルタシティー

ジャカルタ市内のアパートメントの販売価格は、2012年以降から急激に上昇し、それに伴いアパートメントの賃料)も上昇しております。ジャカルタ市内のオフィス、特にビジネスセンター地区:CBD(Central Business District:Sudirman通り・HR.Rasuna Said通り・Gatot Subroto通りのトライアングルエリア)及びその周辺は需要の逼迫していることから、不動産販売価格、及び賃料は、年々上昇しています。

その要因として、日本や欧米企業の進出に伴い、駐在員やその家族向けのアパートメントの需要が高まったこと、さらには地下鉄区間を含んだ都市高速鉄道やモノレールなどの交通インフラの整備計画により、ビジネス中枢都市としての機能を発展させており、オフィス賃貸の需要が高まる可能性があります。大量移動を実現する高速鉄道の開通は、ジャカルタの渋滞事情を大幅に改善する可能性が高く、沿線の不動産価格上昇も期待されています。

外国人投資家が不動産投資で参入しやすいバリ島

日本人にも観光でおなじみのバリ島は、インドネシアにおいて特徴的な不動産投資エリアで、多くの外国人移住者が存在する独自のコミュニティーが出来上がっています。

ワールドクラスな有名ホテルが運営するリゾートがいくつもあり、レストランやカフェ、ナイトクラブなどの飲食店、アクティビティやスパといったエンターテインメントに加え、豊かな自然と独自の島文化などの魅力が詰まったバリ島は、一年中温暖な気候で過ごしやすく生活環境も快適です。

1点注意しておきたいのは、インドネシアでは「外国人は個人名で土地の登記をすることができない」ということです。これによりバリ島ではVilla(ヴィラ)と呼ばれる別荘を借地で利用するのが一般的です。また、バリ島に移住を希望する外国人が多いことから、外国人向けに英語でしっかりと物件を案内できる不動産屋がいくつも存在しています。

Villaはオーナーが使わない間に、バリ島旅行客や滞在者に宿泊施設として貸出しを行いインカムゲイン(家賃収入)を得ることができます。ジャカルタのコンドミニアムを賃貸に出した場合の利回りは約4.5%(※6)であるのに対して、バリ島では約10%(※7)ほどの高リターンを狙えます。

法律や税制面で外国人投資家にはハードルの高いインドネシアですが、バリ島に限っては「借地Villaを個人名義で買い、旅行者向けに貸出で回しインカムゲインを獲得し、借地期限をある程度残した状態で外国人に売る」という投資モデルが可能です。

1.外国人借地Villa売買マーケットが確立されていること

2.高い利回りが見込めること

上記の2点にバリ島における不動産投資のメリットがあります。

外国人がインドネシア不動産投資に参入する際の規制

インドネシアは経済成長で不動産の値上がりが期待できる国にもかかわらず、外国人に対しては不動産所有の権利のハードルが高いため、海外投資家の参入者が少ないという状況です。(バリ島や一部のリゾート島は例外です、多くの外国人が別荘を所有しています)

外国人・外国法人は、土地の所有権取得が認められておらず、「土地の利用権・使用権の取得」のみが認められています。インドネシア共和国における不動産の権利は、1949年の独立の際に全ての土地は国家の所有であるという概念にもとづき法律が制定されています。

土地の所有権は、インドネシア国民のほか、政府が許可した特定法人にのみ取得が認められています。このように、外資が不動産の権利取得制限を受け、大規模な不動産投資をすることができないことから、不動産価格の急激な上昇は抑制されていると考えられます。

東南アジアをはじめとする新興国で不動産投資を行う目的は、キャピタルゲイン(値上がり後の売却益)に期待がありますが、インドネシアでは「Freehold(所有権)」の権利が与えられる物件はインドネシア人しか購入することができません。

また外国人が個人名で購入ができる「Leasehold(借地権)」の物件は、20〜25、30年ごとに地主に借地料を払わなけばならないらず、キャピタルゲインが出にくい状況です。その代わり安く購入できるので、Leasehold物件を購入し、賃貸に出せばインカムゲインを期待できます。

なお、Freeholdの物件の売買は、外国資本100%のインドネシア法人を設立すれば売買が可能になりますが、設立までには数ヶ月~、場合によっては半年以上の期間がかかります。出資資本金も100億ルピア以上(約8400万円以上)が必要になるので、億単位で投資ができる人に限られます。

インドネシア不動産の種類と特徴

アパートメント

日本で言うところの、分譲マンションのことです。高層ビルの建物でプールやジムなどの設備が整っているところもあり、セキュリティ面も充実しており、外国人が購入する物件としては一番人気です。

タウンハウス

一戸建てないし長屋建ての構造で、塀で囲われた敷地エリアの中に建てられています。郊外にあることが多いため、アパートメントと比べて周辺環境が不便になることもありますが、敷地内には警備員がおり安全です。野外プールやテニスコート、ジムなどが整った場所もあります。二階建てや平屋タイプの建物など、タウンハウスによって間取りや作りは様々です。

戸建住宅

アパートメントと比べると、敷地面積が広いことが特徴です。そのため、警備員やメイドなど、管理を自分で行う手間やコストがかかります。

外国人がインドネシア不動産投資でリターンを得るには

外国人がインドネシア不動産投資でリターンを得るためには、以下の2つの方法を参考にできます。

・リターンを得る方法①

数千万円規模でも購入できる「Leasehold(借地権)」の物件を買い、賃貸に出して高いインカムゲインを得るか、収益を出せる別荘を運用し、数年~十数年保有してから借地権の残存期間を残して売り抜ける。

・リターンを得る方法②

外国人資本によるインドネシア法人(PMA)を設立して、値上がりが期待できる「Freehold(所有権)」の土地を購入しておく。これは数億円以上を投じることができる大口投資家向けの手法です。

以上の方法が、外国人でもインドネシア不動産市場でリターンを得るのに適した手法です。

個人投資家がインドネシアで数千万円程度の収益不動産を買うには、タイマレーシアカンボジアなどに比べると魅力が薄いかも知れません。しかし、着実で安定感のある経済成長を果たしているインドネシアは、アジア諸国やその他の新興国の中では優秀であり、人口増加の予想からも不動産市場の発展は大きく期待できます。

インドネシア不動産の購入・売却時にかかる諸費用

インドネシアでの税金は多国と比べてやや高めに設定されています。この点が多くの人にとってインドネシア投資参入の足止めになっている要因でもあります。買い手は土地・建物取得税5%、土地証書の取得1%、さらに高級住宅や別荘、コンドミニアムを購入する場合20%の贅沢品に対する課税があります。

インドネシア不動産購入時の諸費用

税金および費用物件価格に対しての割合
土地・建物取得税
5%
土地証書
1%
弁護士費用
0.50%~1.50%
登記費用
0.20%
贅沢品にかかる売上税
20%
固定資産税
最大0.5%

インドネシア不動産売却時の諸費用

項目物件価格に対しての割合
土地・建物譲渡税
5%
不動産エージェント費用
5%

インドネシア不動産投資におすすめのエリア

首都ジャカルタと、世界的な観光地であるバリ島それぞれにおける、不動産投資におすすめエリアを紹介します。

ジャカルタでの人気エリア

タムリン(Thamrin)

ジャカルタ市の中心スディルマン通りにあり、ビジネス街として多くの企業のオフィスが集まるエリアです。郊外からジャカルタシティーまでのアクセスは通勤時間は毎日ひどい渋滞が発生するため、ビジネス街に住む日本人の駐在員や外国人も増えています。

「プラザインドネシア」、「グランドインドネシア」など、大型ショッピングセンターや日本食レストラン、日本の食材を扱うスーパー、日本人経営の病院もあることから、日本人でも住みやすく、便利なエリアです。

スナヤン(Senayan)

ジャカルタ市の中心からから少し南側にあり、日本人や欧米人も多い商業エリアです。「プラザスナヤン」、「スナヤンシティ」などの大型ショッピングモールや、日本食レストランもあります。ゴルフ場近くの閑静な住宅街、日本語対応可能なクリニックも近く、便利な生活環境が揃っています。

クニンガン(Kuningan)

ジャカルタ市の中心からやや南東に位置するエリアです。高速道路へのアクセスが便利なため、ジャカルタ東部に位置するチカラン、ブカシ方面の工業団地へ移動通勤する在住者には便利な場所です。高級ホテルやショッピングモールも立ち並び、生活環境は便利です。

ブロックM(Block M)

ジャカルタ市の南側に位置するエリアで、スディルマンエリアや日本人学校に向かいやすいため、家族連れで在住する日本人に人気のエリアです。日本人街としての印象があるブロックMは日本食レストランが多く、日本の食材を扱うスーパーもあり利便性があります。「プラザブロックM」、「ガンダリアシティモール」といったショッピングモールも人気です。

ポンドック・インダ(Pondok Indah)

ブロックMよりもさらに南に位置する、南ジャカルタの閑静な高級住宅街です。ゴルフコース、インターナショナルスクール、日本語が通じる病院や日本食を扱うスーパーなどがあり、生活環境も良く家族連れの日本人に人気のあるエリアです。

クマン(Kemang)

欧米人に人気な高級住宅街といった印象があるクマン。ショッピングモールや、おしゃれなカフェやブティック、多様な種類のレストランがあり、家族連れの日本人にも人気なエリアです。ジャカルタ中心部までの車移動は時間がかかりますが、南北を結ぶ高速鉄道などのインフラ整備が完成すれば交通の利便が改善され、さらに魅力的な街となる可能性は高いです。

バリ島での人気エリア

スミニャック・レギャン(Seminyak・Legian)

バリ島でもっとも洗練されたレストランやナイトクラブがある海沿いには高級ホテルが立ち並び、欧米人の旅行者に特に人気があります。お洒落なカフェやブティックが並ぶオベロイ通り~プティテンゲット通りに沿って発展し、数多くの別荘やホテルが密集しています。

チャングー(Canggu)

一年中最高の波があるバリ島は、サーファーにとって永遠のパラダイス。サーフポイントのあるビーチを中心に周辺が続々と発展しているチャングーエリアは、今もっとも発展の勢いがある場所です。サンセットを見る人で溢れるビーチクラブやオーガニックカフェ、レストランなど、連日多くの欧米人で賑わっています。敷地を贅沢に使用したプライベートヴィラが多いのもチャングーの特徴です。

サヌール(Sanur)

バリ島が観光地として発展を始めた先駆けの場所であるサヌールは、今では落ち着いた大人のリゾートという雰囲気です。閑静な別荘が多くバリ島の民家の風情が色濃く残る人気エリアです。ビーチ沿いには老舗ホテルが多く、内陸側にはヴィラも多くバカンスを楽しむヨーロッパ人に人気のエリアです。

ウブド(Ubud)

四方を海で囲まれたバリ島の中で、ウブドだけは深い森林の中にあるリゾートとして、観光客にも非常に有名なエリアです。アユン川が流れる渓谷沿いにいくつもの5スター級ホテルが存在し、緑豊かな田園風景とバリ島の王族の文化と島民の暮らしが調和しています。

喧騒から離れた自然豊かなウブドでヴィラを建て所有する欧米人も多いです。モンキーフォレスト通り、ハノマン通り、王宮前通りには、レストランやカフェ、工芸品やお土産を売るお店もたくさんあり、毎日多くの観光客が訪れます。

ヌサドゥア・ウルワツ(Nusa Dua・Uluwatu)

大規模な商業ホテルエリアとして開発されたヌサ・ドゥア地区には、セントレジス、ウェスティン、ムリアホテルなど高級リゾートホテルが集合する広大なビーチリゾートエリアです。

このホテル地区の敷地にはゴルフ場やショッピングモールもあり、ヌサドゥアのホテルに滞在するツーリストも多いです。崖の上に佇む観光名所として有名なウルワツ寺院があるウルワツ~ウンガサン地区は断崖絶壁の上に建てられた、非日常観極まりないセンスの高い高級別荘が数多く存在します。

インドネシア不動産投資の購入ステップと注意点

インドネシアの不動産を購入する際は、以下のような流れとなります。

1.エージェントに問い合わせる

2.物件を視察する

3.購入申込書を提出し、予約申込金を支払う

4.売買契約を結ぶ

5.スケジュールに沿って支払いを行う

6.引き渡しを行う(物件の引き渡し後、一般的には数か月で登記が完了します)

7.入居の準備をする

インドネシアでは既存の物件を購入する時の代金は、一括払いが一般的です。ただし建設予定や建設中の状態の「プレビルド」と呼ばれる新築物件の場合は、分割払いが可能です。分割払いの途中において第三者へ譲渡することも可能です。

プレビルド購入時の注意点

プレビルドの物件は、少ない資金でも人気の高い物件を格安で購入することができます。また新築物件の売り出しは数年前から始まり、完成前に部屋が完売していることもあります。諸事情により完成しないリスクもあるため、その点を慎重に考慮した上で購入を決めることが重要です。

支払時にはルピアの用意が必要

インドネシアでは国内の消費や取引において、外貨での決済は制限があります。不動産購入時の支払いも基本はインドネシア・ルピアを使います。

為替リスクの注意

外国人はインドネシアの銀行でローンを組むことが難しく、融資が必要な場合は日本の銀行を利用するしかない状況ですが、日本の銀行の融資では円で借り入れてインドネシア・ルピアの資産に変えて保有をすることになるため、常に為替変動のリスクが伴います。

仲介会社の選び方

インドネシアの不動産を探す時には、信頼できる仲介会社のサポートも重要です。

・日本人経営の不動産会社、日本人スタッフがいる

・購入後、賃貸や管理のサポートをしてくれるか

・売却時もサポートしてくれるか

などを確認しながら、物件選びを進めると良いでしょう。

インドネシアの銀行ローンの利用は難しい

インドネシア国内においての住宅ローンは、どこの銀行もいまだに金利が10%を超えています。そのため日本人投資家がインドネシアでローンを組んで不動産投資をするケースはレアです。

外国人がインドネシアでローン調達することは難しく、インドネシア人でも積極的に不動産投資をしている富裕層は、自己資金で投資をしているケースが多いです。

リースホールド契約について知っておくべきこと

外国人の不動産契約において、ディベロッパー会社とリースを結んで、アパート(マンション)やコンドミニアムを手に入れる方法もあります。売買をしても、所有権利はディベロッパーや物件の管理会社、インドネシア人の名義となっています。

一定の期間リース契約がありますが、外国人が分譲アパートの所有権を認める法律改正が行われた場合、外国人オーナーにその所有権を譲渡するという内容になっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。インドネシアでは外国人の不動産所有に関する規制は、まだまだ厳しいところがあります。購入前にはしっかりと下調べをし、信頼のできるディベロッパーや不動産会社から、合法的に購入できる方法で不動産を取得することが最も重要です。

※この記事は、執筆時点で入手できた情報を元に作成された一般的な内容です。物件購入を検討される際には、物件に合った最新の情報を調査し、ご入手ください。

※1:インドネシア基礎データ

※2:JETRO「インドネシア」

※3:インドネシア共和国における5号店「(仮称)イオンモール デルタマス」建築着工について

※4:Population Pyramid「Indonesia」

※5:世界銀行「インドネシア経済成長率」

※6:NUMBEO「ジャカルタ利回り」

※7:NUMBEO「バリ島利回り」 

ライター:小野寺 涼
株式会社プランニングネットワーク「楽園Bali Style事業部」2008年よりバリ島に移住、現地不動産管理会社(プロパティーマネジメント)にて幅広いタイプの不動産の取り扱いに携わる。現在、フィリピンやインドネシア国内の投資案件、リゾート開発、不動産の購入・売却のサポートを行う(株)プランニングネットワークにて、現地事業責任者として従事している。

※本記事は当社にて一部編集しています。