2022-09-29

ハワイの不動産を購入する流れを8つのステップで徹底解説!

  • 海外不動産コラム

ハワイ不動産は海外不動産の自己利用も視野に入れている人や、長期的なキャピタルゲインを狙いたい人などにおすすめです。人気のハワイ不動産ですが、海外で不動産を購入する場合、日本と大きく異なる不動産購入のプロセスに戸惑う方も多いでしょう。そこで、今回はハワイで不動産を購入する方法について、8つのステップで詳しく解説します。

ハワイ不動産・コンドミニアムを購入する8つのステップ

ハワイ不動産購入ステップ1.ハワイの銀行口座を作る

ハワイ不動産の購入を考えるなら、まずハワイで銀行口座を開設しておくと何かと便利です。手付金や手数料用の現金を銀行口座に入れておけば、気に入った物件を見つけたときにすぐに購入を申し込めるので、口座開設は早めに済ませておくのがおすすめです。

ハワイの代表的な銀行はバンク・オブ・ハワイやファースト・ハワイアン・バンクのほか、セントラル・パシフィック・バンクです。どの銀行も日本語に対応しており、簡単に口座を開設できます。

ハワイ不動産購入ステップ2.不動産仲介会社を決める

次に、ハワイの不動産仲介会社を決めます。仲介会社を決めるポイントは、取り扱い物件数が多いことや、ハワイの不動産や各エリアの特徴について精通していること、物件のデメリットなどを丁寧に説明してくれることです。

また、ハワイの銀行で不動産ローンを組みたい場合は、経験豊富なローンオフィサーを紹介してくれるかも重要となります。さらに、物件購入だけでなく、賃貸管理まで請け負っているエージェントを選ぶことで、管理会社探しの手間を省けます。

とくに、ハワイでは、不動産業を営む日本人も多く、日本人を対象とした不動産仲介会社に賃貸管理まで任せれば安心して投資できます。

ただし、ハワイは日本との時差が19時間あるので、不動産仲介会社とのコミュニケーションには要注意です。英語が堪能でない方は、英語対応のみの仲介会社を選ぶと、手続きがスムーズに進まないリスクがあります。

ハワイ不動産購入ステップ3.ローンオフィサーの審査をうける

ハワイ不動産購入時に、ハワイ現地の銀行でローンを組みたいと考えている場合、ローンオフィサーへ確認が必要です。ローンオフィサーとは、不動産ローンに関するファイナンシャルプランナーのような存在で、購入希望者の属性をもとに、どの銀行からどのローンでいくらくらい借りられそうか診断してくれます。

なお、日本在住の日本人でも、ハワイ現地の銀行でローンの申請を行えます。ローンオフィサーによる診断が下りると、Pre Qualification Letter (プリクオリフィケーションレター)を発行してもらえます。

希望の物件が見つかり売り手にオファーする際に、プリクオリフィケーションレターを提出することで、利用可能なローンの金額を証明できます。一般的に、アメリカ非居住者がローンを組む場合、頭金は30%~50%必要と言われています。

また、日本の銀行でもハワイ不動産投資に融資している金融機関はあります。ただし、日本の銀行を利用する場合は、融資限度額が物件評価額の50%であることが多く、物件価格の半分は自己資金の用意が必要です。さらに、金利についてはハワイの銀行よりも日本の銀行の方が低いため、キャッシュフローを出しやすい点はメリットと言えます。

いずれの場合でも初めてハワイの不動産を購入する方は、フルローンを利用するのが難しく、自己資金の準備が必要です。ハワイ不動産投資のローンについては、こちらの記事でも解説しているので、併せてご覧ください。

ハワイ不動産を購入する際に住宅ローンが組める銀行7選

ハワイ不動産購入ステップ4.自分の希望に合う不動産を探す

ローンの利用可能額が判明し、予算が決まったところで具体的な希望条件を決めていきます。投資目的に応じて物件の種類やエリアが異なるので、よく調べてから購入するようにしましょう。

たとえば、インカムゲインやキャピタルゲインを狙うのであれば、ホノルルなど都心の物件がおすすめです。また、別荘やリタイア後の居住地として考えるなら、観光地の喧騒を少し離れたエリアの一軒家やコンドミニアムなども選択肢に入ります。

なお、オアフ島の中でも、ノースショアやカネオヘなど北部のエリアでは、高価格で広い物件も多いです。北部の物件で賃貸運用を考えるのであれば、入居者ターゲットの設定に注意しなければなりません。

通常、高価格な物件では家賃も高くなりますが、高額な家賃を支払える居住者は限られます。また、都心から離れたエリアで物件を選ぶのであれば、ハワイでは車移動が一般的なため、駐車場は必須条件です。入居者付の戦略を考えないままに高級物件への投資に踏み切ると、空室リスクを軽減できないので要注意です。

物件種別については、年に何回か使う別荘地として考えるなら、コンドミニアム、ホテルコンド、タイムシェアなども有効と言えます。ハワイ不動産投資で失敗しないためには、投資目的を設定してから目的に合致するエリアおよび物件を決めるのが重要です。

内見時には、以下のようにチェックリストを作成し、希望条件を満たす物件を探すようにしてみてください。

物件の種類 チェック項目
コンドミニアム
・ゲスト向け駐車場の有無
・建物の周辺の環境
・落書きはないか
・夜道を安心して歩ける
・風通し、水回り、廊下や共用施設の管理が行き届いているか
・眺望のいいコンドミニアムの場合、将来他のコンドミニアムやビルが建設される可能性があるかどうか
一戸建て
・駐車場の有無
・車がない場合バスの便・バス停までの距離
・スーパーや病院など生活の利便性

ハワイ不動産購入ステップ5.購入条件のオファーと回答

購入したい物件が決まったら、購入契約書に購入希望価格、支払方法(現金 or ローン)、手付金をいくら入れるかなどを記入します。また、ローンオフィサーに発行してもらったプリクオリフィケーションレターを添えて、売り主のエージェントにオファー(購入申し込み)してください。

一般的に、売り主側からは通常48時間以内に、以下のような返答が来ます。

・ACCEPT(アクセプト): 受託、売買契約成立。

・REJECT(リジェクト):拒否

・COUNTER OFFER(カウンターオファー):条件変更の申し出

たとえば、売り主からの回答が「カウンターオファー」の場合、購入希望者はその条件に対して、アクセプト、リジェクト、カウンターオファーのいずれかの返答をします。お互いが納得するまで何回かカウンターオファーを繰り返すこともあり、最終的に折り合いがつけば入札成功です。

ハワイ不動産購入ステップ6.エスクロー開設と物件調査

不動産の売買契約が成立したら、エスクローが開設されます。エスクローとは、売り手と買い手の公平な取引を仲介する会社のことです。

図:エスクロー決済のイメージ

ハワイ不動産投資で実施される購入物件の調査は2種類あります。1つ目は、物件の権利関係に関するもので、エスクロー会社が調査します。具体的には、物件の所有権や抵当権といった権利関係の調査がエスクロー会社の役割です。

2つ目は、要修繕箇所の調査です。アメリカでは契約適合責任(=瑕疵担保責任)といった考え方がありません。物件購入後に隠れた修繕箇所などが見つかった場合は、あらかじめ確認していなかった買主の責任とされるため注意しましょう。

物件の修繕箇所を確認するためには、「インスペクション」と呼ばれる物件の点検をします。インスペクションは専門の業者が行うため、基本的に買主側で費用を負担します。インスペクションの費用は業者によって異なりますが、最低でも1,000ドル(約14万円)ほどかかります。

修繕箇所が見つかった場合は、修繕の費用負担区分について売主と交渉します。ただし、売買契約書に「As Is(=現状引き渡し)」と条件がついている場合は、売主と交渉自体できません。

つまり、売買契約を締結する前には、修繕費用負担の条件に加えてローン特約の有無などを確認することが大切です。物件購入にローンを利用する場合は、ローン審査に通過できないことも考えられます。ローン特約には、審査通過できなかった場合の手付金返還有無について記載されます。特約がない場合は、審査通過できなかった場合に手付金を取り戻せない可能性もあるので要注意です。

ハワイ不動産購入ステップ7.権利書用書類の作成と支払い

エスクロー会社の弁護士が権利移転の書類を作成し、これが買い手の権利書となります。

買い手は、登記予定日の2日前までに手付金を引いた残金を、エスクロー会社へ支払う必要があります。ローンを利用する場合は、頭金から手付金を差し引いた金額が支払額です。

また、日本の銀行から送金する場合は、着金までに1日〜数日かかることもあるので、余裕を持ってスケジュールを立てるようにしてください。

ただし、日本の銀行では窓口担当者が取り扱い経験を持っていないなどの理由で、海外送金手続きを断られることがあります。スムーズに手続きを進めるためには、送金対応の可否について、あらかじめ電話で銀行に確認しておきましょう。入金の確認が取れたら、売主と買主の両者が必要書類にサインします。

とくに、「クロージングステートメント」と呼ばれる精算確認書類については、サインする前に内容が合っているか確認が必要です。仮に金額に誤りがあったとしても、1度サインしてしまうと内容の修正や返金要求などができません。

ハワイ不動産購入ステップ8.登記完了

最後に、クロージングステートメントにサインすると、エスクロー会社から「ワランティーディード」と呼ばれる書類が発行されます。ワランティーディードは、日本で言うところの物件所有権登記済証に該当するため、物件を所有している限りは保管しておいてください。

ハワイ不動産購入時の諸経費

ハワイ不動産購入時に、以下のような諸経費がかかります。

・エスクロー費用→購入価格の1~2%

・ローン費用→ローン総額の2~2.5%

・タイトルインシュアランス(不動産権保険費用)

・登記費用

・固定資産税

「タイトルインシュアランス(不動産権保険費用)」とは、物件の権利に関する瑕疵を原因として買主が損害を被った場合に、損害額を保障する保険のことです。

タイトルインシュアランスには、「オーナーズタイトルインシュアランス」と「レンダーズタイトルインシュアランス」の2種類があります。前者は物件の購入者のためのものであり、後者は購入者に融資した銀行のためのものです。

ハワイ不動産投資でローンを利用する場合はタイトルインシュアランスの加入が必須となります。保険料は、購入した物件の値段により変わりますが、おおよそ1,000ドル(約14万円)です。

また、固定資産税は、所有権移転日を境に売主と日割精算します。固定資産税に関しても、クロージングステートメントに費用が記載されるため、サインする前に確認しましょう。

アメリカ不動産投資では、仲介手数料を売主が全額負担します。物件購入時点では、買主は仲介手数料を支払う必要がありません。

ハワイ不動産の運用に関する税金

ハワイの不動産を購入すると、物件購入後に固定資産税やGET・TATといった税金がかかります。固定資産税については、物件が立地するエリアの行政から税額通知および払込書が送られてくるため、期日までの支払いが必要です。税率については物件評価額の1%前後となります。

そのほか、「GET」は、事業を営む人に対して課税される売上税であり、税率は5%前後です。また、ホテルコンドミニアムを運用している場合は「TAT」と呼ばれる宿泊税もかかります。

【2022年最新】ハワイ不動産・コンドミニアムの価格推移

ハワイの「ホノルルリアルター協会」のレポートに基づき、ハワイ・オアフ島における戸建住宅・一軒家とコンドミニアムの価格推移を紹介します。

戸建住宅・一軒家の価格推移

ホノルルリアルター協会によると、ハワイ・オアフ島における2022年8月の戸建住宅・一軒家の中間価格は、1,125,500ドル(約1億6,000万円)で前年同月比(2021年8月)で7.2%上昇する結果となりました。販売数は前年比26.1%の減少で314件あったものの、高額物件の販売が順調であることが中間価格上昇の理由に挙げられます。(※1)

コンドミニアムの価格推移

次に、コンドミニアムの中間価格は、同じく前年同月比0.3%減で498,500ドル(約7,200万円)でした。また、販売数に関しても508件で、前年同月比24.7%減少する結果となりました(※1)。販売数だけでなく、不動産価格が伸び悩んでいる状況と言えます。

ハワイ不動産・コンドミニアム購入や投資の注意点

ハワイの不動産購入では、いくつかの注意点に気をつけるようにしましょう。

物件価格に応じて頭金をいくら用意するかを決める

ハワイ不動産を購入する際には、物件価格に応じて頭金をいくら用意するかを決めるようにしましょう。購入手順でも解説したとおり、ハワイ非居住者でもハワイの金融機関でローンを申請することは可能です。

しかし、基本的には、物件価格の50%に当たる頭金を用意する必要があります。不動産仲介会社とも相談し、頭金の用意を進めるようにしましょう。

借地権利用時に「土地借用料」がかかる

ハワイの不動産を購入するにあたって、所有権や借地権などの権利を利用することとなります。所有権とは、土地を含めて権利者の所有が保有することで、不動産の使用・収益・処分を権利者がすべて行えます。

一方、借地権とは、他人の土地を借りて、その上に建物をたてて住み、それを活用させてもらう権利です。この借地権を使って物件を購入する際に、土地借用料がかかります。

中古物件購入による節税対策は難しい

ハワイの不動産購入は、節税対策に効果的であると言われていました。しかし、令和2年度の「税制改正大綱」により、海外不動産で生じた減価償却費の計上が不可能となったことを受けて、ハワイ不動産購入による節税対策は難しいのが現状です。

ただし、海外不動産の維持を目的とした経費の計上は可能です。たとえば、物件の修繕費、管理費、支払金利、火災保険などは経費に認められます。

ハワイ不動産・コンドミニアム購入や投資におすすめのエリア

さまざまな不動産があるなかで、どのエリアの物件を購入するかが重要となります。ハワイの不動産やコンドミニアムなどの購入におすすめのエリアを3つ紹介します。

オアフ島

ホノルル

ホノルルは、オアフ島にあるハワイ州最大の都市です。後述するワイキキをはじめ、ダイヤモンドヘッド、イオラニ宮殿など観光客に人気のエリアです。ホノルルの1平方メートルあたりにおける不動産価格は、8,559ドル(約120万円)です。(※2)

ワイキキ

オアフ島ホノルルにあるワイキキは、観光客が訪れるショッピングモールや高級ホテルが立ち並ぶエリアです。コンドミニアムも多いエリアで、個人から家族向けのタイプまでさまざまな物件があります。1平方メートルあたりにおける不動産価格は、7,071ドル(約100万円)です。(※2)

カイルア

カイルアは、オアフ島で最も美しいといわれるラニカイ・ビーチがあるエリアです。ホノルルからはバスで約50分の位置にあり、別荘地としても知られています。カイルアの1平方メートルあたりにおける不動産価格は、5,381ドル(約75万円)です。

まとめ

ハワイでの不動産購入には、ローンオフィサーの存在やエスクロー会社など、日本では馴染みのない法律や手続きがあるため、戸惑う人も少なくありません。しかし、日本語対応が可能なエージェントを選べば、安心して取引を進められます。

ハワイ不動産投資をするのなら、ハワイで日本人に不動産仲介をしている経験豊富なエージェントに相談するのがおすすめです。当社では、ハワイ不動産は取り扱っていませんが、将来的に不動産価格の上昇が見込まれている東南アジア不動産を販売しています。移住・居住目的はもちろん、インカムゲイン・キャピタルゲインによる収益を狙っている方は、ぜひお問い合わせください。