世界の名門不動産企業TOPインタビュー Vol. 3
KPGB(カルジャヤプロスペクトグループ社)代表取締役 Tee Eng Ho(ティ氏)
ティ・イング・ホ氏:マラッカで幼少期を過ごし、トゥンク・アブドゥル・ラーマン大学にて建築学を学んだ。1988年に同大学を卒業後、建設業界に就職し、それ以降28年間この業界と関わっている。カルジャヤプロスペクトグループ社(KPGB)の前身であるカルジャヤプロスペク社(KPMSB社)を設立。
会社詳細
カルジャヤプロスペク社は、カルジャヤプロスペクトグループ社の前身ティ・イング・ホ氏自身と妻(ダティン・ト・シィウ・チョン氏)、彼の兄弟(ティ・イング・セン氏)の3人により1995年に設立された。KPMSB社は小さな事業から始まったが、マレーシア最大手企業のSP セティア(SP Setia)、エコワールド(Eco World)や、イースタンアンドオリエンタル(E&O)、ヨンタイグループ(Yong Tai)、BCBグループとヌスメトログループ(Nusmetro)などの上場企業を含む何十万もの会社と取引・協業し、多くの有名高級高層ビルをマレーシアに建設してきた。
カルジャヤプロスペク社は2011年ダタク・ティー氏によって、マレーシア証券取引所に上場を果たし、建設業を中心にさらに事業を拡大していった。こうした背景から、当時、照明器具やキッチン棚、オフィス家具などの製造を行っていたフツテック社をKPMSB社の傘下に入れ、カルジャヤプロスペク社は現在のカルジャプロスペクグループ(KPGB社)となった。
ダタク・ティー氏はさらに会社を成長させるため、今までにない高いビジョンと目標を掲げ、現在、KPGBは、RM2.7B(約667億円)相当の受注があり、マラッカ、クアラルンプール、ジョホール、ペナンに物件を保有している。現在、KPGB社は強固な財務基盤をもち、マレーシアにおいて先進的で高品質な商業施設や住宅の建設を行う企業として広く知られている。
会社の企業理念を教えていただけますか?
私たちは、「会社の成長と発展」を会社の方針として掲げています。このために私たちは毎年掲げた厳しい受注目標を達成することを施策として行っており、これにより今後も大切なお客様を増やし、お客様へ利益を向上さるための価値を提供し、会社の発展へと導いていきたいと思っています。また、私たちの会社ではこれまでの建設業界での平均的な利益率を上回ることができるようサプライチェーンと作業効率化に注目しています。これに加え、従業員によって業務成果に大きな差がでないようにするための労働力の効率化戦略を社内で行っております。
会社のビジョンを教えていただけますか?
「不動産業界において建築や不動産開発を通して、人々から信頼され好まれるリーディングカンパニーとなる」という事をビジョンとして掲げております。持続して成長しつづける企業として、総合的な建設に関する提案ができること、そして高品質かつ適切な価格で提供できることが、現在のお客様の維持、または新規お客様の獲得にとって大切だと確信しています。この観点では、私たちのお客様であるSP セティア、エコワールド、イースタンアンドオリエンタルのように業界において高い評価を受けている会社との取引においても明らかです。
会社を経営するうえで何が大切だと思われますか?
一番大切なことは、組織において優れた技量をもつ人材を育てることです。組織の成功は健全な経営陣を含め、その組織で働く人の技量によって決まります。また、良いチームワークと広い知識がなければ、この会社は今日までの成功は成し得えなかったでしょう。
しかしそれだけでなく、財務管理も会社を持続的に成長さえるためにはとても重要です。ローンや借金をする代わりに、私たちは徹底した財務管理を行っています。高い財務管理能力なしでは、会社を維持することも、成長させることもできません。また、納期内にプロジェクトを完了させることもまたお客様からの良い評判にも繋がると考えています。
会社の強みを教えてください
カルジャヤプロスペクトグループ社には沢山の強みがあります。特に健全な経営、強固な財務基盤、そして技術力のある人材と設備面での強力なサポートです。また、私たちは高層ビル事業において革新的な技術を持っています。これによって、私たちの核心となる高品質で、効率的な事業展開が可能となっています。また、私たちは単なる建設業者ではなく、ソリューションプロバイダーカンパニーとしての機能を持っています。KPGB社は、総合建設会社として納期・費用・品質といった総合的なサポートをお客様に提供することができます。これに加え、私たちの会社はこの業界において広く知れ渡っており、建設業における十分な信頼があります。
現地か、海外、どちらのマーケットに目を向けていますか?
現在は、現地マレーシアのマーケットに注力しています。主に、マレーシア西部を中心に建設しています。一方で、マレーシア東部でのプロジェクトも間もなく始まります。海外については、2年後を目標に本格的にビジネスを始める予定です。そして、海外の不動産開発企業と協業することも、いつでも大歓迎です。近年では、世界的にも有名な中国の建設会社(China Communications Construction Company Group)とペナンの埋め立て事業をRM55,000,000,000(約1.4兆円)を共同で実施した実績があります。
2017年の会社の目標はなんですか?
会社内の目標としては、収益を2倍に拡大させることです。2016年に売上高RM100,000,000(約25億円)を達成したので、今年はジョホールにあるSky 88(スカイ88)や首都のクアラルンプール北部にある Eco Sky(エコスカイ)、世界遺産の街で有名なペナンに位置するThe Tamarind Executive Apartments(タマリランド アパートメント)、Tanjung Penang (タンジョン ペナン)などこれらの物件を通し、2017年は売上高RM800,000,000(約198億円)を目指しています。よって、目的に到達するために、今までの事業で蓄えてきたスキルとノウハウを活用して良質な建物をお届けしたいです。
最近、建設を手掛けた物件を教えてください
現在私たちはとても多くのプロジェクトを手掛けているため、どれが最新かということを正確にお伝えできませんが、ペナン、ジョージタウンにあるEco Terrace(エコテラス)が2018年12月に完成する予定です。この他にも、カジノで有名なゲンティンハイランドに行く途中に位置する、KPGB社が開発部門を設立して初のプロジェクトとなるGohtong Jaya(ゴートンジャヤ)のVista Residence(ビスタレジデンス)が2018年3月に完成予定です。私たちは費用効率化とリソースという面において、技術がより発揮できる高層ビルのプロジェクトを中心に現在は実施しています。
日本の建設業者・不動産会社へのメッセージ
私たちには、現在受注済みのプロジェクトがRM2,700,000,000(約70億円)あり、これは年間収益の3倍にあたります。これは、つまり今後3年間受注ができなくても会社を支えていける収益が確保できていることになります。現在の為替の事情を鑑みると、日本人投資家にとってマレーシアの企業に投資することはとても効率が良いです。その中でも、もちろんより優れた企業に投資すべきだと考えています。この点では私たちの会社は強固な財務基盤、技術力、そして多くのリソースを持っており、マレーシアの中で優れた建設企業の一つです。みなさまからのご連絡お待ちしております。