世界各地で不安定な情勢と経済成長の低迷が続く中、ベトナム経済は成長率6.76%(2019年上期)と順調に発展している。今年上期の外国からの直接投資の総額は184.7億ドル(約1兆9,680億円)に上り、この額は昨年同時期の90.8%に相当する。また、今年6月にはEUとの自由貿易協定が締結され、EU~ベトナム間の経済協力も拡大している。

総合不動産サービス会社JLLによるレポートでは、今後注目のベトナム南部の都市がまとめられている。

ビンズオン省
ビンズオン省には強固な経済基盤があり、ビジネスをサポートするための行政手続きも整っている。商業地の賃料は、1㎡当たり80ドル(約8,500円)程度である。製造業の急速な発展とともに雇用機会も多く生まれているが、成長スピードに人材の確保が追い付いていないのも現状である。
労働者の増加で、不動産の供給は増加し、アパートメントやオフィスの家賃も上昇している。平均価格については、アパートメントが1㎡当たり939ドル(約10万円)程度、土地付き戸建てが1㎡当たり1,374ドル(約14.6万円)程度、オフィスについては1㎡当たり11.5ドル(約1,100円)/月 程度である。

ドンナイ省
製造業が中国からベトナムへとシフトしたことで、ドンナイ省への需要も高まっており、2019年第2四半期の平均地価は、過去最高となる1㎡当たり90ドル(約9,590円)に達した。地域内の住宅数は決して多くないものの、大幅なインフラ改善で平均価格は1㎡当たり1,150ドル(約12.3万円)へと押し上げられ、現在ベトナム南部で最も高額な地域となっている。土地付き戸建ての平均価格は、1㎡当たり1,273ドル(約13.5万円)程度である。オフィスについては供給数が多く、価格競争が起こり1㎡当たり10ドル(約1,065円)/ 月と比較的安価である。

バリア・ブンタウ省
この地域は長いこと石油と観光に支えられてきた。最近では、再生可能エネルギーへの投資獲得に積極的である。価格についてはアパートメンが1㎡当たり939ドル(約10万円)程度、土地付き戸建てが1㎡当たり1,658ドル(約17.7万円)程度、オフィスが1㎡当たり8.9ドル(約948円) / 月となっている。

ロンアン省
ビンズオン省・ドンナイ省と並び、ロンアン省も投資家の注目を集めている。ロンアン省の工業団地の賃料は1㎡当たり100ドル(約1万円)を超えるなど、大きな上昇率となった。産業の成長に伴い労働者も増えているが、省内にアパートメントは建てられていない。土地付き戸建ての平均価格は、1㎡当たり1,368ドル(約14.5万円)程度となっている。ロンアン省の住宅部門は、投資家にとって今後魅力的なエリアとなる可能性がある。またオフィスについても前述の地域の中でも最も少なく、賃料についても1㎡当たり4.3ドル(約456円)と格安になっている。

【参照】Uncovering top provinces in Southern Vietnam 2019

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セカイプロパティ編集部
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